PassionMusic:rayアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/12〜10/14
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●本文
『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
収録に出会えるかどうかは時の運。
そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「突っ走る、一条の! ってことで今日は曲名『ray』統一! 」
舞台の照明がばっと明るくなる。
最高のプレイを、そこで‥‥!
『Passion Music』出演者募集
ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
今回は「ray」という曲名固定。
ライヴハウスの舞台は一般的なものです。
ソロ、グループを組む、は自由です。
収録に取り直しはありません、一発勝負です。
なお、日程は以下です。
初日 参加者顔合わせ
二日目 スタジオでのリハーサルなど
三日目 ライヴハウスでの演奏、収録
ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
バックバンドが必要であればこちらで用意します。
グループ掛け持ちは禁止。
演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。
●リプレイ本文
●ライヴハウスにようこそ
バスから最初にぴょんっと降りたのは蓮 圭都(fa3861)。そして彼女と一緒にミッシェル(fa4658)。
「元気三倍で頑張りましょう」
「そうね、心は一緒よ!」
もう一人、一緒に出演するはずだったがこの場にこれなかった者のことを思いつつ、二人はぐぐっと気合を入れる。
「お。二人とも気合ばっちりだね! ふぁいとー!」
「どうぞよろしくお願いします」
迎えにきた渋谷蓮にミッシェルは礼をする。
「あ、この前は遊園地ありがとうございました。桃色を読めなくて申し訳なかったわ」
圭都の言葉に蓮はちょっと照れる。
とそこへどーんと体当たりが。
「蓮さんやっほーいっ!」
「うおあっ!」
「今回はちょーっとサプライズ用意してるから、覚悟しといてね」
抱きつき交じりの突進は堕姫 ルキ(fa4852)。にやりと笑み、そのまま準備へと走っていくルキ。
「何があるんだろう‥‥ドッキドキ! 皆も中で準備よろしくー! お、BLUE−Mメンバーいらっしゃーい」
「お久しぶりですわ、これ差し入れです」
星野 宇海(fa0379)は差し入れを渡す。中身はプリンどら焼きであとで皆で食べようということに。
「これが最後のライブかもしれませんから‥‥気合いを入れて行きますわ」
宇海の言葉に最後ってどゆこと、と蓮は言う。
と、その反対で美日郷 司(fa3461)は圭都個人に差し入れを。
「クーラーバックごとお重に詰めたお総菜と日持ちする焼き菓子だ‥‥ご飯はきっと渋谷が準備してくれるだろう」
「そうしてもらいましょう」
と、宇海と蓮の前にぽっとグラスと薔薇が。アレクサンドル(fa4557)の手品だ。
「麗しいレディには一輪の薔薇を。紳士の皆様には、お好みのお飲み物を」
そう言ってアレクサンドルは倉瀬 凛(fa5331)にもグラスを差し出す。
「お知らせがありますの」
会話の合間を縫って、宇海は一言。
他のメンバーにも向かって笑顔で宇海は続ける。
「私、近々結婚しますわ」
その言葉におめでとうの声が周りから降ってくる。
司は知っていた、と苦笑でお祝を。
「おめでたいね! 本番終わったらお祝しよう」
「そうですわね、今は本番が先ですわ」
本番開始まであと少し。
●倉瀬 凛
「光輝いて、眩しきかな。てことで今日のPassionは曲名統一『ray』の回です!! トップをきるのは登場今回三回目! 倉瀬 凛!!」
浮かび上がるように淡いスポットライトの中に立つ凛。
そのキーボードから流れ星を思わせる、下降していく音が流れ出す。
「 知らなかったよ
こんなにも穏やかで
暖かな光があったなんて
そう、君に出会うまで 」
控え目にドラムがリズムを刻み、暖かなイメージの旋律。
「 常闇に怯え 佇んだまま
動けなかった僕にそっと
手を差し延べてくれた君
眩い光は 欲しくない
まるで真昼の星みたいに
忘れ去られてしまうから 」
穏やかに流れる曲は少し戸惑いを含んで。
重なる声が厚みを加えていく。
そして曲は転調。
「 大地を淡く 優しく照らす
雲間から降る光の様に
暗闇を行く 夜の旅鳥
静かに導く標の様に 」
変化をつけて、また戻る。
同じ旋律を歌い盛り上げて。
「 知らなかったよ
こんなにも柔らかで
安らかな光があったなんて
そう、君に出会うまで 」
ドラムの音はとまる。
キーボードの音にのせて凛の声がゆっくり言葉をかみしめるように。
「 In your eyes I see a RAY of hope 」
最後の言葉を歌い切ると同時に静かにライトは落ちてゆく。
●Melo×Tri
「お次は『Melo×Tri』、蓮 圭都、そしてミッシェルの生み出す『ray』を感じまくれ! てことで二人、よろしく!」
ライトが薄暗く照らされる。
サンドリヨンをベースに、差し色でアイスブリザードの冴えた青を持つ圭都。
ベースのストラップに巻いた銀のチェーンがライトの光をはじき返してゆく。
ミッシェルはスタイリッシュに、体のラインを綺麗に出すスリムなものを。白と黒のツートンカラーでストライプのコントラスト、あわせて派手なカラーの赤の腕章が目を引く。
圭都はソフィーに薔薇の花を飾り、礼を一つ。
顔を上げ帽子を被る。それと同時に空気を割くような音がスピーカーから放たれる。
ホールは明るく点滅するライトに彩られ圭都は軽く足を開いて立ちまっすぐ余裕のある表情を観客たちに向けていた。
スピーカーからの音が飛ぶ前にミッシェルのギターの旋律。
「 ミソラの檻より繋がったのは細い吐息
歌う花あなたが花、暗闇に光追って 」
音と同じように圭都の勢いのある声。
声の乗る音は鼓動のようなドラムとベースの低音。
歌に合わせて観客側へ向けて、下から上に突き上げるように光線が走っていく。
「 キサラの夜から届かないのはあの閃き
欲しいのは一つだけ、ただ空を見上げるの 」
ふっと音が途切れる。
圭都は胸の前でぎゅっと手を握りしめ、それを光の方へ、のばす。
無音の後、ゆっくりとピアノの音が切なく響く。
「 リアルを裂いて 悪夢に溺れる
リピートの女優と恋したつもり
本当は独りと 気付きもせずに
騙されるなら賢くなんて 口ばかり 」
音はじわじわとテンポアップしてギターとベースの音の聴かせ場。
圭都とミッシェルはステージの真ん中で背中合わせ。
それぞれ持つ楽器から音を走らせていく。
ランダムにホールを光線が駆け巡り、盛り上がりは最高潮に。
「 種も蕾も知らず わたしは
焼かれ爆ぜ往く想い見ている だけ?
猫の目が笑う 磨いだ爪 光らせて
ハッピーエンド 捕まえる時まで 」
リズムは変わらず、乗せて勢いのままに。
鼓動打つ音を感じさせるままに曲はフィニッシュを迎えた。
●BLUE−M
「三番手は星野宇海、美日郷司、アレクサンドルの三人『BLUE−M』、聴かせて見せてよろしくね!」
アレクサンドルはシルクハットに黒の燕尾服とマント。
髪は下ろしたままの司は黒系ジャケットと革のスキニーパンツにエンジニアブーツ。タンクトップとシルバーのスカルペンダントをつけて愛用のギターのネックにキス一つ。
スリットは足の付け根まであるタイトなキャミロングドレスにシースルー素材の長袖シャツを重ね着し革のニーハイブーツをあわせた宇海。
髪は無造作に下ろしてラメは散らばり光る。シルバーの大ぶりネックレスとイヤリングがあった。
「こんばんは! もしかしたらBLUE−Mとしては最後になるかもしれない曲です。希望を捨てず諦めず、そんな願いを込めて!」
宇海の言葉とともに、ライトが落ちる。
その中で光が、踊る。
司のピック、宇海の指輪、アレクサンドルのスティックに塗ってある蓄光塗料が光っているのだ。
エレキギターとキーボードの音が暗闇に響き、宇海の声。
光を落としたスポットにそれぞれの姿が照らされる。
「 虚ろに広がる暗黒の時
不安 恐れ 入り交じる混沌(カオス)
破滅に導く 蜘蛛の糸に
絡めとられ 動けずに
歪んだ夢を 紡いでゆく 」
叩きつけるかのような言葉で歌いだされ不安をあおるような旋律。
フレーズの強さとともにライトが一本ずつ、増えていき明るくなっていく。
洋書でベースが低音を支え、ドラムで勢いをつけていく。
「 目を覚ませ 立ち上がれ
混沌の罠を 引きちぎれ 」
ドラムの連打と和音で紡ぐ音に声のせて、そのままサビへ。
ギターとヴォーカルは同じメロディを追って、そこに他の音が賑やかに加わっていく。
「 RAY 闇を切り裂いて
青く輝く 一条の光
突き進め 宇宙(そら)の彼方まで
RAY 無限の時を超えて
白く輝く 希望の光
駆けぬけろ 未来を掴むまで 」
力強くシャウト。重なる場所は一層強く響きをもってホールへ浸透する。
ギターは滑るように勢いをつけて。
途中から紙吹雪がふり、キラキラと光の粒子が降るように。
最後のフレーズを歌うと同時に宇海は彼方を指さす。
それに向かい手品で放った光の玉は一斉にその方向へ。
そして最後の一音にのせて、バックからまばゆくライトが照らし返される。
その中には拳突き上げる宇海のシルエットが浮かんでいた。
●堕姫 ルキ
「今日のラストは堕姫ルキ、事前にサプライズ宣告いただきましたー! 楽しみにしてまーす! ってことでよろしく!!」
ライトの中に立つルキは、素足にところどころ破れているような黒のゴスロリドレス。半獣化して翼を背に。
「この曲を、あたしが一番想ってる人に捧げます」
そう言って、曲が始まる。
『 その輝きは、あの日失くした‥‥私の‥‥ 』
ベースとドラムのみ、低音が響き始める。
ルキの歌声がそれに乗って。
「 爛れた夜のヴェール 揺らめく狭間に
そっと過ぎった小さな光 」
音はギターが加わり曲を転調する。
それは開放的に。
「 穢れた身には眩すぎる、それでも‥‥穢れ無き純心(かがやき)が愛しくて‥‥! 」
歌詞に合わせて仕草をいれ、手を胸に。
観客の方へ手を伸ばして、そして曲は勢いをつけて走りだしていく。
「 走り過ぎ行く光 裸足で追いかけて
虚飾・情欲のドレス 破れるのも構わずに
そして昇り行くのか? 堕ちて逝くのだろうか?
ただ‥‥今だけは、その輝きを抱き締めさせて‥‥ 」
ぎゅっと自分を抱きしめ、そして歌が終わる。
後奏も雰囲気残して、ルキは蓮がいる方を向く。
「もっと、抱き締めても良いかな‥‥? あたしの光‥‥」
その言葉と視線としっかり聞こえて見えていた前の観客からヒューヒューと煽りが入る。
そして蓮のほうもスタッフに押し出され舞台に。
なんとなぁくほのかに漂う桃色雰囲気。
二人なんとなしに手をつないで舞台をおりた。
●ライヴハウス『RogRog』
「いや、いやもういい。もうそのひゅーひゅーはいいから! ここからは二人のほらあのそのね! はいおしまい!!!」
えー、とつまらなそうな声があがるものの、最後のお仕事忘れずに。
「はいはい、それじゃ、今日も最後にばーっと、よろしくー!!!」
マイクを置いて、ホールに向けての声。
「今日のライヴの感想はあああああっ!!!!!!!」
観客から帰ってくる声は、舞台裏までしっかりと響いた。