ChronoChase
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■ショートシナリオ
担当:Urodora
対応レベル:フリー
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
リプレイ公開日:2007年04月17日
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●オープニング
●尖塔にかかる月
その時、月が震えた。
空けぬ夜空のむこうから闇が降り立つ。
輝きの果て、望む尖塔から羽ばたくのは一人の男。
「今回のシーズンは貴方ですか‥‥」
ひらり、ひらり、淡い茶のマントが夜闇に舞う。
その長身の男は、透き通るが冷たい声で言葉をなぞる。東が朱色に染まる暫時、朝が来る一瞬。尖塔が朝を迎える鐘を鳴らし、よつつきの死者が眠りにつく。
「返せ、街にとって大事なものだ」
放つ瞳が強い意志を伝える。構えた手、そこには月に光る重い箒。浅黒い肌の少年は、丈の長い箒拳を構えると男を指さした。
「無駄です。この街の時を止めるのが私の役目」
ずり下がる円形の眼鏡を神経質そうに男は戻す、レンズをの奥の瞳は静かだが、重い何かがある。
「どうかな、やってみないと分からないっていうしさ」
「子供には、体で分からせることも必要というわけですかね」
男はそういって、口元をゆがめた。
「あいかわらず、変だね」
「それは、褒め言葉として受け取っておきましょう。さて」
対峙する二人、朝日が石畳に写る影を長く伸ばし、沈黙が包む。それを破ったのは少年だった。彼はゆっくりと空に箒を向け瞳を閉じる。昇る朱色の空を背に、歌うよう高らかにつむぐ言葉、それは始まりのプレリュード。
「いくよ」
眼をつぐみ一句一句厳かに語る姿はまるで。
「復讐の掃除夫というところですか、美しい」
毅然とした態度、精一杯張り上げた声。 まだ幼なさが残る容貌ながら、凛とした姿の少年は箒を強く握る。そのあどけない小柄の姿からは、信じられないほど気迫と決意を感じさせる。
「箒で、私を捕まえる気ですか? 滑稽、愉快。はてさて、無能なクロノスヤードの皆さんはいかに?」
「連絡しておいたから、すぐ来る。今度こそ逃がさないぞ」
対峙した二人。月はただそれを見守っていた。
●時計台のある街
その街の中央には時計台がある。
いつからあるかは誰も知らない。だが、ずっと動いて時を刻み、街を見守ってきたのだ。
その時計台が、ある日、ある時を境に動かなくなった。結果、街は大混乱に陥る。時計台の時間を基準に動いていた巡回蒸気車はあちこちでぶつかり、飛行艇も大空に羽ばたかない。
大慌てに慌てた街長に頼まれ、原因を探った学者の言葉は
「時計台の部品が盗まれました」
それを聞いた街の人々は口々に、それならもう一度作ればいい、そう話した。けれど話が進展するにつれ、今の技術で部品を作り出すことが不可能であることが分かる、すると街の人々は前よりひどい状態になった。このままでは、まともな日常が送れないことが分かったのだから、無理もない。
そんな時だった。
「諸君、ご機嫌よう」
派手な登場をした一人の怪盗が、部品を盗んだことを宣言し、街に対して挑戦状を叩きつけてきた。街を守るクロノスヤードは、その挑戦を受けたが、ことごとく怪盗の前に敗れ去る。
このままでは、この街の時間はいつか止まってしまうだろう。
そんな時。
時計台の近くに住む、煙突掃除夫の少年ジムの元にその報は舞い込んだ。
「オメデトウございます。今回の捜索者は貴方に決定されました」
確認すると送り主はクロノスヤードである。それを見たジムはある事を思い出す、怪盗の出した挑戦を。
「無作為に指定した捜索者たちが、私を捕まえられたら部品は返す」
彼はその捜索者に選ばれたのだった。
●リプレイ本文
●選ばれた彼ら
「今月も、私ですか?」
「それが君の仕事だろう」
雑然とした署の管内には、燻る煙草と香ばしい珈琲の芳香が混じりあい漂っている。
通信機のベルの音、訪問者の怒号が飛び交うここは、クロノスヤードなんでも課。
ほぼ毎月の恒例行事となりつつある怪盗挑戦へ向けて、一人のレディが渋い顔をしつつ雑用係として召喚された。
「そういえば、そろそろ査定の時期だな。アスタルテ君」
アスタルテ・ヘリウッド(ec1103)は、上司の言葉を聞いて何と言い返そうか考えた。しかし、ここで逆らって給料を減らすくらいなら。
「はーい、私はみんなの味方ちびっこ婦人ヤード! お仕事拝命しました」
結局彼女は、半ば面倒だと思いつつも、追跡者担当ヤードとして任務についた。だがこの時、彼女自身・・・・まだ彼がやって来ていたことは知らなかった。
〜招待状〜
時計台に設置されている鐘が時を告げた。告げる時は大分歪んでいるようだ。次元の狭間へ逃げ込んだという怪盗は、月に一度だけその招待状を携えてやってくる。
捜索者として選ばれた彼らは門へ集うだろう。各々、過去と時間を引きつれて。
遠く東、日いずる国より時の街にやってきた彼はミートパイからダイナマイトまで何でも運ぶ運び屋、名を九十九嵐童(ea3220)。九十九の元へ届いた、追跡者の告知に付された招待状は、
「君は物を運ぶ、私は物を奪う。運ぶ者と奪う者。どちらが本当の運搬人か? 今こそ決着をつけようじゃないか」
ちょうど機械部品を蒸気工場に送ってきた煤だらけになった九十九は、断ろうかとも思った。しかし、断るためにはヤードに顔出す必要があるだろう。ヤードには少し借りがあるので断りづらい。この稼業をしていれば、裏で世話になることもある。
迷った末に九十九は、汚れを落とすためシャワーを浴びた後、ガレージの愛機に油を差すことに決めた。
女の子二人でお茶会パーティー決行中。華やかなパーラー山田クロノ通り中央店。鳥の巣頭の変な店員が踊りながら甘味を持ってくることで有名である。
名物である五段重ねパフェを食べて名を馳せた乙女は数少ないが、ここに可憐な容姿とは裏腹にマイスプーンでかぶりついている猛者が一人。名をセーラ・ティアンズ(eb4726)、空賊である。そして彼女相手をしているエリヴィラ・アルトゥール(eb6853)は周りの好奇の視線に恥ずかしそうだ。
「おいしーほら! エリヴィラ見て見て、招待状。冒険が私を呼んでる」
「はぁ、セーラちゃんは気楽だなあ。選ばれたんだから、責任重大なのに、そ、それより彼氏がで、でき」
語尾が弱々しく消えたエリヴィラの発言はセーラには届いていない
「カレーが食べたいの? いつもは空の冒険だからね、たまには大地を走るのもいいね」
「・・・・この前、飛空艇を墜落させてたよね」
「何のこと? 私知らないよ。あれはユラ姉がスピードに挑戦って、蒼黒の愚者とギルスワンで競争して墜落したんだよ。すごかったな、さすがは白き翼」
「でも、墜落しちゃったんでしょ?」
「えへへ、私がちょっとね。やっちゃった」
いったいセーラが何をしたのかも気になるが、とりあえずそれは、また違う話である。二人は幼馴染で、その元に揃って追跡者の要請が届いた。彼女たちの招待状には一言。
「パーティーへようこそ、お嬢さんたち」
と、あったのだが、すでに彼女たちは忘れているような気もする。
陽の光にゴーグルが輝いた。
「ノンノン、このオンボロ、動け! まったくスチームの調子と女心は時の空とはよく言ったものです」
年季の入った茶ゴーグルを掛けた男は、精一杯伊達男を気取っている。しかし着ている服が安っぽいので何かちぐはぐ、きっと生活に困窮しているのだろう。乗っている空挺も元は官支給の量産品のようだ、狐のペイントが印象的で、改造はしてあるがところどころ傷だらけである。
「はぁ、お腹が空きました。久しぶりに戻ってきたのに、一文無しとは・・・・」
ニーシュ・ド・アポリネール(ec1053)、私立探偵。というと聞こえはいいが、なんでも屋のようなものだ。元はこの街のヤード所属だが、とある理由から公職を辞し、一時街も離れていたのだが・・・・
「あの、すみません。ここがクロノ街ですか?」
空腹のニーシュに掛けられた声、その主は背丈を少年と見間違えるほど、彼はティターン教の僧衣を纏っている。
「おいら、この街は初めてなんです」
「これぞ神のお導き! さあ憐れな子羊に食事を!!」
ニーシュの勢いにイルコフスキー・ネフコス(eb8684)は思わず頷き、食事を奢ることになった。
「で、なぜ壁に隠れているわけ?」
アスタルテが愛機ドン亀シューティングカスタムでパトロールしている時だった。二人の不審者が彼女の前に現れた。
「じ、自分は、クロノサンドを食べたようと思って、ちょちょっとだけ駐車を」
妙におっきなお姉さんが、クロノサンドのマスコット子豚のクロノ君が描かれた大きな袋を抱えている。ビッグクロノサンドが四つくらい入っていそうだ。
「ここは止めちゃいけないとこでしょ、ルールは守ろうね、お姉さん名前は」
「ケイト、ケイト・フォーミル(eb0516)だ」
ケイトと名乗ったおっきな姉さんは、サンドのおまけについてきたクロノ君人形に気を取られているようだ。
「まあ、止めるくら良いじゃろう。それよりなぜ? わしは捕まったのじゃ」
蒸気街の北に精霊石発掘用鉱山がある。その鉱山よりやって来たかのような野暮といっては失礼だが、重厚な装備をした老け顔の男が言った。
「そのスクーター法令違反よ。整備点検を大分してないでしょう」
確かに男が乗ってきたスクーター? なのか真っ黒な鉄塊なのか分からない乗り物は、蒸気車検を長い間していないようにも見える。
「なんじゃそんなことか、これをみるがいい。点検整備は鉱夫の勤めじゃ」
男が差し出した許可証には「字倉水煙(ec1285)19歳」とだけ書いてある。
「・・・・それってば蒸気運転許可証よ。え! 19歳なんだ、40は過ぎてると思った」
と言うことで、彼の愛機である発破丸はヤード整備班のもとに運ばれたのだった。
かくして、今回の捜索者が集った。招待状の内容が欠けている気もするが、細かいことは気にしない。
●セレモニー
捜索者の諸君、時の街へようこそ、私は怪盗、名前は決まっていない。決まっていないのに怪盗とはこれいかに? そんなことはどうでもいい。さて今回のルール(中略)という事だ。
どういうことか分からない? 要は私を捕まえれば良いだけさ、今より私は潜伏する、ぜひ捕まえてくれたまえ、君達の活躍を期待しているよ。
●ChronoChase
「ちょっと、何、あんたなんでこんなところに居るの?」
「これはルーテさん、久しぶり。相変わらず小さいですね」
感動? の再会を果たしたニーシュとアスタルテ、元同僚の二人。心持ちアスタルテが嬉しそうなのは気のせいだろうか。
「帰ってきたなら、連絡してもいいじゃない。水くさいわね」
「先ほど到着したばかりで、もうこの状態ですからね」
周りにすでに、捜索者の皆さんが揃い踏みである。
「それにしても、チェイサーに選ばれるとは光栄というか・・・・え、もう時間ですか?」
捜索者の皆さんは配置についてください。
拡声器で早速アナウンスが始まる。捜索者の仲間である煙突掃除夫のジムも緊張の中にいる。
「ちょっと聞きたいことがある」
九十九はジムに話しかける。どうやら怪盗の特徴を聞きたいようだ。ジムは何事か考えていたが、一言。
「あそこにいるよ」
向こうを指差した。
え?
「はーはははははは、諸君。遅い、遅いぞ。待ちくたびれたからやって来てしまったではないか!!」
怪盗を形容する手間を省いて怪盗である。とりあえず怪盗は高笑いをしつつ、愛機に乗り縦横無尽にそこらを走り回っている。
さあ、今がチャンスだ!
各機配置につけ、整備は万全か? スチームの調子はどうだ? 母ちゃんに別れを告げたか? ともかくなんでもいいがChronoChaseスタートGO!
『特別放送 チェイス・チェイス』
「ということで、今回の実況も私、クロノスバスターでお馴染み、君も蒸気軍へ来ないか? 歓迎するよのハイデガー大佐と」
「裏設定ばかりでよく分からないけど、もう二度と出てこないし、とりあえずこんにちは、解説のミュレネー少尉です。短い時間ですがよろしく」
「時間も押していることで、さっそく今回のチェイサー諸君のここまでの奮闘をREPLAY」
二挺拳銃九十九乱射騒ぎから幕をあげた追跡劇は、エリヴィラの愛機のヌムの覚醒により新たな展開を見せる。しかし、直前まで追い詰めた空を駆けるセーラのシルフィードは、怪盗バズーカの直撃より一時活動不能に陥った。
その勢いを利用し蒸気街から転進した怪盗の前に、天駆けるセルディウスが立ちはだかる。
「ここは通さん。お、大人しくお縄につけ泥棒!」
「ケイトさん・・・・格好いい」
イルコフスキーは壁に隠れているケイトを知らないらしく、素直に感嘆して、ティターン神に祈りを捧げ神の壁を作る。
「恐ろしや、恐ろしや、クロノスサンドの食べすぎには用心、用心、注意報」
その二人をあざ笑うかのように、怪盗は愛機を空中タイプに変形させると高高度より派手な爆弾を投下、音だけ派手に爆発した。
「卑怯者、恥を知れ」
ケイトは怪盗を睨みつける。爆弾はイルコフスキーの壁により全て防がれるが、その間に追跡してきた蒸気街組も含めて、怪盗は機械ねずみー追跡弾は放つ。
ねずみーの姿に覚醒モードのエリヴィラも正気に戻り、
「や、や、やだ、セーラ、なんとかして」
「え、ネズミ可愛いじゃない」
会話が微妙にズレているが、とりあえず蒸気街組で追跡を続行しているのは、なぜか事あるごとに空気銃をぶっ放しネズミもついでにぶっ飛ばす九十九。彼はある意味ストレス解消で撃っているような気もする。バンバンバン。
「元ヤード、兎のニーシュ」
「現ヤード、亀のルーテ」
『二人合わせて・・・・あれ』
カッコイイ呼び名が浮かばなかったが、兎と亀の二人が新たなコンビネーションアタックって?
「何よ、もうぶっ壊れてるわけ! 信じられない」
ニーシュの愛機バカ兎チャージングカスタムは、早速壁に接触して小破している。
「ルーテさんのと違って、この子は繊細ですからね」
「それって、私が鈍感だってこと」
「そんなことは言ってませんよ、ただ鈍間な亀」
「なんですって!!!」
仲が良いのか、悪いのかよく分からないが、怪盗を放置して言い争いを始めた二人。
「・・・・次いこー」
怪盗も呆れて先に進んだようだ。
「荒野の風がわしを呼ぶ、鉱物砕けと拳が唸る。さあ、怪盗先に進むたくば最後の壁を越えて見せるのじゃ」
妙にヒーローチックな鉄塊もとい発破丸に跨った彼は鉱夫の星、字倉水煙。
「泥臭いですね、これからもっと軽いな感覚でないとキャッチーな世界では生き残れませんよ」
キャッチーな世界がどんな世界なのは不明だが、怪盗というネーミングもどうかと思う。それはそれ、急加速をはじめた怪盗の愛機は、そのまま全速力で字倉を追い抜くとある場所を目指すのだった。
「と、ここまでが今までのダイジェストだ」
「怪盗も怪盗ですけど、チェイサーも普段よりも変わってます」
「そうだな、さてここからがクライマックスの」
「時計台ですね」
●時計台
そこは時が生まれ、時が死ぬ場所。無数生命の軌跡、無間の狭間の在りし場所。
回る歯車の群れは規則的でいて不協和音を奏でている、狂っていく軸は誰にも止められない。祈りを捧げたイルコフスキーの前に、動かなくなった機械仕掛けの時計が一つ。
一つの時が止まるたび、時計もまた役割を終える。
「ここはきっと、時の墓場のようなものかもしれない」
九十九が誰に言うとなく呟いた。
追跡者の心に広がるのは、馴染みのある機械音に対する親しみではなく、一抹の寂しさだ。
「どうしてかな、時計台なんて見慣れてるのにな」
「きっと、中には滅多に入らないからかも」
エリヴィラの問いにセーラが答える。
「か、怪盗は?」
ケイトが壁がなくて挙動不審だ、壁を携帯する必要があるだろう。
「あそこです」
ニーシュの指したそこにいたのは、先ほどまでの稚気にも満ちた明るさを保った者ではなく。
「ようこそ、時の番人の屋敷に」
笑っているのか泣いているのか分からない、彼というべき彼女というべきか、大人なのか子供なのかさえ判別できない。ただ、言うならばそれは人。いや元は人であった物だ。
「ここまで来たのは君達で二組目だ。優秀な君達に一つ答えを求めよう」
それはひび割れ軋む声で言った。
「時の終りを見たいと思わないか? 時は人の作りし概念であるが、それなくして世界もまた無い。だからこそ、私は時の終りを見たい、そしてそのためには君達の力が必要だ」
彼は世界の再生を望んでいる。だからこそ破壊が必要だと諭す。それを聞いて誰もしばらく答えない。何をきっかけにして動けば良いのか分からなかった。
「でも、おいらは神様はそんなことは望んでいないと思うよ」
そのイルコフスキーの声に呪縛が解かれたかのように
「わしも、まだやり残したことがあるわい」
口々に皆、自らの思いを語ったチェイサーに、時の番人は満足したかのように。
「ならば、私を壊すと良い。さすれば今ある偽りの時間は全て崩れるが、君達の元に時は帰る」
それの手から、螺子が落ちた。
誰かが決断しなければいけない、このままならば何も変わず少しずつ歪んでいく、もしその選択をすれば今感じてる世界が崩れ去るのかもしれない。
「さあ、世界を救うのだ。私は自動調律された運命という名の機械。機械は動かなくなればその役目を失う。君たちは選ばれた追跡者。その資格があるからこそ」
時の追跡者なのだ。
●時の始まり
重なり合った過去に誰もいない。彷徨った今はここには無い。
ジムが投げた金属を受け取った九十九は言った。
「これで良かったのか?」
その金属は、九十九の手のひらの中で息づいてるようにも感じる。
「私は今のままで良いもん、彼氏欲しいし」
「エリヴィラは本当にカレー好きね」
背後で時計台が時を告げる。その音はずれたままだ。
けれど外へ出た今、それが心地よくも感じる。この選択が正しかったのかは、誰も分からない。いつか、時計台の部品が全て失われれば、時は崩れ止まるだろう。それまでは破壊と再生を繰り返し続ける。
「さて、来月のChronoChaseの担当も私かな」
微笑むルーテの姿を見、ニーシュはこの選択が自分にとって正しかった。
・・・・そう感じていた。
了