PassionMusic:Longアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/15〜06/17

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「今回はー、長いです、横に長いでっす。そのかわりに後のスペースせまいね、うん狭い。今日はこの横長いステージを動き回ってもらいましょう!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマ特になし、ただし舞台設定は横に長く、奥行きはあまりなく、グランドピアノ、ドラムの使用は場所的に不可能。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0117 日下部・彩(17歳・♀・狐)
 fa0379 星野 宇海(26歳・♀・竜)
 fa2657 DESPAIRER(24歳・♀・蝙蝠)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa5181 雪架(18歳・♂・小鳥)
 fa5470 榛原 瑛(26歳・♂・猫)
 fa5812 克稀(18歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●ライヴハウス到着
「はい、いらっしゃいませー、みたいな」
 バスのドアが開く。
 詰め込まれた出演者たちはぞろぞろとそこから降りてくる。
 どきどきしながら最初に降りてきたのは日下部・彩(fa0117)だ。
 音楽活動は初めて、そして今日は最初を務める。
 同じように、今回初めて、デヴューしたての克稀(fa5812)もぼーっとしながらマイペースに降りてくる。
 彼と一緒に組む星野 宇海(fa0379)と雪架(fa5181)も続いて。
「アネモネ以外で人と組むの、久しぶりでちょっとドキドキ‥‥女帝オーラにのまれないよう立派にエスコートして、俺は立派にやっているよ、多分的なのが伝わればいいかな」
「ふふ、しっかりエスコートお願いしますね」
 女帝の笑みにキングも笑み返す。
 DESPAIRER(fa2657)もバスから降り、今日の歌のイメージを頭の中で半数する。
 決して止まることも戻ることもない時間の比喩、後悔してもやり直す術はないけれど、そんな悲しみを込めた曲のイメージを再度本番前に確認していく。
 そして、ドラマで現在一緒中の明石 丹(fa2837)と千音鈴(fa3887)。
 ドラマから抜け出たようなイメージ持ちつつも、二人は自分を失わない歌を今日歌う。
 そして最後に榛原 瑛(fa5470)。
 長いストールの裾に気をつけて。
「‥‥ストール持とうか、あれだよね、花嫁さんのアレ持つのみたいだよね」
「踏むなよ」
「うん、わかってるってもう! ‥‥あ」
 踏みっ。
 言った途端に、お前。
 そんな視線を蓮に向けるのだった。

●日下部・彩 ―夏の暑い日
「んではー、今日の最初の人をご紹介しましょう! 音楽活動はこれが初めて、いったいどんなものをみせてくれるのか‥‥日下部・彩、『夏の暑い日』!!」

 舞台の端。 向けられたスポットライトが眩しい、と彩は少し目を細めた。
 前奏の始まりとともに笑顔で元気良く舞台へと飛び出す。
 そして観客に礼一つ。
 初めての音楽活動は彩をどきどきさせるには十分すぎる。

「 暑い夏の日 猫もへたるけど
  元気を出して 仕事にさあ 行こう 」
 ゆっくり歩きながら、くるくると視線の送られる場所は変わっていく。

「 ぽかぽか太陽の下を てくてく歩いたら
  何か飲みたくなるよね ちょっと買っちゃおうかな 」
 いつも笑顔は忘れずに明るく。
 ラフなシャツとホットパンツは歌の雰囲気に合わせて。
 
「 だけどその時少しだけ 家で待ってるあの人の笑顔を 思い出して 」

 技術でなくて勢いと気持ちでその場を盛り上げていく。
 それは観客にもきちっと伝わっていく。

「 おっきめのジュース 買って帰ろう
  半分こには 少ないけれど
  二人で飲めば 美味しさ二倍
  幸せな味 楽しみにさあ 帰ろう 」

 これから暑くなるけれど元気を出して頑張ろう、そんな気持ちを歌に乗せて。

●DESPAIRER ―Lost‐Regret
「元気にかわいい歌でしたっ! お次は、悲しみを込めて‥‥耳に響きをしんみりと。DESPAIRER、『Lost‐Regret』」

 舞台上手にライトがあたる。そこにはDESPAIRERがいた。
 流れる前奏にあわせて一歩を踏み出す。
 ゆっくりとしかし確実に、とまることない時のように進んでいく。

「 真夜中 帰り着く 一人の部屋
  ベッドに 疲れた 身体投げ出す
  あの日の写真が ふと目に入る
  私の隣で 微笑むあなた 」

 やや静かめに、思い出すようにしみじみと。
 声の響きは、少し強くなっていく。

「 夢を信じた あの頃の私
  あなたを離れて ただ夢を追った
  夢に破れた 今頃になって
  手放したものの 重さに気づいた

  会いたいよ もう一度
  会えないよ もう二度と
  大切な人との 大切な日々は 今はもう 時の流れの彼方 」

 そのまま想いをこめて強く歌う。
 一歩ずつ、確実に進みながら。
 そして少し弱めて声は響く。

「 振り返っても 戻れないと わかっているのに
  消せはしない この胸のRegret 」

 弱く、細く歌って、そしてまた強く、心を響かせるように声も響く。

「 あの時に もう一度
  あの時に 帰れたら
  決して離れないと そう誓えるのに 今はもう 何もかも遅すぎて

  過ぎゆく時に ただ流され 遠ざかるたび
  強まりゆく この胸のRegret 」

 短い間奏をはさんで、歌は続く、静かにまたふっと縮こまらせた音。
 そこから強く、もう一度確かめるように。
 いつの間にか、DESPAIRERは舞台下手にたどり着く。
 残りの距離を後奏とともに進む。
 最後の一音とともに、彼女の姿は消えた。

●コントラスト ―hide range A
「2人が出演中のドラマの二人の関係のイメージをここに、明石丹と千音鈴、コントラスト『hide range A』」

 落した赤の照明が回以上を染める。
 距離をもって立つ丹と千音鈴をスポットライトが照らす。
 千音鈴は髪をきっちりとまとめ上げ、黒に近い濃紺のパンツスーツ、そしてヴァイオリンをもって。
 丹は対照的に白基調。襟を大きく開けた繻子のシャツ、空いた襟もと、左鎖骨のトライバル柄ペイントが覗く。その上に意匠の凝った文様が浮かぶベスト、下はタイトパンツで細身のラインを見せる。
 ゆったりとヴァイオリンとチェロの音から始まる。
 その音はフェードアウト。ベースのアクセントでテンポアップし、ギュンと音が並び揃って生まれる。

「 鉄塔の下 黒い雲が街を包み咲いた傘

  昨日までは青かった
  冷たく降りそそいだ涙の雫をまとい
  一途に空を睨む hide range A 」

 抑揚の少ない淡々としたリズムを刻むメロディ。
 弦楽器は盛り上がり、伸びるヴァイオリンの音と対照的にエレキギターの音は走る。
 視線を流し、伸びやかに響く声。
 二人の距離は、ドラマから抜け出たように、でも演じ手としてではなく歌い手としての、二人として音は生む。
 そしてヴァイオリンが奏でる旋律。
 ふっと暗くなったところに千音鈴と丹のスキャットが重なる。
 再び二人にスポットが当たると、距離は少し縮まっていた。

「 一つを失い何処かで変わる
  だけどまだ何も得ていない

  朝起きれば赤かった
  誰が気付かなくても変わらないものはない
  それすらも変わりゆく hide range A 」

 そしてまた暗く。
 今度はベースの音を聞かせてゆく。
 それぞれの楽器だけがフレーズをつないでいき、最後にすべての音が重なる。
 再び照らされる舞台では、千音鈴と丹は背中合わせ、中央に立つ。

「 恋に染まって愛に染まって
  そしてまだ何も染まらない

  そう色を変え 灰の雨に濡れながら花開く
  カラダ透かしたところで在ると見えない想い抱えて 」

 控え目な音。
 歌を聴かせて、そしてその歌にハモるようにヴァイオリンのメロディ。

「 雨上がりの明日は
  滲まないよう流れないよう

  いつか虹の下で会えたなら 」

 音を伸ばし、勢いは衰えない。
 高く響かせる歌と音と、最後は揃えて音を切る。
 ふっと一瞬の静かさのあとに、観客からの声。
 ドラマもみてねと千音鈴はしっかりと番宣も行うのだった。
 
●榛原 瑛 ―暁
「さて次はお久しぶりかなー? 三か月ぶり、榛原瑛の登場でっす!! その衣装もちょっと注目! 曲は『暁』」
 暗闇の中、舞台左端のピンスポットが瑛へとあたる。
 ぼんやりとしたその明りの中で、瑛は蹲っていた。
 波打つようなアコースティックギターの音。
 そこにリズムを整えるようにコンガとカウベルがアクセントを入れる。
 その音の始まりとともに立ち上がり、体は右へと向く。
 立ち上がればボロボロの白のタンクトップにワークパンツ。眼尻には赤いアイライン。
 4メートルはあろう象牙色のロングストールが揺れる。

「 まどろみを漂っていた記憶が
  霞みながら消え往くのは何故だ
  瞬きを繰り返す暇もなく
  心臓の熱さだけを信じて 」

 芯のあるベースの音。
 声をそこに合わせながら進んでいく。
 そして白いライトが一線、横に走る。

「 地平を焦がすのは 暁の波音
  目を焼き 喉を枯らし 
  いつかこの身が果てようとも 」

 伸びやかに響くボーカル。
 一気に、熱をもって盛り上げて、それを出し切る。
 眩い金色の光が全体へと、広がっていく。
 ふわ、と風が起きて、そのストールが靡く。すると裾の幾何学模様が、見えてくる。

「 昨日よりも遠くへ
  沸騰の中 辿り着く場所がある
  いつの間にか零れた
  吐息の行方 いずこかとも知らずに 」

 黄金に白と水色のライトを重ねて、朝が、やってくる。
 荘厳な雰囲気の中、瑛は右手へと進む。

「 昨日よりももっと 遠くへ 」

 しっとりと、一音一音。
 今までの盛り上がりを失わずに響かせて、音はフェードアウトしていった。

●hanesora ―(eve)
「さてもうラストでっす。今日の最後を締めるのはhanesora、ご存じ、星野宇海、雪架、そしてデヴューしたて、克稀の三人でっす! 曲は『(eve)』」
 舞台右端には雪架。かちっとしていない白の細見カジュアルスーツ、胸元には青紫のガーベラのコサージュ。
 その反対左端には宇海。ミディ丈のプリンセスライン、胸元、背中、肩と大きくあいたデコルテが綺麗に見えるドレス。肩にはレースのショールを羽織り、足元はハイヒール。
 克稀はやや雪架よりの中央付近。黒野スタンドカラーシャツとパンツでシンプルに。二人と対するような色だ。
 ゆったりとした克樹の奏でるサックスの音から。メロディアスにムードを盛り上げていく。
 そこに雪架の奏でるキーボードの音が静かに流れ出す。

「 二人出逢えた事 今夜誰に感謝する?
  二人歩んだ日々 不意にキセキと呼ぶような
  夢みがちな幼さ 笑い合って夜に投げた 」

 緩やかなキーボード主体のメロディ。サックスがしなやかに沿い、宇海と雪架の声がユニゾンで響く。
 そのユニゾンは時々離れてハモリを生む。
 カラーライトのスポットから、それに合わせて上から下へ向かう細かいライトが流れ、雨を表す。

「 アイシテルに吹き出して(lalala‥‥)
  マモルカラに顔をしかめた(rururu‥‥)
  6月 銀の雨 花は紫
  勝気な君をやっと泣かせたね(泣かせたね‥‥)」

 歌うのは雪架。そのあとに宇海のコーラス。
 そして二人、掛け合うように歌えば、楽しげに、幸せそうな雰囲気が豊かに広がる。
 それにあわせて柔らかで伸びやかなサックスの、低音から高音へ向かうメロディとキーボードの音。
 雪架といつのまにかショールを肩から頭へベール風に被った宇海は出会って、それぞれ青と淡いピンクでさしていたカラースポットが交り、紫になる。
 一瞬眩い光。その後で舞台は白くなり、徐々に証明が落ちてゆく。

「 次の朝 差す陽の先には同じ道
  病める日も 健やかなる日にも
  誓いに嘘はなかったと 50年後に讃え合おう
  手をつなぎ歩き出す 今日がその1日目 」

 最後は伸びやかに、明るいメロディーが流れ、最後はハモりを響かせる。
 そのあとにサックスのメロディが一音を響かせる。
 淡い白の照明に強い白、淡いピンクと青のエフェクトライト。
 曲とシンクロさせるように逆光でホワイトアウト。
 音に合わせて、ライトは消えた。

●ライヴハウス『333』
「今日のライヴはどーだったでしょうか! ライヴハウス『333』からのお届けでしたー! この長い舞台使ってね、歌うって結構大変そうだよねー。僕も今度やってみよう。あ、今やれ? ムーリー! てことで、最後の締め一緒によろしく!!」
 マイクを置いて口の横に手。
「今日の、ライヴの、感想、はーーーーっ!!」
 雨空吹き飛ばすように、勢いよく。