ビバ★天使生活 2アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 7.1万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/30〜07/04

●本文

 天界で、一番偉いミカエルは、電話中でした。
 天界と魔界をつなぐホットライン。電話の相手はルシファ。
「ねぇ兄さん、本当に命の危機を感じたときはどうしたらいいのかな」
『逆ギレする、ちゃぶ台返しする』
「真面目に答えて」
『ノリでかわせ』
「無理かな」
『‥‥お前、俺以上になんかアレだな』
「どれ」
『アレだよアレ。気分転換でもしてみたらどうよ?』
「気分転換?」
『外でて茶のん‥‥お前ら何! ちょ、わりぃ、またな!』
 がちゃん、と電話が切れる。
 何かまた、あちらであったんだなぁとぼんやりとミカエルは思う。
「気分転換か‥‥気分転換って何したらいいのかな」
 疑問に思ったら、他の天使に聞いてみよう。
 間違いの始まり、かもしれない。

●キャスト募集
 深夜のファンタジーなドラマ『ビバ★天使生活』ではキャストを募集しております。
 有名天使からマイナー所、さらに創作天使まで幅広く募集中です。

●補足
 お話は天界にて。
 今回は気分転換って何するの、とミカエルに問われそれぞれ自分の気分転換を話したり披露したりしていく方向性。
 話は自由に組み立ててもらってかまいません。
 『ビバ☆悪魔生活』よりも自由度が高くなっています。

●今回の参加者

 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0470 橘・月兎(32歳・♂・狼)
 fa1234 月葉・Fuenfte(18歳・♀・蝙蝠)
 fa1323 弥栄三十朗(45歳・♂・トカゲ)
 fa1521 美森翡翠(11歳・♀・ハムスター)
 fa2726 悠奈(18歳・♀・竜)
 fa4181 南央(17歳・♀・ハムスター)
 fa5442 瑛椰 翼(17歳・♂・犬)

●リプレイ本文

●Cast
元気な豆天使・パティ:南央(fa4181)
苦労性、みゅーみゅーな未来の天使・ティアイエル:悠奈(fa2726)
天然お子様思考天使・レス:美森翡翠(fa1521)
W属性持ちの春の天使・アマティエル:橘・月兎(fa0470)
暇潰しはターゲット適当の催眠術・サリエル:月葉・Fuenfte(fa1234)
泣いて叫んで落ち着いて、神の慈悲は忙しい・レミエル:大海 結(fa0074)
熱血炎の天使は成長したヒヨコたちのパパン・ウリエル:瑛椰 翼(fa5442)
事務処理の仕切りを任せられた記録天使・ラジエル:弥栄三十朗(fa1323)
引き篭もりで鼻血ですが何か・ミカエル:璃久アイジ

●きっかけは突然に
「ミカさま、書類をー!」
 溢れる書類を手に持ってやってきたのはティアイエル。
 いつもながらにみゅーみゅーと。
「あ、うん‥‥ハンコハンコ‥‥そうだ、気分転換ってどうすればいいの?」
「気分転換ですか? 誰かに聞きに行けばよいですよ」
「そっか‥‥」
 と、そこへお邪魔しますとやってきたのはパティ。
 パティと知り合いであるティアイエルは、彼女にかけよる。
 ティアイエルの認識では頭にお花の咲いている可愛い天使。
 実際に、パティの頭には花があり、今はうれしくて咲き誇っている。
 わーきゃー、と騒ぎ、そして気分転換ってどうするの、とティアイエルはパティに聞いた。
「気分転換なら、コレが楽しいですよー‥‥フン!!」
 鼻に豆をつめ、フン!!
 フン!!
「ささ、どうぞ!」
 パティはミカエルにも、ティアイエルにも豆を渡す。
 ミカエルは豆を見つめて、どうしようかなぁと考えている風だった。
「またですか?」
 嘆息交じりの声。
 扉の方を向くとそこにはラジエルがいた。
 つかつかと歩み寄り、不機嫌を露にする。
「一体貴公は天使長という立場をどう考えているのです? こんな事で他の天使に示しが付くとお思いか?」
 引き籠りによって仕事がたまっていると延々とお小言。
「‥‥長くなりそうだね」
「聞いておられますか?」
「うん、聞いてるよ」
 その言葉にラジエルは少しの間をおいて、言葉を続ける。
「仕事がありますので、私は退散しますが、とりあえず至急にこれだけの書類に決裁を受けておいて下さい。頼みましたよ」
 書類はミカエルよりもしっかりしていろうなティアイエルに。
 では、と部屋をでていくラジエルの顔には影がある。
「‥‥これは、『書』にまた一ページ書き加えなくてはならないかも知れませんね‥‥」
 くく、と静かに笑いながら、自分の気分転換を考えていくラジエル。
 そのラジエルと入れ替わりにやってきたのはアマティエルだった。
「また引きこもり‥‥ミーさん‥‥こっちは上司がまたバックレて大変なんですよ? 貴方が自ら問題起こして部下に不要な仕事を増やすんじゃねぇ」
「いつも通り過ごしてるだけ‥‥」
「またこの部屋は空気もよどんで! ちょっと空気の入れ替えします」
 ぽいっと、部屋の外へ面々を押し出す。
 押し出されたが、アマティエルはティアイエルだけ引っ張り戻す。
 手伝え、とのことらしい。
「部屋に入れないなら、散歩でもしてみようかなぁ」
「私一緒に行きます!」
「私も行きた‥‥ふみゅ! いってらっしゃい〜」
 背後からのどこにいくんだオーラを感じてティアイエルはとどまることに。
 ミカエルとパティは、ふらふらとあてなく散歩を始める。

●色んな気分転換
 パティさま〜という声が聞こえた。
 てろてろのんびり、パティは豆を飛ばしながら歩いていた時のこと。
 ご機嫌なパティの頭の上の花をみて、やってきたレスもちょっとうれしくなる。
「きれいな天使さま〜」
 ほやんと笑んで初めて見る天使であるミカエルをじーっとレスは見つめる。
「はじめまして」
「はじめまちて‥‥忘れそうでしゅ、パティさまにお花の種をもらいにきたでしゅ」
「これが今日の分‥‥はい、あーん。今日はヒマ種!」
 パティは渡す種とともに、食べられる種をいつもあげる。
 それを嬉しそうに受け取るレス。
「ありがとうございましゅ」
「ミカ様も食べますか? これは飛ばしちゃ駄目ですよ」
「うん。今食べようか」
 三人で種をぱくり。
「おいしい。そうだ、君は気分転換って何をするの?」
 ミカエルはレスに問う。
 レスはというと。
「気分転換ってなんでしゅか?」
 まだ生まれたばかりの彼女には、わからない言葉だった。
 まずは気分転換の意味から知る必要があり、ミカエルとパティはそれを説明する。
 その意味を理解して。
「木の上か芝生の上でのお昼寝〜あったかくって幸せになれるでしゅの。後おやつ〜」
 蜂蜜入りミルクも好きでしゅけど、パティさまがいっつもくれるオヤツもすきでしゅの、とレスはその味を思い出してにこにこ。
「幸せになれるのか、それはいいね。他の皆はどうなのかな‥‥」
 さらなる気分転換方法を求めて。
「知らない事を知るのもお勉強でしゅ」
 レスもぱたぱた、ついていく。
「ミカエル様が外に居られるなんて珍しいですね」
 歩いていれば、声がかかる。
 レミエルがやってきてにこり。
 常に部屋待機なミカエルの外歩きを珍しがる。
「追い出されて‥‥レミエルは気分転換、何してるの?」
「気分転換の方法ですか」
 レミエルは聞かれると同時に、幻視の力を使う。
 メルヘンな雰囲気で、楽しくなるような心安らぐような。
「幻視は幻視で安らぐものだけど、雷を落とす‥‥は冗談として軽く運動するといいと思いますよ。こもりっきりで居るより少し身体を動かした方がすっきりしますから」
 ほらこうやって、と教えてくれるストレッチ。
「こうかな?」
「そんな感じでイチ、ニ、サン、シ」
 その場で軽く運。一通りやりおえてレミエルは満足してすっきり。
「うん、こういうのもたまにはいいね‥‥」
 気分転換方法を求めて巡り歩く一向に、レミエルも加わる。
 話を聞いて、ほうっておくと危ないような気がして。
 そして次に出会ったのはサリエルだった。
 黒髪はポニーテールにし男物の黒スーツ。右目には眼帯。
 やはり出会って一言目は。
「やぁミカエル君。自室を離れるなんて珍しいね」
 外にいる引きこもりさんについての感想。
 もちろん気分転換方法を問われる。
「それなら、私が一つおまじないをしてあげよう。いつもと違う気分で過ごせるようにね」
 振り子を取り出して、これを見るように、と言う。
「君は猫だ‥‥猫になるんだ‥‥誰にも縛られず、自由、だけど時には寂しくなって誰かの胸の中で甘える‥‥そんな猫に、君はなるんだ‥‥」
 振り子の揺れが止まる。
 すると。
 ミカエルは壁際に向かいそこで座り込んで丸くなって、寝始める。
「ミカ様、ストレスでしょうか? 現実逃避のような」
 パティは豆飛ばしに夢中で振り子を見ていなかったので、突然のことに驚きつつも、すぐ平然と。
「下界も世知辛いですよ、だからこそ、私もお仕事を頑張らないと! ミカ様も何かあったら遠慮なく言ってくださいね」
 パティは丸くなった所にやってきて、声をかける。
「にゃーお」
「猫ですか」
 と、ぱんっと手のなる音。
 はた、と元に戻る。
「いや、面白いものをみせてもらったかな。そうか、居眠り猫か」
 ふふ、とサリエルは笑う。
「‥‥猫? 猫も楽しいものだ」
 と、目の前をコッコッコッ、と天界コッコが歩いて行く。
 お散歩の時間らしい。
「コッコさんでしゅ」
 つられて追いかけていくレス。
 まだ新米で心配になったミカエルがその後ろをついていくと、面白そうだからとか、心配だからとかそれぞれ思うことは色々あるけどもついていく。
 辿り対tのはウリエルの部屋。
「俺の季節だ! ファイヤー!」
 天界コッコたちに囲まれて踊るウリエル。
「お、みなさの揃いで! ちょうどいい、飯タイム! おかわりならまだまだあるからな! 残さず食えよ!‥‥でなきゃ‥‥!」
 自称天才料理人でもあるウリエルはコッコたちのうんだ卵で料理をしていた。その量は大量。
 しかもコッコたちはどんどんと卵をぽこぽこ生んでいく。
「でもお腹すいてないし‥‥」
「硫黄の臭いに満ちていいんなら腐らせてもいいけど?」
 食べます。
 それはいやだ。
「お残しは許しまへんでー‥‥って、ごるぁ! 残してんじゃねぇミカエル!」
「まだ食べてない食べてない。ウリエルはいつも元気だね」
 と、さっと現われた黒子さんにウリエルは連行されていく。
「どこにいくんですかね」
「どこかでしゅ」
 パティのつぶやきに、レスは無邪気に答えていた。
 しばらくして、ウリエルが戻ってくる。
「へ? 気分寒天? それ旨いの?」
 問われたことに、ちょっと外れたお答え。
「ああ、気分転換。俺は食う! 騒ぐ! 暴れる! でも一番は」
 ぼわっと全身を炎が包んだかと思うと頭アフロにサングラス、そしてベースを持つウリエル。
「一番は音楽に浸ることだけどな。ミカちんは?」
「何だろうね、わかんないから聞いて回ってたんだけど‥‥」
「なら一緒に!」
 こうして何故だか、大騒ぎが始まる。

●巡り巡って
「お仕事おわらないです〜」
 ふみゅーと泣き声。
「ただいま」
「ミカさまー!」
 ぐるぐるといろんな所を回って、ミカエルたちは戻ってくる。
 出発当初よりも人は増えているのだが。
「お帰りなさい、お茶と仕事を用意します」
 笑顔でアマティエルは言って、支度を始める。
「外は楽しいけどちょっと疲れるね」
「疲れた時にも豆飛ばし! 豆!」
 フンッ! とパティは豆を飛ばす。
 もらった豆をミカエルは見つめる。
 そして鼻に詰め。
「ミカさま!」
 フンッ!
「あ、本当にちょっと楽しいかも‥‥」
 輝く笑顔で言われても、ちょっと困る。
「いい飛ばしっぷりでした。あ、そうだ‥‥」
 ごそごそ、とポケットをあさるパティ。
 ひとつの種を、とり出す。
「前に不思議な願いの種が出来て、力のある人の傍じゃないと育たないみたいなんですよ」
 植物を育てるのもきっと気分転換になるはず、とパティは笑顔だ。
「ありがとう、そうだね、育ててみるよ」
 どうなるかは、お楽しみだ。
「あ、鼻血でてくる」
 つー、と垂れる感覚。呟いた言葉をきいてパティはこれを! と豆を差し出す。
 けれどもそれは駄目、とティッシュをティアイエルは差し出した。
「ティッシュです〜」
「ありがとう、ティア。ティアは、気分転換はどうしてるの?」
 問われてティアイエルはにこぱっと笑顔。
「ティアの気分転換方は‥‥ミカさまとお話しする事なのですよ」
 そして。
「だから判子ください」
「うん」
 ぺたっと差し出された一枚の書類に判子。
「こちらにも判子お願いしますね」
「あとで」
 さっと大束で差し出したアマティエルの書類。
 その多さから目を反らせながらミカエルは言う。
「あと鉢植えないかな? せっかくだから種を今から植えよう」
 こうして、どこからかもってこられた鉢にパティが渡した種が植えられる。
 どんな花が咲くのかは、また楽しみなところ。
「気分転換って色々あるけど‥‥部屋にいるのが一番かなぁ」
「それ、今までとかわりませんよ」
「あと、お話するのも楽しいね」
 だから、これからも部屋に遊びに来てね、とのことらしい。
 天界は、今日も平和なのでした。