ネズミーランド大作戦☆

■ショートシナリオ


担当:霜月零

対応レベル:フリー

参加人数:5人

サポート参加人数:-人

リプレイ公開日:2005年09月20日

●オープニング

「どーしてのれないのよーーーーーーー!!」
 ネズミーランドの片隅で。
 パンフレット握り締めて地団駄踏む少女――カノン。
 黒い大きなネズミ耳のヘアバンドをつけて、白地に赤い水玉模様のフリフリワンピースを着て。
 格好だけはとってもネズミーランドだったのだが、いかんせん、肝心のアトラクションにちっとも乗れない。
 西部の山の中を再現し、走り回るジェットコースター『ビックリサンマンダーマウンテン』。
 水の中に45度の角度でまるでまっさかさまに落っこちてゆくような感覚を味わえる『ズブヌレマウンテン』。
 古い洋館の中、999の幽霊たちの舞踏会を垣間見る事が出来る『ホラーハウス』
 そのほかにもいっぱいいっぱい、カノンは乗りたいアトラクションがあるのに乗れないのだ。
 お金もあるし、乗り物制限に引っかかるわけでもない。
 じゃあなんで乗れないかといえば。
「どーしてこんなにひとがいっぱいなのーーーーーー?!」
 ネズミーランドは日本で大人気のテーマパーク。
 連日何千人もの客が訪れ、一つのアトラクションに乗るのに1時間待ちは当たり前。
 人気アトラクションともなれば2時間待ちもありえるのだ。
 待つのが大っ嫌いなカレンはそんなに待っていられず、空くまで待とうとネズミーランドをグルグル回っているうちに時間がたってしまい、結局なんにも乗れずに終わってしまったのだ。
「もうもうっ、誰か助けて―――――!!」
 カレンの絶叫が、ネズミーランドに響き渡るのだった‥‥。 

●今回の参加者

 ea0448 レイジュ・カザミ(29歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea0841 壬生 天矢(36歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea1011 アゲハ・キサラギ(28歳・♀・ジプシー・人間・神聖ローマ帝国)
 ea4885 ルディ・ヴォーロ(28歳・♂・レンジャー・パラ・イギリス王国)
 eb1870 土川 遮那(32歳・♀・陰陽師・パラ・ジャパン)

●リプレイ本文

●走れ走れネズミーランド☆ 
「ネズミー攻略は任せて!」
 そう言って、乗り物にちっとも乗れなくて半べそ状態のカレンの腕を引いて走り出すのはレイジュ・カザミ(ea0448)。
 ネズミーランド大好き☆ の彼にかかればネズミーランド攻略なんてお手の物。
 千夜一夜物語に出てきそうな、アラビア風衣装も決まってる♪
「じゃあ、あたし達はカレンちゃんとアトラクション行ってるね!」
 レイジュと一緒に走り出し、振り向きざまに残った3人に叫ぶのはアゲハ・キサラギ(ea1011)。
 アラビア風お姫様のコスプレで、レイジュとはペアルック☆
「えっと、俺の役目はパス取りとパレードの席取りだな」
 走り去る3人を見送って、ネズミーランドのパンフレットを見ながら呟く壬生 天矢(ea0841)。
 さりげなく恋人の土川 遮那(eb1870)の 手を握っている。
 手を握られている遮那はほんのりほっぺたを赤らめつつ、
「パスを取る順番は、『ホラーハウス』→近くの一時間程度のアトラクション→『ビックリサンマンダーマウンテン』→近くの比較的早いアトラクション→『ズブヌレマウンテン』って感じかな? パレードの場所取りは、あたしと天矢さんで一時間前ぐらいから取っておくね」
 先ほどアゲハがカレンに確認を取った『見たいアトラクション』を考慮しつつ、順序良く予定を立てて行く。
「ふふふ〜♪ こんなに混んでるネズミーランドで、人にぶつからずに目的アトラクションのリザーブパス発行所まで早くたどり着く、なんて、小柄で身の軽い僕のためにあるような仕事でしょー♪ パス取りは僕に任せてよね!」
 思い立ったが即吉日。『ビックリサンマンダーマウンテン』に元気いっぱいに駆けだして行くルディ・ヴォーロ(ea4885)。
 さあ、ネズミーランドを駆けまわろう☆


●アトラクションGO! GO!
「かわいかったー♪」
「ファンシーな外観もそうだけれど中の人形達も可愛かったね」
 にこにことご機嫌なカレンとアゲハ。
 レイジュが一番初めに連れていったアトラクションは、『世界の人形マーチ☆』。
 世界中の人形達が歌うこのアトラクションは、一度に20人近く入れるのであまり込まず、お人形の可愛らしさで女の子には人気が有るのだ。
「ね? 待たずに済んだでしょう? 短い時間で乗れる乗り物といったらやっぱりこれだよね。あとはお城のアトラクションも結構スムーズに見れるかな。真ん中のお城と、ズブヌレマウンテンの山は同じ高さなんだよ。‥‥おっと!」
 喜ぶ2人ををにこにこと見つめて、ネズミーランドの薀蓄を語るレイジュの携帯が震える。
 遮那からだ。
「もしもし?」
『あ、レイジュさん? リザーブパス、ホラーハウスのが取れたよ! それと、ビックリサンマンダーマウンテンも!』
「えっ、ほんと?! 今どこにいるのかな? すぐに向かうよ」
『ホラーハウスのまん前』
「了解っ♪」
 レイジュはご機嫌に電話を切って、「急いでっ、ホラーハウスのパス取れたって!」とアゲハとカレンの手を引いて、ホラーハウスに走り出した。


●ラブラブ〜☆
「疲れただろ? これでも飲んで少し休もうか」
 リザーブパスをレイジュ達に渡して、ベンチで一休みする壬生と遮那。
 壬生が、すぐ側のお店で冷たいジュースを買ってくる。
 カレンの為に走ってパスを取りに行ったから、遮那は結構疲れていたのだ。
 もっとも、カレンの前ではそんなそぶりは見せなかった。
「楽しんできてね!」と明るく元気に振舞っていたのだが、恋人である壬生にはバレバレ。
「靴擦れとか起こしてないかい? なんなら、背負ってもいいが」
「んもうっ、大丈夫だってば。そんな恥ずかしいことしたらアタシ怒るからねっ!」
 耳まで真っ赤になって、ぷいっとそっぽを向いて照れて不貞腐れる遮那。
「あははっ、ごめんごめん。遮那、今日もかわいいよ」


●お土産はどれにする?
「やっぱりコメモレーションカップは、お土産に持たせてあげたいよね〜」
 ルディがネズミーランド名物の毎月柄の変わるカップを手に取りながら、お土産に選ぶ。
 アゲハとルディの2人は、レイジュとカレンがホラーハウスを見ている間、恋人同士の2人を邪魔しちゃ悪いので、壬生と遮那とは別行動で早めにみんなのお土産を買いに来ていたのだ。
「ねえねえ、これ可愛くない? ブーさんのぬいぐるみクッキーだって!」 
 アゲハがピンクのクマの顔の形をした入れ物を指差す。
「ほんとだ、僕初めて見たよ。これも買っていったらきっと喜ぶよね」
「あとペンライトも必須だね! 光と音のパレードにはやっぱこれだよね」
 わくわくとお菓子やペンライトを購入するアゲハ。
 時計を確認しながら、
「そろそろホラーハウス見終わった頃なのかな?」
「うん、ビックリサンマンダーマウンテンに移動した方がいいね」
 2人、ちょっぴり急ぎ足で次のアトラクションに駆けて行く。


●快感☆
「きゃーーーーーーーーーーーーーーー!!」
 ガタガタガタガタガタンッ!
 西部開拓時代の炭坑を模したジェットコースター『ビックリサンマンダーマウンテン』に乗りながら絶叫を上げるカレン。 
 嬉しいやら怖いやらで目一杯パニくっているようだ。
「カレンちゃん、あそこをみて。エゾシカの模型が飾られてるんだよ」
「レイジュ、そんなもの見ている余裕があるのはキミだけだよ!」
 物凄いスピードで走るジェットコースターに乗りながら、カレンに指差して教えていたレイジュにすかさず突っ込みをいれるアゲハ。
 お気に入りのティアラが風で飛んでしまわないように必死に片手で押さえている。
「あははっ♪ やっぱりここは両手を上げるべきだよね!」
 ルディが小さな身体を精一杯伸ばしてばんざーいをしている。
 怖いけれど、最高に楽しいのだ☆


●光と音のパレード
 眩いばかりの、光の洪水。
 明るく、楽しげな曲に合わせて踊るネズミーランドのキャラクター達。
 壬生と遮那が一時間も前から場所取りをしてくれていたから、パレードが一番良く見える特等席で、6人仲良く座れてる。
「こんなに側で見られたの、初めてです!」
 カレンが瞳をキラキラとさせて、アゲハからプレゼントされたペンライトを振っている。
「でしょー? ここは一番パレードが良く見える場所なんだ。ほらほらっ、みんなも手拍子手拍子♪」
 レイジュが人一倍盛りあがって、踊るネズミーランドのキャラクター達に手を振っている。
「女の子とくれば、楽しませるのが男の甲斐性ってもんだよね」
 ぱくぱくと、パレードが始まる前に買出ししておいたチュロスを頬張りながら、ご機嫌なルディ。
 乗り物に乗れなくて泣き出しそうだったカレンがこんなに喜んでくれれば男冥利に尽きるというものだ。
「今日は一緒に来れて良かったよ」
 光のパレードにうっとりしながら、遮那が壬生に囁く。
 カレンの為というより、最愛の恋人の為にこの場所をキープしていた壬生は、微笑ましく彼女を見つめながら、
「今日という日が素敵な思い出になるように‥‥」
 とそっと遮那を抱きしめた。 


●エピローグ〜まだまだ夜はこ・れ・か・ら☆
「面白かった〜♪ みんな、ありがとう!」
 ルディからお土産にコメモレーションカップも受け取って、見たいアトラクションすべて見れたカレンは幸せいっぱいにお礼を言う。
 でも。
「あら、夜はまだまだこれからだよ。帰る人が多くなってくるからね、今のうちに♪ 慌てなくても十分間に合うし♪」
 アゲハが魅惑的にウィンクする。
 きょとんするカレンに、
「そうそう、ネズミーランドはこれからの時間が勝負なんだ」 
 レイジュもうんうんと頷いて、カレンの手を引き、
「ふむ。夜のアトラクションというものも魅力的だな」
 と壬生も同意。
 壬生が同意したなら、遮那もとうぜん同意。
「そうと決まったら、またいっぱい乗りまくろー! おーっ!」
「おーーーーーーっ♪」
 ルディの掛け声にみんな笑って応じて。
 みんなで、夜のアトラクションへ駆け出した。