PassionMusic+アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
8.2万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/03〜08/07
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●本文
「ちょ、なんでファッションショーよ」
「面白そうだし」
「待て、待てその前に、Passionは音楽番組だ」
「じゃあ水着で歌えばいい。でも中心は水着ショーだ。つーかパションの延長線上?」
番組スタッフとの打ち合わせ。
渋谷蓮はぽかーんとアホみたいな表情だった。
音楽番組でファッションショー。それは確かに出ている一案だ。
だがこのタイミングですることはないだろうと思わずにいられない。
「ほら、シブの肉体美を世の中に晒して‥‥」
「鍛えてるけど真っ白でがりがりだから嫌」
「司会はお前しかいない」
「着ないよ」
「着ろよ」
「着ない」
「着ろ」
「着ない」
「着ろ」
「‥‥‥‥ヤダ」
暫くの沈黙の後、番組スタッフはにぃっこりと笑顔を浮かべた。
「じゃあその辺のすり合わせは当日まで時間があるからみっちりするとして」
「うわー‥‥」
「もうプールも借りちゃったし、やるからな」
ということで。
今回は音楽はおまけー、水着ファッションショーなPssionMusicなのでした。
以下内容色々。
今回は全員で一曲、ラストにしていただきます。足りない音についてはバックバンドがカヴァーします。
楽器はプールの上なので防水加工されたものを用意しますが、どうしても愛楽器じゃないと嫌、という方は十分気をつけてください。
場所はとあるプールをかりて。
競泳用の25メートルプールに長さ20メートル、幅5メートルの舞台を一本用意。
そこを歩いていただき、端っこでパフォーマンスして帰ってきていただきます。
なお、プールに飛び込むというパフォーマンスはファッションショー中は禁止。
今回、一般のお客さんを入れての収録です。
スタッフ、出演者が待機することになる場所はプールの一角に幕を張り、ちゃんと見えないようになってます。そこから舞台へと出入りです。
プールを囲んでの三方はお客さんがびーっちり入っております。
水着については自前と、番組が用意したものとあります。
番組で用意の物についてはどんなのが良いか、お知らせください。
収録後、舞台は解体されます。解体された後はプールで遊んでも良いそうです。
●リプレイ本文
●初日の顔合わせはドッキドキ
PassionMusic+、その打ち合わせは艶やかで、男性陣は終始ご機嫌。
冬織(fa2993)は癒し系、羽曳野ハツ子(fa1032)は眼鏡美人。
世界レベルで知られる愛瀬りな(fa0244)の登場には夢かと頬を抓る者も出たり。
そして音楽番組根性で、門屋・嬢(fa1443)の音楽への姿勢を知っているものはそれを楽しみにし。
大勢に見せるって理由で水着着るんは初めてやから、ちょっと緊張するな、と話す敷島ポーレット(fa3611)の持つ雰囲気に癒されたり。
日米ハーフの真紅(fa2153)のぽってりした唇と濡れた瞳に漂う色香にくらりとするスタッフも有り。
そして未来館の三月姫 千紗(fa1396)とライカ・タイレル(fa1747)が並んで目を奪われたり。
スタッフは色んな意味で忙しかった。
「女の子がいっぱいだと‥‥本当にいいね、芝君‥‥」
「そうですねー、だから水着」
「それはイヤ」
全員で挨拶も終わり、いまだ水着を着る着ないの攻防を続けている渋谷蓮の元にやってきたのはりなだった。
「はじめまして、愛瀬りなと申します」
ぺこりと礼、輝く笑顔が向けられる。
「PassionMusic、拝見しておりますよー! いつか出演させていただきたい! と思っておりました。ですので今回、出演できて凄く嬉しいです! 皆様、蓮さん、よろしくお願いいたします♪」
「こちらこそこちらこそこちらこそ」
ひれ伏す勢いの蓮はちょっと挙動不審気味。それをスタッフがうまく手綱を握って抑える。
りなはそんな様子もにこにこと見守り、ふと思った言葉を口にする。
「‥‥蓮さんの水着姿も楽しみですね」
「うっ‥‥」
「渋谷殿が水着を嫌がっておると耳にしたのじゃがうら若き娘らに肌を顕にさせ、己は否とは――申さぬよのう?」
と、一連のやり取りを聞いていた冬織は、蓮の背後、木刀片手ににっこり笑う。
「そ、そう言われたら、そう言われたら、そして木刀なんか見せられたらっ‥‥着るしかないじゃないかあああ!!!」
叫びながらその場から逃げる蓮。その場に残されたスタッフ芝はひそりと蓮が水着を着ることになり感謝するのだった。
●水着ショーの幕が開く
「待って、このTシャツは勘弁して本当に、脱がせないで、貧相な身体だから」
会場からの脱げ発言に、最後の砦とばかりに着たスタッフTシャツを蓮は苦笑しながら握る。
そして、まっすぐ観客に向かって今日これから行われることをちらっと話す。
「いらっしゃいませプールへようこそ! 今日は目の保養日和! 趣向も色々、水着も色々、女の子8人による華やかなショーの開幕! ショーのあとは歌ってもくれちゃうよー、PassionMusicだからね! ではトップバッターのご紹介いってみよう!」
水着をまとった彼女達が歩くのは20Mの長い長い花道。簡易設営のわりにプールに伸びるそれはしっかりとしていた。
「身長171�p、誕生日は4月8日、はい、ボンキュボンです。死語とかそこ言わない! 最初のこの舞台を歩くのは、音楽に真摯な作曲家、門屋嬢!」
嬢の目の前、薄布一枚がさっとサイドに分かれて開く。そこから先には煌くプールの水と一本の白い花道。
にこやかな笑顔で一歩ずつ、進んでいく。
金地に黒ラインの豹柄のビキニ。薄い布地のロングパレオを腰に巻いて。
パレオがひらひらと歩くたびに揺れる。
そして歩ききった舞台の端、一番観客と近くなる距離。
嬢は少し前にかがんで、自分の谷間を強調する。そして投げキッスをしてその場でターン一つ。ふわりと、パレオの裾が広がった。
「くぅー、ちょ、正面の奴ら羨ましいんだよ! 嬢さんおっ疲れ様ー。さーて、次は、二人で登場! 誕生日がバレンタインデーの二人、身長148�pの三月姫千紗と170�pのライカ・タイレル! 僕的に良いコンビ‥‥コンビってお笑いみたいだな。良いユニットだと思ってます!」
嬢と交代して出てくる二人の姿は海賊風。
千紗はシンプルなワンピース水着の上によく船員が着ている白のシャツ風の上着を羽織って登場。頭には海賊船長の帽子がちょこん。
ライカは黒のタンキニ水着。ちらりと臍も見えたり見えなかったり。海賊風バンダナを巻いてカトラス風デザインのペンダントを首から揺らす。そしてガーゼ地の透ける白の半袖シャツを上に羽織って。
二人仲良く笑顔で先端まで。
「皆! 海は好き? 夏は好き? 水着のお姉さんは好きですか?」
千紗は観客に向かって手を振りながら言う。そしてその横でライカもにっこりと。
「なけなしのフェロモン全開で頑張ってます」
観客からは同意と応援の声が二人に届く。そしてナチュラルにライカの発言を和やかにスルーしようとしていた観客にライカは自分から踏み込み、頑張る。
「ボケたのに突っ込んでくれないなんて表に出ろ! 勝負だぁ!」
一歩踏み込んで観客に突っかかろうとするライカを、千紗は抑える。
そしてターンして来た道を。
「僕も水着のおねーさんは好き。ってフェロモンって頑張らなくても全開やん! 僕がツッコンだから落ち着いてねライカ嬢! お次は身長178�p、11月14日生まれの日米ハーフ、真紅!」
ウォーキングはモデルの基本中の基本。美しい姿勢を保って、真紅は歩く。
黒のワンピース水着、なのだけれどもよく見るとウェストはネット地。
肩でなく首で支えるハイネックタイプ。襟から胸元の丸いカット部分までファスナーが走る。
黒、肌が透けて見える黒、肌の色と、三色のイメージを見るものは受ける。
観客から一番近い所、そこで真紅は手拍子を求める。本当は最近習っているポールダンシングをやりたい所なのだけれども柱も無く。
手拍子に合わせて学生時代にやっていたチアダンスを披露。
それはだいたい3曲分くらいの長さ、体力を持たせつつ、踊った。
「チアダンスお疲れ様ー! いいものをみた‥‥うん‥‥それでは次にご登場願うは、身長167�p、って僕と同じだ。12月12日生まれの冬織!!」
紹介と共に静々と、冬織はスタッフに用意してもらった祓串を捧げ持って厳かに歩む。
水着のコンセプトは巫女。
白のカシュクール風セパレート水着に、緋色の総レースロングパレオ。
透けるパレオでちょっとしたチラリズム。
先まで歩ききり、姿勢を正す。そして即興の旋律にのせて祝詞を、歌う。
その声は、朗々と響いた。
「祝詞を歌にしちゃうなんて発想が斬新、お疲れ様でしたっ! 5番目に登場するのは身長164�p、3月3日のひな祭り生まれ、敷島ポーレット!」
少し緊張しつつ、一歩踏み出す。
白のワンピースタイプの水着には薄い金色で魔方陣のような幾何学模様が描かれ、それがきらきらと輝く。
その模様に沿って腹部のあたりがカットもされていた。
水着と同じような模様の浮き輪を持って、ポーレットは歩く。腕で回したり軽く投げたりと新体操のように。
そして歩ききた舞台の先、クルリと一回転ターン。とん、と舞台に手を着いてゆっくりとバク転一つ。その瞬間、観客が驚きの声を上げる。ポーレットはにっこりと、そんな観客達に笑顔を向けた。
「バク転いいな‥‥僕もできるようになろうそのうち。 さって、あと残るは2人! お先に登場するのは172�p、12月31日生まれ、自称千の趣味を持つ女、羽曳野ハツ子!」
コールと共に颯爽と。
シンプルな白いビキニにひまわり柄のロングパレオ、頭にはサングラスをちょこんと乗せ、艶然と微笑みながらハツ子は舞台端まで進む。
そしてたどり着いた先、ぱーっと勢い良くパレオを脱ぎ捨ててウィンク一つ。
定番のビキニをスタンダードな演出で。けれども落ち着いたオトナの魅力と健康的セクシーさは失わず。
脱ぎ捨てたパレオをひらひらと靡かせながらハツ子は白い舞台を帰ってゆく。
「ハツ子嬢お疲れ様! さてラストは‥‥身長168�p、11月5日生まれ、世界的にも知られている人の登場だ!! 愛瀬りな!」
視線が集まる中、りなはニコニコと楽しそうにステージの先端へと向かって歩く。
着ている三角ビキニは光に当たるとやや光るラメ入りの黒。
胸の中央にはフワっとしたリボンがあり、それは紐と同じパッションピンク。
下も同じ生地で股上は浅目、腰の右側にだけリボンがある。
一歩進むたびに左足首のピンク色のビーズアンクレットが弾む。
舞台端、その中央でくるっと一回転、と同時に表情は艶やかに変化。その視線は観客を挑発するように、決めポーズも体の曲線を意識して。
観客を一周見回し、そしてまたりなはくるっと回る。すると雰囲気は変わって元通り。ウィンクひとつ投げて、りなはまた楽しそうに歩き、戻るのだった。
●Midsummer Mermaid
誰もいない舞台に、全員の声が、響く。
「 届いてるかしら Can you hear me in a silence?
言葉にならない胸の想い
空と海の境界線の狭間で 恋の微熱クラクラ
め・ま・いに泳ぐ Midsummer Mermaid 」
間奏の合間、最初に出てきたのはハツ子とポーレット。
進みながら音に声をのせる。
「 照りつける灼熱の太陽 カラカラになりそうだった
退屈で乾燥した心 まるで陸にうちあげられた人魚 」
続いて真紅と嬢。
「 昨日までのブルーな日々を 果てなく続く蒼に溶かして
優しく潤してくれた貴方の 微笑は魔女の魔法も叶わない 」
そして、もちろんライカと千紗は一緒に
「 歩くたびに 嬉しそうに歌う白い砂の上で
手を繋ぎダンスを踊りましょ 」
最後の登場は、りなと冬織。
「 貴方に出逢えた奇蹟 ステップの軌跡に残すわ
きっとそれが 私の生まれてきた意味 」
アップテンポなポップス調の曲に、思い思い、身体をリズムに乗せて歌う8人。
「 胸の奥知らず燻ってた情熱 溢れ出して止まらないの
この夏は いつもと違うでしょう 」
ハツ子、ポーレット、ライカ、千紗の声で。
「 貴方との未来(あす)が無ければ 泡になって消えるわ
だって恋の呪いにかかってしまったから 」
真紅、嬢、りな、冬織の声で。
そして最後は、想いをしっかり込めて全員の歌声で。
「 届いてるかしら Can you hear me in a silence?
言葉にならない胸の想い
空と海の境界線の狭間で 恋の微熱クラクラ
め・ま・いに泳ぐ Midsummer Mermaid 」
プールに響く声はそれぞれ補い合って支えあって、響きを増していた。
観客はその歌声に拍手と歓声を、返した。
●無事に終って
収録は無事に終わり、プールから舞台が撤去される。
遊んでいい、ということでもちろん、張り切るもの多々。
「う〜ん、絶好のプール日和ね。とっても良い天気!」
ハツ子はジュースすすりつつ、プールサイドから、元気なのが一番と思いながら戯れる子たちを笑顔で見守る。
「ハツ子嬢おっつかれさま〜」
「お疲れ様、音楽は専門じゃなかったけど‥‥こうゆうショーならなんとかなるかも。また秋口にでもやりましょうよ」
「うん、きっとするする」
ハツ子に笑って蓮は答える。
「あ、そうだ。日焼け止め塗っとかないと、ここ結構焼けるよ。プール入るとなると流れちゃうからアレだけど」
「そう、日焼け止めは大切。しっかり塗りましょう」
と、横からライカも同意。ライカが日焼け止めの必要性を説く傍ら、きょろきょろしうつ真紅はやって来る。
「パパの国ニッポン! ここは人が少なくていいわね。仕事も終ったし羽伸ばして‥‥滑り台はないの?」
「残念ながらないね、滑り台」
「そう‥‥じゃあしょうがないわ。MCさんも一緒に遊びましょ!」
「そうじゃな、先にプールで遊んである人魚達を捕らえてみせい」
楽しげな冬織の声とともに、背中に衝撃。
派手に蓮は水音たてて、プールの中へ。
「ちょ、酷っ、鬼!!」
その言葉に冬織がにっこりと笑うと、蓮は押し黙り、ばしゃばしゃと泳いで、逃げた。
「あはは、あんまり渋谷さんをいじめちゃダメよ」
「イジメではなくて、スキンシップじゃ」
苦笑するハツ子に冬織は笑って答えた。
「あ、渋谷さーん」
と、呼ばれた先ではりなが浮き輪装着、ポーレット、千紗、嬢たちと水の掛け合いをして遊んでいた。
「えい」
「ぶふ」
容赦なく顔面に向かっての一撃を受け、こちらも手は抜かないと本気。
「なんだか夏満喫って感じだね!」
千紗への答えは言葉でなく水。
水の掛け合いに疲れてくると、今度は新しい遊びを見つける。
「一人渦作製」
「ちょ、どうせなら皆でやろうよ!」
嬢が作った渦中心に、他のメンバーも段々加わって同じ方向に歩いていく。ぱっと見、ちょっと妖しい。
「楽しいですねっ!」
「渦だから!」
無心のままに続けられたそれは、いつの間にやら大きくなり、中々抜け出せない渦となっていった。
スタッフから完全撤収の声がかかっても、そこから抜け出すことは容易では、なかったのだった。