ロクナビ!!:PSFverアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 6.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/15〜09/18

●本文

「芸能人運動会に即して番組を作る」
「まともなので採用します」
「うん、それぞれ応援衣装とか、運動会の服装をまとって音楽について熱く語り合うんだよ、もちろん赤白に分かれて」
「はぁ、まぁいいんじゃないですか?」
 珍しく真っ当な上司の言葉に平木カオルは生返事。
 今回は上司が全部やってくれそうだなぁ、と暢気に構えていた。
「で、それを誰か判定する人を呼んできて勝ち負けを決める! 勝利組にはイカ一年分!」
「待て、それはおかしい。その判定は主観だし、文句もでると思うのでやめたほうがいいと思います。イカ一年分はもってのほかです」
「できるだろう」
「できません」
 しばしのにらみ合い。
「‥‥大枠決まったので僕が他には全部通しておきます。あんたはイカ刺しでも食べててください」
「わかった!」
 イカで一瞬にして忘れるのか、と思いつつカオルは番組の内容を形にしていく。
「‥‥なんだかこれって壮行会みたいだなぁ‥‥もう、今回色々弄っちゃおう‥‥音楽は絡めてほしいけど、運動会メインでよさそう‥‥」
「何か問題発生か平木?」
「とっても順調です」

『ロクナビ!!』
 この番組はロック中心音楽番組なのだが歌うことのない番組だ。
 毎回出されるテーマについてトークをするのだ。

 テーマは毎回、『音』と、『何か』
 今回のその『何か』は芸能人運動会にのっとって『運動会』
 運動会の思い出話、また今回の運動会に対する意気込みなど、色々な事が話題になるだろう。
 そして今回はもう一つ見所が。
 それは芸能人たちの応援ルックや参戦ルックを、今回は披露してもらうことにもなっている。

 テーマに関してどのような話をするのか、それはお任せ。
 どんな話をしてくれるのか、楽しみである。

●今回の参加者

 fa0073 藤野リラ(21歳・♀・猫)
 fa0079 藤野羽月(21歳・♂・狼)
 fa0304 稲馬・千尋(22歳・♀・兎)
 fa1359 星野・巽(23歳・♂・竜)
 fa1478 諫早 清見(20歳・♂・狼)
 fa1814 アイリーン(18歳・♀・ハムスター)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)

●リプレイ本文

●それぞれの衣装
 OPと共に今日の出演者入場。
 一番手は白いバトンを握って元気に諫早 清見(fa1478)が登場。今年が高校の体操服を着るのが最後、ということで自分の通う高校と似たものを用意。左胸には『諫早』と苗字を刺繍。下は濃青の短パン。靴は黒地に白のラインがすっと入る。そして白い鉢巻、手首には綺麗な青のヘンプ素材のブレスレット。駆け足気味に出てきてターン一つを華麗に決める。
 次は星野・巽(fa1359)だ。ウィンドブレーカーシャツの色は白色。サイドには稲妻のような切替模様が黒とチャコールで入る。パンツにも黒ラインがサイドに。巽はウィンドブレーカーを歩きながら脱ぎ肩に担ぐ。インナーはぴったりした黒のノースリーブシャツで胸元に白い星模様とロゴ。そしてサイドに白の切替ライン。
 指定位置にたどり着くと黒のランニングシューズを履いた足で華麗にターン。
 次は応援団衣装をまとうメンバー。
 白の短ラン姿で登場したのは藤野羽月(fa0079)。袖口や首の辺りにはシンプルに金のライン一本。革靴、手袋、鉢巻、そして腕章も白。腕章には藤の華と三日月をあわせた刺繍が。
 羽月は立ち居地で姿勢を正し、右手を挙げ応援構えのポーズを。
「aeien、藤野羽月。白組の勝利を願って!」
 そして礼。颯爽と背を見せるように回転し、もう一礼。
 羽月の次は藤野リラ(fa0073)の登場。こちらは本人憧れの黒長ラン、そして赤鉢巻、襷に革靴、白手袋と腕章。腕章にはライラックの刺繍がされている。長い髪はポニーテールにし、前髪もあげてオールバック風。
「aeien、藤野リラ、赤組の健闘を祈って!」
 長ランの裏地は赤、それを見せるようにくるりと回り、手を振り上げてポーズを。
 そして応援団衣装最後の一人は椿(fa2495)。床まで届くほどの白鉢巻をキリリと締め、金釦の黒長ランに白襷、足元は下駄。
 指定位置ではくるっとターンを。長ランの裏地に描かれた白竜と大王烏賊がちらっと見える。
 そして最後にチアリーダーズの登場。
 稲馬・千尋(fa0304)のトランペットの音と共にアイリーン(fa1814)とTyrantess(fa3596)が登場。
 千尋はマーチングバンド風の衣装で帽子とシャツは白、黒のベストは首周りが開きボタンではなく紐で前を留めるタイプのものだ。
 アイリーンとTyrantessは赤組ということでやはり赤を基調に。
 赤のチアリーダー衣装に好きな色のオレンジの太いラインが斜めに入り、金のラメも入っているのがアイリーン。くるっとまわってカメラに向かって投げキッスのサービス。
 Tyrantessはアクセントとして金と銀の入ったチューブトップにホットパンツを合わせる。
 そして今回の出演者が全員登場したことで集合。
 前列には赤組メンバー、Tyrantess、アイリーン、リラ。
 後列には白組メンバー、椿、清見、千尋、羽月、そして巽。
 全員そろって集合写真のようにポーズをばっちりと決めた。

●運動会を思い出す‥‥
 全員セットに着席、一人ずつの自己紹介も終わってトークスタート。
「運動会の思い出って言われても、俺はアメリカ育ちだしな。向こうには、日本みたいな運動会ってねえんだよ」
 と、最初にTyrantess。そこにアイリーンが相槌を打つ。
「私もイギリスにいたことあるからわかるわ。運動会は自由参加、グラウンドでやるイベントってノリの学校もあるし、だから最初に知った時はビックリしたわよ」
「学校にもよるみたいだけど、俺のとこだと、グラウンドを延々と歩くような変なのはあったな。自由参加だったし、かったりーんで出なかったけどよ」
「歩くだけ‥‥行進とかじゃなくて?」
「そう、掛け値なしに歩くだけだぜ? 何が楽しいんだよ? と思った」
 Tyrantessはその頃をふと思い出し苦笑。
「運動会、と言うと、高校の借物競争思い出すかな」
 羽月は言い、リラを見る。
「時々奇妙な借り物に当たるのだが、その時は『貴方の一番大事なものを持ってきて下さい』と書いてあり、どうしようか考えた末に、リラを呼び、手を繋いで走った記憶が」
「そんなこともありましたね」
「‥‥最後、クラスの皆にひやかされた事も良い思い出だろうか」
 昔を思い出して笑いあう羽月とリラ。その様子を見て回りははやす。
「お二人サンはアツアツだネ!」
「そうね! リラさんは羽月さんとは別の思い出?」
「私は30人31脚です。高3の運動会で記念にやったクラス対抗競技。50m完走が凄く遠くて。それでも練習では何度か完走してたのに本番でまさかの失敗。凄く悔しかったけど悲しくはなかったかな‥‥」
「おお、色々あるんだネ! 俺の思い出はやっぱお弁当!! ミンナで青空の下食べると格別ってゆーか、普段の何倍も入るヨネ♪ タコさんウィンナーとかおにぎりに‥‥」
 食べ物想像がエンドレスな椿。一区切りとみてリラは言葉を続ける。
「30人31脚の、1・2の掛け声が30人でぴたりと合った瞬間。あれは1つの音楽だなと思うのです。全く違う筈の30人のリズムが1つになって風を切る。初めて完走した時、鳥肌が立ちました。初めてセッションが成功した、みたいな‥‥私にとってはあの掛け声と足音は運動会を思い出す音楽です」
「運動会を思い出す音楽‥‥俺は運動会の思い出と同じです」
 巽はリラの言葉を受けて思い出す。
「俺の場合はフォークダンスの音楽です‥‥小学校〜中学にかけて大抵『女役』だったので‥‥好きじゃないんですよね‥‥あれは。今みたいに背が高くなかったですし、仕事で少女服のモデルをしたせいもあって。女役が足りなくなると何故か必ずお鉢が回って来るという‥‥」
「俺はよく女装してるー! 音楽といえばアレだネ! H.Neckeの『クシコス・ポスト』とOffenbachの『天国と地獄』! この二曲聞くと思わず走らなきゃいけない気が‥‥で、『オクラホマ・ミクサー』とか‥‥踊りたい子の直前で終わるんだヨネ」
 トホホと涙しつつ椿は言う。
「『天国と地獄』か‥‥あの音楽を聞くと、全力疾走をした事を思い出す。白頑張れ、赤頑張れという実行委員のアナウンスつきで思い出される辺り、ある意味で重症かもしれんが」
 羽月はそう言って苦笑する。そして清見は自分もと挙手、話し始める。
「『クシコス・ポスト』聴いて運動会の記憶がよみがえるって言うのは、俺の場合『ソーラン節』なんだよね」
 と、意外な曲登場に皆興味津々。清見は言葉を続ける。
「単純に小学校低学年の創作ダンスというかお遊戯という‥‥そんなのでやったんだけど『ソーラン節』じゃなくっても、その時に使ってたリズムの和太鼓聞くと思い出す事あるよ。ただ曲を聴きながら走ったことより、リズムに合わせて体を動かして何度も練習したから余計覚えてるんだろうな」
「体育会系だな‥‥」
「そう思う。他にも運動会といえばって曲あるのかな?」
「『道化師のギャロップ』『トランペット吹きの休日』『剣の舞』かしらね。最近のHIT曲が流れるより、私はこっちの方が好きだわ」
 と、つらつらと曲名を挙げて、千尋はトランペットで曲を少しずつ吹く。
「全体的にテンポ早くて忙しい曲ばかりよね。運動会の競技は大抵走るのが多いから、そんな感じの曲が良く使われるんだと思うんだけど『見よ、勇者は帰りぬ』も表彰式で流れるから印象深いわ‥‥でも最近調べるまで、剣の舞以外曲名知らなかったのよ。曲を聴けば『あー』って納得出来る人はいても、曲名がパッと出る人は少ないでしょうね」
 先ほど吹かなかった『見よ、勇者は帰りぬ』を千尋は演奏。するとやっぱり『あー』の声が起こる。
 そして羽月はまだあるぞ、と言う。
「『禁じられた遊び』も忘れられないな。これを聞くと運動会の後片付けを‥‥準備の時にもかかっていた事があるので、これを聞けば準備や片付けの時を思い出し『もうじき運動会だな』と思い馳せたりもする」
「私は、うーん‥‥行進曲、かな。ほら、日本の運動会って入場行進するじゃない。徒競走なんかで流行りのロックやポップソングをBGMにするのはあるけど、あんな風に事前に練習して、ぴしっと足並みそろえた行進はあまり知らないかな」
 最後にアイリーンが曲についてを話し、にこりと明るい笑顔を浮かべた。

●運動会の競技
 あったら面白い競技は何か、そんな話になる。
「いっそ、運動会丸ごとリレーとかどうだ? 競うようなやつは全部リレー方式でさ」
 Tyrantessの言葉に、どんな感じと問いが返る。
「100メートルやって、障害物競走、大玉転がし、最後にムカデ競争、とか。玉入れも20個入れたらクリアとかにすれば、大抵の競技は入るんじゃねえ?」
 変則的なルール付与で運動会丸ごとリレー、それも面白そうだった。
「リレーかぁ‥‥部活の対抗リレーで、演劇部だったか? アンカーが花嫁さんお姫様だっこでゴールして、ビリだったんだけどなかなか見ごたえあったんだ。リレーのバトンが『人』って大変そうだけど面白いかも」
 清見はその時の事を思い出してちょっと噴出す。
 と、千尋もこんなのはどう、と切り出す。
「パン食い競争があるなら、ご飯食い競争とか麺食い競争があってもいいじゃないとか考えてたわね。ご飯食い競争も麺食い競争も熱々の物用意すると良い障害になりそうよね。ちなみにタイムロスになるけど、おかずやトッピング、おかわりも要求出来ます」
「あっ、それスゴク良いカモ! タイムロスでいいからおかわりシタイ! おいしいゴハンお願いシマース!」
「椿さんが張り切る姿が目に浮かびますね」
「そうですね、幸せそうに食べてそう。あ、折角だから一つ質問。歌のモチーフにしたい競技、ってありますか? 私なら借物競争。眼鏡ってでて好きな子に借りたいけど借りる勇気が無いとか、そんな歌。実話ではないです」
 にこっと笑ってリラは言う。そしてこの問いに続いたのは椿。
「俺は‥‥百足競争トカ。協力しないと進めないカラ、ハーモニー重視の曲‥‥なんだケド、途中で躓いて不協和音入れたり! ドラムでリズム取ってWギターとかイイカナ♪ リラさんの楽器はー?」
「うーん、借物みたいにころころメイン楽器を変えて‥‥騒々しくなりそうかな。競技ではないけどアナウンスもモチーフにできそう」
 少し考えて、リラは答える。そして、皆は、と話を投げる。
「俺は‥‥面白そうだと思うのは『玉入れ』かな? 青空に向かって数色の玉が登っていく感じで好きなんです。真下から見ていると空に吸い込まれるみたいで。それがまた落ちてくる‥‥リズムがあって良いなぁと思います。楽器にするなら‥‥木琴とか太鼓かな? リズム楽器が似合いそうですね」
 と、Tyrantessも話に加わる。
「やっぱり勇壮で動きのある競技、騎馬戦とか、棒倒しとか。綱引きとか組体操みたいに動きの少ないのは、多分俺の音には向かないからな」
「確かに、表現する人によって向き不向きがあるよな」
 清見はTyrantessの言葉に頷いた。
「あとは、最終競技で代表によるリレーとか。最後の勝負で、その上代表。緊張感すごいだろ、多分。その辺をうまく表現できれば、とは思うんだけどよ」
「皆さん色々考えてらっしゃるんですね、お勉強になるわ」
 と、まだまだ話は続いていくのだった。

●意気込み!
 最後に話題に出たのはPSF出場への意気込みだ。
「AoSでは赤組、逆転負けしちゃったし、今回こそはって感じかな」
「赤組には負けないヨ! 勿論今回も白組勝利で! ケド楽しんで、そして見てるファンに楽しんで貰うのも忘れちゃダネだよネ」
「そうね、今の格好はチアリーダーだけど、コレはと思う競技があったらアスリートにチェンジして精一杯頑張るつもりよ♪」
 気力も体力も十分というようにアイリーンは言う。
「体動かすのが気持ちいい季節、リズムにのったらもっと楽しくなるよな、PSFも盛り上げてこう!」
 えいえいおー、というように清見は動作取りつつ溌剌と言う。
「私も途中で倒れて救護班の手を借りない程度に頑張ろうかなと」
 千尋も参戦意思有り。でも‥‥と言葉は続く。
「‥‥でも偉い人の長い話とかあったら、貧血で倒れる人も出てくるかもね」
「あー、それは勘弁してほしい!」
 千尋の発言に皆笑う。
 行事での長話はどこでも嫌がられるものだった。

●収録終わって‥‥
「お疲れ様でした、色々と聞けて僕も有意義でした」
 収録が終わりカオルは皆に声をかける。
「トーク番組は久しぶりで少し緊張してたんですけど‥‥お疲れ様でした」
 リラはぺこっと頭を下げ、そして羽月の元へたたっと走る。
「カオルさん、お久しぶりですね。いつもお世話になっております」
「いえ、こちらこそお世話になってます」
 巽とカオルは顔をあわせると深々とお辞儀のし合いになる。
「あはは、友人からカオルさんのコト聞いてるよ。苦労性の人だって! なんとなく理由わかったカモ!」
 にぱっと椿は笑う。
「苦労性‥‥そんなことないと思うんだけど‥‥あ、お二人ともまたご縁があったらよろしくおねがいします。別の所で会うかもしれませんけど」
 笑顔でカオルは全員見送り、そしてスタジオに残って今日の収録を思い出す。
「今日も無事に収録終わってよかったかな、うん。さーこれから編集だー」
 そして編集され後日放映された内容は、全ての内容が反映されたものとなった。