PassionMusic:Smallアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 5.8万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/24〜09/26

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「はい、今日はものすごく、みんなとの距離が違いです! ハイターッチ!」
 ぺしぺしと観客と触れる距離。舞台へと押し寄せないのは、観客がマナーを守っているからだ。
「今日はこのせまーいライヴハウスで! あれだよね、アマチュアとかインディーズの頃ってこういう場所ばっかりまわってたよ僕! 懐かしい! ハンドメイドだよね、うん。んじゃ今日のいってみよ!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマフリー。
 ただしライヴハウスは百人収容の狭いライヴハウス。
 小さなライヴハウスなので、ライトは人力、凝った演出などできない。
 なお、舞台もドラムをのせ、人が三人のればいっぱいいっぱいです。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムは備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意しますが今回の舞台を考えて申請してください。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0034 紅 勇花(17歳・♀・兎)
 fa1744 雛姫(17歳・♀・小鳥)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)
 fa3867 アリエラ(22歳・♀・犬)
 fa5307 朱里 臣(18歳・♀・狼)
 fa5475 日向葵(21歳・♀・蝙蝠)
 fa5483 春野幸香(21歳・♀・狸)
 fa5812 克稀(18歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●ライヴハウスにようこそ
 バスを降りれば、そこは小さなライヴハウスの裏口前。
 今回、楽屋も狭いのでここでの待機となる。
 日向葵(fa5475)と春野幸香(fa5483)はバスの前の席に並んで座っていた。
「初めてのPassionMusic出演か‥‥やっぱり緊張するね」
「‥‥周りはみんな知られている人ばかりだし、気後れするね、葵」
「とりあえず全力を尽くそう、幸香。あたしらはまだこれからなんだから」
「わたし達の明日が掛かって居るんだものね。お客さんに楽しんで貰おう」
 二人の気合は十分。
 その後ろの席、紅 勇花(fa0034)はバスの窓からライヴハウスを見て、過去を思い出す。
 何だか懐かしいのは、駆け出しの頃、よくこういうところでライヴをしていたからだ。
 ライヴをしていたのは勇花ではなく、兄だが、言葉にできない想いがそこにあった。
 さて、一番後ろの席では、電撃娘っこたちがひそこそと密談中。
 雛姫(fa1744)、アリエラ(fa3867)、朱里 臣(fa5307)たち三人は、本番に向けて小さく「えいえいおー!」とし、計画を練っていた。
 そこへ、バス入口から渋谷 蓮がひょこりと顔を出す。
「今日は皆よろしくねー! ごめんね、まとめて挨拶状態なんだけど」
「はい、蓮様覚悟してて下さいませね」
「電撃娘隊頑張ります〜!」
「愛の戦士さーんじょう!!」
 お揃いマフラーを見せるように臣はキラリンと音のつきそうな笑顔でそれを見せつつ言う。
「愛? 何ラブの戦士? 戦士がんばれ!!」
 蓮はあんまりよくわかっていないらしい。
「で、今日一人の男がんばれよー」
 克稀(fa5812)は言われて頷く。
 起きているのかどうか、少し怪しい。
 だがふっと今回一緒に演奏するTyrantess(fa3596)をみて一言。
「‥‥タイの衣装は凄いな」
 淡々と呟いてみる。
 Tyrantessはというとそうか? と笑っていた。
「じゃ、もう少しで始まるから、それまで待っててね!」
 ライヴの開始です。

●Twilight ―Goodbye Undead
「はい、今日はとっても、なんか近いっていうか狭っ! 狭いライヴハウスにいます! 距離近い分、なんていうか熱気も倍だね。今日のPassion一組目は、日向葵、春野幸香のTwilight!!」
 蓮の紹介の後、入れ替わるようにステージの上へ。
「この曲はあたし達の敬愛する歌姫さんからあたしらにプレゼントされた曲をあたし達なりにアレンジしたものだよ。きちんとあたしらのものになってくれているといいんだけど。じゃあ、聞いて『Goodbye Undead』」
 葵が言って、曲が始まる。
 良い具合に色の抜けたジージャンに淡い紫系の長袖シャツと紺のジーンズ姿の葵はエレキギターを持って。
 同じ服装に、シャツだけクリーム系の長袖シャツと変えた幸香はキーボードを持って。
 音は抑えめに響かせて、声を通す。

「 いつだって世界には、
  辛いこと、悲しいこと、汚いものとが満ち溢れているから。
  夢を見てもむなしいだけ
  今日は昨日の続きで、明日は今日の繰り返し。
  今日も昨日の繰り返しだから、明日も今日と変わらない 」

「 亡者のあんたにはお似合いのセリフ。 」

 ふっと間をおいて叩きつけるように歌う。
 そしてそのまま、不満を漏らすように、歌声を響かせて曲を作る。

「 だけど、あたしは此処にはもう飽きた。
  死んでるみたいに生きて、
  生きながら死んで、
  生きながら腐れていくなんて、真っ平ごめん。 」

 不満から切り替わって、決意を表して。

「 下ばかり向いていたら、動けなくなるから。
  前は見えなくても、今此処で踏み出せば、
  その一歩は小さくとも、何かが変わる。 」

 そしてふり切るように。
 前を向いて歩きだすように。

「 生きながら、死人になった貴方は
  そこでもうお休み。
  あたしはあたしの道を行くよ。
  立ち止まり続けた昨日に別れを告げて 」

「 ‥‥goodbye 」

 一抹の寂しさを、残していく人に立向けるよう、情感をこめて、最後のフレーズは響いた。

●TK ―Unchainable Beast
「はい、続いて登場は『TK』!! 過激に素敵なTyrantess、んでカッコイー克稀の登場でっす! 曲は『Unchainable Beast』」
 ライトが近いこともあってかより一層ギラギラと眩しいの照明の中、Tyrantessは登場して、胸にギターを抱いてそのヘッドにキスを落とす。胸を強調するデザインの服で、またそれが際立つパフォーマンスに観客からは声があがる。
 克稀は革ジャン、革パンツ、ブーツと黒尽くめのハードスタイルで、シルバーアクセサリーをじゃらりと。
 Tyrantessはギターを持ちマイクの前へ、克樹はサックスを構える。

 一拍溜めて、シンバルで3カウント。
 そこにTyrantessのギターが派手に奔放に駆ける。
 そしてそれを低音から追うサックスの音。

「 I love you その言葉に嘘はない
  その時 その瞬間は 確かに愛してるから
  でも側にいない時は‥‥わかるだろ? 」

 最初のフレーズとともに観客を指さすTyrantess。
 勢いを少し弱めて、でもしっかりと声は響く。

「 遠くの相手を想い続けるほど 俺は一途な女じゃない
  When I want love,I want it RIGHT NOW! 」

 弱まれば強まるのみ。
 歯切れよくパンチのある音で勢いをつけて、ドラムのインパクトショット。

「 My love’s like an unchainable beast
  いつだって側にいるヤツがターゲット
  Touch me! Feel me! Try me! Love me!
  ’Cause I love YOU! 」

 激しく奏でられる音はタイミングを合わせ響いていく。
 この勢いのままに、曲はさらに勢いを増していく。

「 一人の男で満足できるほど 俺は無欲な女じゃない
  One man is not enough for me at all,no no no! 」

 曲の雰囲気にホールは踊る。
 そのまま、観客と絡むように、Tyrantessは最初と同じように、指さして煽り始める。

「 I love YOU!
  and YOU!(×8)
  Yeah! I LOVE YOU ALL!! 」

 Tyrantessは途中で克稀を指名。
 何も聞いていなかった克稀は驚き思わず手から楽器が滑りそうになるも踏ん張り、演奏を続ける。

「 My love’s like an unchainable beast
  いつだって側にいるヤツがターゲット
  Touch me! Feel me! Try me! Love me!
  ’Cause I love YOU! 」

 盛り上がり尽くして、Tyrantessが最後に示したのは蓮で、きたか、と一緒に盛り上がり返してくる。
 その最後はより一層派手な音が響いた。

●紅 勇花 ―BIRD in CAGE
「持ち上がったとこで、今度は重く、ずっしりいってみましょう。てことでー、準備はよろし? 『BIRD in CAGE』、紅 勇花」
 心持ち暗めの照明の中、ギターを持ち、勇花は立つ。
 重く、ゆったりとした音。

「 鈍色の空と大地 赤錆びた風の匂い
  変わらない日々 檻(ケージ)の街 」

 無機質な音色は力強く、身体の底から絞り出すような音へと変わっていく。

「 飛翔(とびだ)した心 嵐に引き裂かれて
  傷ついた翼はやがて‥‥還りゆく 」

 その音色の雰囲気を引き継ぎ、力強く、でも高らかと声は伸びていく。

「 In the cage‥‥In the cage‥‥
  In the cage‥‥In the cage‥‥ 」

 思いきり伸ばされてゆく音は、響き残響を残してまた重なるように。
 そしてそれを継ぐように、高音を長く伸ばすメロディを中心にギターの音が走る。

「 In the cage‥‥In the cage‥‥
  In the cage‥‥In the cage‥‥
  In the cage‥‥In the cage‥‥
  In the cage‥‥In the cage‥‥ 」

 想いを歌に込めるように、重ねる歌声。
 雰囲気は一転、穏やかなギターソロに歌声がかかる。

「 それでも夢見続ける‥‥あの青き空を‥‥ 」
 
 ゆるやかに、音は響いた。

●ElecTricker ―月祭〜Mystic Love
「ラストは元気よくいってみよ!! 雛姫、アリエラ、朱里 臣!」
「そして司会はおなじみ渋谷蓮〜!」
「ぶふっ、早いよ君達!」
「気にしなーい! 歌うはElecTrickerで曲は特別メドレー【月祭〜Mystic Love】! いってみよう!」
 三人は揃って、腕を突き上げて『えいえいおー!』とする。
 それと同時にピンスポットで照らされて。
 雛姫はアイボリーホワイトのレイヤードワンピースに茶色のニットボレロ、そして上から三人お揃いのパステルブルーのラメマフラーをふわりと。足元はブーツ、髪はシニヨンにして稲妻型ピンでぴっと止める。
 アリエラのマフラーはパステルピンク。アイボリーの半袖エンパイアパフチュニックに黒い長袖カットソーをあわせ、ジーンズはロープアップで元気よく。髪はトレードマークともいえるサイドポニーテール。耳には大きな稲妻形の銀のイヤリングがキラリと光り手にはアコースティックギター。
 臣は白のキャミソールに赤地チェックのハーフパンツ。パステルパープルのラメ入りのマフラーは流して巻いて、髪は下ろして幅広のカチューシャ、そして花と稲妻のピンをポイントで。髪にもラメを絡めてキラキラ輝く電撃娘はドラムを叩く。

「 薄に跳ねる兎と一緒に
  夜中ずっと踊り明かそう
  moonlight festival 」

 ボーカルとアコースティックギターの絡むあたたかい旋律に、ドラムは鼓動の音を添えるだけ。
 一拍おいて、ドラムのクラッシュとテンポアップ。
 ピンスポットの中でアリエラと雛姫が背中合わせでパフォーマンス。

「 大事なもの 大好きなもの あるけれど
  あなたほど 私のこと 捕まえるものは な・い・の・よ 」

 歯切れよく、リズム重視で音が響く中、それにあわせて身振り手振りを交える雛姫の指の先、ネイルがきらりと光る。

「 油断したなら いつでも落ちる 甘い誘惑 魅惑の微笑み
  負けたフリして 甘えてみたら 手の中に、ほら 転がってくる
  罠(−wana−) 」

 メロディは小刻みに揺れて、波のように変化する。

「 あなたが大好き
  それが真実 」

 だんだんテンポを落として、しっとりと、曲調が変わる。

「 逸る心を抑えつつ 蜻蛉の羽を借りました 」

 ハーモニーを聞かせるように、声を響かせて。

「 今宵は秋祭り
  まんまるお月様はお祭りの合図
  薄に跳ねる兎と一緒に
  夜中ずっと踊り明かそう
  midnight carnival 」

 最後は何度も最初と同じリズムを繰り返して、ホール全体と、盛り上がっていく。
 曲のフレーズ繰り返して、最後は電撃娘たちからの言葉。

「 皆様大好きですー! 」
「 みんな愛してるー!! 」
「 ありがとー!! 」

●ライヴハウス『YUN』
「えー、途中でジャックもされましたが、無事終了です! いやまだ終わってないけどね! ほら最後の大事なお仕事がね! 皆も一緒にの仕事がね! これだけはジャックさせない、絶対させない!!」
 最後のしめは守ります、としっかり宣言。
「んじゃー、今日はライヴハウス『YUN』からでした! せまいからね、お前らとの距離も近いからね! てかもう今もマイクいらないよね!」
 いつもどおり、マイクを置いて。
「今日のライヴの感想はああああああ!!!!?????」
 小さい空間に、帰ってくる歓声は響きかえる。