ロボ分が足りない
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■ショートシナリオ
担当:刃葉破
対応レベル:フリー
参加人数:10人
サポート参加人数:-人
リプレイ公開日:2007年04月19日
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●オープニング
●少年の夢
「ぼくねー、大きくなったらロボットのパイロットになるんだー!」
「あらあら、凄いわねー。それじゃ、頑張って大きくならないとね?」
「うん!!」
そんな微笑ましい会話をする小さな子供と母親。どこにでもよくある普通の会話。
だが世界は―――そんな会話を実現させる世界へと変貌していた。
少年が走る。
少年は手を空に掲げ、大きく叫ぶ。
「出ろぉ! 俺の相棒!!」
次の瞬間、光が少年を包み‥‥次の瞬間、彼は鋼に包まれていた。
●鋼の巨体
ドグシャァ!!
巨大な鋼の塊が空から落ちてきて猛烈な勢いで地面に叩きつけられる!
辺りは瓦礫の山。元は街だったのだろうが、今は破壊されたビル跡などが残るだけである。
「く‥‥っそぉ‥‥!」
ギギィィ‥‥。
先ほど地面に叩きつけられた鋼が、動く。
鋼の塊は‥‥人を模していた。そう、二足歩行の―――ロボットである。
元は赤い色で染められていたそのボディも今ではあちこち傷だらけで中の鋼の色や焦げによって無惨な姿になっていた。
地面に両手両足をつくようにして蹲っていた態勢から、片膝をつくようにしてから起き上がるロボット。
ボロボロになりながらも立ち上がるその全長はおよそ18メートルといったところか。鋭角的なデザインをしており、比較的厚めと思われる装甲を身に纏っている。顔も人の顔を模しており、頭は鎧の兜を被ったような角にアンテナのような額飾り。
どっしりとした立ち居は正に―――スーパーロボットというのに相応しい。
「何て奴らだ‥‥!!」
聞こえてくる声。それは赤いスーパーロボットの胸部から聞こえてくる。そう、その部分に人が乗っているのだ。
その声は男‥‥それも凄く若い。大体10代の後半に入ったばかりの少年と青年の間のような声だ。
その通り、ロボに乗っているのは若干15歳の少年なのだ。
少年の名は、若宮陸(わかみやりく)。このロボ‥‥ファイアーズのパイロットである。
黒髪に少し焼けた肌。いかにもやんちゃ坊主のような顔をしており、常に生傷は絶えないそんな少年だ。
「大丈夫!? りっくん!」
「あぁ、何とかな!」
そして新たに聞こえてくる声。声の発信源はファイアーズの真後ろに現われた新たなロボから発せられている。
新たなロボは非常に女性的なフォルムをしており、放熱の為だろう頭部の真後ろについてる多くの糸のようなパーツが揺れている様はまるで髪の毛。遠目で見てもはっきり女性と分かるような形をしていた。
その女性型のロボは何というか‥‥ナースのような格好をしていた、端的に言えば。
で、ナースロボを操るは同じく15歳の少女。七村蓮実(ななむらはすみ)。ロボの名はルルリーンである。
蓮実は茶色の長い髪、白い肌で、どちらかというと家で大人しくしてるような娘だ。そして陸とは幼馴染でもある。
「その程度か! ファイアーズよ!」
シュタッ!
ファイアーズからある程度離れた前方に新たなロボが降り立った!
今度のロボは全身が白い。だが所々に燃えるような炎をあしらった模様が入っている。ファイアーズと比較的似ているデザインだが、ファイアーズと違うところは装甲が薄めで、機動性を重視したロボットというところだ。
「我が組織の兵達を次々と倒しているからどのようなものかと試してみればこの様とは‥‥まったく興ざめだな!」
明らかに陸達を見下すように言うのは新たなロボ――イグニションのパイロット、バーンガン。
彼は陸や蓮実と違い、ちゃんとした大人。敢えて年齢を書くなら28歳である。日本人では無いらしく金髪碧眼で、更に何故かスーツでビシッと決めてイグニションに乗り込んでいる。
「それではこれで終わりにしてしまいしょう!」
「く、まずい!!」
「りっくん!?」
どうやら戦いを終わりにするつもりのバーンガン駆るイグニションはその手の指をびしっとファイアーズへと突きつける、必殺の技を放つためのポーズへ移行する! 対する陸の駆るファイアーズだが、先ほどイグニションから食らったダメージのせいなのかまともに回避行動を取る事ができない!
このままでは―――ファイアーズは撃墜されてしまう!
「いくぞ! 俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を掴めと轟き―――何!?」
だが、ファイアーズが撃墜される事は、無かった。
イグニションが右手を自分の顔の前で構えるようにして、詠唱なのかノリなのか長々としたセリフをバーンガンが言い始めた途端‥‥イグニションが光に包まれたのだ。
ドガァァァァァン!!!
爆発。勿論爆発の中心は先ほどまでイグニションが立っていた場所。先ほどの光は何者かの途轍もない量のエネルギーによる攻撃なのである。
「な、何だ!?」
いきなりの事なので何が何だか分からなくて混乱する陸と蓮実。そんな2人の目の前に移ったのは‥‥。
「‥‥‥人?」
●闇の組織
「ふん‥‥バーンガンはやられたか」
辺りは闇。光といえば映像を映し出す大きめのモニターが1つあるだけ。如何にも怪しい部屋に何人かが集まっているようだった。
そしてモニターに移っているのは陸と蓮実。先ほどイグニションが吹き飛ばされたシーンもそのモニターには映っていた。
「タブーに触れたせいか‥‥」
先ほどとは違う声。老人のようにかすれた声である。
今モニターに映し出されているのは全身を白い機械の鎧と仮面で包んだ1人のロボ‥‥と言っていいのだろうか。何故なら確かに見た目ではロボのようではあるのだが、実際見てみると大きさは人間の大きさとほぼ同じなのである。
ロボというより人間がパワードスーツで身を包んでいると言った方が正しいだろう。
「審判者‥‥そして制裁者でもある‥‥。それがテーカー」
また別の声。そしてその声が指すテーカーとは‥‥モニターに映っているパワードスーツの存在の事である。
「その正体は誰も知る事が無く‥‥唐突に現われ唐突に去っていく謎の存在。どこかの組織の味方をするわけでもなく‥‥ただ危険な存在を抹消していく謎の男」
「その力は現在この世界で最強を誇る。奴に抹消できないものは無いというぐらいだ」
「付いたあだ名が『絶対無敵・制裁者』だからなぁ」
「バーンガンが抹消されたのは‥‥あれじゃ、ネタというか台詞がアウトになりそうだったからじゃろう」
「風の噂によると、テーカーは過去は自分と似たような姿に変身できる家族と殺し合いをしたとか‥‥」
「‥‥それ、テーカーはテーカー自身を消した方がいいんじゃねぇか?」
闇の中で複数の声によりテーカーの事が語られる。だが、彼らもテーカーについてはあまり詳しく無いらしい。
「まぁ、テーカーの事はいい。さて、次の行動の為の作戦会議を始めよう‥‥!」
「次の戦場は‥‥東京だ!」
●リプレイ本文
●開幕
ロボットを創造できる創造者が現われるこの世界にとって平穏とは脆いものである。
東京の渋谷の平穏が――崩れる。
ドカァァァァン!!!
唐突に起こった爆発。ビルの1つがそれにより崩壊していく!
更に爆発はそれだけでは済まず、連続して他のビルなどにも爆発が起こる!
崩れる建造物、混乱して逃げ惑う人々! 先程まで若者達が闊歩する街だった渋谷は一瞬にて火と煙が立ち込める街へと変わっていった。
「けひゃひゃひゃ。壊せば壊すほど、わが作戦は成功するのだ〜」
街を破壊している存在‥‥それは数多くの戦車であった。ただの戦車ではない。悪の組織ダークダガーに所属するトマス・ウェスト(ea8714)が作成した兵器で、戦車としての性能を強化した上でアームをつけ、トマス特製の人工知能プログラムを搭載した無人機なのだ! 車両の前方につけられている顔の形をしたエンブレムが特徴的だ。
「ヤア、ボクとます」
どこかで聞いたような声をボディから発しながら街の破壊活動を続けていく兵器‥‥機動戦車トマス。その数はぱっと見ただけでは数えきれない程だ。
そんな数多くの機動戦車の1つにポツンと立っている2人の人物がいた。
1人はトマス・ウェスト。
そしてもう1人は飛火野裕馬(eb4891)。彼もまたダークダガーに所属しているメンバーの1人である。
「それにしても裕馬君が率先して戦場に出たいとは珍しい事もあるものだね〜」
「たまにはな〜」
裕馬は誰かと組んで戦いを起こすという事を全然しない。そんな彼のダークダガーでの役割は偵察であるから、仕方ないものかもしれない。
「けひゃひゃひゃ、我が輩はダークダガーの科学者『プロフェッサー・ウェスト』と呼びたまえ〜。元ネタをゲームのヤツと思うなよ〜。本来は医学者だからね〜。我が輩のロボットも超無敵西なんたらとかいうものではないぞ〜」
「‥‥どうしたんや、プロフェッサー」
「なんとなく主張すべきだと思ってね〜」
唐突に虚空へと向かって叫び始めたトマス。その様子を怪訝に思った裕馬が声をかけるが、理由は大した事ではないらしい。別にトマスはギターを激しくかき鳴らしたり、等身大の女性型ロボを作ったりしないようだ。
「ゴウタイガー、到着ッ!」
そして正義の味方が現われる!
●燃え上がれ闘志
「お前らにこれ以上破壊活動をさせるわけにはいかない!」
その場に現れたのは、30mはある赤い虎の獣人型のスーパーロボット!
ロボの名はゴウタイガー! ライトウイング所属の気高き虎!
パイロットの名は伊達正和(ea0489)。ダークダガー襲来の報を受けて駆けつけたのだ!
「中々骨がありそうなのが来たな」
すると新たにビルの屋上に‥‥簡単に言ってしまえばヤギの着ぐるみが現われたのだ。
大体2m程の大きさで、大鎌を持つ悪魔を模したような‥‥でもヤギの着ぐるみ。その姿はもこもこしていて可愛らしく戦場には不似合いの姿だった。
「レヲなるどではないか〜。中の人も元気か〜?」
「着ぐるみの中の人なんていないんだ!」
この魔界貴族レヲなるどもダークダガーに所属する1人だ。同僚を見つけて中の人に声をかけるトマスだが、魔界貴族レヲなるどは中の人はいないと主張する。ぶっちゃけると、だ。この魔界貴族レヲなるどはゼファー・ハノーヴァー(ea0664)が創造・召喚したロボ‥‥ロボ? なのだ。勿論中にはゼファーがいる事になるのだが、常々中の人はいないと主張している為ダークダガーのメンバーの中でも正体を知る者は誰もいない。
「1人で突っ走りすぎだ! 周りをちゃんと見ろ!」
そして更に上空から降りてくるもう1体のロボット。その手には柄からビームが展開されるビームサイズを持つ、夜の名を関する機体!
同じくライトウイング所属のルシファー・パニッシュメント(eb0031)が駆るノワールだ!
「悪い悪い。心配してくれてありがとな」
「‥‥‥ふん」
心配する想いを表に出さないルシファーの本心を正和は勝手に解釈する。尤もルシファーは特に肯定も否定もしないのだが。
そして魔界貴族レヲなるどを見据える2体。
「おぉ〜っと、我輩達を忘れては困るのだ〜」
「そういう事やな」
と、トマスと裕馬が注目を集めるように声をあげる。
「来るのだ、『ジュリアンヌ』〜!」
「いくで、サイレントジョーカー!」
2人は機動戦車トマスから跳躍すると、ロボットを召喚する! 2人が光に包まれ‥‥次の瞬間。
鋼の巨体が降臨する!
1体は極めて普通のロボであった。4対8枚の翼のような機構を背中につけ、その手には刀のような形で形成されるビームサーベルを持っていた。ぶっちゃけると、リアルロボットアニメの金字塔とか言われてるガで始まるアニメの最新シリーズの主人公機に似ていた。運命は主人公機じゃありませんよ?
ともかくこのロボが裕馬の機体、サイレントジョーカーである。
そしてもう1体は‥‥普通とは遠くかけ離れていた。まずでかい。50mはある。巨体だ。今ここにいるロボの中で最大である。しかし、問題はそんな事ではない。
「うわぁ」
思わず正和がそのような反応をするのも無理はない。そのロボは女性の形を模していた。ただの女性型なら問題ないが、このロボは‥‥ほぼ裸体に近かった。それにお情け程度のビキニ水着のようなアーマーをつけているだけだ。
「けひゃひゃひゃ。これこそ妹ロボ、ジュリアンヌなのだ〜」
「‥‥妹を模したロボはそんな風にするのはどうかと思うんやけどなぁ」
思わず冷静に突っ込んだ裕馬の意見は正しいだろう。
「それじゃ、いくのだ〜! 機動戦車トマスよ〜!」
裕馬の突っ込みを無視して大量の機動戦車に攻撃の指示を出すトマス。しかし‥‥。
チュドォォォン!!
爆発。唐突に機動戦車軍団のとあるポイントに爆発が起きたのだ!
「一体なんだね〜?」
トマスが驚くのも無理は無いだろう。今この場にいるものは誰も攻撃をしていないのだ。
その攻撃の正体とは‥‥。
「今日も盛大に著作権法違反ギリギリのラインが、ずら〜りと並ぶ予感がします〜」
「何!?」
遠く、その場から遠く離れた場所。およそ10km以上離れてるだろうビルの屋上にわずか3m程の人型のロボット‥‥というよりはパワードスーツに近いだろうか。それが立っていた。黒と濃紺で塗装されたスレンダーな印象を与えるそれは、しかし背中には不釣合いな超大型のバックパックが装着されている。
今、そのパワードスーツは全長10mはあろうかという巨大なリニアレールガンを保持しており、その銃口がこちらを向いていた事から先程狙撃してきたのはそれだという事は推測できた。
「あの距離から!? なんて非常識な! 貴様、何者だ!」
ルシファーが機体の望遠機能を最大まで上げて確認できるパワードスーツの人物に、共用電波で通信を送る。
「う〜ん、秘密の組織に所属してるユイスと名乗りましょうか〜」
ユイス・アーヴァイン(ea3179)‥‥それがパワードスーツ――機体名をラピッドシューターという――の人物の名だった。
「それは‥‥どういう事だ?」
「秘密組織と言うモノは、一種の美学、なんですよ〜?」
「答えになってない!」
思わず魔界貴族レヲなるどが聞くが、はぐらかすだけだ。
「そういえば聞いた事がある‥‥!」
偵察という役柄、様々な裏事情などを知っている裕馬が回答を知っているようだ。自らの記憶を探るように1つ1つ言葉を重ねていく。
「色んな意味で危ない存在を問答無用でぶっ飛ばす組織。やっている事はテーカーと変わらないって事やな‥‥。その組織の一員やな」
「大正解ですよ〜」
ユイスは当てられた時点で隠す気は無いのかあっさりと同意する。
「えぇい、そんなのがどうして機動戦車トマスを撃ったのだね〜!」
「だって〜、そのうちヘンリとかサンパとか出てきそうじゃないですか〜」
「前者はともかく、後者はどんだけマイナーなんだよ!?」
自分の操る軍団が爆破されて怒るトマスの言葉にマイペースに答えるユイス。そのやり取りに突っ込む正和。
「作る予定は無いから安心したまえ〜」
「それならいいですけど〜」
トマスも現状は機動戦車トマスしか作る予定しかなく、その言葉に安心したような様子を見せるユイス。だが‥‥。
「‥‥でも、ここで無理にでもふっ飛ばさないと出番が危ないんですよね〜」
ぼそっと、裏事情のようなものを呟いた気がした。
●怒りのままに
少女は駆けていた。
(「やっと‥‥やっとだ‥‥!」)
少女はただ一目散に走っていた。目的地はただ1つ‥‥ゲームショップ。
(「待った、本当に待ったわ‥‥。3月発売と発表されていたのに、気づけば延期で発売日未定‥‥。バニシング問題のせいかと色々騒がれてたけど何だかんだでちゃんと発売日が決まってようやくの発売‥‥!」)
彼女はあるゲームはただひたすら待っていたのだ。限定版を予約し、ただただ延期を待ち続け(尤もファンにとっては予想済みの事なのだが)そしてようやく訪れた発売日。そのゲームを買う為に走っていたのだ。
「よし、ついに‥‥!」
彼女はついにその限定版のゲームを予約した店の前に到着していた。後は店に入って予約伝票を出して金を払えば手に入る――筈だった。
ドッカーン☆
「‥‥‥え?」
彼女の目の前の店が‥‥吹き飛んだ。何か爆発物でも打ち込まれたのだろうか。店はあっという間に炎に包まれ、無惨な姿になっていく。
「こ、これはどういう事よ!? 今まで散々待たされて、そのオチがこれ!? ゲーム内の一部機体がバニシングするかもどころじゃなくて目の前でゲーム自体がバニシング!?」
轟々と店が燃えている。この様子からして無事なゲームは存在しないだろう。そして予約をしたこの店以外で限定版の入手も‥‥無理だろう。
「けひゃひゃひゃ。壊せば壊すほど、わが作戦は成功するのだ〜」
嗚呼、どこかから凄く遠くから何か声が聞こえる、耳障りな声が。
「さて、あの秘密組織の人は関わらないようだから3対2といったとこか」
「機動戦車も戦力に入れたまえ〜」
「数の差が何だ!」
正和は叫ぶが、冷静に判断するとこの状況は厳しいと言うしかないだろう。それぞれ個々の戦闘能力だけで自分と同等という事は予想できる。数の差がある以上不利としか言えない。
だが諦めるわけにはいかない。それが正義の味方なのだから。
「けひゃひゃひゃ。それじゃやるかね〜」
トマス操るジュリアンヌが動く。それに呼応するように裕馬のサイレントジョーカーが、魔界貴族レヲなるどが動く!
「くっ‥‥!」
不利は承知で構えるルシファーのノワール。そのノワールにサイレントジョーカーが斬りかかる‥‥だが!
「マグナァッ! クラッシャァァァー!!!」
「何やて!?」
拳が――飛んできた。サイレントジョーカーは咄嗟にノワールに振るつもりだったビームサーベルを使いその拳を切り払う!
突然の乱入者に全員が拳が飛んできた方向を見る。そこに居たのは‥‥。
「あんた達のせいであんた達のせいでぇ‥‥! 世界1000万人オーバーのファンが耐えがたきを耐え待ち続けた至福の瞬間っ。それを砕くとは天が、地が、神が許してもあたしが許さんっ。ギタギタにして泣いて謝らせるから覚悟しなさいっ!」
「何の事だ‥‥」
「世界規模でも1000万人もいるんでしょうかねぇ〜」
待ち続けたゲームを破壊された怒りのままにロボットを駆る少女‥‥フォーリィ・クライト(eb0754)。彼女の駆るロボはマグナカイザー。約30mのロボで胸に狼が、背中に不死鳥の羽が、膝に一角馬の角がドリルとなってついている、赤と白の二色で構成されている機体だ。
彼女が怒ってる理由を知っている者は勿論その場にいる者には居ない。魔界貴族レヲなるどの反応も尤もなものだ。ユイスは違うところに反応しているが。
「お前、フォーリィか!?」
正和の反応を見るだに、彼女もライトウイング所属なのだろう。
「食らいなさい! マグナァァッ! ブレイカァァァァァー!!!」
だがフォーリィは返事をせずにただただ怒りをぶつけるかのように燃える拳を激しくサイレントジョーカーに向かって撃ちこむ!
「なっ、これは‥‥!?」
その怒涛の勢いの攻撃を回避する事を無理だと判断した裕馬は、咄嗟に防御態勢を取るが、拳はそんな事お構い無しに貫く!
ドドドォ!
両腕を交差するように防御したサイレントジョーカーだったが、勢いを殺す事敵わず遥か後方まで派手に吹っ飛ばされる!
機体自体のダメージはそこまで大きくないように見えるのだが‥‥。
「あ〜。別嬪さんからのデートのお誘いやったらかまわへんけど、俺、痛いのいやなんやわ〜」
「な、どういう事だ!?」
「それじゃ、ここで抜けますわ〜」
サイレントジョーカーは態勢を整えると、再び戦闘態勢になるのかと思いきや‥‥バーニアを吹かして、空を飛び始めた。
裕馬はあくまで笑顔であっさりと戦線離脱を告げると‥‥そのまま戦場を去っていった。
「あら〜? あの人‥‥」
そんな裕馬の心の中に秘めた覚悟に気づいたのは‥‥遠くから見ているユイスだけであった。
「え〜い! ならば数の暴力だ〜!」
裕馬が抜けた事により不利になった戦場で優位に立つ為にトマスは機動戦車軍団に指示を出す!
●戦いは数だよ兄貴!
『数なら僕も負けないよ』
その瞬間、戦場全体に響く女性の声。恐らく共用電波に乗せているのだろう。
そして‥‥。
「な‥‥!?」
次々と戦場に現われる新たなロボ。10mぐらいであまり大きくなく、頭部はゴーグル型のカメラを採用している、全体的に簡素なデザインで全て同型である。手持ちの武器などによりバリエーションの違いはあるが。
「こんなのありえないのだ〜」
トマスが驚くのも無理はない。ロボは創造者がそれぞれ想像したものを作り出すのだ。今の世界の技術ではロボを作る事は不可能である。天才であるトマスでも戦車の改造型が精一杯である。
しかし目の前を闊歩する十数体のロボは‥‥明らかに作られたもので、人が乗っているようだった。
『ライトウイングの皆、援軍に来たよ』
「君は?」
『某国所属とだけ。その娘達は僕が生んだ娘達‥‥メロディズ・ドーターズ』
声の主は‥‥国境を越えたとある研究所にいた。
声の主‥‥メロディ・ブルー(ea8936)は椅子に座らせられていた。
それもただの椅子ではない。彼女の手足を拘束し、体の至る所に‥‥特に頭部に機械のパイプが何本も繋がっていた。彼女の顔はゴーグルヘッドで覆われており、表情は伺えない。
彼女がいる研究所は公的組織‥‥軍のものである。いつまでも世間の治安を正義の組織に任せるわけにはいかないと政府が作り出した研究所。そこで行われた研究とは、選ばれたものしか使えないロボットを誰でも乗れるように量産する事‥‥。
その人体研究の材料となったのが‥‥彼女、メロディである。幼き頃から過酷な扱いを受け、毎日軍が望むロボットのデータを頭の中に流し込まれ、そして彼女は‥‥軍の期待に応えたのだ。
ロボは創造者が望んだもの1体しか作り出す事はできない。しかし、そのロボがロボを産み出すロボだとすればどうだろうか。それならば量産する事も可能なのである。
概念的には産み出されるロボは元のロボの遠隔兵器のようなもので、操作の補助にパイロットを必要とするのであり、メロディがロボを起動させなければ動かす事はできないのだが。
『パイロットのみんな、頑張ってね。僕が苦しい想いをして生んだ娘達をよろしくね』
「事情はよく分からんが‥‥分かった!」
ここに来て初の実戦投入となるのだ。メロディの切なる想いを受けて、正和は気合を入れる。
●舞台は亜空間へ
「さて、どうもあっという間に形勢逆転‥‥というやつのようだな」
また新たなロボが現われる。今度のロボも約30m、ゴウタイガーより少し小さいくらいか。
胸に龍の顔がついている銀色のスーパーロボット、両手には水晶のようなものがついている。背中についているバーニアで何とか空を飛んでいるようだ。
「その声‥‥シルヴァ?」
「あぁ、そうだ。フォーリィ」
シルヴァ・クロイツ(eb9812)。それがこのロボ、ゼノディアスのパイロットである。彼はフォーリィを追うようにライトウイングに所属したという過去を持つ人物だ。
「ゼノディアスが出てきたとなるとさすがにこのままじゃ駄目だね‥‥。いくよっ、ディメンションシフト!」
マグナカイザーを駆るフォーリィが何か判断したのか、マグナカイザーが両手を広げ、次の瞬間辺りを極光が包む!
「何!?」
魔界貴族レヲなるどが驚くも次の瞬間、辺りは‥‥何も存在していなかった。そこに存在していたのはロボだけであり、街並みや人々などは見えなかった。
「これは‥‥我々を別の次元にずらしたのかね〜?」
「そういう事。ここでなら遠慮なく吹き飛ばせるからね!」
トマスの推測を確信させるフォーリィ。これはまさしくうってつけのバトルフィールドなのだ。
「成る程。いくぞライトウイング――――浪漫の貯蔵は充分か」
魔界貴族レヲなるどが大鎌を構え、戦闘態勢を取る。何故か無限の鎌を取り出しても不思議ではないように思えた。
「それなら遠慮なく‥‥タイガーキャノン!」
派手に暴れても問題ない事を確認した正和はゴウタイガーを操り、その両掌を突き出し、そこから超高熱プラズマ弾をジュリアンヌへ向かって発射する!
だがトマスは回避行動をまったく取らず、そのプラズマ弾はジュリアンヌに直撃したのだ!
ポロリ☆
「何ー!?」
プラズマ弾がジュリアンヌに直撃したかと思うと、ビキニ水着のようなアーマーが外れたのだ!
「けひゃひゃひゃ、18禁にしたくなくば、ジュリアンヌに攻撃しないことだね〜」
『いや〜ん、まいっちんぐ』
合成音声と共にどこかで見たようなポーズを取るジュリアンヌ。
元からジュリアンヌに防御力なぞ無きに等しい。ならば攻撃できない都合を作ればいいだけ‥‥それがトマスの考えであった。
「‥‥それってさ、中身ごと一気に潰せばいいんじゃない?」
「あ」
攻撃する事を躊躇していたライトウイング側の陣営であるが、フォーリィが当たり前の発想をする。
「マイクロブラックホールキャノン!!」
シルヴァのゼノディアスが胸の龍の口から重力エネルギーの奔流をジュリアンヌ向かって発射する!
ドグォォォォン!!!
圧倒的。
正にそうとしか言い様の無い破壊力であった。一撃でジュリアンヌの腹部から胸部にかけてを破壊のエネルギーで消滅させたのだ!
次の瞬間、更に大きな爆発と煙に包まれるジュリアンヌ!
「お〜ぼえていろ〜」
どうやらトマスは脱出したようでそのまま何故か戦闘フィールドから外にはじき出されたようだ。
そのトマスの大事な軍団である機動戦車トマスは全てメロディズ・ドーターズによって殲滅されたようだ。
『皆、頑張ったねー。あんな戦車もどきには負けないよ。どっかのVがつく作戦で作られた機体でも戦車系は悲惨な扱いだったしね』
どうやら亜空間でもメロディは様子を把握して通信を送る事ができるようだ。
「素早い‥‥!」
「その程度か、ライトウイング!」
そして同じ鎌を操るもの同士の戦い‥‥ルシファーのノワールと魔界貴族レヲなるどの戦いが行われていた。
身軽さを活かして大した威力ではないもののいくつも攻撃を加えていく魔界貴族レヲなるどに対してノワールは一撃も与える事ができていない。
(「当てる事さえできれば!」)
活路は――あった。ノワールの武器はビームサイズ1つでは‥‥無いのだ。
「これで終わりだ!」
魔界貴族レヲなるどがノワールの背後を取り、跳ぶ! そのまま鎌を振りぬけば恐らくノワールにとって致命傷となるだろう。対するノワールは右手でビームサイズを振り切ったばかりで防御も回避もできそうになかった――が。
「あぁ、終わりだ!」
いつの間にかノワールは左手にビームサイズを持っていた。そう、ノワールの武器は2つのビームサイズなのだ!
「くっ!?」
そのビームサイズがこちらに向かって振りぬかれる事を予測した魔界貴族レヲなるどは咄嗟に攻撃をやめて回避に移るが‥‥ルシファーはこのチャンスを逃しはしなかった。
「でやぁぁぁ!」
ノワールの腕が――伸びたのだ。今までの戦闘から間合いを予測して回避を行っていた魔界貴族レヲなるどにとってはあまりに予想外の事態! 避ける事叶わずビームサイズが魔界貴族レヲなるどを襲う!
「バ、バカな‥‥、人間ごときに‥‥魔界の住人たるこの私が‥‥」
「切り札は最後に見せるものだ!」
ドカァァァン!!
爆炎。
そして炎と煙が晴れた時、そこには。
「何!?」
「確かに‥‥切り札とは最後に見せるものだ」
魔界貴族レヲなるどが変わらず立っていたのだ!
「己の力と技を全て尽くして放つ秘技・まるごとレヲなるど‥‥本来ならなるべく使いたくなかったんだがな」
「それで攻撃を防いだっていうのか‥‥!」
ノワールは手の内を知られてしまい、魔界貴族レヲなるどはまるごとレヲなるどの為に力を使ってしまい‥‥戦局は振り出しに戻ってしまった。
そして最終決戦は唐突に訪れる。
●ライトウイング大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ!
「ん、この力は〜?」
残るダークダガーはあと1人‥‥その時、ユイスが新たな強力な力を察した。
ゴゴゴゴゴ‥‥!!
直後、亜空間で起こる筈のない地震!
その場にいた者全員が感じただろう。強大で‥‥凶悪な力を。
「クックック‥‥アーハッハッハ!!」
狂気の笑い声。そして次の瞬間、空間に大きな歪みが発生する!
それと同時に極彩色の光が辺りを包み、次の瞬間‥‥禍々しき機体がそこに存在していた。
「お前は‥‥お前は一体何なんだぁー!!」
唐突に現われた謎の機体。300mはあるだろうその巨体。巨大なスカート状の下半身に小型の上半身がついている機体形状をしている。まるで永遠に進化を続ける悪魔!
その圧倒的悪の存在に思わず叫ぶシルヴァ。
「私は‥‥フォス・バレンタイン! このブラック・メサイアで生きるという苦痛に死という救済を与える救世主です!!」
男の名は‥‥フォス・バレンタイン(ec0159)。ダークダガーの‥‥トップである。
「聞いた事があります〜。確か、過去にテーカーと戦い傷を負ったとか〜」
所属組織の性質上、裏の事に詳しいのだろうユイスがフォスの過去を語る。
「そう! 私はあの忌々しきテーカーに敗れ、ずっとダークダガーを隠れ蓑にして生きてきました! だがもはや隠れる必要なぞ無い程回復したので、表に出てきたのですよ!」
「‥‥そして出てきた目的は?」
先程まで戦闘をしていた魔界貴族レヲなるどはいつの間にかブラック・メサイアの足元に立っていた。彼女もまたダークダガー所属故、そこは大事なのだろう。
「勿論決まっています‥‥人類抹殺!! 言ったでしょう? 生きる事は苦痛‥‥『死』こそが『救い』なのです!」
『狂ってる‥‥!』
そのメロディの言葉はその場に居た者達全員の思いを代弁したものであった。そう‥‥魔界貴族レヲなるどもだ。
「それを‥‥許すわけにはいかない。そのような事で死んだ者の魂は供物として相応しくない‥‥!」
「おや、造反するのですか? 良いでしょう! 元から全て殺すつもりだったのですから!」
「そんな事させるかぁ! グラビティマグナム!!」
シルヴァのゼノディアスが右手の水晶から指向性重力波を発する! ブラック・メサイアはその巨体ゆえ避けれずに直撃する筈だった‥‥だが!
「聖域境界壁ィーッ! そのようなものは通用しませんよォー!」
「効いてない!?」
ブラック・メサイアを覆うかのように発生したバリアがその攻撃をいとも簡単に防いでしまったのだ!
「今度はこちらの攻撃ですよ! フハハハハハッ!! 剛力招来!!! 超力招来!!! いきなさい、レギオンビットォォ!!」
ブラック・メサイアから放たれる羽根のような物体! 元が巨大なので、それすらも20mはある。
数十の数がブラック・メサイアから放たれ、それぞれが意思を持つかのように飛びまわりビームを放つ!
「大量広域先制攻撃兵器か!」
「その上、この威力‥‥直撃を貰えないわよ!」
正和は何とか必死に避け、フォーリィは自身の機体のバリア機能で防ぐが、1撃でそれを破壊する!
「まだまだぁ! これもつけますよ、救世主砲!!」
更にブラック・メサイアからも雨のようなビームが放たれる! その姿は正に破壊の悪魔!
『駄目‥‥逃げて‥‥!』
量産型故に個々の戦闘能力は低いメロディズ・ドーターズはあっさりと撃墜されていく!
「このままでは‥‥!」
あまりの戦力の差に、シルヴァを‥‥いや全員を絶望が包んでいく。
「諦めたらあかん!」
「この声は!?」
その時絶望を払うかのように辺りに響く声! 魔界貴族レヲなるどにとっては聞き覚えのある声、何故ならそれは同僚の声なのだから!
「裕馬!?」
「今まで隠れて機会を伺ってたんや! ‥‥家族を殺したダークダガーに復讐する機会をな!」
そう、サイレントジョーカーを駆る男‥‥飛火野裕馬。ダークダガーの偵察任務を請け負っていた男。
「ダークダガーに潜入してたおかげで色々知る事もできた! その機体の弱点は‥‥ここやぁっ!」
サイレントジョーカーはビームの雨を潜り抜け――避けきれず機体がボロボロになっていくが――ブラック・メサイアの背後に回りこむと、サイレントジョーカーに搭載されてる全ての武器を使って、背部のただ一点を攻撃する!
「ここだけが聖域境界壁に覆われてなく、そしてここを攻撃すれば一時的に機関部である全能機関を止める事ができる!!」
「バカな! 聖域境界壁がッ!!」
全能機関を止められたせいでバリアが無くなった上、攻撃の手が止むブラック・メサイア!
『今こそ決着をつけるんだ!』
「応!」
メロディの指示に全員が気合を入れて返事をする!
「‥‥俺の必殺技っ、タイガーアタックッ!!」
正和のゴウタイガーが黄金に輝く光の虎となり突撃する!
「この攻撃でとどめを刺す! まるごとレヲなるどぉ!!」
魔界貴族レヲなるどが全ての力を振り絞りそれをぶつける!
「人類抹殺させるわけにもいきませんし〜。正射必中! ヘルテンペスト!」
ユイスのラピッドシューターが巨大リニアレールガンを連射する! フェイタルだとかアローだとかでは無いらしい。
「これを使うしかない! マグナァァッ! スタンピィィィィドォォッ!!」
フォーリィのマグナカイザーが両腕に全炎エネルギーを集中して突き出すように突撃する!
「ランスモード! 俺を使え!」
「応よぉ!!!」
ルシファーのノワールが巨大なランス形態へと変形し、それをシルヴァのゼノディアスが握り、全力で突く!
「グアァァァ!!!?」
全てのロボットの必殺技がブラック・メサイアに叩き込まれ、苦悶にのたうつフォス! ブラック・メサイアのあちこちからエネルギーの奔流が漏れ、もはや機体が最期だというのは誰の目にも明らかであった。
「私だけ、私だけが死ぬいくわけには‥‥! 黙示録‥‥砲‥‥い、今こそ‥‥『救い』をォオオオオ――――ッ!!!!」
だがフォスはまだ諦めずにブラック・メサイアを稼動させる! そしてブラック・メサイアの中心部から出てきたのは今までのものとは比較にならない程巨大な砲!
『何をするつもり!?』
そして何もない筈の亜空間に穴が開かれる! 開かれた穴の中に映るのは東京! ブラック・メサイアの砲はその穴を目掛けていた!
「黙示録砲が撃ち込まれたら東京は‥‥滅びる!」
裕馬の叫び。それは事実なのだろう。黙示録砲からは途轍もないエネルギーが漏れているのが見て取れた。
「発射させるなぁぁ!!」
その叫びは誰のものだっただろうか。全員のものかもしれない。
そしてシルヴァのゼノディアスがブラック・メサイアの目の前に立っていた。
「これを使うしか‥‥」
ゼノディアスの両手の水晶にエネルギーが溜まっていく!
「何をするつもりだ!?」
「最早止める為にはこれしか無いんだ! 皆、離れろぉぉ!」
そして水晶が打ち合わせられる!
「パニッシュ&クライム!! 原子に還れぇぇぇ!!!」
その時、ブラック・メサイアとゼノディアスが極光に包まれていく!!
その光は触れた物を無にする消滅の光! それはブラック・メサイアだけではなくゼノディアスも、だ。
「シルヴァァァ!!!」
●ライトウイング所属、若宮陸の手記より
あれから数ヶ月の時が経ちました。
俺は相変わらずライトウイングで頑張ってる毎日です。正和さんやルシファーさん、フォーリィさんもです。
皆あの戦いの直後は落ち込んでいましたが、今では元気に笑っています。
「あいつが守ったこの平和を俺達が守るんだ」
そう誓った時の事は忘れる事は無いでしょう。
ダークダガーに所属していたプロフェッサー・トマスは全世界で指名手配していますが、まだ捕まえれていません。
魔界貴族レヲなるどと飛火野裕馬は行方がわかりません。生きてはいるのでしょうが。
ライトウイングを援護してくれたメロディさんは今では待遇がある程度良くなったと風の噂で聞きました。
謎の組織のユイスさんは‥‥やっぱり謎のようで。
この平和、守らなくちゃな。