メイド喫茶vs巫女料亭vsナースセラピー

■ショートシナリオ


担当:菊池五郎

対応レベル:フリー

参加人数:12人

サポート参加人数:-人

リプレイ公開日:2005年04月17日

●オープニング

 時は西暦2003年。
 突如、世界に『神帝軍』が降臨した。神々しさと、通常兵器を受け付けない絶対的な武力『神機巨兵《ネフィリム》』の前に人々はひれ伏し、神帝軍の支配を享受した。
 だが、神の眷属に敢然と立ち向かう、魔に属する者達――『魔皇《まおう》』と魂の絆《スピリットリンク》で結ばれたパートナーである『逢魔《おうま》』――の存在があった。
 彼達は、彼女達は、『殲騎《せんき》』と呼ばれる巨大人型兵器で、神帝軍の先兵たる『聖鍵騎士《グレゴール》』とその守護天使『導天使《ファンタズマ》』に立ち向かい、その侵略を次々と打ち破っていった。
 そして西暦2004年3月15日。神帝軍の支配の牙城たる『東京ギガ・テンプルム』が魔皇達の総攻撃によって遂に陥落したのだった。

 日本の各県に、神帝軍の支配を象徴するように、テンプルムが存在する。
 徳島県徳島市の県庁の上に浮かぶ『徳島ノーマルテンプルム』も、徳島県を担当するその1つである。
 東京ギガテンプルムが陥落したが、徳島テンプルムは独自の路線――魔に属する者達と徳島県民との共存政策――を貫く方針を決めていた。
 というのも、徳島テンプルムを管理するアークエンジェル《コマンダー》・アールマティを筆頭に、その指揮下にあるグレゴール達、美少女四人組“クルセイド☆フォース”――覇王・摩瑠子(はおう・まるこ)、奈瑚・千弥(なこ・ちひろ)、真鏡名・桃香(まじきな・ももか)、服部・舞(はっとり・まい)――やプロフェッサー・ビックディッパーは、神帝軍による人々の支配より自分の趣味にご執心だからだ。
 その趣味とは制服“萌え”である。
 アールマティは動物コスプレ、摩瑠子はロリータ系、千弥は巫女装束、桃香はボンテージ、舞はファミレスの制服、プロフェッサー・ビックディッパーはバニースーツと、それぞれの萌えは千差万別で、時折、徳島市民を巻き込んで「どちらの萌えが支持を集められるか」を競う、市民からすれば困った事をするが、それ以外は概ね平和であった。

 そしてまた、その市民投票が行われようとしていた‥‥。

 徳島市の治安を担当するクルセイド☆フォースは、徳島県庁の隣に建つ徳島プリンスホテルを接収し、ここを拠点としていた。
「うーん、メイド服はやっぱりパフスリーブ(ちょうちん袖)の方がいいわよね」
「知らないよ、そんなの」
「ミニスカとかあるけど、あれは邪道よね。メイド服はロングスカートでないと。許せても膝下丈よ」
「だ〜か〜ら〜、あたしに聞かれても知らないって〜の。第一、それ、同人誌でしょうに‥‥」
 そのロビーで、覇王摩瑠子はふかふかのソファーに身体を預けて本を読みながら、隣に座る奈瑚千弥にあれこれ聞いていた。
 摩瑠子は、“深窓の令嬢”という言葉が当てはまる艶やかなロングヘアで、端正な顔をした美少女だ。
 方や千弥は、白衣に緋袴という、所謂“巫女さんスタイル”である。彼女は徳島県内の由緒正しい神社の娘で、これが普段着といっても過言ではなかった。
 千弥が指摘するように、摩瑠子が読んでいるのは、とある徳島の同人イベントで手に入れたメイド服同人誌である。
 摩瑠子はメイド服に凝っているようで、県外へ出かけては色々と購入しているらしい。
「時代は看護士《ナース》なのですな!」
 そこへ現れたのは、二枚目半のルックスと逞しい体躯をした白衣姿の男性――プロフェッサー・ビックディッパー――であった。
 彼の後ろに控える女性型ファンタズマ・サザンクロスは、淡いピンク色のナース服(しかもミニスカ)を来て、手に等身大の巨大な注射器を持っていた。
「そんな大きな注射器‥‥どこで手に入れたの?」
「これはオーダーメイドで‥‥っていうか、ツッコミ所はそこではないのですな!」
 摩瑠子の疑問はあながち間違ってはいなかったが、制服の話をしていただけに、できればナース服について突っ込んで欲しかったようだ。
「‥‥今度はお医者さんごっこでも始めるつもり?」
「ニアピン賞ですな。人々がナースに求めるもの‥‥それは“癒し”なのですな! 例えば、何度も入院したり、怪我や病気が完治しても入院し続けたり‥‥ナースには人を惹き付けて止まない癒しの力があるのですな!!」
「‥‥そんなニアピン賞は要らない‥‥」
 頭を押さえる千弥に、プロフェッサー・ビックディッパーは拳に力を込めてナースの魅力を熱く語る。
「果たしてその程度で癒されるかしらね? メイドや巫女の方がずっと癒されると思うけど?」
「ちょ、ちょっと、マル〜!?」
 売り言葉に買い言葉の摩瑠子を千弥が止めに入る。しかし、既に遅かったようだ。
「ナース服は、女性の持つ“母性愛”を十二分に体現しているのですな! ならば民主主義に則って、ナース服かメイド服か巫女装束、どの服が癒されるかを、徳島市の女性達に市民投票で決めてもらうのですな!」
「望むところよ」
「あ、あたしも〜!?」
 摩瑠子は千弥も巻き込んで、ビックディッパーの勝負を受けてしまった。

 ――というやり取りがあったかどうかは知らないが、今度、徳島市で『ナース服とメイド服と巫女装束、どの服が癒されるか』という市民投票が行われる事になった。
 14歳以上40歳未満の徳島市民の女性は、投票日まで外出時はナース服かメイド服、巫女装束のいずれかを着なければならないという。
 ちなみに、市民の女性からはそれなりに非難の声があるようだが、県民を問わず男性は異様に盛り上がってるそうだ。
 この市民投票の首謀者、プロフェッサー・ビックディッパーは“ナースセラピー”というインセンス(香)を扱ったカクテルバーを、摩瑠子は“メイド喫茶”という喫茶店を、千弥は“巫女料亭”というレストランを発足して宣伝活動を行なっている。
 ナースセラピーは男女問わず、メイド喫茶は男性の、巫女料亭は女性の支持を受けており、現在、それぞれ3割ずつ支持率を得ている。
 つまり、残り1割で勝敗が決するのだが‥‥その1割の権利をあなた達が持っているのだ!

●今回の参加者

 ea0110 フローラ・エリクセン(17歳・♀・ウィザード・エルフ・イギリス王国)
 ea1128 チカ・ニシムラ(24歳・♀・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea1743 エル・サーディミスト(29歳・♀・ウィザード・人間・ビザンチン帝国)
 ea2722 琴宮 茜(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3062 リア・アースグリム(27歳・♀・神聖騎士・人間・ノルマン王国)
 ea3665 青 龍華(30歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea3965 珀娃泉 朝比奈(28歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea5062 神楽 聖歌(30歳・♀・侍・人間・ジャパン)
 ea7431 フィソス・テギア(29歳・♀・神聖騎士・人間・ノルマン王国)
 ea7468 マミ・キスリング(29歳・♀・ナイト・人間・フランク王国)
 ea8989 王 娘(18歳・♀・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 eb0084 柳 花蓮(19歳・♀・僧侶・エルフ・華仙教大国)

●リプレイ本文


●徳島の、あの人は今!?
 JR徳島駅の構内。直結している駅ビル・クレメントプラザや、バスターミナルを挟んで連立する徳島そごうと徳島名店街ビルがあるここは、昼下がりともなると多くの人出で賑わう。
 季節は春。ちょっと寝坊していた桜も、ここ数日の暖かさでようやく目を覚まし、その蕾を綻ばせて大輪の花を咲かせている。
「んー! 絶好のお花見日和。家の中にいるのがもったいないくらいの青空と快い春風だよね! 徳島中央公園と新町川水際公園の桜は満開だって! ボクもお花見したいな」
「し、しかし、この光景ではお花見どころではないですよね‥‥」
 徳島駅の入口に立つエル・サーディミスト(ea1743)は、艶やかな白磁の頬と白銀色の髪を撫でる春風を受けて、気持ち良さそうに背伸びをした。
 エルからすれば、花見に行くとすれば断然、徳島中央公園である。原生林には山菜も豊富に茂っており、よく採りに行くのだ。今も脇に抱える分厚いハードカバーの本は愛読書の植物図鑑でVネックのスプリングセーターに明るいチェックのスカート、腰には山菜を入れるポーチと、そのまま分け入られるような格好をしていた。
 エルの横にいるのは珀娃泉朝比奈(ea3965)だ。ほっそりとしながら柔らかい顔の線に、誰もが羨む日焼けの跡が一切ない雪のように白い肌、使っているトリートメントを聞きたくなる程艶やかで滑らかな紅色の髪を見れば、10人中9人は朝比奈の事を『女性』と思うだろう。彼が通う学校の男性用の制服を着ていても、それすら可愛いと思えるほどだ。
 しかし、朝比奈はれっきとした男性だった。
 朝比奈が圧巻されるのも無理はない。目の前を忙しく通る女性達の大半は、メイド服か巫女装束、看護士(ナース)の制服のいずれかを着用しているのだから。
「今回は巫女装束〜♪ 一回着てみたかったんだよね♪」
「頑張りましょう‥‥ねっ‥‥」
 朝比奈とは対照的に、チカ・ニシムラ(ea1128)はこの光景を見てご機嫌だ。彼女の腕に自らの腕を絡めるフローラ・エリクセン(ea0110)は、端から見れば仲のいい女の子友達にも見える。しかし、実はもう一歩踏み込んだちょっと『意味深な関係』なのだが、それは後程明らかになるかもしれない。
 見ているだけで元気になるような、春の陽射しのような笑顔を浮かべるチカの服装は、最近新メンバーが加わってリニューアルした魔女っ娘番組を意識した、パステルカラーのフリフリな衣装。
 潤んだ紅玉のような瞳を湛え、フランス人形のように浮き世離れした雰囲気を纏うフローラは、意外にも黒一色で露出のほとんどないワンピースを着ていた。
「それにしても、何か、こうやってみんなと集まったのって、初めてじゃない気がするんだよ‥‥変な因果があるっていうか‥‥」
「あんたもなの? 私もそうなのよ。何かしらね、この感覚‥‥徳島市民になるべくしてなった感じかしら」
 チカが言葉では説明できないもどかしさを感じていると、青龍華(ea3665)も縁無し眼鏡を光らせて同意した。
 彼女はシースルーのストールを巻き、下に見える可愛いタンクトップを着て、下は青系の七分丈(膝下まで)のストレートパンツと動きやすさを重視していた。子供番組に出てくる司会のおねーさんのような感じだ。
「それはデジャヴ、という奴だな。過去夢、前世の記憶、と呼ばれているものだ。非科学的かもしれないが、チカ殿や龍華殿は、もしかしたら徳島と関わりがあったかもしれないな」
 フィソス・テギア(ea7431)が博識振りを披露した。フィソスも徳島市民だが、やはり何らかの因果を感じていた。
 パリっと折り目正しい青系のカジュアルスーツに身を包み、常に背筋をピンっと伸ばしている彼女は、360度、どこからどう見てもやり手の秘書や会社を経営する若き女社長である。事実、彼女は司法書士として、知る人ぞ知る存在だ。
「因果‥‥か」
 王娘(ea8989)が静かに口を開いた。大きな猫耳が付いたフード付きのコートを羽織り、その下にはチャイナ服を着ていた。黒曜石を溶かしたようなきらびやかな黒髪は、側頭部でお団子状に結っている。
 娘はチャイナ服の上から胸を押さえた。懐にあるものがしまってあり、それが彼女にとっての、この地での因果だった。
「ナース服は巫女装束と違い、様々な色があるのですね。ピンクもいいですが、淡い空色も清潔そうでいいですね」
「‥‥はい‥‥はぁ(フリルとレースは女の子の永遠の憧れです‥‥乙女の夢と言っても過言ではないです‥‥どうせなら色は黒がいいです‥‥そう、黒ロリ風なメイド服‥‥せっかくですので‥‥)」
 琴宮茜(ea2722)は行き交う女性達のうち、ナース服を見ていた。一方、柳花蓮(eb0084)は茜への返事も上の空、その山奥から湧き出る清流のような青い瞳は、メイド服を頻りに追い、桜色の唇から儚い溜め息を漏らしていた。
 他のメンバーが私服なのに対し、2人は白衣に緋袴と、所謂スタンダードな巫女装束に身を包んでいた。茜は七色のリボンでうなじの辺りで髪をまとめ、花蓮は梳って流れるに任せているが、白衣に襷掛けをしていた。
 2人とも普段から巫女装束を着ているだけに、着こなしは完璧である。
「そこのそなた達」
「はい? 私達の事でしょうか?」
 不意に声を掛けられ、マミ・キスリング(ea7468)は答えた後、声を掛けた人物を見て目を見開いた。ちなみにマミもカジュアルスーツに身を包んでいたが、こちらは春の草原を想わせる若草色だ。零れ落ちる涙を象ったアクアマリンの付いたチョーカーがワンポイントだ。
 西洋人のハーフであるマミはバイリンガルで、ニュースの同時通訳などを担当しており、声を掛けてきた人物の事も知っていた。
 徳島には『ハングドクロス』という魔皇達の神帝軍に対する抵抗組織がある。その総統たる“斬聖大帝”ヘルブーケ事、大轟寺麗子その人だったのだ。
 徳島テンプルムと和解した今、ハングドクロスは警察機構の一端として、魔皇による犯罪の取締と、神帝軍の暴走を抑止する任に当たっていた。
「あまり言いたくはないが‥‥今、徳島市では、下は14歳から上は40歳までの徳島市民の女子(おなご)は、外出時はメイド服か巫女装束、ナース服の何れかを着用しなければならんのじゃ。メイド喫茶か巫女料亭、ナースセラピーへ行って制服を支給して‥‥いや、そういう事か! そなた達が今回の“特異点”という事じゃな」
 麗子は頭を軽く押さえつつ、今回のルールを簡単に説明していたが、思い当たる節があるのか、マミ達の事を“特異点”と呼称した。
 ちなみに麗子はファンタジーRPGに登場する騎士のような、黒いブレストプレートとマント――斬聖大帝のコスチューム――に身を包んでおり、ある意味、私服に近いマミ達より目立っているといえば目立っていた。
「特異点、ですか?」
「気を悪くしたらすまなんだ。現在、どの陣営も膠着状態に陥っておるからな。要するにこの状況を打破できる切り札みたいなものじゃ。儂も制服聖戦などさっさと終わらせるに限ると思っておる。そなたら特異点には期待しておるのじゃ」
 マミがオウム返しに聞くと、彼女はそれぞれの本部の場所を説明し、雑踏の中へ消えていった。
「覇王摩瑠子殿のメイド喫茶は、駅ビルに隣接しているホテルクレメント徳島の中のレストランだそうです」
「行くのは私と朝比奈さん、龍華さんとフィソスさん、マミさんですね」
 マミが場所を確認すると、花蓮がメンバーを確認した。
「奈瑚千弥さんの巫女料亭は、徳島中央公園の中にある護国神社ですね」
「私と、チカ様‥‥エル様と‥‥茜様‥‥が、行きます」
 茜が場所を確認し、フローラが点呼を取った。
「徳島病院内にあるプロフェッサー・ビックディッパーのナースセラピーは、私だけのようだな」
 娘は1人、ナースセラピーを選択していた。
 全員がここで別れ、それぞれの本部を目指したのだった。

●「お帰りなさいませ、ご主人様v」
 グレゴール、覇王摩瑠子がオープンさせた『メイド喫茶』の本部は、徳島駅の駅ビルに隣接しているホテルクレメント徳島の最上階にあるレストランを接収し、そこに置かれていた。
「「お帰りなさいませ、ご主人様v」」
 朝比奈達がメイド喫茶の扉を開けると、第一声が聞こえ、入口の両脇に控えていたメイド服を着た少女達が下腹部に両手を添えて深々と頭を下げた。
「‥‥物の見事に、客は男性だけだな」
「お店自体はほぼ満席で繁盛しているように見えるけど‥‥実際のところ、喫茶って回転率悪いのよね。男女共に長く居座るところだし」
 それが店内を見回したフィソスと龍華の感想である。
 1つのテーブルに1人のメイドが付き、オーダー取りからメニュー運びまでご奉仕をするので、テーブルの数だけメイドは必要だし、ご主人様気分を長く味わいたい為、自然と客も長居するという悪循環が生じていた。
 花蓮達はメイドを通して摩瑠子との面会を求めると、事務所へ通された。
 摩瑠子はパフスリーブ(ちょうちん袖)の黒を基調とし、袖くりや襟、サロンエプロンは白い、オーソドックスなメイド服を着ていた。レースカチューシャもヘッドドレス並に大きめだ。
「龍華、来てくれたのね。そちらはあなたのお友達?」
「まぁ、そんなところよ。だいぶ、苦戦しているみたいだけど」
 摩瑠子は龍華の手を取って、来てくれた事を喜んだ。2人は摩瑠子がグレゴールの洗礼を受ける前からの友達だ。
「苦戦しているというか‥‥他の陣営、というよりナースセラピーを引き離せなくて苦しんでるわね」
「マミ・キスリングです。よろしくお願いします」
「徳島市民に飾りではない本当のメイドの良さを知ってもらいたいと思った」
「メイド服は様々な種類があり、女性を飽きさせないと思うのです‥‥」
「私は楽しそうで、やってみたいと思ったからですが‥‥」
 龍華の言葉に摩瑠子が苦笑を浮かべると、マミの自己紹介を皮切りに、フィソスと花蓮、朝比奈が思いの丈を述べていった。
「従来のメイド喫茶のような、ウェイトレス的なメイドのイメージではなく、本来あるべき自然なメイドの姿をお客様に見て戴く為と、高級感を出す事で巫女に取られがちな女性の支持を得る事ができるだろう」
「ここは元々、比較的高級なレストランだったの」
 早速、フィソスが膠着状態打開のプランを提示し始めた。内装は洋館風で、椅子やテーブルなどの調度品もそれに合わせて質の良い品を揃えており、こちらは問題なかった。
「このホテルの屋上は使えないかしら? 折角、桜が咲いているんだし、外にも席を設置して、客の数を根本的に増やすべきだと思うわ」
「桜とメイドさんは合うと思います。それに屋内だけですと何をやっているか分からない‥‥いえ、閉鎖的で女性がなかなか入ってこられないと思いますが、外なら分かりやすいですしね」
 龍華が座席数の増加を申し出ると、朝比奈が賛成した。はらはらと舞い落ちる桜の花びらの下で、甲斐甲斐しくご奉仕するメイド達――まさに桜という日本古来の文化と、メイドという西洋文化のコラボレーションである。
「目標とするのは女性客の獲得ですから‥‥女性の心を捉えなければなりません‥‥メイド喫茶の売り‥‥それは甘い物‥‥」
「ケーキや甘味メニューは、低カロリー・低脂肪をできうる限り追及して、程良い甘さに加え、ダイエット志向の女性向けの物という方向で行けばよいかと思います」
 『甘いものは別腹』という格言(?)があるように、“健康”や“ダイエット”に人一倍留意していても、甘い物を食べたいというのが女性というもの。
 花蓮がその欲求を満たすプランを打ち立てると、マミがそれを具体例を以て後押しした。
「問題は、腕利きのパティシエを雇う必要がある事ですが‥‥」
「しかし、多少メニューの価格が上がっても、質にこだわるべきだろう。付け焼き刃のメニューでは、すぐに飽きられるのは目に見えている」
「時間がないけど、できる限りの事はしてみるわ。料理も美味しければ、浮いてる女性票取れるかもしれないしね」
 花蓮とフィソスの危惧は、料理人として一流の腕前を持つ龍華が名乗り上げる事で解消した。
「上がった値段については、レディースプランを取り入れるのはどうでしょうか‥‥? 女性のみ3割引きにして、折り込み広告とホテルの前で宣伝を‥‥」
「メイド服を着て街に出て宣伝を行う事で、メイド服のイメージの刷り込みも同時にできますね」
「それなら私も手伝えそうです」
 花蓮の提示した広告プランをマミが補足した。この2人、考えている方向性が似ているようで、なかなかのコンビである。2人のプランに朝比奈が協力する形となった。

 それから2日間、臨時休業していたメイド喫茶が沈黙を破った。
「メイド喫茶をよろしくお願いします」
 6ボタンのベストに襟くりにリボンをあしらった上着、上着と同色のエプロンと一体のロングスカートという、一風変わったメイド服を着た朝比奈が、ホテルの前で宣伝を始めた。ナチュラルメイクだけだが、今の朝比奈は10人中10人全員が、美少女と間違える程だった。
 また、声は大きくないが、その仕種から一所懸命頑張っているのが分かり、潤んだ目で上目遣いに、小首を傾げてご主人様を求める可愛くもいじらしい姿は、同性、異性問わず萌えた。
 特に年上の女性は、思わず抱き締めたくなる程だが、それを無意識にやっている朝比奈はナンパの才能があるのだろう。
「メイド服は他の制服に比べて、普段着に近い感覚で着こなす事できます」
 朝比奈の隣では、クラシックな紺のメイド服にその下に着たフリルとレースで彩られたシャツ、レースカチューシャを組み合わせのマミが、優雅で華麗に広告のビラを配っていた。
 颯爽と仕事をこなす事で、女性達にメイド服はれっきとした仕事服であって、男性に媚びるものだけではないという印象を与え、着る事に誇りを持てるよう、心に訴え続けていた。

「ご主人様、本日はようこそ御出で下さいました。御用がありましたら、何なりとこのフィソスにお申し付け下さいませ」
 店内では青と白を基調とした、肩部に余裕のあるメイド服を着たフィソスが、人一倍動いていた。胸元に宝石をあしらったブローチを付け、純白のエプロンとカチューシャは標準装備。ロングスカートの丈は膝下程で、脚には白ストッキング&ガーターベルトの組み合わせだ。
 「ロングスカートは基本だが、脚は少し見えた方が萌えだ」とはフィソス本人の談である。もちろん、大いに、諸手を上げて大賛成である。
「うふふっ、ご主人様‥‥もしかして、緊張されてます? どうか気を緩めておくつろぎになって下さい」
 フィソスはコミュニーケーションを重視しており、ご主人様と話す時の甲斐甲斐しく尽くす柔らかい口調と、オーダーを告げる時の男装の麗人たる男性口調とのこのギャップ!  この格差がかたまらなく、彼女にご奉仕されたい男性(と一部、「お姉様」と呼びたい女性)が閉店まで長蛇の列を作ったという。
「やっぱり可愛いしね、この服。特別手加えなくても、巫女服以上に普段目にしない服でもあるしね。やるからには勝つわっ、何としても!」
 龍華は調理場で獅子奮迅していた。2日間の沈黙は、彼女が食材を選定し、新メニューを考えていた期間だった。
 調理場は基本的に客からそう見えないが、黒を基調としたノーマルなタイプのメイド服を着て調理に臨んでいた。調理の邪魔にならないよう、フリルやレースは付いていないが、そのシンプルさが却って龍華の魅力を引き立てていた。

 ここだけの話だが、メイド喫茶は急激に女性票を獲得していった。その背景には何か裏があるらしいが‥‥。
「女性は美味しい紅茶にも弱いですから‥‥」
 とは花蓮談だが、彼女は摩瑠子と結託して、『メイド服黒ロリ派』を立ち上げていた。摩瑠子は元々はロリータファッションがメインであり、花蓮に服装で全面的に協力した。
「メイド服はロリから大人っぽい物まで、様々な種類の物が着れるのが一番の強みです‥‥女性は毎日色々な服を着ていたいもの‥‥毎日気分転換が図れる、それが女性にとっての癒しとなるのです‥‥」
 ただ、花蓮もロリータ系の服は着る人を選ぶのは承知しているので、控えめに女性だけに囁いたのが功を奏したようだ。
 そしてもう1つ。花蓮は陰秘学の1つである錬金術を嗜んでおり、メイド服が好きになる無味無臭な特製の薬を作り、ケーキや紅茶に混入したという噂もあるが、これは事実無根とされた。

●Usa Mimi Mode?
「制服聖戦ですか‥‥私には関係ありませんね」
 リア・アースグリム(ea3062)は、『制服聖戦』を他人事のように受け止め、その喧騒から少しでも遠ざかる為に、徳島中央公園内にある庭園を散策していた。
 元々、『巫女料亭』はメイド喫茶やナースセラピーに比べると大きな宣伝活動は行っておらず、徳島中央公園は比較的静かだった。
 リアは徳島城の元庭園をぶらぶらと散策し、桜を愛でていた。
 ふわっと一陣の風が吹き、リアは慌ててたゆたう黄金色の髪を押さえた。目の前を桜の花びらのカーテンが遮る。
「‥‥ん? あそこにいるのは‥‥千弥さん!?」
 カーテンが上がると、そこには本来なら巫女料亭にいて陣頭指揮を執るべき、奈瑚千弥の姿があった。今の千弥は端から見れば途方に暮れているように思え、歳相応のただの女の子であり、リアより小さく見えた。
「‥‥上手くマルに巻き込まれたけど、本当はあまり乗り気じゃないのよね。まぁ、プロフェッサー・ビックディッパーには負けたくないけど」
 話し掛けたリアに、千弥は胸中を語った。

「‥‥それで、リアが先に働いていたんだね」
 グレゴール、奈瑚千弥が開店させた巫女料亭は、徳島中央公園の中にある『護国神社』を接収し、その境内を利用していた。
 千弥に協力する為にやってきたエル達は、一足先に着慣れない巫女服に悪戦苦闘しつつも、持ち前の礼儀作法や話術を駆使して来店者を丁寧にもてなすリアの姿に驚いた。
 茜達はリアに、千弥へ取り次ぐよう頼んだ。
「チカに茜まで、来てくれたのね」
「千弥お姉ちゃん、手助けするよ♪ よろしくね♪」
「流石に苦戦されているようですね。“癒し”という観点だと、ナースやメイドといった人に尽くすタイプの方が分がありますからね」
 チカは千弥を姉と慕う妹のような存在であり、茜は千弥より1つ下の後輩に当たる。
 茜が見てきた限り、静かな場所で精進料理が食べられる巫女料亭は流行っているように思えた。しかし、巫女が精進料理を出すだけでは、すぐに飽きられてしまうと危惧していた。
「もし、千弥さんが許してもらえるなら、野点をやりたいのですけど良いでしょうか? これだけの自然があるのですから、お食事以外にも、落ち付いてお茶を楽しんでもらえると思うのです」
「‥‥お花見‥‥では‥‥お酒に桜の花びらを‥‥浮かべた‥‥“花見酒”というもの‥‥を飲むそうですが‥‥野点で淹れ‥‥るお茶にも‥‥桜の花を浮かべ‥‥てみてはどうでしょう? ‥‥合わせ‥‥て桜餅を出すのも‥‥いいかもしれません‥‥」
 茜が精進料理だけでなく、ちょっとした休憩場所としても開放すべきだと、野点を提案すると、フローラが雑学を総動員して、桜茶や桜餅といった桜に因んだものを付け加えた。
「精進料理にしても、桜茶や桜餅にしても、よりいっそう身体にいいものを作る‥‥っていう観点からなら、ボクも協力できると思うんだv 日本料理なんだし、ましてや春なんだから、山菜とかいっぱい使わないと損だよ!」
 19歳という若さにして、徳島市でも名だたる薬師の本領発揮とばかりに、エルが徳島中央公園内で採れる山菜を使ったメニューを考案した。お膝元で採れるなら、これ程手間が掛からず、効率のいい追加メニューはないだろう。
「料亭では難しいかもしれないけど、野点の時ならお客さんと話せる機会はいっぱいあると思うんだ。その時、それぞれの山菜にどんな効果があって、どんな場所に生えていて‥‥なんて事を教えてあげたら喜ばれるだろうし、その後、手が開いていたら一緒に山菜を採りに行くのもいいよね♪ えへへ〜♪」
「野点とは、お茶会ですよね? 私もその席で神社らしいお話をしたいですね」
 山菜について語るエルは、心の底からにこにこしていて、見ているリアの方まで釣られて微笑んでしまう。
「じゃぁ、山菜採りはエルに、野点は茜とリアに任せてもいいかな?」
「はいは〜い! 宣伝活動はあたしとフローラにお任せだよ♪」
 千弥が意見をまとめようとすると、抜けていた男性陣への宣伝活動にチカが立候補した。悪戯っ子のような笑みを浮かべているところを見ると、何やら秘策があるようだ。

 早速、エル達は巫女装束に着替える為に、リアに社殿へ案内されたが‥‥。
「あ〜! フローラちゃん、和服を着る時は下着を着けちゃいけないんだよ。巫女服も同じだよ♪ だから、フローラちゃんも着けちゃダメだよ〜♪」
 千尋が用意した白衣を、ブラジャーを着けたまま着ようとするフローラを、チカが強引に押さえ付けて脱がしてしまう。
「‥‥チ、チカ様‥‥そこは‥‥ブラジャーを取る‥‥のとは、はぅ! ‥‥関係ない‥‥くふ‥‥ぅ‥‥」
「ふみゃ? フローラちゃん、顔赤いよ♪ ん!? んん‥‥」
 ブラジャーを取りながら、チカは意地悪い笑みを浮かべながらフローラの胸を美味しく戴き続け、彼女の口から熱く艶めかしい吐息が漏れた。一切日焼けしていない白い頬を紅く染めたフローラは、眉を歪めて顎を反り上げ、そのままチカの唇を奪ってしまう。
「こらこら、何をしているのです」
「‥‥ふぁあ‥‥もしかして、リアお姉ちゃんも下着を付けてる? あたしが取ってあげるよ♪」
 チカとフローラの“意味深な友達”の意味は分かったが、流石に拙いと思ったリアが止めようとする。
「じょ、冗談ですよね‥‥チカもフローラも止め‥‥あぁあああ――」
 しかし、フローラに羽交い締めにされ、逆にチカに返り討ちに遭ってしまった。更衣室に甘い吐息が尾を引いた。

「随分と着替えに時間が掛かったようですが、何か遭ったのです?」
「い、いえ、何もありませんよ、本当に何も‥‥野点の方をお手伝いしますね」
 外で待っていた茜に心配そうに声を掛けられたが、リアは顔を桜桃のように真っ赤にしつつも、中で何が遭ったのか一切語らなかった。

 チカとフローラはその足で街へ出て宣伝を行った。
「お兄ちゃん♪ ねえ、よかったらあたしが働いてる巫女料亭に来てくれないかな?」
 チカは(好みの)お兄ちゃんを見つけたらその腕にぎゅっと抱きついて、お店に来る約束を取り付けた。巫女装束の胸元がはだけており、まだ熟れる前の青々しくも瑞々しい双房の水蜜桃が覗いていた。
「‥‥み、巫女料亭‥‥では‥‥本日より‥‥野点のサービスも‥‥始めました」
 一方、フローラは恥かしそうにしつつも、神社らしく御神籤付きの広告を配った。その初々しさが受けたようで、広告はあっという間になくなってしまった。

「粗茶ですが、どうぞ」
 巫女料亭のほかにも、茜が行う野点にも人が集まり始めた。
 茜は琴宮流という自らが興した茶道の師範であり、その技は優雅にして流麗。巫女さんが桜の木の下で立てるお茶に魅入り、そのお茶の美味しさに魅了される。
 桜は多くの歌人が詠む和の心であり、巫女は日本古来から受け継がれる神に仕える女性である。
 メイドを『動』とするなら、巫女は『静』。まさに和の静の心の融合である。
 また、茜自信、ぷにキャラという事もあって野点に堅苦しい雰囲気は一切なく、皆、足を崩して、彼女が淹れる桜茶とチカやフローラが出す桜餅に舌鼓を打った。
「狂暴なオーガに、傷つきながらも騎士は槍をビュワッと一閃! 遂にオーガを倒し、攫われていたお姫様を助け、無事にお城まで送り届けたのでした」
 リアはヨーロッパに伝わる鬼(オーガ)の昔話を語った。セクハラ行為を懲らしめようと、千弥から薙刀を借りていたが、鬼を倒すシーンなどで千切っては投げ、千切っては投げ、の演舞を披露し、特に親子連れに大いに受けたという。
 ――着慣れない袴に足を引っ掛けて滑らせ、起き上がった時には帯が切れていて脱げてしまうというアクシデントがあったが‥‥チカに下着を取られてしまっていたが、白衣が長かったのが幸いした。

「‥‥本当は‥‥ウサ耳ウェイトレスが良かったなぁ」
「バニーはあたしの趣味じゃないんだけど、用意できる事はできるわよ」
 エルは家でも何匹もの兎を飼っているほど、兎が大好きだった。ぼそっと本音を呟くエルに、千弥が渡したのは『ウサ耳』の付いたカチューシャだった。
 ここに“ウサ耳巫女”が登場し、エルと一緒に山菜を取りに行けるという噂が一気に広まり、男性陣が来るようになったという。
 もちろん、毎朝、周辺の掃除ながらすれ違う人に挨拶をする茜の努力も水面下で実を結んでいた。

●デンジャラス・ナース
 グレゴール、プロフェッサー・ビックディッパーが開業させた『ナースセラピー』の本部は、徳島市の中心から南西に位置する徳島病院を接収し、そこに置かれていた。
「何故だ! 何故なのだ! ここに来てナースセラピーの客が減るとは!?」
「失礼する。手伝いたいのだが‥‥空きはあるか?」
 メイド喫茶と巫女料亭が盛り返した分、その皺寄せはナースセラピーに来る事になる。今まで順風満帆だっただけに、プロフェッサー・ビックディッパーは医務室の机にうつ伏していた。
「もちろんですなレディ、歓待するのですな」
「それとこれを真鏡名桃香に渡すように頼まれた」
 そこへ娘が何の前触れもなく入ってくると、打ちひしがれていたプロフェッサー・ビックディッパーは、彼女の両手を取って激しく上下に振ったた。
 思い出したかのように娘が懐から取り出したのは、とある巨乳の女性のボンテージ姿の写真だった。グレゴール、真鏡名桃香(まじきな・ももか)は摩瑠子や千弥と仲があまりよくなく、この写真を渡せるのはプロフェッサー・ビックディッパーくらいだろう。
「まず、バーだと、どうしても子供達が入りづらい‥‥」
 娘は自分達の視点に立ち、ナースセラピーの隣に子供でも入りやすい内装のジュースバーの設置を提案した。
 急遽増設されたジュースバーでは、黒髪によく合う正統派の白いナース服とミニスカート、汚れなき純白の上履きとソックス姿の娘が接客に当たった。
「い‥‥いらっしゃいませ‥‥」
 慣れない接客用語に苦戦し、ミニスカートの所為で香や酒を運ぶのに苦労するが、一所懸命、献身的に従事した。

『わ、私‥‥こ、こういうのは初めてで‥‥』
『誰でも最初は初めてだよ〜。さぁ、サザンクロスと初体験をすませようね〜』
 夜、インセンスバーの隣から、プロフェッサー・ビックディッパーのファンタズマ、サザンクロスと娘の妖しい色気を醸し出した会話が壁越しに聞こえてきた。
『この辺りが美味しそうだね〜。ん〜、いい香り〜』
『‥‥ああ‥‥そんなところの匂い‥‥嗅がないで‥‥』
『ん〜? いい匂いだよ〜? それに、こっちは嫌がってないようだよ〜?』
『あっ、ひああぁん‥‥そこは‥‥嫌‥‥ん、ん‥‥熱いぃ!!』
『最初は痛いけど、じきに気持ち良くなるよ〜。ほら、身体の力を抜いて〜』
『ふぁあ‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥もう‥‥ダメだ‥‥あ、ふぅ‥‥』
『本番はこれからだっていうのに、もう〜』
『‥‥だが、お灸は本当に熱いし、なかなか気持ち良くならないぞ』
 ――という、単にお灸をしていただけというオチなのだが。

 そして迎えた、選挙日前日。
 娘は今までと違い、重厚なナース服で演説に臨んだ。
「私は今日までナースセラピーで働いてわかった事がある。巫女は神の為に仕え‥‥メイドは主人に仕え、金をもらっている‥‥だが、ナースは人の為に困っている全ての人達に奉仕している。そこには真の奉仕‥‥真の癒しがあるのではないか‥‥? 私はお客様が帰る時に言ったありがとうの一言でそれがわかった‥‥」
 演説台を降りる時に、慣れないスカートの中でも超ロングスカートに躓き、お気に入りのネコちゃんパンツを公衆の面前に晒してしまう。慌ててスカートで隠すと、赤面しながらも何事もなかったかのように演説台を降りた。

●結果はあくまで結果
 一週間に渡る選挙戦を経て、遂に投票日となった。
 投票率は脅威の「98%」である。これは当日、病欠などで家から出られないような理由を除き、ほぼ全徳島市民が投票した事になる。
 その結果、メイド喫茶は5割、巫女料亭は4割の得票数を獲得した。残念ながらナースセラピーは支持率を大幅に落として1割となった。
 また、メイド喫茶と巫女料亭は投票後、店じまいをする予定だったが、継続を求める声が高まり、引き続き、営業する事になった。
 メイド服と巫女装束には根強い萌えがある。ナース服は今回は残念な結果に終わったが、やはり憧れの制服には変わりないだろう。