PassionMusic:Snowアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 08/01〜08/03

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「今日のテーマは三日連続その1『雪』!! 季節はずれは気にしません、暑いから涼むってことで、『雪』テーマのライヴ、スタート!!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマは『雪』です。
 ライヴハウスの舞台は一般的なものです。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0379 星野 宇海(26歳・♀・竜)
 fa1376 ラシア・エルミナール(17歳・♀・蝙蝠)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa4181 南央(17歳・♀・ハムスター)
 fa4557 アレクサンドル(31歳・♂・豹)
 fa4826 ミズホ(13歳・♀・猫)
 fa5812 克稀(18歳・♂・猫)
 fa5870 Judas(25歳・♂・狼)

●リプレイ本文

●ライヴハウスにようこそ
「AGメンバーとは久しぶりですわね、気合をいれましょう」
「宇海とは久しいな‥‥」
「そういえば、アレクは誕生日ですわね、手作りケーキをプレゼント」
 星野 宇海(fa0379)はアレクサンドル(fa4557)に手作りのケーキを渡す。
「レディの手製とは、身に余る光栄でございます。今宵は人生最良の誕生日となりましょう」
 胸に深々と手を当てて一礼したアレクサンドル。彼に美日郷 司(fa3461)も何かを差し出す。
「おや、ありがとうございます。あとでこの豆で珈琲を是非」
 ああ、と司は短く答える。
 と、そこへミズホ(fa4826)がやってきて挨拶。
「皆さんよろしくお願いします!」
 そしてまた他の出演者である、克稀(fa5812)の方へも走り、挨拶。
 それが終われば渋谷蓮と話中であったラシア・エルミナール(fa1376)の元へ。
「いっぺんこういうところの司会とかやって見たい気もするけど‥‥我慢できないで歌っちゃうから駄目だな」
「うん、僕も毎回我慢の子だからね。でもやる? やるならやっちゃう? 言ってくれれば変わるよー」
「あの、ちゃんと話した事ないので、はじめまして! よろしくお願いします!」
「うん、よろしく、頑張っていいパフォーマンスしてね」
 挨拶終われば、ミズホは今日一緒に演奏をする南央(fa4181)とJudas(fa5870)の元へ。
「挨拶終わりました?」
「はい」
 南央は前回出演で、少し自信もついたし頑張ろうと思いながら笑う。
「二人とも組んでくれてありがとう、精一杯良いステージにしよう」
 そしてJudasは二人の緊張がほぐれればと思い声をかける。
 自分よりも年下の女の子二人、妹を思い出したりもする。
「頑張りましょうね!」
 それぞれ色々と思いつつ、収録開始。

●克稀 ―Marine Snow
「今日のライヴは三日連続の一日目! テーマは雪!! そのトップを飾ってくれるのは歌、ではなく純粋に楽器の音! 生み出す音は海の雪、『Marine Snow』、克稀!!」

 蒼いライトがライヴハウスを染めていく。
 ゆらゆらと柔らかく水面がゆれるようなライト。
 その中で、淡い輪郭の柔らかいライトが克稀を照らしだす。
 喪服のような黒シャツを裾を出して着、白ネクタイをラフに。そして黒パンツ。
 ピアスやリング、チェーンベルトと、シルバーアクセサリーが多めに光る。
 色は白と黒で、纏めて。

 ドラムのハイハットの細かく静かな音が刻まれていく。
 そしてピアノの低音がゆっくりと現われては消えていく。

 その音の中に弱く、高音から流れるようなオーボエの音が響きだす。
 リズムはジャズ調。
 短調の音はどこか悲しげな響きを持つ。
 海の雪を儚むように切なく、徐々に音を二重に、三重にと重ねて、テンポは早まっていく。
 と、それに合わせてキラキラと、降る雪のような光がライヴハウスを照らし始める。

 そしてバスドラのアクセント。
 印象を変えてピアノは高音、光が降り注ぐようなトリルを。
 その中を、澄んだ高音でオーボエが音を奏でていく。
 舞う海雪のようにグリッサンドで駆け下がっていく音が響く。
 オーボエの音は長調の音。
 ピアノの音は短調の音。
 それを調和させて、心地よく響かせてゆく。
 例えるなら光の中、そこで終わる命を表すように、スローダウン。
 音は消えていき、オーボエの音だけになる。
 余韻を残し、その音も途切れた。

●ラシア ―Memory―Snow―
「インスト曲で、最初はお送りしました、と。さてお次は、ラシア・エルミナールの登場です! 曲はしっとりと、『Memory―Snow』」
  
 ライトの中に立つラシアの服装はいつものベアトップにジーンズ。
 けれども色は白にして、さらに薄手の白のロングコートを羽織って現れる。
 多少暑いのは、根性でカバー。

 ひとつずつ、音を拾っていくように、ゆっくりとピアノの高音が響く。
 それはすとんと落ちてくるように。

「 生まれてから時流れ ふと空を見上げた
  白く輝く雪が 静かに降り始める 」

 歌声は、低音。
 低く、歌をつないでいく。

「 まるで砂時計 零れ落ちる時間
  それぞれの砂粒に刻まれているMemory
  たとえ溶けて流れても
  カタチを変えずっと残っている

  決して消えることのなく これからも刻み続けて
  そう いつまでも刻み続けて 」

 低い歌声から高い歌声に。
 でも音をとがらせず、綺麗に響かせて、やわらかく歌う。
 間奏では、スキャットを音に交えて、そして歌を繋いでいく。

「 白い砂時計 冷たく時刻む
  消えていくそのMemory 12の星が拾う

  The missing is...
  そう いつまでも探し続けて 」

 歌いだしのようにゆっくりと、ムーディーに。
 高音から低音へと緩やかに移り渡らせ、最後はフェードアウト。
 音を途切れさせた。

●mn‐Joule ―真夏の雪
「しっとりといった後には、アップテンポにビートきかせて! 南央、ミズホ、そしてJudas、mn‐Joule!! まだまだ音楽業界走り始め、これからどんなふうにそれぞれ成長するのか楽しみな三人の曲は、『真夏の雪』」

 逆光の中に、三人現れる。
 派手なミズホのドラムのクラッシュ。
 そこにJudasのギターと、ベースが大きく音を振りながら入る。
 そして、南央の歌声。

「 叶わないものがあると知りながら祈った

  揺ら揺らと焼き切れそうな日常 君のいない夏
  出会いの季節なんてキャッチコピーが
  気付かないフリする胸を抉る 」

 一瞬音をとぎらせて、そしてギターのソロ。

「ギター‥‥Judas!」

 南央の声とともに照明はすべて消え、Judasだけを照らす。
 見せ場となるところ、Judasは前にでて強い音を生み出す。
 白のタンクトップに明るめグレーのジーンズ、リストバンドをつけ、シルバーアクセサリーがライトの光をはじき返す。
 ソロが終わりに近付けば、次にミズホ。

「ドラム‥‥ミズホ!」

 ミズホは白のホットパンツにノースリーブのジップアップパカー。胸には小さな雪の結晶のペンダント。
 そして南央にもスポットが戻る。
 オフホワイトのTシャツにデニムのハーフパンツで夏らしく、ボーイッシュな姿を再び見せる。
 そのまま音がメロディに戻ると同時にライトは全体を照らすように。

「 冬に繋いだ手の温もりは忘れないのに
  あまりに近い太陽 誰も知らない涙さらう
  儚すぎた景色 青い嵐の中で生きて‥‥ 」

 南央はもっとノッてこいと、ステージを右から左、走りまわり腕を伸ばして観客を煽る。
 煽れば、煽った分反応はステージ上に歓声として戻ってくる。
 煽って、速い音はさらに勢いづかせる。
 ベースはしっかりと支えて、掛け合うように。

「 真夏に雪がふればいい
  いますぐ雪がふればいい

  そんな奇跡を信じて また触れあえたなら
  未来ごと、身体ごと、愛のままでいたい
  いつまでも 」

 音を高く高く持っていき、広がらせていく。
 歌の最後、リズムにあわせて南央は高くジャンプ。
 音が残る間、動きまわる。
 最後の音の余韻の中、照明を一つずつ落としていく。
 音が途切れれば、最後の照明も消して真っ暗。
 その中、それぞれを呼ぶ声が返ってきた。

●BLUE−M ―Snowy sky
「今宵ラストは久しぶりに登場、BLUE−M。星野宇海、美日郷司、アレクサンドル、三人で生み出す曲は『Snowy sky』」

「 澄み渡る空の下
  光の中 ただ立ちつくす 」

 真っ白な、純白の照明は、宇海が秘やかなキーボードの和音の上に重ねるて歌うにつれ絞られ、スポットライトとなる。
 静香かに、切なげに儚げに響く声。
 ゆったりと、伸ばし、アコースティックギターの音が加わり、アレクサンドルのドラムの音が入る。
 情感込めて、丁寧に丁寧に、詞を大事にしながら宇海は歌う。

「 温もりは 遙かに遠く
  広げたこの手をかすめ
  冷たい指先をすり抜けて
  きらきらとこぼれ落ちる 」

 純白のノースリーブのロングドレス、その裾は華のように広がっている。肘まである総レースのロング手袋、髪は後に流し、ラインストーンが光る宇海。
 司はオフホワイトのスーツに杢グレーのタンクトップ。シルバーの大ぶりペンダントをつけアコースティックギターを手に。
 アレクサンドルはシルバーグレイのシルクハット、そして燕尾服とマントを。
 軽い音、それに乗せて菓子と同じように宇海の伸ばした手からきらきらと光の粒子が落ちる。

「 優しかった時は流れ
  愛おしき人は天(そら)へ
  今はただ ここに一人 」

 司が宇海の声にハモりをいれ、サビに向かいテンポダウンしていく。
 十分に伸ばし、力強く響かせていく。
 けれどもそのテンポは再びアップ。
 スネアドラムを聞かせて、力をこめて音は響く。
 ライトは淡いブルーに代わり、スポットは少し絞られていく。

「 頬ぬらす透明な涙
  痛みに砕け散る心
  凍てついた雪に変わる
  永遠の誓いさえも
  真白に覆い尽くされて 」

 歌詞に合わせて宇海は涙をぬぐう仕草を。
 そして紙吹雪が雪のように、舞い始める。
 キラキラとした音がキーボードで入り、音が消える。

「 澄み渡る空の下 ひとり
  風の中 ただ立ちつくす 」

 最後はハモり、そしてアカペラで。
 スポットライトは絞られてフェードアウトしていく。
 最後の一音に、ふわりと白が舞い上がって消えた。
 
●ライヴハウス『VioLa』
「三日連続で収録一日目、テーマは雪でした、と。はい、エンディングトーク、イェーイ! ‥‥ちょ、ノリ悪い。もう一回、イェーイ! はいよし!」
 盛り上がりがたりないとだめだし。
 もう一回やり直しをして、OKをだす蓮。
「てことで今日はライヴハウス『VioLa』からでした! 明日も収録、どっかで会えたら一緒に盛り上がりましょー! ってことで、最後のシメいかせてもらいまっす!」
 いつもどおり、マイクを置いて。
「今日のライヴの感想はああああああ!!!!?????」
 帰ってきたのは豪雪のような声だった。