ビバ☆悪魔生活 5アジア・オセアニア
種類 |
ショート
|
担当 |
玲梛夜
|
芸能 |
3Lv以上
|
獣人 |
1Lv以上
|
難度 |
普通
|
報酬 |
7.9万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
06/17〜06/21
|
●本文
「久しぶりに帰ってきた‥‥気がする」
万魔殿の窓からひらりと入ってくる鴉。
それはすぐ人身に姿を変える。
そしてのびを一つ。
「‥‥よし、寝よう。今回もぶち壊し楽しかったし」
あくびをしながら向かう自室。
扉を開けて変わらぬ部屋。
寝台に身を投げ出しておやすみなさい。
の、はずだったが。
どたばたどたばた。
ぎゃーす、ぎゃああああああああ!!!!!
「うるさくて寝られねー!!」
久しぶりすぎて忘れていたのです。
万魔殿はいつも何かが起こっている場所。
逆ギレを起こしたラウムさんは、ずかずかと不機嫌に歩いて行く。
「うるせえええええええ!!!!」
お前が一番うるさいんじゃないの、というツッコミはおいといて、破壊魔でもあるラウムさんの進撃(?)が始まる。
●キャスト募集
深夜のファンタジーなドラマ『ビバ☆悪魔生活』ではキャストを募集しております。
有名所からマイナー悪魔、広くとって魔物まで、個性色々で演じてください。もちろん創作悪魔も可。なお、東洋等の住人さんを演じる場合はご近所で遊びに来た、というようなノリになります。
地獄と妖怪世界、魔界等はご近所さんでつながっている、というイメージです。
今回、ラウムが必須役となっています。キャラ作りに関しては自由設定OKです。
なお、このラウムさんの破壊方向性は力に訴えるものではなく絆や愛情友情方面です。
●補足
お話は北欧神話世界にて展開。
行動は自由ですが、全破壊などの行動はダメです。
なお愛情のある蹴りや拳に関してはOKですが一方的な暴力は認めません。
半獣化、獣化は可。容姿を特殊メイクで補うことも可能。
お話の終わり方はお任せ。
必須悪魔さんがいない場合はこちらで役者さんを引っ張ってきます。
継続で万魔殿のボス、引きこもり俺様ナルシスト、いきなり鼻血がつー、なルシファさん投入です。役者は璃久アイジ。脱引きこもりをと無理やり引きずられてきて息も絶え絶え。
今までの出演者は役を継続でも、別役でもどちらでもOK。
●リプレイ本文
●Cast
傍若無人に絆をぶちり、ぎゅっとな悪魔・ラウム:楊・玲花(fa0642)
オールバック貴公子(職業オカマ)な運び屋・セーレ:西村 哲也(fa4002)
故郷で大ハッスルな元気一杯パワフルワンコ・ガルム:天道ミラー(fa4657)
無邪気にお馬鹿で怪力で抱きつき魔竜:ファーブニル:悠奈(fa2726)
相変わら薬&毒マニアやってますな悪魔・フルーレティ:忍(fa4769)
はらぺこ底無し胃袋グレムリン・ラルゴ:クッキー(fa0472)
自慢は毛! 新速駿馬は止まれない・アンバー:朱里 臣(fa5307)
楽しければそれでいい、細かい事スルーな夜の女王様・リリス:椎名 硝子(fa4563)
引き籠りで鼻血な俺様・ルシファ:璃久アイジ
●どたばたは日常
「オ様がルー様みたくなれるお薬できましたかー?」
ひょこっとファーブニルはフルーレティの部屋を覗く。
ぱっとみてあやしい空間。
「もうちょっと。できたら渡‥‥」
「なら遊びにいってきまーす! ガルムー!」
言葉を最後まで効かずにダッシュ。
その足音は万魔殿に響く。
ファーブニルは走りまわえる。あっち、こっちと勘を頼りにして。
そのころルシファの部屋はメープルシロップまみれになっていた。
北欧旅行にいけなかったラルゴが不機嫌そうに、容器からぼたぼたとろとろとメープルシロップを垂れ流しながら食べていたからだ。
その部屋の隅っこではボール遊び中のガルム。本当は現飼い主に遊んでほしいのだけれども部屋内で遊ぶと怒られるし(部屋の隅ならいいという考えらしい)迷惑かけちゃ番犬失格! と隅っこで遊んでいた。
そんな部屋の扉がバーンと開く。
そこにはセーレが立っていた。部屋の状況を見るなりオカンスイッチがオン。
「なんでこんなに散らかってるの! あんたたちちょっと外に出てなさい!」
反論許さず、能力使って外へぽい!
「セ、セーレ外なんて‥‥バイ菌がっ」
「片付くまでよ、騒がないの!」
オカンは強し。
「アン、ルー子の顔だけは室内に入れてあげて」
「了解」
ひょこっとセーレの後から現われたアンバー。
神速の駿馬の移動は見えないから、突然現れたような状況。
ルシファの顔だけ部屋の内側にいれて、さくさくと掃除を始める。
セーレはそれを優雅にお茶しながら見守る。
そんなどたばた騒ぎの音を聞きつけて、ファーブニルもやってくる。
「ガルムー!!」
「!!」
「ファーブ! どうしたんだーぐえっ! ‥‥どしたんだ!」
「お使いできたのー!」
二人はどったんばったんとはしゃぎあう。
そしてもう一度強烈なハグ!!
「最強挨拶通信講座受けたのに‥‥挨拶最強は、やっぱりファー、ブ‥‥」
「‥‥うるさい‥‥」
と、そこへラウムが不機嫌を露にやってくる。
「‥‥うるさい‥‥うるさい‥‥うるさくて眠れないじゃないの! あたしはね、眠たいの‥‥」
目は据わっており、ぷつっとキれる寸前の様子。
「ハッ! ハジメマシテ! 知らない悪魔さん!」
うるさくしてごめんなさい、とガルムは縮こまる。でもそれもきっと少しの間だけ。
「ちょっとアンタ煩いわよ!」
自分は棚上げでセーレがラウムに叫ぶ。
そしてこの子アンバー、といつもは見えないアンバーをラウムそっちのけで紹介し始める。
「本当にいい子なのよね」
片付け頑張ったわね、とご褒美になでなで。親馬鹿っぷりを発揮する。
「あんたも、もう少しオシャレなさいよ‥‥まあアンは自然が一番だけど!」
「結局どっちだそれ」
「セーレがお洒落だからアンはいい」
「部屋綺麗にしてくれてありがとうな」
部屋の中にいれば元気なルシファはアンバーの頭をぽすぽすと撫でる。
「‥‥おいしそう」
と、びちびちうごくファーブニルのしっぽを見つめていたラルゴが呟く。
そして、思ったままにがふり!
でもかまれる瞬間に、ファーブニルはうろこで防御。
そして勘違いスイッチオン。
がふりと噛み返し。もちろんハグつき。
「これが魔界の挨拶なんだねー! がふがふ」
「た、食べれない!」
くいつき合戦、どったんばったん。
ファーブニルはくいつかれたまま、セーレをみつけてとてとて。
「北欧最新ファッションです! オ様から!」
「北欧もまだまだね‥‥!」
受け取り装着、鬚眼鏡。しかも似合っている。
「鬚眼鏡!」
「再開の喜びにお花畑プレゼント!」
と、言いながらガルムの首輪をがしっと掴む。
そしてウフフアハハ!
「花びらいつもより多め、サービス!」
この花を用意しているのは実はアンバー。ぶわああああっと廊下が埋もれていく。
いろいろなものを跳ね飛ばしながらアンバーお仕事中。
「‥‥余計、眠れない‥‥眠たいの‥‥眠たいの‥‥お・と・な・し・く、寝かせろ、って言ってんだよ! 少しはおとなしくならねえのか、此処の連中は!」
皆さん自分勝手なので聞こえてません。
そしてさらに増えるラウムの敵、騒音を生み出すもの。
「一体何の騒ぎ? 賑やかね。あら、ラウムじゃない。今この子達とパーティをしているのよ。貴方も一緒にどう?」
ラウムが振り返るとそこには男達(美形)を連れ立っているリリス。
しなやかな手つきで侍らせている男(美形)をつい、と撫でて妖艶に微笑む。
「気に入った子がいれば、何人か貴方にあげてもいいわよ。この子達はわたくしの言う事なら何でも聞くから。おーっほっほっほ!」
高笑いが響く。
ラウムの我慢は、もう限界。
●惨状です、余計に惨状です
「できた‥‥」
再びフルーレティさんのお部屋。頼まれたヒッキー薬が完成。
ファーブニルに届けにいかなくては、と黒ローブのフードを深くかぶる。
「あ、オマケで薬を‥‥」
にやり、と笑う。ついでに実験のデータとりもしよう、と栄養ドリンクセット、と書いた紙をとある薬セットに張って持つ。
そして部屋をでて数分。
「あ、なんかやってる」
そこはものすごいことになっていました。
「んまっ、何て事するのよぉぉ! せっかく何万年もかけて集めた子達だったのにぃ、むきーっ!!」
リリスは離れていく男達にむかってぎゃあぎゃあと文句を言いまわる。
「あの時のファーブのハグで懐のバナナはクリーム状に‥‥俺のバニャニャー! 返せよ!」
「何よー! ガルムのくせに!!!」
喧嘩の真っ最中。
そしてその傍でキシャー! とラルゴがラウムに警戒していた。
「嗚呼! でも、切れたなら戻しましょう、アン! ‥‥アン?」
「静かになるどころか、逆にうるさくなってないか」
ぷい、っと耳をふさぎセーレは無視してアンバーはラウムに言う。
「‥‥そんな、気が、する‥‥」
墓穴。
「ルー子おお! 私、私‥‥!!」
ぷいっとされたセーレは漢泣きを始める。
「‥‥ラウムが絆切ったのか」
なるほど、とフルーレティは納得して、この様子を気にせずファーブニルのもとへ。
「頼まれてた薬。あとこれもあげるから。お代は良いから、オ様に飲ませたときにサンプルちょうだいね」
にこやかーに口元が笑う。
「ありがとう!」
ファーブニルはそれをもらって、そしてまた再び喧嘩に戻る。
フルーレティは騒ぎからちょっと離れた所に座り込む。
「誰かどさくさで薬飲んでくれないかなー」
壊されて困る悪魔関係は特にないので、真顔。
むしろうきうき。
「ラウム、直した方がいいと思うぞ」
「‥‥ふふ。ふふふ! もうどうでもいい! けけけけけけ!」
「ラウムが壊れちたな」
まぁいいか、とこの惨状をみていたルシファは言って部屋に引きこもる。
そしてラウムは、万魔殿中の悪魔の絆を壊していく。
「壊れたラウムにサービス」
アンバーはサービスと魔界の危険な花を出す。そんな花に負ける人たちはいないが危険。
どんちゃん、余計に騒がしくなる万魔殿で、自らがぱたりと疲れて眠りにつくまでラウムは絆を切りまくった。
●良い朝
「よく寝た‥‥」
のび一つ。
気分よく起きるが、起きて自分のしたことを思い出す。
「あ、やば‥‥」
そう思って、すぐに絆修復開始。
余計な絆もつないでいくのはお約束。
「‥‥ラルゴの絆はきってない」
「! そうですか! ごはんー!!」
絆を切られたと思っていたラルゴは、ご飯をもとめて厨房にダッシュ。
そして出身北欧組はというと。
「! あ、あれ、ファーブってこの賑やかなところが‥‥それにハグ‥‥ファーブのハグはパワフルで暖かい愛情表現だー!」
ガルムは単純だった。
喧嘩もするけどやっぱり友達! とジャンピングアタック状態。
ファーブニルもガルムー! と、突撃。
ここの絆は問題なく、結ばれなおす。
そしてリリスのところにも、戻ってくる男達、とプラスアルファ。
「貴方達、やっぱりわたくしの元に戻りたくなったのね。あら、貴方は女の子みたいだけど‥‥まぁいいわ、可愛ければ。さぁ、パーティをやり直すわよ! おーっほっほっほ!」
暇、とごろごろしていたのをやめていつもの女王様モード。
新たに増えた絆は特に気にせず受け入れる。
そしてこちらの絆も結びなおし。
「出てきてアン! ‥‥二人揃わないとお互いプー太郎よおおお!!」
扉の前でまた泣き崩れるセーレ。両手の小指はしっかり立ち、嘆きは激しい。
その相手のアンバーはというと。
「アンは外イヤ」
どさくさにまぎれてフルーレティのヒッキー薬を飲んだアンバーはルシファと一緒に引きこもっていた。
「アンバー、いいのかセーレ」
「外イヤ。セーレが中にくればいい。髪、梳く」
お気に入りの櫛で髪を梳いてもらってご機嫌。
「レティ、薬の解毒剤は」
「作らないとない‥‥実験データありがとう」
薬を飲んだアンバーをストーキングしていたフルーレティもしっかりそこでくつろぎ中。データがとれて大満足。
「そのうち、効果切れると思うよ」
「‥‥ならいいか」
よくないよくない。
「ハッ! セ、セーレサンどんまい!」
「元気だしてーがふっ」
「ちょ、痛いじゃないの!」
ファーブニルの辞書に手加減とゆう言葉はない。
「アン、アンー!!!!」
「アンバー、話をしてやれ。セーレうるさい」
「静かになる薬作ろうか?」
「や、それはきっとまた問題おきるからしなくていい‥‥」
アンバーの飲んだ薬の効果が切れるまで、セーレは扉の前で泣くことになる。
扉越しの会話もたまには楽しいもの。
今日も魔界は、とっても平和です。