えろがっぱーず、現る!

■ショートシナリオ


担当:ゆうきつかさ

対応レベル:1〜5lv

難易度:普通

成功報酬:1 G 35 C

参加人数:13人

サポート参加人数:-人

冒険期間:09月20日〜09月25日

リプレイ公開日:2004年09月27日

●オープニング

 最近『えろがっぱーず』なる河童の集団が、この辺りの村を騒がせているようだ。
 『えろがっぱーず』はノミが大量に詰まった袋を持ち、それを娘達にむかって放り投げているらしく、あまりの痒さに娘達は服を脱ぎ始めてしまうらしい。
 しかも『えろがっぱーず』は男達から見物料を巻き上げ、その金で裕福な暮らしをしているようだ。
 それでも男達にとって『えろがっぱーず』は神に等しい存在らしく、何度も『えろがっぱーず』を捕まえようとしたのだが、そのたび男達の妨害にあったため未だに『えろがっぱーず』の犯行は続いている。
 そこでお前達に『えろがっぱーず』を退治して欲しい。
 『えろがっぱーず』は美しい女性を見ると、襲わずにはいられない性格だから、それほど苦戦する事はないだろう。
 ノミ袋にさえ注意しておけば、大して恐ろしい相手でもないからな。
 あとは男達をどうするか、だ。
 せっかくの楽しみを奪う事になるのだから、間違いなく妨害をしてくるだろう。

●今回の参加者

 ea0031 龍深城 我斬(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea0196 コユキ・クロサワ(22歳・♀・ウィザード・エルフ・ロシア王国)
 ea0404 手塚 十威(26歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea1405 鳳明 美輝(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea2160 夜神 十夜(29歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea2517 秋月 雨雀(33歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea2722 琴宮 茜(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3809 山浦 とき和(33歳・♀・浪人・人間・ジャパン)
 ea3865 虎杖 薔薇雄(35歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea4063 霧生 壱加(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea4162 フィール・ヴァンスレット(30歳・♀・クレリック・パラ・フランク王国)
 ea5557 志乃守 乱雪(39歳・♀・僧侶・人間・ジャパン)
 ea6926 烈牙 飛叡(35歳・♂・ファイター・人間・華仙教大国)

●リプレイ本文

「ふっ、今回は己の欲望のままに動く河童とそれに乗せられた男たちが相手だね。今回も美しく相手してあげようじゃないか」
 バラの甘い匂いを漂わせ、虎杖薔薇雄(ea3865)が髪を掻き上げた。
 既に薔薇雄ワールドが炸裂している事もあり、素敵なフェロモンがあたりに漂い始めている。
「エロガッパ‥‥まさかそのまんま地で行く連中がいるとはな‥‥。しかも、それを喜んでいる男衆が金まで払うとは‥‥世も末だ。河童は勿論男衆にも十二分に反省してもらおう」
 呆れた様子で腕を組み、龍深城我斬(ea0031)が溜息をつく。
 河童だけならまだしも男達まで一緒になって悪ノリしているため、何とかして彼等の間違いを正したいと思っているようだ。
「なにー、畑泥棒の次はえろがっぱーずなの!? 河童も河童だけど一緒に喜んでいる村の男衆も最悪っ! 天誅くらわしてやらないとね」
 男達に対して怒りを感じ、霧生壱加(ea4063)が拳をぷるりと震わせた。
 余計な面倒が増えたため、少し呆れているようだ。
「えろがっぱーずは娘達を見つけると、手当た闔汨謔ノ襲っているようですね。最近は色々と味を占めたためか、男達からキュウリをもらって悪事を働いているとか‥‥」
 冒険者だと悟られないようにするため胸にサラシを巻いて男の子に変装し、鳳明美輝(ea1405)が女性達から聞き出したえろがっぱーずの噂を話す。
 女性達の大半は男達とかなり険悪なムードになっているためか、美輝と話をしている間もずっと警戒していたようだ。
「前は面白みのない依頼だったからな‥‥。今回でたっぷり目の保養を‥‥。おっと‥‥冗談だ。最近は河童達も手段を選ばなくなって「るようだな。よほど依頼が多いらしい」
 美輝に睨みつけられたため、夜神十夜(ea2160)が気まずい様子で咳をする。
 男性というだけで女性達から避難されたため、あまり無用心な発言はしないようにしているらしい。
「男達はかなり河童に感謝しているようね。毎日が極楽だって喜んでいたわ」
 薔薇雄に女装を施してもらい、秋月雨雀(ea2517)が男達から集めた情報を話す。
 男達からは『ここだけの話』と念を押されていたのだが、これ以上被害者を出さないためにも話す事にしたらしい。
「‥‥ですが、ここまで被害が多いと、場所を特定する事は難しいかも知れませんね」
 旅の村娘を装い情報を集め、琴宮茜(ea2722)が困った様子で溜息をつく。
 同じ女性という事で色々な情報を得る事が出来たのだが、あまりに情報が集まり過ぎてしまったため逆に動きづらくなっている。
「なあに簡単な事よ。女の子達が外に出なきゃいいんだから♪」
 黒生地で右半身朱色の番傘が絵柄に入っている大胆な着物を身に纏い、山浦とき和(ea3809)が仲間達に対してウインクした。
「それじゃ、気合を入れて頑張るか! 別に変な事なんて考えてないからな!」
 そして烈牙飛叡(ea6926)は苦笑いを浮かべながら、河童退治にむかうのだった。

「うち‥‥鈍くさいから、最初に狙われそうやね‥‥。あ、でも可愛い女の子や、綺麗な人は他に一杯居るし、私なんかじゃ‥‥目もくへんかも‥‥」
 そわそわとした様子で辺りを何度も見回しながら、コユキ・クロサワ(ea0196)がえろがっぱーずを警戒する。
 女性達が家に閉じこもっている事もあり、男達の注目は旅人であるコユキ達と集まっているようだ。
「欲望に正直は立派だが〜覗きはいかんぞ〜堂々人生♪ ‥‥てね♪ もう少しリラックスしたほうがいいわよ。そんなに警戒していたら、河童達に怪しまれるから‥‥」
 今日の為に考案した完全オリジナル『とき和のずんどこ節』を歌いながら、とき和が着物を脱いで左肩を露わにした。
 えろがっぱーずを誘惑するためには胸の大きさが足らないため、さらしの中に湯通ししたこんにゃくを詰めていく。
「や、やっぱりそうやろうか」
 動揺した様子でとき和を見つめ、コユキも同じようにこんにゃくを詰める。
 貧乳好きの河童も多いと思うが取り外しする事が出来るため、最初は巨乳をアピールし後半は貧乳路線で行くようだ。
「それにしても、秋月さんすっごい綺麗w これなら絶対にばれないよー」
 こんにゃくを詰めてバストアップしている雨雀を見つめ、壱加が瞳をランランと輝かせ彼の事を褒めまくる。
「うふふ‥‥。それじゃ、ちょっとサービスしちゃおうかしら」
 色っぽさを重視して、雨雀が胸のこんにゃくを増やす。
「‥‥誰かに尾行されているような気がしませんか? 後ろからペタペタと音がするんですが‥‥」
 背後からキュウリをかじる音が聞こえたため、茜が小声で呟きゴクリと唾を飲み込んだ。
「それって河童やあらへんか?」
 背後に意識を集中し、コユキが警戒した様子で身を強張らす。
 河童達は荒く息を吐きながら、興奮気味に頭の皿を磨いている。
「‥‥くるわ。気をつけて!」
 河童達が一斉に動いたため、とき和が仲間達にむかって声をかける。
「カーッパパ! お前達に逃げ場は無い! 大人しく観念するんだな!」
 左手にキュウリ、右手にノミ袋を掲げ、えろがっぱーずがエロエロと笑う。
「きゃー、襲われるぅ〜」
 思いっきり大声を出し、壱加が怖がるフリをする。
「おひょひょひょひょ! みんなカイカイにしてやろう!」
 ノミの入った袋を投げつけ、えろがっぱーずがゲラゲラと笑う。
「ごめんなさいっ!」
 雨雀の背後に素早く隠れ、茜が怯えた様子で目を閉じた。
「えっ? あっ‥‥きゃあ!? あたしを脱がしてどうするつもりっ!」
 胸に詰めたこんにゃくをポロリと落とし、雨雀が悲鳴を上げて河童を殴る。
「わっ‥‥、こっちにも!? 違う服装で来れば良かった‥‥」
 河童達にノミ袋を投げつけられたため、コユキが痒みにもだえて服を脱ぐ。
 しかし、服の構造上なかなか脱ぐ事が出来ないため、かなり苦戦をしているようだ。
「うふふっ‥‥、エロイ河童達だね。こういうのが好きなんだろ?」
 そう言ってとき和が足で裾を豪快に捌い、内股が見えるか見えないかのラインで、はらりとさせてウインクする。
「たまらんカッパ〜!」
 いやらしくエロエロと鳴き叫び、えろがっぱーずがとき和達に飛びついた。
「見ちゃいややぁ‥‥」
 河童達の視線に気づき、コユキがその場にしゃがみ込む。
「あははは、貞操はしっかり守りなさい?」
 自分が標的にされていないため、雨雀がクスクスと笑う。
「嫁入り前の女の子になにすんのよー!」
 大粒の涙を浮かべ、壱加が河童の皿を叩く。
 身の危険を感じたためか、彼女の一撃は容赦が無い。
「いい加減にしなさーーい!!」
 河童の皿めがけてハリセンを放ち、茜がえろがっぱーずを追い回す。
「あらあら、逃げられたようだねぇ。そんな事をしても無駄なのに‥‥」
 そして、とき和は逃げ出したえろがっぱーずを見つめ、大きな溜息をつくのであった。

「男衆が騒ぎ始めたようですね」
 周りの男達が妙にザワつき始めたため、手塚十威(ea0404)が辺りを睨む。
 男達は興奮気味に頬を染め、路地裏めざして走り出す。
「きっとえろがっぱーずが現れたのでしょう」
 険しい表情を浮かべながら、志乃守乱雪(ea5557)が男達の後を追う。
「しっかし‥‥河童サンってどんなのなのかね〜?」
 男達にお仕置きをしようと考えている女達を連れ、フィール・ヴァンスレット(ea4162)が首を傾げて呟いた。
「すぐに分かりますよ。‥‥ほらね」
 男達の集まっている場所を指差し、十威がフィールを見つめて微笑んだ。
 男達は壁に隠れるようにして路地裏を覗き込み、河童達に襲われている冒険者達を見つめ、興奮した様子で鼻をだらんと伸ばしている。
「山浦さんが河童と男衆を釘付けにしているようですね」
 トラップに使用するための縄を用意し、乱雪が気配を殺してコソコソ動く。
「それじゃ、始めるとしましょうか」
 乱雪達の準備が整ったため、十威がフィールに合図を送る。
「ね、僕と一緒に遊んでよ‥‥♪ いい事でも何でもいいから、さ?」
 男達の肩をポンポンと叩き、フィールが少し照れた様子で口を開く。
「イイコト‥‥? お前、意味が分かっているのか?」
 とき和の事を気にしながら、男がフィールの胸元を覗き込む。
 わざわざ少し大きめの服を着ていたため、フィールの胸元がかなり気になっているらしい。
「おやおや、こんなところに可愛いお嬢さんがいるわね。ちょっと手伝ってあげようかしら」
 男達の顔色を伺いながら、とき和がフィールの腰布を掴んで一気に引く。
「うきゃー‥‥!? お、お代官様、御戯れをー!?」
 恥ずかしそうに胸元を隠し、フィールがクルクルと回る。
「良いではないか〜、良いではないか」
 妖艶な笑みを浮かべながら、フィールの服が地面に落ちる寸前で止め、とき和が興奮気味の男達をじらす。
「ぐはっ‥‥。こ、これはっ‥‥」
 あまりに過激すぎたため、飛叡が大量の鼻血を噴いた。
「た、たまらん!」
 フィールに飛びかかるようにして、男達が次々と服を脱いでいく。
「河童達はもういないのに‥‥。随分と暢気な人達ですね」
 男達の投げ捨てた服を女達に渡し、十威が疲れた様子で溜息をつく。
「この服は処分しておきましょう。少しでも村の娘達の受けた痛みが分かるように‥‥」
 誰も河童達を助けに行かなかったため、乱雪がトラップとして仕掛けたロープをしまう。
「うげっ! 俺達の服がねぇ!」
 ようやく自分達の置かれている状況に気づき、男達が慌てた様子で悲鳴を上げた。
「その格好で少し頭を冷やしてください。蚤袋を投げつけられる女性達が可哀想だと思いませんか。蚤なんて刺されたら痛痒いのが結構続いたりして大変なのに‥‥。止めるどころか喜んで協力するなんて言語道断ですよ」
 褌一丁で戸惑う男達を見つめ、十威が呆れた様子で叱りつける。
「そ、そんな‥‥。悪いのは河童なのに‥‥」
 青ざめた表情を浮かべ、男達がガックリと膝をつく。
「こんの、愚か者どもが! 婦女子が困っているのに手も貸さずそれどころかそれを見て喜び、更にそれを行った河童を助長させるとは言語道断、とりあえず其処に座れ、とっくりと己が所業の重さを説いてくれるわ」
 持参したちゃぶ台をドカンと置き、我斬が延々と説教をし始めた。
「貴様らは男の恥だ、この甲斐性無し共め。男なら男らしく、己の力で脱がせてこそだろうがっ! むしろ脱がすのが楽しいんだっ!」
 男の胸倉を掴み上げ、十夜が魂の雄たけびを響かせる。
 ハッとした表情を浮かべ、男達がボロボロと涙を流す。
 どうやら十夜の背中に後光が見えているらしい。
「何しに来たか、この乳種親父がーーーーーッ!」
 聖書のカドで十夜の頭をブン殴り、フィールが荒く息を吐く。
「何って‥‥コイツらを説教に‥‥。いや、いいんだ。ちょっと用事を思い出した」
 気まずい雰囲気になったため、十夜がそそくさと河童の後を追う。
「俺達にはえろがっぱーずがついている! 覚えていろよ」
 大粒の涙を浮かべ、男達が捨て台詞を吐き捨てる。
 既に勝ち目が無いためか、とても悔しい気持ちらしい。
「あなた方の頼みの神は滅びました!これからの道のりは、あなた方が自らの力で切り開かねばならないのです。さあ、顔をお上げなさい。あなた方にはまずやるべき事があるはずです」
 落ち込む男達を睨みつけ、乱雪がむりやり立ち上がらせる。
「さあ立て! 徹底的に根性叩きなおしてくれるわ」
 そして我斬は男達の胸倉を掴み上げ、被害に遭った女達の家まで謝りに行かせるのであった。

「に、逃げるカッパ!」
 不利な状況に追い込まれてしまったため、えろがっぱーずがダッシュで逃げる。
 恐怖のあまり振りむく事さえ出来ないまま、近くにある湖まで全速力で逃げていく。
「其処までですっ! ここから先には通しませんよ」
 逃げ道を塞ぐようにして、美輝が両手を開いて河童を睨む。
「そ、其処を退くカッパ!」
 ノミ袋を前に突き出し、河童が身体を震わせる。
「この糞河童ども、俺に内緒で面白そうな事してんじゃねぇ!」
 河童達の背後から肩を掴み、十夜がニヤリと微笑んだ。
 村の女達から河童を捕まえてきたら、至極のもてなしをしてもらうという約束を取り付けたためか、十夜もかなり気合が入っている。
「今夜は色々と忙しいのでね。女性達を集めて私が何故ここまで美しいのか、朝まで語らなくてはならないから‥‥」
 真っ赤なバラの臭いを嗅ぎ、薔薇雄が真っ白な歯を輝かせた。 
「命だけは助けてカッパ! 報酬はエロエロで‥‥」
 ヘナヘナと腰を抜かし、河童が両手を合わせて命乞いをし始める。
「河童如きがブルジョワしてんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!! こっちなんてな‥‥こっちなんてなぁぁぁぁぁぁ!」
 血の涙をダラダラと流し、飛叡が必殺の一撃を叩き込む。
「こうなったら最後の手段カッパ!」
 力任せにノミ袋を放り投げ、河童達が祈るようにして目を閉じる。
「‥‥甘いな。この程度の攻撃が怯む私だと思ったのか! あぁ、痒い。痒すぎて笑いが止まらないな」
 爽やかな笑みを浮かべ、薔薇雄が次々と服を脱いでいき、河童達を精神的に追い詰めていく。
「許してカッパ!」
 薔薇雄が褌一丁で迫ってきたため、河童が失禁しながら許しを乞う。
「今度、こんな事をしたらこの程度ではすまなくなりますよ」
 薔薇雄に怯える河童を見つめ、美輝が大きな溜息をつく。
「分かったら被害を与えた女の子達に、ちゃんと謝るんよ?」
 着るものが無かったため葉っぱで大事な部分を隠し、コユキが河童達からノミ袋を奪い取る。
「あら、うまくいったようじゃない。これで村が平和になるといいわね」
 満面の笑みを浮かべながら、雨雀が河童達の皿をペチペチと叩く。
「気持ちわるぃぃぃぃわぁぁぁぁぁぁ!!」
 そして飛叡は雨雀と目が合い、自慢の拳でお星様にするのであった。