PassionMusic:DawnPinkアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 2.2万円
参加人数 12人
サポート 0人
期間 07/19〜07/21

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「はい、それじゃ今日はここでいってみよ! 連続収録一日目、ってことであんまはりきるとあとで疲れそうだ‥‥うん、そう。もう年だから、みそ‥‥何言わす! 年齢不詳にしとけっ! そっれじゃやるぜ!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 演奏する内容にテーマはありません。曲のセレクト演出等はお任せします。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。
 今回のライヴハウスのイメージはDawnPink(ドーンピンク)です。
 東雲色、曙色とも言います。
 観客との距離は近くも無く遠くも無く、観客よりも少し高いくらいの一般的な舞台です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 グループ、ソロでの参加は問いません。
 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 助っ人でグループ掛け持ちも大丈夫です。
 演奏順も要望があれば調整しますが、ない場合は阿弥陀くじで決定されます。

●今回の参加者

 fa0124 早河恭司(21歳・♂・狼)
 fa0379 星野 宇海(26歳・♀・竜)
 fa0681 Carno(20歳・♂・鴉)
 fa0701 赤川・雷音(20歳・♂・獅子)
 fa0952 x‐cho(19歳・♂・兎)
 fa1590 七式 クロノ(24歳・♂・狼)
 fa1591 八田 光一郎(24歳・♂・虎)
 fa1592 藤宮 光海(23歳・♀・蝙蝠)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa2925 陽守 由良(24歳・♂・蝙蝠)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa3852 鳥遊光稀(22歳・♂・犬)

●リプレイ本文

●初日顔合せ
 三日連続収録の顔合わせも無事に終了。
 八田 光一郎(fa1591)、藤宮 光海(fa1592)と共に三回目の参加となるネクサスのリーダー、七式 クロノ(fa1590)はそれぞれのグループに挨拶をして回る。
「よろしく頼む、最高のライヴにしよう」
 それに頷き返すのは今回初参加、sageniteのCarno(fa0681)と赤川・雷音(fa0701)。二人もやる気は十分だ。
 そしてその傍では星野 宇海(fa0379)と美日郷 司(fa3461)がそれぞれ、早河恭司(fa0124)とx‐cho(fa0952)に声をかけていた。
「早河さんとは三回連続で一緒の仕事ですわね〜」
「だね。その縁もあってか今回は一緒にってことでよろしく」
「司もサイコさんと仲が良いですし、成功させましょうね」
「異種弦楽器三重奏か‥‥楽しみだ」
「三日全部出タイー!! って思うんだけどサスガにソレは無理だからネ」
「なら僕のかわりに出て‥‥!」
 と、x‐choの言葉に反応したのは司会の渋谷蓮で。
「引き篭りたいのに三日連続とか‥‥」
「お元気そうね。うふふ、本番はお手柔らかにね」
 宇海は蓮へとウィンク一つ、投げる。
「お手柔らかにはこちらこそ。あ、やる気でてきた」
「あ、渋谷さんお願いしたいことがあるんだけど‥‥折角三日連続だから、二日目出演に知り合いがいるし‥‥シークレット豹耳を渡してほしくって」
「おっけーそれくらいなら」
 ありがとう、と恭司が差し出した渡したいものを受け取る、その前に。
「はいはい渋谷さんはお仕事まだありますからこっちですよー、すいませんどうぞお話続けてください」
 がしっと首根っこ掴まれてスタッフの一人に蓮は、連れて行かれる。
「いや、ちょっ‥‥待って芝君、無理強い、それ無理強いだからっ」
 遠ざかってゆく声は、少々悲痛。
「あ、渡し損ねた‥‥」
「恭司パパうっかりですわね」
「パパじゃないんで!」
 すぱっと恭司は切り返すのだが、宇海はそれを笑って受け流すのだった。

●拉致バス詰込!
「今回は差し入れねーの?」
「あ、今回はないんだよねー」
 残念、と陽守 由良(fa2925)は肩を竦めた。それに明石 丹(fa2837)はちょっと肩を竦めて笑って返す。
「リバティ初参戦だからね、一昨日は名物司会者がささっと消えちゃったからそんなに話せなかったんだよね」
「連続収録お疲れ様です! って感じだね、スタッフさん達ははりきり過ぎないようにしてるみたいだけど、俺は遠慮なくテンションぶっとばしていくね!!」
 鳥遊光稀(fa3852)に同じリバティメンバーは同意して。
「巻き添え食らわしたらごめんなさいってしっかり先に謝っといたからバッチリ」
「用意がいいな、鳥遊。にしても今回は知り合いが多いな」
 と、和やかにバスに揺られて数十分。
 ライヴハウスへと、到着。

●アドリバティレイア 〜新天地〜
 舞台裏にて、それぞれ楽器を手に。
「皆とわいわい楽しくリラックスも大事だけど、しめるとこはしめないとね。モチベーション上げて最高のライヴにしよう。ああ、でもガチガチにならないようにね?」
 丹からの柔らかなプレッシャーに由良と光稀は頷く。
 由良は黒の半袖シャツにくすんだ青のダメージジーンズ、そしてアクセじゃらじゃら。
 光稀はカーキのTシャツに軽く色褪せしたジーパン、首からごつめのクロスのアクセを。
 そして丹は細身のジーンズに白のシャツの襟を少し広く開けて、シルバーアクセと右手首にはリストバンド。
 それぞれの個性を出しつつの姿で。
「トップバッターは初登場アドリバティレイア! 皆で呼ぶぞーリバティー!!」
 蓮の声と共に三人は舞台にあがる。替わって舞台を降りようとした蓮に光稀は親指立ててにこっと笑顔を向けた。
「渋谷さん、男は30からって言うヨ!」
「ぶっ」
「年齢不詳ってことは若く見えるって事だ、うん」
「僕は次の9月で三十路突入! ああそうだよ、四捨五入三十路ですよ! でも心はぴちぴち2だからっ! って僕を弄らず歌ってチョーダイ!」
 そう言い放ちつつ舞台を降りる蓮。観客はその蓮のやり取りに笑う。
 その笑いも引き、ふっと静まったライヴハウスに、芯の通った丹のベースの音。
 それに、由良のキーボード、光稀のギターも後に続く。
 そのままベース主体かと思わせて音の中心はギターとキーボードへと。
 前向きさを感じさせるような雰囲気のアップテンポ。
 そこへ丹と光稀の声を乗せる。

「 足音を数えながら
  どれくらい涙喰らい飲み込んできたかな
  言葉にはならない ただ過ぎる日々を映せば
  優しい真実ばかりじゃなくて 」

 音のリズムをそろえて強調、その調子は耳の残るもので。
 明滅するライトの中、ギターの強い音に三人声を合わせて。

「 Let’s go to the next world 」

 楽しげに音を奏でてゆく三人に観客もヒートアップ。

「 いつからか速度上げて
  遠くFLY 高くFLY 行く先は知らない
  不器用な翼で雨くぐり空つき抜ける
  始まりの衝動にかりたてられて 」

 段々と曲は明るいイメージとなり、それぞれ前を向かせるようにテンション上昇。
 丹と光稀が背中合わせでプレイも交えたり、そのまま高い気持ちを保って、音を出し切る。
 ユニゾンとハモリを上手く使って、その勢いを残して。
 全身全霊を音にこめて。

「 Let’s go to the next world
  Come on,you know‥‥new world 」

 リバティのプレイに歓声が返り、その中で三人は舞台に並んで手を繋ぎ、礼!

●sagenite 〜星の朝〜
「お次の二人は色男! ヴォーカルは甘い声、そしてその声をこの場で支えるのはエレキ! さー、堪能するといい! sagenite!!」
 夜を思わせるコバルトブルーの中、二人を照らすのは白の光。
 Carnoは白のノースリーブとスラックス、そして暁の菫色の長く大きなストールを纏う。雷音は同じく白のスラックスにオフショルダーシャツを着、日差し玉である菫色のベストを軽く羽織っていた。そしてその長い髪をゆるく編み、スパンコールで飾られた髪留めで止めて。
 Carnoはすっと斜め後ろに腕を伸ばし、指を鳴らす。それに合わせ、事前に用意していた音が流れ出す。それと同時にストールを翻して後ろを向き、一歩踏み出す。
 ライトが照らし出す中心は雷音。
 流れ出した音はスティックで刻まれるリズム。そこに雷音のギターが重なる。
 それはゆっくりとした小さな音。次第にテンポは上がり、流れていく。
 段々と変わるライトの色が、二人の白い服に映り。
 Carnoもまた、観客の方に向き、スタンドマイクに手を添える。
 そしてその甘い歌声を、響かせ始める。

「 ネオンが伝える天気予報
  晴れのサイン見て星が視たいと
  夜明色のルージュがねだるから
  背中に君を感じて
  僕はバイクを走らせてる

  星空の通り雨に濡れて
  月明かりの下で艶やかに薫
  胸のリズム一つ速くしてる 」

 テンポは早く、踊りだしたくなるようなそんな雰囲気。
 ギターの音は、空を見つめる恋人達へをイメージして。
 Carnoは雷音の傍に行き、ギターを弾く彼に絡む。
 と、間奏の合間に、言葉を観客に。
「 Dance by the down−starlight!」
 その言葉とともに、雷音の髪を束ねていた髪留めを外す。スパンコールもはずれ、きらきらとライトを反射しながら落ちるスパンコールに、観客から綺麗と溜息。

「 見下ろすビルの群れを縫うように
  朝焼けの光が射すまで
  星空の下で二人踊り明かす
  柔らかな熱が夜の闇追い詰めて
  この空がルージュの色に染まるまで

  ここから始まるstory
  君の思いのままに
  夜明けのルージュ僕にうつして踊ろう
  想いのままに 」

 照明の色は、いつの間にか淡い菫色へと変わっている。
 そんな中で、歌が終っても続く演奏。
 そのまま余韻を残して、音はフェードアウトしていった。
 そしてそれとは反対に、観客からの声は盛大に。

●BLUE‐M 〜雛〜
 白のタンクトップに白の上着を半脱ぎで肩をだし、前髪の一筋だけカラーワックスでワインレッドメッシュに染めたx‐cho。
 落ち着いた色のシャツに白のスーツをあわせた恭司。
 白い袖無しシャツと白のスラックス、髪を後ろで纏めた司。
「三人集まるとホストクラブですわ」
 宇海の言葉はまったくもってその通りだった。
「さーBLUE‐Mの登場だよ! 二回目の今回は‥‥謎めいたギタリストと、蜜月のパパさんとゆーすっばらしいゲストを含めて! じゃー登場お願いしよー!!」
「‥‥なんでまたパパ」
「うふふ、さぁ参りましょう」
 にっこり笑顔の宇海を筆頭に舞台へ。
 暗い藍色の舞台に、司のヴァイオリンの音が静かにゆったりと響く。それは夜明け前の静寂。
 そこへ恭司のベースとx‐choのギターが重なりテンポは上がっていく。

「 藍色の空は 朝焼けのグラデーション
  私の肌を染める 東雲色
  貴方の髪も染まる 淡い光
  変わらない
  一番好きな場所 かけがえのない時間

  永遠になることを望んで
  (あり得ないと知っていても)
  永遠になることを恐れて 
  (あり得ないと分っていても) 」

 藍色から紫色へと変化するライトの中、軽快なギターにベースがアクセントを与え、ヴァイオリンは随所に。
 宇海は裸足で白い、ふわりとしたロングワンピースの裾を翻しながら、その声を響かせる。
 コーラスは追いかけるように、加わって。
 そして少しテンポダウン。そしてライトの変化は東雲色へ。

「 貴方の腕の中 うずくまる雛のように
  ただ温もり求めて 私は微睡む 」

 独特な抑揚とスタッカートを効かせて、そこからまた歌は続いていく。

「 巣立ちなんて出来なくて良い
  このまま朽ちても良い
  突き落とさないで!
  死んでしまうから! 」

 黄橙のライトの中で激しく狂おしく、情熱的に。
 歌は止まり、宇海は身体を引いて、演奏する彼らを引き立たせる。
 ギターとヴァイオリンの音が激しく絡むがそれはベースのリズムで心地よい安定感。
 ヴァイオリン、ギター、ベースとソロパートが入り異種弦楽器三重奏は華やかに。
 そしてふっとめまぐるしく回っていたライトは真っ白になる。
 再び歌声が、響く。
 ベースのリズムのみ、緩やかに。
 そしてヴァイオリンの音も加わって。

「 暖かい胸の中 うずくまる私のように
  ただ愛だけを求めて 雛は微睡む 」

 柔らかい黄みがかった光の中、宇海は目を瞑りながら天井を仰ぎ、その声を伸ばした。

●ネクサス 〜Rising Sun beginning color〜
「さぁ、今日もフルパワーで行くぜ!」
「OK、楽しんでいこうぜ」
 いつもよりもテンション高くそわそわする光一郎。光海はそんな彼をいぶかしんでいた。
「コウ、何か企んでない?」
「え、そんなことないない」
「ま、いいわ。私達は何時も通り最高のプレイを届ける、でしょ? クロノ」
「ああ、もちろんだ」
 舞台裏で心を一つにまとめて、そして舞台からお呼びがかかる。
「今日のライヴハウスは綺麗色ドーンピンク! この番組出演三回目! さー盛大に呼ぼうぜ、ネクサス!!」
 舞台に上がってまず観客の耳をひきつけるのはクロノの、スローテンポなリフ。
 その音が止み一瞬の間、そして一気に加速、パワフルな音がライヴハウスを駆け巡る。
 それに乗せて響くのはクロノと光一郎の歌声。

「 夜明け前に部屋を抜け出して
  吸い込まれそうな夜空を見上げてた
  つまずいたままの夢を抱えた様な
  鈍い光の星に手を伸ばしてみた
  届きそうで届かない光が重くのしかかり
  吸い込まれそうだったた夜空は
  全てを吐き出だして空っぽに見えた 」

 そして三人の声を重ねて。

「 だけど諦めない また立ち上がる
  絶対に朝は来る 光が空を染める
  始まりを告げる 色の空に変わる

  そしてボクに呪文をかける 」
「 『ゼンブワスレチマエヨ』 」

 光一郎の声だけが響いて。
 また三人の声を重ねあう。
 全身全霊全てをかけて、テンポを崩さず気持ちよくその音は響いていた。

「 Rising Sun お前の輝きが
  この空を始まりの色に染める
  熱い命生まれる鼓動理想高く強く願うよ
  ここが新しいスタートラインだから
  Rising Sun お前の輝きで
  世界が始まりの色に染まる
  ゼロからの道を照らし出す一瞬の色が
  ボクを包む新たな旅立ち 」

 最後は全ての音も動きもビシっと止め、ラストを決める。
 一瞬の間の後に観客から帰って来る声。
「サンキュー、皆」
「Thank you for all、また会おうぜ」
 観客に手を振る光海とピックを投げるクロノ。二人がそうしている間に光一郎は舞台を降りて、手に赤い薔薇の花束を持って帰ってくる。
「はいはい、皆注目ー! 20日は光海嬢のお誕生日で一日遅れだけど!」
 蓮もしっかり出てきてせーの、と観客に振る。
「Happy Birthday! 光海!」
「これを隠してたのね‥‥」
 光一郎から花束を渡され、そしてクロノはバースデーソングを弾き始める。
 盛大に、一日遅れだが光海の誕生日は祝われたのだった。

●ライヴハウス『DOOR』
「おっつー、一日目ー僕は明日もー。まー、その疲れはスゲーイイ音が吹っ飛ばしてくれるだろうからいっかな。えー明日の場所ー? 内緒、内緒に決まってるだろー」
 観客とシメの会話をする蓮。それもそこそこに、最後のお決まりの質問。
「はーい、それじゃー答えていただきましょー」
 いつものように、マイクを外して精一杯の声で。
「一日目の収録はどーだったよお前らーーーー!!!!」
 それに返ってくるのは盛大な歓声だった。