最終話『オチタソラ 〜fallingDown〜』

■ショートシナリオ


担当:MOB

対応レベル:フリー

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

リプレイ公開日:2005年04月14日

●オープニング

 ――A.E0107。
 激しい内乱の果てに生命が宇宙に進出して、107年目のクリスマスを向かえた日は、その年明けと共に開始された約一年間の長きに渡る戦争が、終結に至る事実上の最終決戦が行われた日として、後の歴史書に記される事になる。

 この世界の文明は、科学と呼ばれるものが大きく発展していて、日常生活から兵器まで科学ありきといった世界である。そしてその科学は、生命を大地から空へと、そして更にその上にあった宇宙へと登らせていったのだ。
 ‥しかし、そういった事があったとしても、やはり人は人のままなのか。
 今より遡る事7年、A.E0100。生命が宇宙へと進出して100年目の記念として開かれた式典において、改めて宇宙にて暮らす者と地球にて暮らす者、その両者の関係を結ぶ協定が結ばれたが、それは宇宙進出者に対する現状以上の締め付けに他ならなかった。
 この事で両者の溝は決定的となり、7年の月日の後に戦争は開始された。人類は、その身がまだ地にあった時と変わらず戦争を繰り返す。これは、強者による弱者からの搾取が、交渉にて和らげられることが無い事が原因なのかもしれないが‥。
 地球から宇宙への締め付けには理由がある。なぜなら、宇宙進出者は地球よりの物資の援助なしには生活する事が出来ないからだ。空気、食料‥それらの完全なる自給自足を狭い箱庭で実現する域には、まだ科学の技術は届いていなかった。
 この一年間の戦争の流れは分かり易いものだ。当初はその狂気ともいうべき電撃戦に電撃戦を重ねる戦略によって、宇宙進出者側が勝利を重ねていったが、伸びきった補給線と彼らが蓄えていた物資の少なさがモロに響いて、勝利を重ねたペースと全く同じペースで敗北を重ね、地球側の勝利は目前となったのだ。

 ここで、宇宙進出者側は最後の賭けに出た。
 本国に最低限の戦力を残して、現存する戦力を集められるだけ集め、秘密裏に建造していた移動要塞と共に衛星軌道上まで進出して、その移動要塞に備え付けられた主砲による地球焦土化作戦を実行に移したのである。戦後の事を考えて地球そのものへの被害の回避、それを取り止めて勝利を目指そうというのである。


 ――地球側戦艦のブリーフィングルーム。
「既に、先発の艦隊は移動要塞の前に展開している敵艦隊と交戦に入っている。相手は戦力をかき集めたようだが、戦況はこちらが優勢だ。敵要塞主砲への‥」
「大佐! 大変です! 敵軍の伏兵部隊が出現、アープスに向かったと!」
「何っ!?」
「SOS信号も既に確認。あのコロニー群に一番近いのは、我々の艦隊です」
「どういう事だ‥? 何故今アープスに‥。まさか、人質を取って抵抗を止めさせる気か?」
 こんな考え方もおかしいのだろうが、移動要塞の主砲によって地表が焼かれれば、軍関係者以外の人間も大勢死ぬ事になる。その数は、アープスと呼ばれるコロニー群に住む数の比ではない。
「奴等の狙いが何であれ、見捨てるわけにはいくまい」
 大佐と呼ばれた人物は、隊の一部をアープスに向かわせ、鎮圧後に合流する形に作戦を変更した。

 ――宇宙進出者側戦艦の某所
「相変わらず、私好みの作戦を回して下さりますねえ‥。ふふふ、人類の進化の象徴、アープス‥ですか」
 そう言いながら、男は今までに何度も知らされた内容が書かれたファイルに目を通し、嗤う。
「さしもの私も、まさかここまでとは思っていませんでしたからね。いやいや、この書類に目を通す度に思いしらされますよ、一年前の私の無知ぶりをね」
 自分を卑下しながらも、嗤いの表情は崩さない。これからの事態が、彼にとっては待ち遠しくて仕方ないのだ。


 策謀渦巻く宇宙を往こうとする者達が居る。出撃前のチェックを行うが、入念にメンテナンスを終えられた機体は、こちらの期待に応えてオールグリーンを返してくれる。
 もしかすれば‥いや、もしかしなくとも、自分は再び帰ってこれないかもしれない。そんな、一瞬頭を過ぎった考えを振り払い、カタパルトへと機体を進ませると、管制官からの言葉が聞こえた。
「‥出撃します」
 不意に訪れる心地よい加速。そして足の拘束の解かれた鋼の巨人達は、星の海へと泳ぎだしていった。

●今回の参加者

 ea0439 アリオス・エルスリード(35歳・♂・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea1554 月読 玲(32歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea2564 イリア・アドミナル(21歳・♀・ゴーレムニスト・エルフ・ビザンチン帝国)
 ea2731 レジエル・グラープソン(29歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea2984 緋霞 深識(31歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea3184 ウー・グリソム(42歳・♂・レンジャー・人間・ロシア王国)
 ea4238 カミーユ・ド・シェンバッハ(28歳・♀・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea8498 月詠 閃(40歳・♂・浪人・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

●堕ちた宇宙
「奴等の狙いが何であれ、見捨てるわけにはいくまい」
 ウー・グリソム(ea3184)の視界には、光の尾を引く編隊が映し出されていた。アープスに向けて発進してゆくSA隊である。
(「やれやれ‥、私もつくづく厄介事に巻き込まれるものだ。しかし、そろそろそれも終わりそうか」)
 宇宙軍が最初に敗戦を喫した戦闘、同時に地球軍が最初に勝利した戦闘。それは地上のとある基地での出来事であったのだが、ウーがその基地へと配置された直後の事で、その戦闘においてめざましい戦果を挙げたウーの隊は、ことある毎に厄介な任務を押し付けられ、また遭遇してきた。
(「始まったか‥」)
 敵機動要塞へと艦隊を向けたウーに届いたのは、地球軍司令官による檄。

 かつての強制宇宙移民政策は、例えば感情論だけ捕鯨に反対し海の生態系を損ねるような、そういう感傷的な自然保護主義と社会主義が結びつき、人が地球と共生する努力を放棄させた自然保護ファシズムというべき狂気である。
 技術的に宇宙での自給自足が得られないにも関わらず、だ。
 望まない宇宙移民を強いられ、厳しい生活に耐える人々は、しかし地球への帰還を望むのではなく、かつて自分達を苦しめたはずの感傷的自然保護主義を精神的支柱とするという思想的な捻れを生じさせてしまった。
 宇宙移民こそは人類の進化、地球に残る者は重力に縛られた自然破壊者、という夢想である。その捻れの招いた結果が、地球さえ破壊して省みないという暴挙なのである!

「SAでも、結構受信出来るものね」
 カミーユ・ド・シェンバッハ(ea4238)は、SAをオートの巡航モードに設定して、司令官の檄に聞き入っていた。
 実際はこの檄の内容とは少々異なり、元々宇宙側は生活環境の改善がその要求だった。しかし、その流れを利用した上層部が、己の利権を求めたが為に戦争に勝利する事に固執する結果となってしまっているので、カミーユがこの考えに同調するのも無理のない話なのだが。
「ま、これが終われば終戦じゃない?」
 事前に再確認したアープスに関する情報を眺めつつ、月読 玲(ea1554)が呟いた。
 今回の作戦には、宇宙側は出せられる全ての戦力を注ぎ込んで来ていると思って間違いない。本国に最低限度の戦力は残してあるらしいが、事実上今回の戦闘が最終決戦となるだろう。
「それにしても地球焦土化作戦とは、宇宙(そら)の連中も堕ちたものだな」
 その玲からアープスに関する情報を回して貰いながら、緋霞 深識(ea2984)はそう言った。宇宙の事をソラと読むのは、いつ頃からか皆がそう言うになった俗な呼び方だ。
 玲と深識の前にある画面には、アープスには最新鋭の研究設備があり、コロニー内における空気や水の精製・リサイクル機器、また宇宙空間における作業用SAのテスト等が行われていると映し出されている。つまり、アープスは宇宙側に大きな実利をもたらすものであるのに、その宇宙側から攻撃を受けているのだ。人質とするのか、それとも研究成果を奪うつもりなのか‥。


●暴かれし空言
「‥おかしいわ、アープスに駐留しているはずの部隊の反応がない」
 頭部にレドームが増設されている特徴的なSA、それに乗り込んでいるイリア・アドミナル(ea2564)が手に入れたアープス周辺の情報には、宇宙側のSAと思わしき物しか存在しなかった。
「どういう事? アープスには結構な戦力が駐留しているはずなのに‥」
 玲が他の皆を代表して疑問を言葉にした。今まで大掛かりな作戦目標になった事がないので、開戦当初の宇宙側の攻勢時にも、アープスは危なげもなく小競り合いに勝利にしていた。
「機動要塞へと、アープスからも多少の戦力は回されていたはずだが、それにしても‥」
 重装甲、高機動のSA、ガルベランを動かすレジエル・グラープソン(ea2731)が言うように、多少は防衛戦力が落ちているのは確かだったが、いくらなんでもこの短時間に制圧されるわけがない。
「相手は一体どんな手を使ったっていうんだ?」
 彼らはあと少しでアープスへと到着しようとしていた。

「な、なによこれ!?」
 驚愕するイリアのSAのディスプレイに表示されているのは、ほぼ制圧されているコロニー群。イリアはそれを他の仲間に伝えるが、皆一様に動揺を隠せない。そこへ、敵からの通信が割り込んできた。
「おやおや、案外に早かったですね、地球軍の皆さん」
「‥!?」
「折角ですから、お教えして差し上げますよ。アープスの真相をね。何、簡単な事ですよ。人類初のコロニー群であるアープスは進歩の象徴、宇宙の皆様の生活役立つ物を実験・開発しております。これでは、互いに牽制する為の小競り合いはあったとはいえ、宇宙側は本気でアープスを落とす価値はなく、無視して地球に降りた方が良い。ま、他にも細かい事情があるようですが、だからここに廃棄されたはずの物が隠されているのですよ」
「廃棄されたはずの物じゃと!?」
 月詠 閃(ea8498)の問いに答えたのは、通信を送りつけた相手ではなくアリオス・エルスリード(ea0439)だった。
「まさか‥核か?」
「ご名答。なかなか察しがいいですね、もちろん制圧された時の事も考えて、巧妙に隠されてはいますが‥。ま、いつの世にも情報を売る者は居るものです。こちらとしてもかなり高い買物だったそうですよ?」
「それで貴方達は一体何をするつも‥」
「待つのじゃカミーユ! 悠長にこやつの話を聞いている場合ではないぞ!」
 質問を続けようとしたカミーユを、相手の狙いが時間稼ぎだと見抜いた閃が制した。
 戦後に発覚した事だが、この時宇宙側はコロニーを落下させる事と、コロニー内に積んだ核を地表付近で爆発させる事を計画していた。機動要塞戦で消耗し、また勝利したと思うその隙を狙うつもりだったのだ。

「深識、ついてこい。仕掛けるぞ!」
「了解!」
 レジエルが先陣をきって仕掛けると、その指示を受けて深識が続く。二人のSAは両肩に搭載されたミサイルを撃ち終え、デッドウェイトになったそれを切り離す。
(「ホントはパイルバンカーが欲しかったんだけどなぁ‥」)
 深識は白兵用火器を望んでいたのだが、これの前の戦闘において戦死したレジエルの部下の位置を補う為、パイルバンカーではなくミサイルラックを積んで出撃させられた。
「貴様だな、先程の通信を行ってきていたのは!」
 戦闘が開始されて少しの後、アリオスは敵隊長機と思われるSAと対峙していた。
「いやはや、ホントに察しの良い方だ」
 感心したようにそう述べつつ、コロニーを背にして回避行動を取る敵機。
(「隊長機を駆っているだけの事はある‥!」)
 無駄弾を出さない事で有名なアリオスも、今の状況下では狙いを定める事ができない。数十秒間の対峙の後、お互いに接近してきた敵機の対処に追われ、二機のSAは位置を離してしまった。

「もう少し耐えれば‥」
 多数の敵機を巻き込むように特殊兵装アイスブリザードを放ち、SAをやや後退させるイリア。電子戦用の機体であるので、使用するのにコツの要る特殊兵装を積んでいるものの、戦闘能力の不足は否めない。
「お待たせ、お待たせ〜♪」
 そこへ、イリアが待ち望んでいた報告がやってきた。戦闘開始後に、アープスのコロニーの一つに潜入していった玲が、コロニー内の解放を行ったのだ。他のコロニーも順次解放され、自衛用のビーム砲による援護が開始されていく。
「墜ちろ、墜ちろぉぉぉぉ!!!」
 それを受けてなのか、多少の攻撃に構う事なく敵機に迫った閃が敵機を斬って捨てる。
「何だよ!? 避けたと思った‥火が!? ば、爆発す‥!」
 SAは操縦者の意思をダイレクトに反映させて動く。
「この距離‥外さん」
 伸びた火線は真っ直ぐ相手へ、まるで磁石が引き合うかのように。
「こ、この私が直撃を!?」
 一対一の状況で、閃やアリオスが操るSAの狙いから外れれるとすれば、噂に聞く赤いSAを駆る宇宙側のエースパイロット、それぐらいのものだろう。
 順当にアープスの救助を終えた彼等は、推進剤や弾薬の補給が終わるまでの束の間の休息の後、機動要塞へと向かった。


●落ちた空
 機動要塞宙域の戦況はこちらが優勢で、機動要塞主砲の破壊は思ったよりも早くに達成させられたのだが‥。
「な、なんですって!? このままだと機動要塞が地球に落ちる!?」
 カミーユの叫びが隊に響く。なんと敵は衛星軌道上まで主砲がもたない事に気づくと、要塞移動用の推進機器を自ら爆破したのだ。
「質量兵器として地球に落下させようっていうのか!?」
「でも、それじゃ無差別攻撃に‥」
「いや、落下予測地点は地球軍本部がある位置らしい」
「まさか最初からそのつもりで‥?」
「ありえるな。衛星軌道上から地上への攻撃が可能な兵器より、そちらの方が切り札としては分かり易い」
 ハンガー周辺が騒然となっていく。だが、彼等は全員、自分達がやるべき事をしっかりと認識していた。
「まだだ、まだできることはある!」
 重なる出撃に疲れきった身にムチを入れて、今一度出撃準備を行う。
「一番前のラインまで艦を前進させるぞ。少しでもパイロット達の負担を軽減してやれ」
 ウーの指示に従い前進した艦は、盛大な援護射撃でもってSAのパイロット達を送り出してゆく。

「阻止限界点までのタイムリミットは!?」
「まだ時間に余裕はあるわ。でも、早い内に要塞に接近して攻撃をかけたいところね」
 そんなやりとりを行うカミーユとイリアのSAが、けたたましくアラームを鳴らす。
「敵も必死だな‥!」
「開戦時からのと同系機まで出張ってきているな」
 未だ宇宙側の動きに鈍りがないという事が、最初から要塞落下が目的だった事への裏返しになっている。
「気をつけろよ。新型よりも旧型に乗ってる奴の方が、動きが良い‥!」
 闇に大きな華が咲けば、それはSAが一機爆散したという事、誰かの命が散ったという事。
「ガルベラン‥まだ持ってくれよ」
 立て続けに咲いた華は、彼等の行く先の道をこじ開ける。
「お‥? わし達の他にも、えらく動きがいい奴がおるな? まさか‥」
「そのまさかですよ閃中尉。あれ‥きっとコード・Gですよ」
 敵の防衛ラインを突破していくスピードは、彼等の隊が一番速いように思われたが、それよりも速く敵陣を崩していく白いSAが居た。殆ど異常なまでに正確無比な射撃と、まるで全周囲が見えているかのような回避。
「折角だから便乗させてもらうか。このままあちらに合わせて突っ込むぞ!」

 その衝撃は、機動要塞に取りつく頃、隊を数個に分けた丁度その時にやってきた。
「最後の最後まで‥。まったく、楽はさせてもらえないようだな」
「SMA‥モンスターアーマー、文字通りバケモノみたいな形してんのね」
 非人型のSAを総称して、SMAと呼ぶ。玲が言ったように、一般的にバケモノのような形状をしているのが、名称の由来だ。
「こいつの機動性についていけるガルベランで何とかする。お前達は早く機動要塞に取りつけ」
「やれるの?」
「そんな、いくら大尉でも‥」
「上官命令だぞ?」
 ‥‥‥。一瞬の後、その場にはレジエルのガルベランだけが残った。
(「バリー‥クラウス‥。私もそちらに行く事になりそうだ‥!」)
 光の尾を引いて加速するガルベランを背に、残りのパイロット達は要塞へと取りついていく。
 玲とイリアのSAが先導し、それにアリオスとカミーユのSAが続いた。どうやら、残りの二機のSAは一度は要塞の方向へと機体を向けたが、すぐに引き返してきたようだ。


●聖夜の空は、星屑で覆われて
「う‥ここは?」
「気がつきましたか、大尉!」
 深識のSAが、胴体部を残して破損したレジエルのSAを抱えて帰艦の途についている。
「助かったのか‥」
「礼なら閃中尉に言って下さいよ。あの人が飛び込んできてくれていなかったら、二人とも今頃‥」
「絶対生き残ろうと思っておったから、一瞬見捨てかけたのじゃがの。気づいたら突撃しておったわ」
 気づけば、深識のSAに掴まりながら閃のSAが飛んでいた。
「見て。バラバラに分解した機動要塞の一部が落下していくわ。あれならきっと、燃え尽きるでしょうね」
「犠牲は大きかったけど、これでもう戦わないで済むんだね」
「ああ‥。もう宇宙側に戦力は残ってはいないだろう」
「要塞の地球への落下阻止、ホントにギリギリだったですね‥」
 玲とイリアに、それにアリオスとカミーユのSAもその場には居た。誰のSAも傷だらけではあったが、それでも誰一人欠ける事なく彼等は帰艦したのだ。

 幾多の将兵の命を吸い上げた機動要塞は、地球軍の決死の抵抗の前に崩壊しながら落下し、大部分は大気との摩擦で燃え尽きた。この景色を地上から見上げると、この世の物とは思えない程の美しい流星群の空だったらしい。
 この日、A・E0107年12月、衛星軌道上における戦闘を最後に大掛かりな戦闘は終わり、翌年の年明けと共に地球と宇宙の間で終戦協定が結ばれ、後に07年戦争と呼ばれる戦争は終わりを迎えたのだ。

 なお、終戦と前後してウー・グリソム大佐と他一名が姿を消しており、また彼の艦にアープスからのSOS信号を受けた記録がなく、彼等は宇宙軍と通じていたのではないかとされている。だが、戦後に宇宙軍に関する資料の多くが失われた為(本国に残った部隊が、様々な負の証拠の隠滅を行った為)、未だその証拠になるような物は発見されていない。