クラブ『毒顔流』へようこそ!
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■ショートシナリオ
担当:刃葉破
対応レベル:フリー
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
リプレイ公開日:2007年04月19日
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●オープニング
いつの時代、どの世界でも常識外の存在はいるものだ。
例えそれが‥‥現代の日本であったとしても。
「んー‥‥あー‥‥今日も頑張った、俺」
場所は宮城県仙台市のとある住宅街。
日はとっくの昔に沈み、今や外灯と住宅の灯り、そして星明りだけが町を照らしていた。
そんな中1人歩く男性は‥‥仮に太郎と名づけようか。会社に入社してちょうど1年が立ったまだまだ新人の社会人だ。
早く立派な社会人になりたいという殊勝な心がけで働いて、帰路についている太郎(仮)。
だが、そんな太郎(仮)を待ち構えていたのは‥‥あまりにも惨すぎる現実!
「お、俺の家がぁぁぁぁぁ!!!?」
太郎(仮)はアパート住まいである。そして太郎(仮)は本来なら自分が住んでるアパートの目の前にいるはずだ。だが太郎(仮)の目の前にあるのは‥‥アパートではなかった。
クラブ『毒顔流』
煌びやかな光に包まれた一軒の店。どことなくピンクな雰囲気を醸し出しており真っ当な店では無い事は一目瞭然である。
あまりにも住宅街に不釣合いな店がいきなり出没していたのだ。太郎(仮)の住んでいたアパートがあった場所に。
看板にはクラブ毒顔流とあり、現在も営業中を示す灯りがともっていた。
「おいおいおいおい、これは一体どういう事だ!?」
「あーら、いらっしゃい」
「ぐほぁ!?」
何が何だか事態がまったく飲み込めない太郎(仮)は意を決してクラブ毒顔流へと乗り込む!
そんな太郎(仮)を待ち構えていたのは何人もの男。しかも誰も彼もが派手派手で露出高めの女装をしていたのだ!
いわゆるオカマバー。更に問題なのは筋骨隆々の肉体で、顔は決して良いとは言えないというか‥‥アレだった!
そんなのを不意打ちで見せられて太郎(仮)は思わず吐血する。
「1名様ごあんな〜い」
「は〜い。たっぷり接客しちゃうわ〜ん♪」
「いやいや待って!?」
あまりの精神的ダメージによろけていた太郎(仮)をがっしりと両側から掴む2人の男というかカマ。そのまま席へと連行する気マンマンだ!
勿論そんなのは太郎(仮)の望むところでは無いが、カマ達は見た目通りの圧倒的な力で太郎(仮)の抵抗を許さない。
散々暴れたものの力技で結局無理矢理席に座らせられる。
「ではでは、私達2人がお相手しちゃうわ〜ん。私は勝女姫よ〜」
「うふふ、あなた運がいいわねぇ。私が1番人気の愛姫よん」
がっしりと太郎(仮)の両側をキープするように座る2人のカマ。最早逃げる事も敵わない状況だ。太郎(仮)の目がもうどこか違うところを見ているような気がする。
「それじゃあ、何頼む? 私としては〜このずんだ餅とかがオススメだけど〜」
「あら、牛タンもいけてるわよ〜?」
「じゃあ両方頼んじゃう?」
「頼んじゃおっか〜?」
「何か勝手に進められてる!?」
明らかにこういう場では相応しくない物を勝手に頼んでいく愛姫と勝女姫。太郎(仮)が気づいた頃には尋常じゃない量の仙台名物がテーブルに山の様に盛られていた。
「それじゃあ、このお店の凄いサービス、体験させてあ・げ・る」
「す、凄い‥‥?」
現状でも凄いというか恐ろしい状況なのにそれより凄いというのは一体何なのだろうが。太郎(仮)の顔が恐怖で歪んでいる。
「いっくわよ〜♪」
ノリノリで自分の服に手をかけると一気にそれを脱ぎ捨てる愛姫と勝女姫。そして次の瞬間には‥‥!
「今日は、スク水Dayなのよん」
「ぶべらばぁ!?」
スクール水着‥‥略してスク水を身に包んだ2人のカマ。あえて書くが勿論女性用のスク水である。
そんなものを間近で直視してしまった太郎(仮)のダメージはでかい。極大だ。
「ふふ‥‥それにしてもイイ男ね、あなた」
「私もそう思っていたのよ‥‥ふふふ‥‥」
「え‥‥?」
ふと気づけば2人が太郎(仮)の太ももに手を這わせていた。カマの目は‥‥熱い。
「ここから本当はお店に無いサービスなんだけど‥‥」
「あなたには味わわせてあげるわ‥‥」
「いややめて結構だ遠慮するうぐぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どうやら他のテーブルでも‥‥同じような悲鳴が上がっているようだった。
「ふふふ‥‥中々順調のようねん♪」
そんな阿鼻叫喚の地獄絵図を店の端っこから眺める1人の男‥‥いやカマがいた。
彼の名は伊達政宗。この店の―――オーナーである。
「と、いうわけで皆様へのご依頼です」
クラブ毒顔流の様子を無表情なまま顔色1つ変える事なく淡々と語っていた1人の女性。勿論聞く側は凄い顔をしていた、主に男性が。
「端的に言えばクラブ毒顔流を潰してほしいとの事です。クラブ毒顔流は住宅街にいきなり現われた謎のクラブ。勿論住宅街という事で近隣住民の風紀が乱れるという声が大きいようです」
どう考えても風紀が乱れるとかそういう問題じゃない気がするが。
「実際は筋肉質でブサイクなカマ達によるクラブ。強引な接客も問題視されております。オーナーは伊達政宗を名乗っており、そんな変態が伊達政宗を名乗るなんて許せない、との声も上がっています」
地元の英傑の名を変態が名乗って怒らない者はそうそう居ないから当然である。
「後は‥‥無理矢理客を連れてくるなどの行為もしてるようですね。些細な事ですが」
些細ってレベルじゃないと思うのだが、その女性にとっては些細な事なんだろう。
「では、皆さん。頑張ってくださいませ」
結局最後まで顔を変えなかった女性は深く礼をすると、その場に集まった者達に依頼を託すのだった。
●リプレイ本文
●いらっしゃいませー(巻き舌で)
「あー、もしもし? 僕、ボクボク、僕だよー」
夜空に月がぽっかりと浮かぶ仙台の夜。あのクラブ毒顔流がある住宅街を一人の青年が携帯電話で会話しながら歩いていた。
適当に話したかと思うと、今度はメールでもするかのように携帯電話を弄る青年。特に急いで歩いている様子でもなし、まさに暇人という言葉がぴったりであった。
だがそんな暇人がこんなところを歩いていたらどうなるかというと‥‥。
「あらん、いい男ー♪」
「えぇぇー!?」
いつの間にかカマが目の前にいるのが常でして。何故か嘘くさい驚き方をする青年。
「ねぇねぇ。どうせ暇なんだったら私達の店に来てよん♪ 来てね♪ 来てください♪ 来やがれ!」
「は、はい!」
彼なりの甘いボイスで囁いてきてかと思うとドスの利いた声でトドメとばかりに店――クラブ毒顔流――に誘ってくるカマ。
青年はその勢いに押されたのか思わず受け入れてしまう。
「それじゃあ、行きましょうかー」
「あ、あははー」
青年の名はレイジュ・カザミ(ea0448)。クラブ毒顔流を潰すために派遣された人物の一人である。
そして舞台はクラブ毒顔流へと移る‥‥。
●何頼むー?(重低音で)
クラブ毒顔流‥‥その内部は相変わらず地獄絵図のようだった。
いくつかあるテーブルに無理矢理つれて来られたと思われる男性客にカマが複数人でついてサービス‥‥サービス? を行っている。
ある者は棒状のお菓子を客とカマでそれぞれ端っこから食べるのを強要されたり、またある者はカマの怪しい手が太ももを這っていたり、またまたある者は裸にされて縛られて逆さ釣りされていた。
このような風景がクラブ毒顔流の日常である。現実で考えれば非日常だが日常なのである。
ただ、この店の日常と少し違う所があるとすれば‥‥それは女性客の存在だろうか。
「うわー、すごーい。あの人なんて同時に三箇所も‥‥」
「‥‥絶対トラウマになるわよね」
テーブルに座り、極めて普通のサービスをカマから受けているのはセーラー服を着た少女と私服の女性。二人の視線は離れたテーブルで過激なサービスを受けている男性に注がれている。
この店に似つかわしくないセーラー服を着ている少女の名は大門雷美(だいもんらいみ)。花も恥らう17歳‥‥ってこの手の店に入っちゃいけない気がするのだが、やはりこの店は細かい事は気にしないのだろうか。
もう一人の女性がエイル・ウィム(eb3055)。年齢的なものもあって雷美の保護者のような扱いである。
「ふふふ‥‥。あなた達にはできないサービスだけど、楽しんでいってね♪ はい、オレンジジュース」
「うん、もうたっぷり楽しんじゃってるよー♪」
「頭痛い‥‥」
雷美とエイルについてる妙伴と名乗るカマが、未成年の雷美にジュースを差し出す。そんな雷美はカマからのサービスというより店の中で行われる様々な行為を見て楽しんでるようだ。エイルの頭痛は店の様子から来てるのかそれとも雷美の反応からか。多分両方だろう。
「あ、新しいお客さんだよー」
「あれは‥‥」
カランと店の扉が開く音。そして入ってくるのは複数人のカマ達とそれに連れてこられるように入ってくる男達。その中には先程のレイジュもいた。どうやら店の周囲で捕まえた男達を強引に店に連れてきたのだろう。ちなみに店から離れた呼び込みは違法行為となっている。そういう問題では無い気もするが。
そうやって連れてこられた三人の男達を一緒くたのテーブルに押し込むカマ達。
「こ、これは強烈っすね‥‥‥」
「‥‥美少女なら望むべくだったのだが」
最早逃げる事も敵わないように周りをカマで固められて冷や汗をかく男の名は以心伝助(ea4744)。同じく無理矢理座らせられたのはエイジ・シドリ(eb1875)。二次元の世界に傾倒してるエイジは何だか論点がずれているような事を呟いてる。‥‥いや、あながち間違ってもないか?
そして最後の一人はレイジュだ。
「んん〜? 坊や、お酒飲めるの?」
「童顔に見える? これでも20歳を過ぎているよ、お酒もガンガンいけるよ!」
一先ずということで新造の方を名乗るカマが注文を聞こうとするが、童顔のレイジュに酒を飲んでもいい年齢か一応確認を取る。ということでガンガンいけると言ってしまうレイジュ。確かに20歳。飲むには問題はない、年齢でいえば。ないのだが‥‥。
「それじゃあ、まずは笹かま辺りいっとく?」
「お、いいっすね。これでも結構食べるっすよ。どんどん頼んじゃってください」
「わ〜、それじゃあ牛タンに長なす漬けにこけしも追加しちゃうわん♪」
「なんか変なの混ざってないっすか!?」
飯坂の局と名乗るカマは伝助に注文を聞くと、この手の店で普通に食事をするのを大して気にしてないのかGOサインを出す。それにしてもこけしを何に使うつもりなのかは‥‥別にいいか、知らなくても。
「それにしても‥‥むぅ、ちょっと羨ましいっす」
とりあえず注文をした伝助はナース服に身を包んだ飯坂の局をじーっと熱い視線で見つめる。
「あら、羨ましいってあなたもこれ着たいのかしらん?」
「断固拒否するっす」
特に深い意味があるわけでもなく、単純に自分の小さい体と比べて筋骨隆々な体が羨ましいだけなのだが。それでも微妙に怪しく見えてしまうのはどうなんだろう。
「ふむ‥‥メイドにチャイナドレスか。つくづく美少女じゃないのが惜しまれる」
「あん♪ 他の娘ばっかり見てちゃイヤん♪」
他のテーブルでサービスをしているカマを見ていたエイジの気を惹くように、弘子姫と名乗るカマはエイジの目の前で着ている和服をちらりと肌蹴させる。
「‥‥む、ぐ‥‥」
勿論直視してしまえば大ダメージだ。だがエイジは今まで培ってきた二次元世界に対する愛と魂を総動員して脳内で美少女に変換するフィルターを構築し、ダメージを軽減する! 完全には変換しきれなかったのでダメージはあるのだが。
●サービスしちゃいますぅ(甘えながら)
「――――ひゃっふぅぅぅぅぅ!!!!」
ある程度の時が経った頃だろうか。レイジュは酒を飲み、伝助は食べながらセクハラを何とか回避し、エイジは脳内変換を駆使してセクハラを甘んじて受け、そんな様子を離れたテーブルから雷美とエイルが生暖かい目で見ている時‥‥レイジュが壊れたかのように叫んだ。
いきなりテーブルの上で仁王立ちをし、ふらふらになっているその様はこの上なく‥‥酔っていた。
「僕だって‥‥僕だって‥‥負けないんだからぁーっ!」
先程から脱いだり脱がせたりをしているカマ達の様子に触発されたのか、ぽぽーんと勢いよく服を脱いでいくレイジュ。最後にくるりと一回転をしてテーブルの上でポーズを取るレイジュは‥‥全裸で股間に葉っぱ一枚つけているだけという、いつ『YATTA!』とか言い出してもおかしくないような格好であった。
「この僕に対抗しようなんて100万年は早いんだからねっ! さあ、一体何を企んでいるのか白状してもらおうか! でないと、このレイジュの鉄拳が飛ぶんだからー!」
「何を企んでいるのか、ですって? ふふふ‥‥私達はただ皆に夢を与えたいだけよん♪」
葉っぱ一枚のみというレイジュの格好にカマ達が惚れ惚れしていると、背後から聞こえてくる声。その声に振り向くとそこに居たのは‥‥。
「政宗様!!」
一斉に声を上げるカマ達。そう、そこに立っていたのは右目を眼帯で覆い、他のカマ達よりも更に体格が良いカマ‥‥この店のオーナー―――伊達政宗。
「何が夢を与えるっすか! こんなの悪夢っすよ!」
「美少女ならいい夢なのだがな」
すると、今まで大人しくしていた伝助とエイジも大きく跳躍してテーブルから抜け出す。
「あなた達のその身体能力‥‥! どうやら私達と同じのようね‥‥」
「‥‥そう。迷惑なこの店を何とかする為‥‥派遣された‥‥」
その時、店の入り口から新たな人物が現われる。深いスリット入りのチャイナ服を身に纏い、扇で口元を隠すように優雅に現われる女性‥‥いや、薄化粧をしているが男性、だ。彼の名はシスイ・レイヤード(ea1314)。その手の道を突き進んじゃってる男だ。
「確かに、同じのようね‥‥! 同じ‥‥カマ!」
「‥‥そっちじゃない」
一目見ただけでは女性と見間違う程麗しいシスイを見て慄く政宗。政宗と同じカマ扱いされてシスイが怒るのも無理は無いだろう。同じというのは、人並み外れた身体能力と不死性を持つ人間‥‥無敵人間であるという事だ。
「何と言われようと私達はここを退く訳にはいかないわ!」
「それなら力ずくだ! くらえー、正義のビーム! この街はこの僕が守るんだ!」
愛姫を名乗るカマの主張に、もはや話し合いは無駄だと判断したレイジュは腕を構えてそこに気合を入れる! 必殺ビーム攻撃で敵をノックアウトだ!!
「‥‥‥襲っちゃいなさい」
「はーい♪」
だがビームなんてものは出ない。出ないったら出ない。魔法が使える無敵人間なら出せたかもしれないが、彼は魔法は使えないのだ。酔っ払った勢いでやってみても出ないものは仕方ない。ポーズを取ったままのレイジュだったが、政宗の指示により飛びついてきた何人かのカマによりもみくちゃにされてしまう!
「え、あ、ちょ!? 葉っぱだけは! 葉っぱだけは死守してやるぅぅ!!」
「レイジュ‥‥お前の事は忘れな―――何!?」
何人ものカマ達に覆いかぶされてるレイジュにエイジが祈りを捧げていると、いきなり後ろからがしっと腕を捕まれる! 飯坂の局だ!
「いいか、みんな。HとEROでは単なる変態だが、二つ合わせればHEROとなる。つまり、私達が正義!」
「そんなわけあるかぁぁ!?」
そのままエイジが押し倒され、どんどん服を剥がれていく! 彼の脳内変換フィルターも‥‥限界であった。
「ふう‥‥それじゃ吹き飛ばすか‥‥。巻き込まれる奴‥‥諦めろよ?」
レイジュとエイジがもみもみくちゃくちゃといった感じでカマ達にもみくちゃにされていると、突然暴風がカマ達を襲う! 勿論レイジュとエイジを巻き込んで、だ! ちなみに伝助はいつの間にかいなくなっている。
この暴風はシスイが魔法で起こしたのだ。
「のぁぁぁぁぁ!?」
突然の事だった為、多くのカマ達が吹き飛ばされ壁に叩きつけられる中、一人のカマは意に介する事なくその場でじっと立っていた。
「さすが‥‥伊達政宗を名乗るだけある‥‥」
そう、立っていたのは伊達政宗。この店最強のカマだ。
「英傑の名を騙るなんて、良い度胸してるわね。‥‥成敗!」
その様子を見て、今まで一般客の避難誘導をしていたエイルも戦闘に参加する。
「まあ、槍術も棒術も似たようなもの、って事で。我慢しますか」
彼女は身近にあったモップを軽く振り回すと構える。槍の使い手の彼女にとってモップでさえも武器になるのだ。
「これは女子としてあまりやりたくなかったけど‥‥仕方ないわね。てえええいっ!!」
そしてエイルはモップで政宗のただ一点を狙い‥‥突く! その一点は男にとっては絶対である急所! だがしかし!
「独眼流は伊達じゃない! いや伊達だけど!」
「効いてない!?」
当たった筈、当たった筈なのだ。しかし効かないのだ。
「空手にはそれを引っ込める技っぽいのがあるのよ!」
「うわ、ご都合主義!」
やはり‥‥強敵。英傑の名を騙るだけの実力はある。正に‥‥最強のカマだ。
だが、ここには――最強のカマ殺しもいるのだ!
「よーし、それじゃあそろそろ出番かな」
今まで座って観戦していた雷美はジュースをずずっとストローで全て飲み干してから立ち上がる。そしてくるくると回りながら何か呪文のようなものを唱え始めたかと思うと‥‥。
「普段は清楚な女子高生‥‥しかしその実態は! 魔法少女マジカル★ライビー! ただ今参上!!」
光に包まれる雷美! 次の瞬間セーラー服に包まれる雷美はそこにはおらず、いわゆるボンキュッボンのスタイルをゴスロリミニスカ服で包んだダイモン・ライビー(ea4676)が姿を表したのだ!
「な、何!? マジカル★ライビーですって!?」
「悪のオカマさんはこのボクが許しません! くらえー! てんちゅー特盛り大サービスぅ★」
ライビーの登場に動揺しまくりの政宗! ライビーはそんな政宗に容赦なく破壊の魔法を撃ちこむ!
ドカァァァン!!
例え隠していようと‥‥魔法じゃあ破壊されても仕方ないよね。
●またのご来店を(上目遣いで)
「おーい生きているか? ‥‥反省したら‥‥訪ねて来い? ‥‥気が向けば‥‥指導してやるぞ?」
破壊の限りを尽くされたクラブ毒顔流店内。一般客は避難していた為被害は無いが、カマ達やレイジュとエイジはボロボロになって床にうつぶせになっていた。そんなカマ達をツンツンとつつくシスイ。‥‥しかし、いくら女装のプロのシスイでも指導してどうにかなるレベルなのだろうか。
「どうやら終わったようっすね‥‥」
いつの間にか店内から居なくなっていた伝助。彼はこの店の事務室にて資料を漁っていた。面白い物が見つからないかという事でだ。
「これは‥‥?」
ふと、目に入る謎の紙束。それを伝助が手に取り目を通そうとすると‥‥。
「世の中にはねぇ、知らなくてもいい事ってのはあるのよん♪」
「!?」
いきなり現われた背後からの気配‥‥そして。
確かにクラブ毒顔流は潰えた。しかし、これで戦いは終わりでは無い事を‥‥事務室で裸になって倒れている伝助が語っていたのだった。