COOL MOE
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■ショートシナリオ
担当:菊池五郎
対応レベル:フリー
参加人数:12人
サポート参加人数:-人
リプレイ公開日:2005年09月17日
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●オープニング
時は西暦2003年。
突如、世界に『神帝軍』が降臨した。神々しさと、通常兵器を受け付けない絶対的な武力『神機巨兵《ネフィリム》』の前に人々はひれ伏し、神帝軍の支配を享受した。
だが、神の眷属に敢然と立ち向かう、魔に属する者達――『魔皇《まおう》』と魂の絆《スピリットリンク》で結ばれたパートナーである『逢魔《おうま》』――の存在があった。
彼達は、彼女達は、『殲騎《せんき》』と呼ばれる巨大人型兵器で、神帝軍の先兵たる『聖鍵騎士《グレゴール》』とその守護天使『導天使《ファンタズマ》』に立ち向かい、その侵略を次々と打ち破っていった。
そして西暦2004年3月15日。神帝軍の支配の牙城たる『東京ギガ・テンプルム』が魔皇達の総攻撃によって遂に陥落したのだった。
日本の各県に、神帝軍の支配を象徴するように、テンプルムが存在する。
徳島県徳島市の県庁の上に浮かぶ『徳島ノーマルテンプルム』(以下、徳島テンプルム)も、徳島県を担当するその1つである。
東京ギガテンプルムが陥落した後、徳島テンプルムは独自の路線――魔に属する者達と徳島県民との共存政策――を貫く方針を決めていた。
というのも、徳島テンプルムを管理するアークエンジェル《コマンダー》・アールマティを筆頭に、その指揮下にあるグレゴール達は、神帝軍による人々の支配より自分の趣味にご執心だからだ。
その趣味とは、制服“萌え”である。
アールマティは動物コスプレとブルマ(体操着)、グレゴールの1人、プロフェッサー・ビックディッパーはバニースーツと看護士《ナース》服といったビジネス制服系、グレゴール美少女四人組“クルセイド☆フォース”の覇王・摩瑠子(はおう・まるこ)はロリータ系(メイド服内包)、奈瑚・千弥(なこ・ちひろ)は巫女装束、真鏡名・桃香(まじきな・ももか)はボンテージ、服部・舞(はっとり・まい)はファミレスの制服全般、と、それぞれの制服萌えは千差万別で、時折、徳島市民を巻き込んで『どちらの制服が萌えられる(=支持を集められる)か』を競う、市民からすれば傍迷惑な事を行うが、それ以外は至って平和な県であった。
そして時は今、また、萌え市民投票が行われようとしていた――。
『時代は“COOL MOE”ですぴょん』
「「「「「「クール萌え?」」」」」」
コマンダー・アールマティの聞き慣れない言葉に、その場に一堂に会したグレゴール達は同時に聞き返していた。
徳島市の治安を担当するクルセイド☆フォースは、徳島県庁の隣に建つ徳島プリンスホテルを接収し、ここを拠点としていた。その最上階にあるダイニングルームに、アールマティの命令でクルセイド☆フォースのメンバーとプロフェッサー・ビックディッパー、そして徳島テンプルムから造反し、独自に鳴門市を治めているグレゴール・珊瑚(―・さんご)が集められていた。
「‥‥それ以前に‥‥どうしてあなたが‥‥ここにいるのですか‥‥?」
「わたくしに聞かれましても‥‥コマンダー・アールマティに呼ばれただけですもの」
『珊瑚は私が呼んだぴょん。徳島県全域で“COOL MOE”を実施するには、珊瑚の協力も必要だからだですぴょん』
某お嬢様学校の深緑のセーラー服を着ている珊瑚の出席を訝しげに見遣るは、ラバーで作られた妖しくも艶やかな漆黒の光沢を放つボンテージスーツに身を包んだ真鏡名桃香だった。
何故、造反者である珊瑚がこの場にいるのか――桃香の疑問はもっともであり、アールマティはそれについて説明した。
その服装が表す通り、珊瑚は学生服萌えの嗜好の持ち主だった。
方や、アールマティはウサ耳に大きな白いグローブ、露出を抑えたバニースーツといった、ぴょんぴょんスーツを着ていた。だが、下半身はアークエンジェルである事を表すかのように馬の胴――所謂ケンタウロス――だった。
「コマンダー、ところで先程から仰っているクール萌えとはなんでしょう?」
ファミレスの制服の王道ア○ナミラーズの制服を着た服部舞が、桃香と珊瑚を制するように割って入った。流石はクルセイド☆フォースのリーダーである。
『夏のノーネクタイ・ノー上着ファッションが提唱されたけど、それはオフィス内に限る必要はないと思ったですぴょん。制服も一工夫する事で夏でも快適に着られ、見る人にも清涼感を与えるような、人と地球に優しい“夏の新しい萌えスタイル”で、豊かな自然を守る一端を担うんですぴょん!』
「それでクールビズ、ならぬクール萌えなのですね」
アールマティはビジネススタイルに限定せず、グレゴール達それぞれの制服に夏を涼しく快適に過ごせる工夫を施し、人と地球に優しい夏の新しい萌えスタイルを徳島県民と一緒に考え、実践したいと提唱した。
それには舞以下、桃香や珊瑚、覇王摩瑠子や奈瑚千弥、ビックディッパーも大いに賛同した。
「つまり、こういう事ですな!」
早速、ビックディッパーはバニースーツを着てふよふよと自分の後ろを浮いていたファンタズマ・サザンクロスの腕を掴んで物陰へダッシュすると、Yシャツ一枚だけを羽織らせて出てきた。別名“漢の浪漫”ともいうパジャマの代わりのYシャツだ。
「これなら着ている本人も夏を涼しく過ごせ、見る人も涼しくなるのですな!」
『それはダメですぴょん』
「いきなりダメ出し!?」
『“COOL MOE”の条件として、日常的に着られる制服で萌えられるのが望ましいぴょん』
いきなりダメ出しを喰らい、打ちひしがれるビックディッパー。それを言ったら桃香のボンテージもかなりギリギリな気がするが、拘束系のファッションも密かに人気があったりするのだ。こういう機会に興味のある人は着てみるかも知れない。
――というやり取りの末、今度、テンプルムによる呼び掛けで徳島県全域で『COOL MOE』が実施される事になった。
14歳以上40歳未満の徳島県民の女性は、2週間、各グレゴールの提唱する『COOL MOE』ファッションのいずれかを着て生活しなければならないという。
また、気軽に各グレゴールの『COOL MOE』ファッションに意見したり、自分達で考案した『COOL MOE』ファッションを申し込む事ができ、グレゴール達が気に入れば採用される仕組みになっていた。
実施されてから1週間が経った今、県民女性達からは着られる制服が多い事もあって表立った非難の声はなく、男性達は県民を問わず異様に盛り上がってるそうだ。
なお、『COOL MOE』は「夏の新しい萌えスタイル」を売りにしている事から、最終日に県民投票が行われ、『COOL MOE』ファッションの機能性が問われる事になっていた。
その為、アールマティを始め、『COOL MOE』に賛同したグレゴール達は精力的に宣伝を行なっている。
あなた達も夏の新しい萌えスタイル、『COOL MOE』ファッションを考案してみては如何だろうか?
●リプレイ本文
●遙かな既視感
JR徳島駅の構内。駅ビル・クレメントプラザが直結し、駅前のバスターミナルを挟んで徳島そごうと徳島名店街ビルを左右に構えるここは、昼下がりともなると多くの人出で賑わう。
「このような姿で往来を堂々と歩けるなんて、夢のような2週間です。でも、“COOL MOE”が正式に採用されれば夢ではないのですよね」
徳島駅の南口を出たリアナ・レジーネス(eb1421)は、胸の前で祈るように手を組み、紫水晶のような瞳を文字通り宝石のように爛々と輝かせていた。
彼女の肢体を包むのは、おへその部分が菱形に大胆に開いた紫水晶色のボディスーツとヒールの高いロングブーツ、二の腕まで覆うロンググローブに瞳と同じ紫水晶を彩ったチョーカーだった。波間にたゆたうようなプラチナブロンドはポニーテール状に結われている。ラバー質に鈍く照り輝くボディスーツはハイレグ仕様で、しかも悪魔の尻尾付きという、楚々として可憐な雰囲気の中に、どこか小悪魔的な妖艶さを醸し出していた。
「身体にフィットした服装で、より蠱惑的にクールに装うボンテージは‥‥人目を惹きますから‥‥努力を惜しめませんわ」
「でも、未楡さんは巫女装束を着ていますけど?」
明王院未楡(eb2404)の巫女装束姿――白衣に緋袴――を見て、リアナは可愛く小首を傾げた。未楡の梳った髪は黒曜石を一本一本の糸にしたかのように艶やかで、巫女装束によく映えた。
「巫女装束は、ラインが出ないので着る人を選ばない分‥‥時々、自分を磨く努力を忘れそうになりますけど‥‥」
未楡はリアナの疑問に応えるように、清楚な面立ちを赤らめながら緋袴の帯を緩め、白衣の胸元をしずしずとはだけさせた。そこには拘束するテディ系の可愛いボンテージを押し上げる勢いで、リアナに負けずとも劣らない、瑞々しい水蜜桃のような双房が実っていた。
「俺的にはむしろ、お前にはEA○Lの制服を着て欲しいんだが?」
「あ、あの‥‥あたしも、カシムさんのE○RLの制服姿、と、とてもお似合いだと思います」
「‥‥よく間違われるけど、男だよ僕は」
カシム・ヴォルフィード(ea0424)が往来する制服姿の女性達に溜息を落とすと、鹿堂威(eb2674)が満面の笑みで彼の肩に手を置いた。
戸籍上も身体的にも男性であるカシムは、『COOL MOE』とは無関係なので、若草色の大きめなシャツにジーンズというラフな服装だ。しかし、その服装が却って中性的な感じを演出し(胸こそないものの、しなやかな肢体、特に腰のくびれは矯正下着で締め上げたかのように理想的な細腰ラインを描いているのだ!)、柔らかい線の顔立ちと相まって、威やアイリス・ビントゥ(ea7378)のように制服の着用を勧めてくる女性も少なくなかった。
威は黒いシャツの上に黒のライダーズジャケットを羽織り、ブラックジーンズ履きという、カシムと同じくラフなスタイルだが、モデルのようにさらっと着こなしている。
190cmの長身でメリハリの利いた抜群のプロポーションを誇るアイリスは、パフスリーブの紺色のワンピースに縁にフリルをあしらった純白のエプロンドレス姿という、所謂『メイドさんスタイル』である。ワンレングスの黒髪に乗っているのはレースカチューシャではなく熊耳だが、これが彼女の仕事着でもあった。
アイリスはパン屋さんに勤めている。彼女の達人業で作り出されるパンは、徳島のローカルテレビで特集が組まれる程の評判で、午前中には売り切れてしまうのだ。
「あの子、“妹同盟”の1人じゃないか?」
「嘘だろ!? チカ坊、お忍びか何かかよ!?」
道行く男性達がチカ・ニシムラ(ea1128)の姿を見て声を上げる。看護士を目指す中学生とは世を忍ぶ仮の姿。チカの正体は、徳島で圧倒的な人気を誇るローカル魔女っ子アイドルグループ『妹同盟』のメンバーの1人なのだ。
オレンジを基調としたパステルカラーでフリフリの魔女っ子服がその証で、『チカ坊』の愛称で呼ばれていた。
「今回は娘ちゃんとアールマティお姉ちゃんの所だね♪ 頑張ろうね♪」
「‥‥ん」
チカが抱きつくと王娘(ea8989)は素っ気なく返事した。口調が冷たいのはいつもの事だが、頬が赤く染まっている事から、チカに抱きつかれて照れているのが伺える。
「ん〜、ぶかぶかの丈で、スカートの短いチャイナワンピも可愛いです」
字冬狐(eb2127)がチカの反対側から王に抱きついた。
王の着ているチャイナワンピは、袖丈はぶかぶかで両手がちょこんと覗く程度だが、前後のスカートは短く、その下にショートパンツとロングブーツを履いていた。
冬狐もチャイナドレスを着ていた。全体的にスラリとした冬狐だが、チャイナドレスは脚線美も魅せる制服であり、その点、ヒップラインから伸びる優美な脚が冬狐のお気に入りである。
「‥‥そ、そこは‥‥」
「はい、そこまでだよ。私の妹、取らないでくれるかな?」
「抱き心地がぬいぐるみみたいで気持ちよかったのですけど‥‥残念です。零さんでもいいですけど」
王が眉毛を歪め、わずかに頬を赤らめると、永連零(ea7443)が間に割って入り、冬狐を引き離した。冬狐は王の抱き心地を堪能していたのだが、胸周りや腰周りを触るその手付きに、王の息がわずかに荒くなっていた。
王やチカを妹のように可愛がっている零が、王が怒り出さないうちに収拾をつけた形になった。
「うちは商売柄、アクロバットするから、ひらひらスカートやったら中が見えてまうしな〜」
「それなら、アンダースコートという手もあるが?」
「色気のないうちの下着見ても、おもろないやろ? それにうちも芸を見せたいし、あまりゴテゴテしてない方が動きやすいしな♪ はなっからスカートやない陣営をチョイスするで‥‥よし! ビックディッパーはんとこ行って、バニーの素晴らしさをみんなに広げるんや〜!」
軽業師として生計を立てているイフェリア・アイランズ(ea2890)は、動きやすさを重視して制服を選んだ。確かにバニースーツは身体に密着しているので、動きやすさはピカイチかも知れない。
今、イフェリアが着ている服も、クリーム色のサマーシャツにミニスカ、ハイニーソックスという活動的な出で立ちだ。尚、『ミニスカでアクロバットした時点で、下着が見えるのでは?』とツッコミを入れてはいけない。
「ふむ、“COOL MOE”か‥‥元よりゴスロリやメイド服は夏向きの服装ではないからな。これを機会に改善策を講じてみるのも良かろう」
フィソス・テギア(ea7431)はイフェリアの相談に乗りながら、司法書士で鍛えたその灰色の脳細胞はメイド服の新たな可能性を模索してフル活動していた。
パリッと糊の利いた白のブラウスに水色のベストスカート、黒のパンスト履きにブラウスとお揃いのハイヒール姿のフィソスがすっくと背を伸ばし、腕を組んで考える仕草は、一部一厘の隙もない知性的な美貌を際立たせる。その証拠にフィソスは司法書士として独立し、自分の事務所を構えるまでになっていた。
「何故ロリータがあるのに、ゴス及びゴシック・パンクがないんだぁぁぁぁぁ!!」
その時、フレイア・ヴォルフ(ea6557)が徳島駅の構内で愛――もとい、萌えを叫んだ。新カテゴリーの設立を目論んだものの、賛同を得られず、断念したのだった。
着ている服も正面に龍の刺繍、サイドに蜘蛛の巣のメッシュ入りのチューブトップに、両サイドのラインにアイレットを盛り込み、蜘蛛の巣を思わせるレースの付いた赤いスカートと、ゴシック・パンクで決めていた。
「ちっ、新しい萌えで、四国三郎の郷でも乗っ取って独立してやろうと思ったのに!」
「一応、ゴスロリはマル‥‥じゃなくて、覇王摩瑠子のカテゴリーに入るよ?」
その勢いで徳島ノーマルテンプルムに直結する徳島県庁へ駆け出しそうなフレイアを止めたのは、駅前の騒ぎを聞き付けた奈瑚千弥だった。
「新しい萌え‥‥の提唱‥‥だろ?」
「もっと大事なのは、提唱した萌えに賛同者を得られるかどうかだよ」
「ロリータの中は、ゴスロリやパンクロリもあるから、その中で活動しろって事だね‥‥新しい萌えの提唱も、賛同者が得られてこそ、か。一筋縄じゃいかないね」
抗議するフレイアにキッパリ言い返す千弥。既存のカテゴリーの中に摺り合わせて所属し、こっそり自分の萌えを確立するしかないようだ。
フレイアは紅玉を溶かし込んだかのような紅い髪を掻きながら肩を竦めたのだった。
●譲れない萌え
メイド服とロリータ系の服を広めている覇王摩瑠子の元へやってきたのは、アイリスとフィソス、フレイアだった。
「あ、あの、あたしアイリスって言います‥‥」
「アイリス、よろしくね。フィソスも来てくれて嬉しいわ」
「今回は激戦だ‥‥我々はやや不利だが、この状況を見事覆し、勝利を得ようではないか‥‥!」
人見知りをするアイリスは、初めて会う摩瑠子を前にしどろもどろに挨拶をした。摩瑠子はその様子を見て緊張していると捉えたのか、笑い掛けながら彼女の手を取った。そしてフィソス、フレイアへと握手を続ける。
「ロリータというと甘ロリに分類され、パステルカラー系のレースたっぷりフリフリ系を指す。それに対し、あたしの提唱する“COOL MOE”のゴシック、ゴシック・パンク系は黒を基調にシックなモノやハードなモノであり、ロリータとは対照的なモノであり、ボンテージにも一部含まれるが、基本的には別物だよ。このジャンルは見た限り何処にも含まれていないようだが‥‥あたしでは力及ばず‥‥新しいカテゴリーの成立は無理だった‥‥そこで千弥にあんたのところへ行くよう勧められたんだ」
「ゴスロリやパンクロリもロリータ系だから、ゴシック・パンクも認めるわ」
フレイアがゴシック・パンクについて切々に語ると、摩瑠子はパンクロリの一種として受け入れた。
「私はゴスロリ派に属してはいるが、本懐はメイド派だ。そちらを中心に活動させてもらう」
「了解。私は今まで通りロリータ系で活動するわ。アイリスはどうする?」
「あ、あの、あたしは、こ、後方で裁縫をメインに、か、活動します」
フィソスとアイリスの役割分担も決まり、残り1週間の戦いの火蓋が切って落とされた。
「で、できました〜‥‥あ、あの、これ、ど、どうですか?」
「た、確かに“COOL MOE”かも知れないけど‥‥」
アイリスが作ったのは、ノースリーブで背中が丸空きの、ミニスカのメイド服だった。元々膝下のロングスカートしか穿かず、肌をあまり露出しない摩瑠子には少々刺激の強かったようだ。
このメイド服は結局、アイリスが着る事となった。
フィソスは生地を通気性の良いものに変更し、白と青を基調としたパフスリーブながら半袖のメイド服のデザインを仕上げた。スカートの丈の長さは断腸の思いでやや短めで膝上くらい。脚は夏らしさを出す為に生脚で、黒のローヒールを履く。髪は清潔感をアピールする為にポニーテールにしておき、フリルたっぷりの純白のカチューシャとサロンエプロンはいうまでもなく標準装備である。
今回は『COOL MOE』の制服の提唱がメインなので、活動は街中を歩き、メイド服をアピールするのみに留まった。
「ご主人様、これがフィソス達の新しいメイド服です」
フィソスがくるりと一回転してスカートを翻すと、女性達が『お姉様〜v』と黄色い悲鳴を伴って、男性共を押し退けて殺到した。
「お姉様、もう1度、さっきの台詞、お願いします!」
「あ、ああ‥‥うふふっ、ご主人様、これがフィソスの新しいメイド服です」
「いや〜ん、素敵です〜、お姉様」「私もお姉様のご主人様になりたいです〜」
『仕事の出来る才女』よろしくクールビューティーなフィソスが、『ご主人様に奉仕する』代名詞であるメイド服に身を包み、更に『ご主人様』と言ってくれるのだ。この組み合わせに萌えない者がいるだろうか!? 否、いない!
「や、やっぱりメイド服には、不釣合いな巨大武器です‥‥」
一方、アイリスは、自分の身長を超えそうなグレートソードとか、抱えきれそうにないアサルトライフルを取り出した。
「あ、で、でもこういうのもいいかもしれないですね‥‥こ、こういう武器を持てば、向けられた人は“ひやり”としませんか?」
「いや、その“ひやり”と“COOL MOE”は違うぞ」
アサルトライフルの銃口を男性に向けるアイリスに、フレイアがツッコミを入れた。
「夏こそ、女性の魅力、セクシーさを涼しく出す時だ! スタイルに自信がないとか、そんなのは関係ない! ゴシック・パンクの“毒”でセクシーになるんだ」
そのフレイアは、ゴシック・パンクスタイルの萌えを、フィソスに群がる女性達とは別の女性に語り掛ける。ゴシック・パンクの萌えはその毒々しさではないだろうか?
尚、摩瑠子はフレイアに対抗した訳ではないが、純白の通気性のよいレース地をメインとした、白ロリを着ていた。汚れのない天使のようなそれは、グレゴールの摩瑠子らしい選択だろう。
●1人じゃない
ボンテージを扱う真鏡名桃香の元へやってきたのは、リアナと未楡だ。
桃香もリアナ同様、巫女装束姿の未楡には驚いたようだ。
「痩せ過ぎも太り過ぎも、綺麗なラインにはなりませんし‥‥コルセット系等で、理想の体型を形作って目標にすれば‥‥無理なダイエットもしなくなるでしょう。女性は誰でも‥‥最愛の人に、一番綺麗な自分を見て欲しいですから‥分かってもらえると思いますわ」
「‥‥ええ‥‥そうね」
未楡のアイディアに桃香は全面的に賛同した。
「私は普段から着慣れていますし、未楡さんが選んだボンテージを着て街を歩きましょうか? 普通に歩いていれば、“ボンテージは特殊な服”という先入観を払拭できるでしょう」
「そうですね‥‥興味を持ってリアナさんに話し掛けた方を‥‥着替えを用意した会場へ招待しましょうか」
リアナのボンテージの普及案に未楡も賛成すると、早速、ボンテージを選び始めた。
リアナと桃香は、未楡が選んだエナメル系のビスチェ&パンツ&チョーカーの色違いを着こなし、徳島市内を練り歩いた。リアナは時折、ポニーテールを解き、ふわっと風に流す演出も忘れない(桃香はセミロングなので、その演出はできなかった)。
しかも、日替わりでプレイスーツ系やドレス系のジャケット&ホットパンツといった、露出を抑えた物も着て歩くと、その露出度の高さから下着のように思われたり、特別な趣向の人が着るように思っていた女性達も、『恥ずかしくないのでは?』と思うようになっていった。
「襟首に‥‥風が通ると涼しいですし、うなじが綺麗に見えるのって素敵‥‥ですよ」
未楡が控える本部兼会場では、リアナや桃香が連れてきた女性達に、未楡が1人1人丁寧に応対し、ポニーテール&清楚で蠱惑的というギャップの萌えを、格好良さ・種類の豊富さ・肌の露出問題なし等と共に印象付けていったのだった。
●大事な‥‥
ファミレスの制服全般を扱う服部舞の元へは、冬狐と威が馳せ参じた。
「“COOL MOE”成就の為、徳島よ! 私は帰ってきた!!」
「滅しなさい‥‥百舌鳥落とし!」
挨拶もそこそこ、舞へ抱きつこうとする威の腕を擦り抜け、彼女は背後を取り、バックドロップをかました。
「相変わらずですね、舞さん」
「冬狐、来てくれたのですね」
「か、感動の再会はそのくらいにして‥‥早く、俺を起こして‥‥」
その姿にクスリと笑う冬狐。舞と冬狐は同じ高校の先輩と後輩の間柄にあり、歳の差を感じさせない友人だった。舞は既に卒業しているが、冬狐はチアリーダー部に所属しており、部長を務める程の踊りの腕前だ。
余談だが、舞はれっきとした伊賀忍者の末裔で、忍者の認定証も持っており、冬狐もそれを知っていた。
バックドロップを決めたまま挨拶を交わす2人に、威はギブアップを宣言した。
「ったく、せっかく各陣営の支持率をざっと調べてきたっていうのに、手荒い歓迎だよな」
「いきなり女性に抱きつこうとするあなたが悪いのですよ。しばらく会わないうちに、性格、変わりましたね」
「“男子三日会わざれば割礼して相待すべし”と言うじゃないか」
「か、割礼‥‥」
舞のツッコミに自分の成長っぷりをアピールする威。威は舞にとって戦友といった間柄である。だが、その諺を聞いた冬狐は口元に両手を当て、恥ずかしそうに頬を紅く染めた。
「割礼じゃなくて刮目ですよ、か・つ・も・く‥‥しばらく来られなかったのは、そういう事ですか‥‥」
「ど、どこ見て、何、納得してるんだよ!? お、俺は大丈夫だぞ!」
「ムキになって否定しなくても、分かっていますよ、ええ、分かっていますとも、ねぇ、冬狐?」
「威さん‥‥頑張って下さい」
「頑張るって何を!? だ〜か〜ら〜、二人して遠くを見るような目で俺を見るな〜!!」
舞と冬狐の視線に絶えかねた威の流す涙はアメリカンクラッカー状態。
「今のところ支持率は、巫女装束を除いて横並びだから、後一週間、どれだけ実行に移せるかは分からないけど、地道に小規模作戦を展開していくしかないだろうな」
仕切り直して、威は作戦を提案した。制服の生地を通気性の優れた物に変えたり、青等の寒色系を使った神○屋の制服をメインにするという内容だ。
「私は中華飯店のウエイトレスの服が涼しげでいいと思うのですけれど」
冬狐がデザインしたのは、身体にピッタリでノースリーブ、胸元が開いているチャイナドレスだった。スカートの丈は長いが、両脇についたスリッドは腰辺りまでと深い。淡い青色で百合の模様が浮き出る代物だった。
○戸屋の制服は舞が着て、その横をチャイナドレス姿の冬狐が一緒に歩く。
「ファミレスの制服は種類は豊富ですから、涼しげで夏らしい衣装も数多くありますね」
「自分だって暑いだろうに、そんな事をおくびにも出さずに『いらっしゃいませ』と涼やかに微笑むウェイトレスさん‥‥これを萌えずにいられようか? いや、いられまい! 俺はそんなファミレスに行きたい!!」
冬狐が謳い文句を恥らいながら語ると、威が合いの手を入れる。
『仕方なく』といっていた割に、冬狐は下着のラインを出さない為に、ブラジャーは着けず、パンツもTバックという徹底振りである。深いスリットから覗く日焼けしていない黄金率の脚線美を描く白い足、太股のチラリズムが得もいわれぬ萌えを醸し出していた。
「写真ですか‥‥わ、私でよければ‥‥」
写真撮影をお願いされると頬を染めて恥じらうが、結構乗り気だったりする冬狐。ウエイトレスが恥らう姿にも、やはり何とも言えない萌えを感じるのだった。
●恋をする勇気
主に動物コスプレを扱うコマンダー・アールマティには、チカと王、零が参加した。
「その‥‥手伝いたいのだが‥‥あ、これお土産‥‥」
『これはご丁寧に、ありがとうですにゃ』
王は『にゃんにゃんすーつ』を着ているアールマティに、何やら怪しげなお土産を渡していた。アールマティの本来の姿は人馬――ケンタウロス――だが、動物スーツを着る時は人化するようだ。
「獣耳って可愛いと思うよ。大きくてふわふわしてると尚更かなぁ‥‥なんでだろうね、受け入れやすいというか、なんというか。それと、ピコピコ動かせるのは心をくすぐられるかと思います」
『ふむふむ。獣耳が動かせるのがポイントですかにゃ』
零が獣耳の萌えポイントについて語ると、それをメモしていくアールマティ。
「ブルマだと流石に普通には着にくいと思うし、スパッツとかなら大丈夫じゃないかな?」
「私、もう16だし‥‥ブルマって歳じゃないんだよね」
「‥‥零‥‥16歳でもブルマは穿くよ‥‥」
チカがブルマではなくぴったりとしたスパッツの着用を提案すると、零もそれに賛成した。王は由々しき発言に哀しそうな表情を浮かべた。
徳島テンプルムの『萌え条例』により、県下の全中学校と高校では、女子の体操服にはブルマが義務付けられているのだ。しかも、紺を基本に、赤や緑などの多彩な色を正式採用し、穿く女子が自由に選択できるサービスぶりである。
その結果、チカは三毛猫の耳と尻尾、肉球付きグローブと、ちょっとぶかぶかの白のタンクトップとぴったりとしたスパッツ。
零は大きな黒猫の耳に尻尾、服はボタン止めのノースリーブのカジュアルトップス(へそ出し)に、下はラインぴったりの黒スパッツ。
王は白猫の耳と尻尾に、白い清楚なワンピースとスパッツ――という姿になった。
「動物スーツは性格や独特な仕草を強調し輝かせる効果があります‥‥例えば、元気で可愛い少年がわんわんすーつを着てじゃれたら、その可愛さは想像を絶します‥‥そう、動物スーツとは魅力を何倍にも引き上げてくれる素敵なコスチュームなのです。そんな中、私がお勧めする“COOL MOE”はこれです‥‥」
「え!? これにどうやって尻尾つけてるのか? ‥‥え、永遠の謎、という事で‥‥」
王は女性をターゲットに動物スーツの宣伝を行い、零は男性からボタン1つで動かせる猫耳や尻尾の説明に追われていた。
「ねぇ、お兄ちゃん♪ お兄ちゃんカッコいいから秘密のイベント教えてあげようか♪ 票を入れてくれるならサービスもしちゃうよ♪」
『夜に動物園がオープンします‥‥見にきて‥‥』
しかし、零の与り知らないところで、チカは好みのお兄ちゃんに抱きついて、こっそり『夜の秘密のステージ』について耳打ちしたり、王はメモを渡していた。
「娘ちゃん、チカちゃん、こんな時間にどうしたの?」
その日の活動が終わった夜、零はチカと王にとくしま動物園へ呼び出された。
しかも2人とも、動物スーツを着たままである。昼間と違うのは、チカは鎖の付いた黄色い首輪を、王は赤い首輪とそれに反するような白のキャミソール、スパッツの代わりに肉球マーク付のパンツという格好だった。
「‥‥零‥‥協力してくれるって‥‥言ったな?」
「う、うん。二人に行動を合わせながら、活動協力するとは言ったけど‥‥」
改めて確認する王に零は恐る恐る頷いた。すると王は彼女の首に、猫の首輪を演出するかのような短めの青いベルトを締めた。
「零お姉ちゃんも楽しもう♪ スペシャルゲストも用意したんだよ♪」
「んー! んー!」
「冬狐さん!?」
チカがあっけらかんと言うと、ステージの幕が開き、そこには両手と両足を拘束され、猿轡を嵌められた冬狐の姿があった。素っ頓狂な声を上げる零。
昼間、快く写真撮影に応じていた冬狐は、気が付くと人目の付かない場所でヤバ気な撮影会に巻き込まれ、そのまま王達に攫われてしまったのだ。
「えへー、それじゃお姉ちゃん達、一緒に楽しもう♪ お兄ちゃん達に一杯見てもらえるように、ね♪」
チカは足下に置いてあったバケツの中の水を王と、呆然とする零、そして冬狐に掛けた。
「ん、娘ちゃんは‥‥その格好だと濡らしちゃったら大変そうだね‥‥♪」
「ああ! 濡れちゃう!! こんなに濡れると私ぃ‥‥えーい、お返しだぞー☆」
チカに水を掛けられた王は、今での素っ気ない口調が嘘のように変貌した。そう、王は『濡れ濡れ大好きっ子』なのである。
「ちょ!? 二人とも」
しかも、よく見れば、チカも王も水に濡れて透けた白いタンクトップとキャミソールの胸元から、まだ熟し始めたばかりの青い果実が覗いていた。
「零お姉ちゃんも冬狐お姉ちゃんもノリが悪いよー♪」
チカと王の水の掛けっこは、4人がびしょ濡れになるまで続けられた。
「妹達の所為で悪い事をしたわね‥‥ん!?」
零が冬狐の拘束を解いた途端、彼女は弾けるように抱きつき、唇を重ねてきた。
「んん! ‥‥はぁ‥‥と、冬狐さん、何を!?」
「零さん、スタイルいいですよね‥‥私、ずっと拘束されて見られたままでしたから身体が火照ってしまって‥‥」
零本人は自覚していないが、豊かなバストは集まった女性陣の中でトップレベルを自己主張していた。
「妹達のした事は謝りますし、私達、女の子同士ですよ!? それに私、初恋もまだですし‥‥」
「では、今日だけ夏の夜の幻として、零さんの初めてをもらいます‥‥」
零がチカと王の元へ帰ってきたのは、次の日の朝だった。
夜の間何があったかは、零の口から語られる事はなかった。ただ、チカや王には、零が昨日より綺麗に見えたという。
●盟友と書いて「とも」と読む
「まいど〜、イフェリア・アイランズやで♪ よろしゅうな〜」
笑顔と共にプロフェッサー・ビックディッパーの元を訪れたイフェリア。
イフェリアはそのまま、プロフェッサー・ビックディッパーと彼のファンタズマ・サザンクロスと共に、黒のバニースーツを着て街頭へ出た。
赤いバニースーツを着てふよふよ浮きつつ頭に的のリンゴを乗せるサザンクロス目掛けて得意の投擲を行うイフェリア。
ナイフを見事リンゴに命中させると、今度はジャグリングを行う。
「見ての通り、バニースーツはめっちゃ動きやすいんやで! それにカッコ色っぽさがあるんや! ハイヒール&ハイレグやから、足が長ぅ見えて、背筋がぴんと伸びてスタイルがめっちゃ良ぅなる! 更に姿勢が良ぅなって胸を張るから、チチもでっかく見えるでな〜。それに薄着やから涼しいし」
「UV対策はクリームは、無料でお配りしています〜」
「この尻尾も可愛さを、網タイツが色っぽさ&美脚をブーストしてるんやな〜」
サザンクロスの合いの手を受けながら、ジャグリングを続けて説明するイフェリア。彼女の身体――特に胸――を見て納得する女性陣。標準的なスタイルを持つイフェリアの胸元は、豊満とまではいかないまでも、形よく大きく谷間が作られていた。
「(な、何かうち、めっちゃ傷ついたけど、事実やしなぁ)んでんで、何ちゅうても注目されるんや!! これ、意外と大事やで? “女性は見られて綺麗になる”っちゅう諺もあるくらいやしな〜♪ 何より眼福‥‥もとい、綺麗な人が色気ある服装で歩いてたら、みんなそっちに目が行って、暑さなんかあっちゅう間に忘れてまう事間違いなしや!!」
しかし、そこは芸人魂。気を取り直してきっちり締めるのだった。
「残念だったな、プロフェッサー・ビックディッパー。Yシャツ1枚‥‥通称“肌ワイ”さえ実現していれば、盟友となれたものを‥‥まぁ、今は敵同士だ。お互い、全力で戦おうではないか」
「望むところなのだよ」
その間、フィソスがプロフェッサー・ビックディッパーとYシャツ1枚の談議をしていたという。
●堕ちてゆく君
鳴門市で活動を続ける珊瑚の所へ属したカシムは、窮地に立たされていた。
「わたくしと珊瑚だけでは、人手が足りないのですわ。カシムもどうか着て下さいな」
「あの‥‥勘違いされているようですけど、僕、男なので‥‥そういう格好しても‥‥」
珊瑚のファンタズマ・コーラルリーフが手に持っているのは、ブレザーである。てっきり、学生服の『COOL MOE』を考えるだけで、まさか着る事になるとは思ってもいなかったカシムは、最初は拒否した。
「あなたの顔立ちでしたら、ブレザーもきっと似合いますわ」
「あの‥‥着なくちゃだめですか?」
「ええ(にっこり)」
「ハイ‥‥分かりました‥‥着ます‥‥」
困惑気味に返答したのが悪かったのだろうか。コーラルリーフは理詰めではなく、無言の笑顔で押すと、カシムの堤防はあっさり決壊した。
「やっぱり似合っていますわ、珊瑚もそう思いません?」
「そうですわね」
「えと‥‥‥‥あの‥‥‥‥やはり、お気に召さない、ですよね‥‥?」
「珊瑚は男性が苦手ですの。ですので気にしなくても構いませんわ」
泣く泣く着たにも関わらず、珊瑚の返事は素っ気なく、やはり気落ちしてしまうカシム。だが、珊瑚は男性が苦手なだけで、カシムの服装を否定してはいなかった。
「次はこちらのセーラー服がいいですわね。それとも女学院の制服にしましょうか?」
「そ、それよりも‥‥宣伝に行きましょう‥‥」
照れてばかりで赤面し、顔を伏せてしまい、ほとんどコーラルリーフの着せ替え人形状態のカシムは、勇気を振り絞って萌えを伝える仕事はきちっとこなそうとした。
「えと‥‥あの‥‥その‥‥制服というものは‥‥ですね‥‥その‥‥バランスが‥いいのではないでしょうかね‥‥なんというか‥‥んと‥‥Yシャツを着るとなると‥‥えっと‥‥スカートとかの‥‥」
恥ずかしさが先走ってしまい、言いたい事がほとんど伝わらない始末。
しかし、白いブレザーに紺のベスト、襟元を飾る赤いリボンタイ、ベストと同じく紺色のフレアスカートという、スタンダードな制服を着た美少女が恥じらう姿は、思わず『抱き締めてあげたい!』という萌えを醸し出していた。
●萌えを満たせるなら
1週間という長いようで短い、『COOL MOE』の試験運用期間が終わった。
徳島県民の一番の支持を得られたのは、メイド服とゴシック・パンクだった。動物スーツは僅差で敗れてしまったが、夜のとくしま動物園の出来事が女性陣の反感を買ったようだ。次点はファミレスの制服とボンテージだが、これも僅差でファミレスの制服が逃げ切った。その後に学生服、バニースーツと続き、巫女装束はほとんど支持を得られなかったという結果になった。