PassionMusic―Handsアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
6Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
42.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
2人
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期間 |
08/30〜09/01
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●本文
PassionMusic コンピレーションアルバム発売!
CDは二枚組。
曲は今まで行ってきたライヴより、そのままの音を収録した『SideLive』が一枚。
そしてもう一枚『SideForPassion』はこのアルバムのためにと名乗りを上げてくれたロッカーたちの曲が録りおろしされている。
さらにこのCDにはくじがついており、あたりが入っていれば後日行われる握手会『ShakeHandsWith』への招待券がもらえるのだ。
今回は、その握手会にでてくれるアーティストを募集。
●募集内容
『ShakeHandsWith』参加者募集。
関東某所のイベント会場にて朝10時より開始。終了時刻は未定。
終了時刻が未定なのは、来てくれた人全員と握手をするためです。
並んでいただく時間は17時まで、と決まってはいます。
なお、ずっと続けてというのは出演者への負担もあるので、交代で休憩を入れていきます。
時と場合によって、舞台上で軽くトークも有るかも。
ただ、楽器搬入して歌、演奏というのはありません。
●リプレイ本文
●握手会ですから
関東郊外の某イベント会場、そのだだっ広いホールを使っての握手会の開始は午前十時から。もうすでに、外にはたくさんの人が並んでおり、入場も早まっていた。
「今日はよろしくお願いします! 一人ずつ、ファンの子たち多いから流れ作業に近いものになっちゃうけどよろしくね」
「俺に話せる事は少ないが‥‥それでも良いなら応えさせて貰おう」
陸 琢磨(fa0760)の言葉に話すよりは握手だねと蓮は苦笑する。
「今日のメインは握手会だからね、一人ずつ気持ちをこめて頑張ろう」
「はいです! マコ兄さまがんばりましょう!」
アドリバティレイアの明石 丹(fa2837)とアリエラ(fa3867)は笑いあう。
そしてアリエラはとととっと恋人である欅(fa5241)のもとへ行き、ぴとりと張りつく。
「欅君じゅうでーん! ファンの皆の前じゃできないから今のうち」
「ヒューヒュー! らぶらぶー!」
ひそかに照れつつ欅はそれを受け止めて、その様子を欅と同じ、アネモネの天道ミラー(fa4657)がはやし立てる。
丹はその様子をにこやかにまた見守っていた。
「ふふ、アリー嬉しそうだね。とうs‥‥欅君、茶碗は用意してあるからね」
「と‥‥」
「父さんは旅に出てるんだよ丹君!」
「なるほど」
「渋谷さん、俺の左眼はちゃんとあります」
「うん、知ってる」
にやり、と蓮は笑う。
と、欅はこの話が途切れた瞬間がチャンス、と丹の方を向く。
「仕事前に恐縮ですが、握手してもらっても構いませんか?」
「うん、いいよ」
「俺、初仕事がPassionで丹さんとご一緒させて頂いて、リバティファンだったのでもう感激だったんです、勿論今もファンで、ありがとうございます」
アリエラそのままに、今日最初の握手。
と、がやがやとスタッフたちが騒ぐ声が聞こえる。
客に交ざって並んでいた椿を騒ぎが起こる前に裏側へと引き込んだのだ。
「自分達の曲も収録されてるのに何並んでるのよ。こっちに居れば皆と握手出来るのにお馬鹿?」
と、椿をひっぱるのは千音鈴(fa3887)。
せっかく来たのだから握手する側として出てもらうことになる。
この騒動をよそに、DESPAIRER(fa2657)と亜真音ひろみ(fa1339)は今日話すことについて合わせていた。
「はお互いの目から見た相手や知り合ったきっかけだね」
「はい‥‥今日は‥‥よろしく、お願いします‥‥」
そして、スタッフからそろそろスタンバイお願いしますの声がかかる。
ざわつく会場の声は裏まで聞こえて、それぞれ思うことは色々だ。
●握手開始!
握手会の会場は、広く人ばかり。
巨大なバックスクリーンにはライヴの映像が流れ、そして登場とともに耳を引き裂くような歓声があがる。
まず登場したのは蓮で、あとから面々呼ばれることになっていた。
「はいはいおちついてー!! 握手はすぐ始まるから!! お約束はあわてない、怪我しない、とかまあ基本的なこと。んでもってアーティストさんとの間に一応ライン引きで机があるんでそれ以上のりださないように! んでは、今日のメンバー!」
「最初に登場するのは、陸 琢磨!」
登場とともに甲高い声、だがそれはすぐに収まる。
「んでもって仲良し、亜真音ひろみとDESPAIRER!」
二人を迎える声は先ほどの琢磨より大きい。
名前を呼ばれて、二人は手を振る。
DESPAIRERはいつもどおり、黒のドレス。ひろみはタンクトップにジーパン、左腕には剣を加えた白狼のペインティングを。
「千音鈴、特別ゲストに椿!」
世界レベルの二人に対して向けられる歓声。
千音鈴は水色ワンピースにジャケット、髪はリボンでポニーテール。
しばらく続くそれが収まれば次の紹介。
「最後は二組ぞろっといこうかなー。アネモネ、天道ミラー、欅!! そして、アドリバティレイア、明石丹、アリエラ!!」
四人の登場に、重なる声は今まで以上。黄色い声も黄土色の声も響き渡り、ホール中に響く。
今回は、知名度よりもPassionMusicという番組でどれだけ音を伝えたか、それが響いてゆく。
ミラーと欅はいつも通りのスタイルで、アリエラは白いふわふわのワンピースにピンクダイヤのネックレスで、サイドポニーテール。
丹は左鎖骨のトライバルがちらりと見える開襟シャツ。
「て、ことで、今日はこのメンバーと握手握手握手! ステージ下、みんながいるところは柵でしきって流れるようになってて、スタッフが誘導してくれてくけど、押したりないようにね! あと出口には丹君案で今までのPassionのパネル飾ってるから長時間立ち止まらないようにみてってね!」
と、言っている間に、それぞれ定位置に。
琢磨、DESPAIRER、ひろみ、千音鈴と椿、アネモネの欅とミラー、リバティのアリエラ、丹の順。そして最後に蓮が立つ。
スタッフの誘導で握手会が始まる。最初の一人目は緊張した面持ちで、ありがとうございますと言いながら進んでいく。
琢磨と握手をして、そのままDESPAIRERと。
「DESPAIRERさんの歌、いつも好きです!」
「ありがとうございます‥‥」
言葉を短い間でかわして、DESPAIRERは丁寧に握手をする。
「きてくれてありがとうね」
「はいっ!」
ひろみも声をかけ、千音鈴と椿とも握手。
「握手! きてくれてありがと!」
「どうもありがとう」
アネモネ二人、にこにこと笑顔で握手握手。
リバティ二人の前には、他のメンバーの写真と、先日結婚したばかりのあつあつカップルの幸せウェディング写真。
「いつも応援してます! こ、これからも頑張ってください!」
「朝早くから並んでくれて有り難うー!」
どうやらリバティファンだった一人目の子は、ちょっと涙目。
「先着順になっちゃうけど、朝早くからありがとうの気持ちを込めて」
「リバティフリージアです! えっと、えい!」
握手のあとにコサージュを飾って、丹とも握手。
「お、お二人にお幸せにとお伝えください」
「うん、ありがとう」
名残惜しくも、握手するべき相手はまだまだいる。
スタッフに誘導されて、本日一人目、出口へと誘導されていく。
リバティ二人は、赤・青・白・黄・桃・緑、最初の六人へとコサージュを渡したのだった。
握手会はまだ始まったばかり。
●キタコスプレ!
「キタ! キタよ欅!」
「うん、あれはまさしくあねもにゃー‥‥!」
欅とミラーは挙動不審中。
なぜならば、いかにも自分たちのファンです、という格好の子がやってきたからだ。
あねもにゃーが出現した!
一人は首に首輪でスーツ。
もう一人は左眼隠して、手には自作と思われる通称父さんのパペット。
「握手よりお手してください! お手!」
「お手! そのまま握手!」
「おい、ケヤキー! 父さんつれてきました」
「お帰り父さ‥‥違う、違う」
半分乗せられる欅、だが手作り父さんはそのままプレゼントとして机の上に握手後おいて行かれる。
「欅君、あとでお茶碗あげるね」
丹、にっこり。
「丹さんも‥‥!」
だが弄られてちょっと嬉しい欅なのだ。
「いつもキングの子これなかったんで気持だけでも!」
「伝える伝えるー!」
それからぱらぱらとコスプレっこたちが続いて行く。
朝早い時間からきてコスというのは結構、体力がいる。コスをしなくても、この暑さと長時間待機。
番組側から飲み物と、ちょっとしたものも配られ始める。
コスプレしたファンは結構いて、ひろみのペイントをしたもの、そしてDESPAIRERのように黒のロングドレスを着た者もいる。
「お揃いね」
千音鈴が一言ありがとうに加えて言った相手は、カラーコンタクトでオッドアイにしていた。
お揃いというのは嬉しいもの。
そして、ひときわ目を引く一団がやってくる。
「すごいね、なんだか嬉しい」
「サイドポニテ! おそろいー!」
「わ、ちゃんとトライバルも‥‥うちの末っ子に、幸せな二人に」
リバティ全員集合コス集団は、しっかりフリージアも忘れずに。
「皆ファンです! 応援してますありがとうございます!」
「マコと握手しちゃったー!」
「手洗えない、洗えないっ」
一団との軽い言葉楽しみつつ、騒ぎつつを見送っていく。
「マコ兄さま! 見送ってないで待ってもらってます!」
「あ、ごめんね。なんだかあの子たちもメンバーみたいだなって。もちろんリバティ大好きな子はみんな、だけどね」
甘い声と笑顔で、今丹と握手をしていた子はぽっと頬を染めて、ありがとうございますの言葉とともに出口へ。
「や、豪華なもの見た! っとそろそろ休憩がてらトーク、みんなにお願いするね」
握手会は一度中断、トークかねての休憩タイム。
●休憩とトークと
「知り合ったきっかけは所属プロダクションにディーが顔を出しに来ていてそこで少し話してすぐに意気投合したんだ」
「第一印象は‥‥すごく、かっこいい人、という、感じでした‥‥」
「姿は勿論、唄の性質っていうのかな、それも正反対に見えるかもしれないけど似ている部分が結構あって、初めて出来た友人で大切な親友なんだ」
「‥‥外見も、髪型だけなら、似ていますから‥‥Goldenの時は、そこから、あんなことを、思いついたんですが‥‥わりと、驚いてもらえたようで‥‥よかったです‥‥」
二人の仲のよさと、番組での裏話も少し交えて話をしていく。
そして次は、携帯を届けにきたという兄、笙をまじえて千音鈴と椿のトーク。
「まず最初の質問は、PN『三十路の兄はおじさんだと思う』さんからミルソニ兄妹不仲説って本当?」
そのPNはお前だろう、と兄はつっこみ。
答えは『本当です』と息ぴったり。
「次は、兄妹で歌う曲が少ないのは何故?」
『不仲だからです』
「逞しい妹は可愛くない‥‥ハモってもな!」
兄と妹の漫才らしきトークはまだ続く。
●握手会、中盤戦
休憩挟んで、そして握手会再開。一休みして、手の力もちょっと回復した面々はまた笑顔で握手。
千音鈴は兄が届けてくれた、瞳のグラデーションのリボンで作ったリボンブレスレットをあるだけ、渡していく。
「本当に、大ファンなんです!! 今日はお会いできてうれしいです!」
DESPAIRERのところに大ファンだという女性がやってくる。
今まで以上にしっかりと両手で包み込むように握手。
しっかりと気持ちを伝える。
「アリー大丈夫?」
「はいです!」
無理しないようにね、と声かけてそれぞれ握手と言葉とかけていく。
ファンの気持ちは嬉しいのだけれども、もうどれだけの相手と握手しているのかわからないほどだ。
そして、受付の時間を締め切ってもまだホールには人がいっぱい。
ここでもう一度休憩タイム。
「父さんも一緒デース!」
父さんパペットも一緒にアネモネトーク。
日頃どんな雰囲気なのかを語っていく。
「ツッコミの欅はなかなかキングに勝てないんだ」
「俺は背中にうちのお姫様背負ってリーダーに漫才強要されたりしてます」
「うちのお姫様はボケツッコミ両方OKだよな! 頼もしい!」
さらりと欅は言って、ミラーは元気いっぱいに言う。
バランスはとれていないようでとれている二人。
それから収録前の様子を語ったりも。
そしてふと思い出したように。
「そういや、『お手!』も『目玉の〜』もPassion発で渋谷さんとのやり取りがアネモネの恒例行事になったんですよ」
「Passionありがとう!」
アネモネは笑いも話の中に含めつつ、トークを全う。
そして、リバティの丹とアリエラが交代ででてくる。
「アネモネのフリートークしっかりときいてました!」
「僕たちの話も聞いてね。何話そうかなって言ってたんだけど、アルバム収録の時の話しと代表曲『フリージア』の誕生話、なんてどうかなと」
会場にいる人からそれがいいー! と声が向けられる。
リバティの代表曲『フリージア』の誕生話は今まで一度も、世の中に出たことはない。
「フリージア制作時、私は1FANだったのですよ♪ 最初にリバティを知った曲でもあるのです。それが今ではリバティで歌ってて‥‥収録時も嬉しくって♪ 緊張で笑顔が取れなかったのですよ〜」
今も笑顔いっぱいの、アリエラ。丹は微笑む。
それから収録時の話をして、フリージア誕生話に。
「フリージアは本当に思い入れのある曲なんだ。作詞作曲メンバー全員でやった最初の一歩の曲だから‥‥リバティの歴史を一緒に刻んできた『我が子』なんだよ」
そんな『我が子』をこれからも大切に聞いてくれると嬉しいな、と丹は最後を括った。
●握手会、後半戦
再びの休憩も終了、握手に終わりも見えてくる。
もうすぐ最後。
「お疲れ様です! どうもありがとうございます!」
時間はもうすでに、夜10時前。
最後の一人としっかり握手をしていく。
「気をつけて帰ってねー!」
「はい! 今日は泊って明日帰ります!」
「おお、もしくは上は北海道、下は沖縄、どこだろう!」
関西方面からきたという最後の子と握手をしていき、最後に出口から出ていくのをみまもる。
しんとしたホール。朝、いっぱいいた人はもうスタッフだけだ。
「お、お疲れ様ー!!」
その場所にはぁ、と気を抜かして全員へたりこむ。
今まではりっぱなしだった気が、緩んでいく。
「長丁場、本当におつかれ! ファンの子たちからプレゼント預かってるから、あとで渡すね」
「もうへろへろですー」
「膝ががくがくだよ」
しばし楽屋裏で、丹が差し入れたキャロットシフォン、ひろみのもってきたサンドイッチの残りをつまみつつ今日のことを振り返るのだった。