PassionMusic+Autumnアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
1人
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期間 |
10/03〜10/07
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●本文
「山にバスで観客連れてって収録だぁー?」
「その後おいしい秋の味覚食べ放題」
「のった」
「葡萄狩りとかよさそうじゃないかー」
「芋、芋ー!!」
お手軽に、今回の趣旨は決定らしい。
PassionMusic特別編、今回は美味しい秋、ファッションの秋、音楽の秋らしい。
どこに比重が偏っているかは、あえて突っ込まない。
ということで、スタッフたちの楽しみも抱えて、プロダクションに依頼が舞い込むのだった。
●PassionMusic+Autumn 出演者募集
音楽とファッション、二度美味しい要素をもつPassionMusic+の出演者を募集。
今回はとある山でファッションショー、そして歌。
ファッションテーマは『秋』
観客は『PassionMusic+ツアー』としてお手軽なお値段で一日バスツアーという形で募る。
舞台は自然の景観を崩さないように作られる事はない。
ただ、観客と出演者の境を作るという事でロープは張られ、警備もそこそこつくので安全面などは安心して大丈夫。山道に入る前の広場が観客の席で、出演者は山道からの登場ということになる。
今回、バックバンドは用意できないので音源は事前に提出ということになる。また、先にこういう曲だと譜面を用意してもらえれば番組で用意することも可能。
全員のファッションショーが終了してから、全員で一曲するのか、それぞれが一曲歌いながらファッションショーするかは出演者に任せる意向。もちろんグループでの参加も可能。
美味しいイベントはまだ未定。近くにキャンプ場があるらしいのでそこでバーベキューが濃厚。
●リプレイ本文
●一日ツアーの準備は
「‥‥あの、私‥‥絵はあんまり得意じゃないんで‥‥笑わないで下さいね‥‥?」
「だいじょーぶだいじょーぶ! 皆も色々描いてるし気にしなーい」
アジ・テネブラ(fa0160)は絵描きつつ、隠しつつ。
「お、舞嬢は水彩画?」
「はい、学校で習う程度のものしか描けませんけれど‥‥」
「いやいや、心こもってればいいの!」
そうですね、と姫乃 舞(fa0634)は頷いて絵の続きを書く。
その隣で雛姫(fa1744)は押し花を使った絵葉書にサインと『素敵な秋が見つかりますように』と書いていた。
「私もニーゲンベルギアの押し花です。花言葉は『楽しい思い出』皆さんに楽しんでほしい願いを込めて」
雑多な机上に浪井シーラ(fa3172)も押し花を置いて。
「よしできた!」
「ちー嬢は何にしたのー?」
「これよ!」
千音鈴(fa3887)はばーんとカードを突き出すように蓮の目の前へ。
「『元気溌剌 猪突猛進』がらしい。てかうり坊、縞模様縦横逆!」
「あ‥‥ご愛嬌よ」
「よし、できた‥‥」
「お、何描‥‥」
冬織(fa2993)の描いた絵を見て、蓮は固まる。
「‥‥何生物ですか‥‥」
「十月と申せば紅葉に鹿じゃろ」
「‥‥大丈夫、絵の才能なくても冬織嬢にはいっぱいできる事があるから大丈夫!」
「言いたい事はよぉく解ったのじゃ」
冬織は冷たい視線を蓮へ。
と、そこへ有珠・円(fa0388)が皆の作品を回収にやってくる。
「どうかな? あとそろそろ写真撮りたいけどいける? 別室に衣装用意してあるし、あとコレを」
円は一番近くにいた阿野次 のもじ(fa3092)にデジカメ渡し。
「さすがに更衣室には入れないから、それでわーわーしてるとこを撮ってきてほしいなと。流石に更衣室は居るのは恥ずかしいのデスヨ」
「おっけ〜!」
と、そこへ扉が開いて千音鈴の手伝いで千架登場。
「おお、現役レディースモデル来たわね!」
「呼ばれたからな。衣装アドバイスはできるぜ、偶にゃ普段と違う色着てみたり、似たような無難な色ばっかりまとめんじゃねぇぜ、とか。あとウォーキングや表情指導もできるかな、びしびし」
「丁度良いわ、早速お願い!」
と、千架も一緒にぞろぞろと。
「いってらっしゃーい。さて男二人だよ」
ファッションショー出演者は和気藹々話つつ違う部屋へ。
「それならしおりとかの色々しよう。キャッチ決めたり‥‥そうだね『お供衣装も、秋色に染め上げて』とかどうだろう。センスがおっさん臭いかな、あはは」
「いーと思うよー。あれ、これいいと思うのは僕もおっさんの証拠!?」
「あはは、さぁ作業しようか! 予算のおかげで一人三枚ずつトレカ渡せるんだよね」
「そうそう。違うの入ってるから交換もできる! 写真とっちゃってやっちゃおう! 印刷もあるし」
円はそれぞれが用意したものを写真に収める。
それらを撮り終わる頃、ちょうど女性陣の用意も終わり。
それぞれデザイン違いの白い衣装。臙脂色の背景で全員集合と、一人ずつかしゃりと。
千架による指導もあり、色々な面でツアーへの準備は着々と進んでいくのでした。
●なんちゃってバスジャック
一日ツアーの日、天気は晴れ。
バスジャックをする4人は服装もバッチリ。まだこの事はツアー参加者は知らない。
「はい、記念に一枚」
スタッフ専用バスの前で一枚記念に。
そして其々は担当のバスへと乗り込む。
一号車は雛姫。
「お茶とおしぼり、どうぞ」
「ありが‥‥あれ?」
にこやか笑顔でお客さんに渡し、そしてバスガイドお決まりの。
「右手に見えますのが‥‥市街です」
と、まだまだ街の中だったり。笑いも有りで和やかに。
二号車は冬織。
「さて、では読経などいかがかの? む、他の事がよいかの‥‥ではフリートークじゃ。質問は一人一つじゃ」
車内をマイク一周の根掘り葉掘り大会が始まるのだった。
三号車はシーラ。
「皆様、当ツアーにご参加有難う御座います。ショーについては、この歌を聞きながらご理解の程を」
と、音楽スタート。
「 携帯電話の電源はお切り下さい
マナーもいけないわ
バイブの音はとても響くの
カメラのご使用はおやめ下さい
フラッシュの光で歌詞を忘れちゃうの 」
歌で呼びかけ、そして自己紹介と続いていく。
ラスト四号車は、バスジャック発案者ののもじ。
「上にまいりまーす♪」
「それ違うよー!」
と、しっかりボケにはツッコミが。フリートークに輪唱、それにハリセンはつき物で。
「あ、蓮さんを弄りましょうって事で‥‥他のバスのお友達にもあとで伝えてね!」
と、しっかり仕込みまで。
それぞれの、特色だしつつ楽しく現地へと到着するのだった。
●収録開始
「今日は山でのファッションショーと歌! 皆バスで酔ったりしてないー? 天気も良いし楽しみだねっ!」
『そうですねー』
のもじの仕込みはばっちり。蓮ちょっと感動。
「おお、いいね。言葉そろえて返事してくれるとか! 感動しちゃうのは何でだろう」
『もう三十路だしー!』
「ありがとうっ!! 涙流しつつ、最初の登場は姫乃舞ー! テーマは読書の秋かな? かわいいでっす、そして曲は『STAY WITH ME』!」
アコースティック楽器の柔らかな音の中、舞は赤のベレー帽を被り、白のブラウスに同色のエンブレムの入った深いVネックのセーターを。そしてアクセントに茶系ネクタイ。ボトムは赤基調のタータンチェックのプリーツスカートで足元は編み上げブーツ。
「 落ち葉が踊る 秋の日も
粉雪の舞う 銀の夜も
私の隣に いてほしい
甘い言葉は なくてもいいの
抱きしめてくれなくたって 構わない
ただ そばにいさせてほしい 」
しっとりと、切々と歌い上げ舞はぺこっと一礼。
「さてお次はアジ・テネブラ! 曲はゆっくりとここちよーく! 物語があるからそこも楽しめまっす! ではどーぞ!」
ゆったりとした曲はメインにピアノの音。アジが歌うのは過ぎ去っていく季節とその思い出。
そして、今の季節。並木道は違う色に染まっていく。
そばにいる君の背が少しだけ大きくなった気がして‥‥何度季節が過ぎて冬が来ても、それは二人の未来に繋がっていく。
落ち葉が重なるように、二人の想いも記憶も重なっていく。
そんな情景をアジは白いインナーとチャコールグレーのニットをあわせ、ファーストールに、眺めのプリーツスカートと黒ブーツで歌う。
落ち着いた色合いは秋に、ぴったりだった。
「秋は恋の季節でもあるんだね。そして別れもあるんです。そんな雰囲気を、浪井シーラが皆にお届けします! 曲は『falling heart』」
山道降りて現れたシーラはナチュラルメイクをし、深緑スエードのスタンドカラージャケット、黒のカシュクール、チャコールグレーの膝丈マーメイドスカートに黒ブーツ。腰にはゴールデンチェーンベルトをし、胸にはクロスモチーフの鍵型ペンダント。ブルーグレーのストールはペンダントを見せる様に巻き、同色のコサージュで留めて。
曲は弦楽器とピアノのミディアムバラード。
「 はらはらと堕ちゆく想い
気付かずに何処を見つめてる
胸は絶えず締め付けられていく
風に揺られる木の葉のような心
見つめる先はあなたの瞳
冷たい日差しの中あなたを想う
甘い痛みが暖かみとなる
耳に残る声を探して 」
心にしみ込んでいくような曲をシーラは歌った。
「しんみりだね‥‥次は雛姫! 曲は『過ぎ行く季節の中で』。音に、聞きほれるよ!」
流れ出した音楽は楽器の音ではなく幾重にも声を重ねたもの。
その音の中、雛姫は長袖の白ブラウスの上に緑から赤とグラデーションになっているショールを、綺麗にたなびかせながら登場。
フレアロングスカートもショールとおそろいの色合い。アクセサリーはどんぐり等の秋の木の実デザイン。長い金の髪にも木の実と紅葉を飾る。
「 秋の空を見つめると 切なくなるのはなぜ?
あの夏の日のざわめきも 今は儚い想い出
陽炎の中でゆらめいては 消えてゆく
時の川に紅葉を浮かべて 向こう岸に夢を渡そう
見上げれば風に遊ばれて 流れてゆく茜雲
過ぎ行く季節の中で ありのままの私でいよう
小さくても咲き誇れる秋桜のように 」
声は、秋の澄んだ空気に浸透するように広がっていく。
それは自然に溶け込んでいくようだった。
「綺麗な歌声ありがとう! 次は元気貰ってる君たちに元気のお返し! 阿野次のもじで『メル・ヘル・へブン〜貴方のハートに紅葉モミジ下し』!」
「 ホンネは嬉しいのに照れ隠し平手打ち〜(すぱんくぃんぐ)
ほっぺにモミジ残し、地響き鳴らし立ち去るの〜 」
白のベレー帽を被り、ゴールドのトートバックを振り回す手首ではシルバーのチェーンブレスレットが光る。
チャコールグレーのロングカーディガンの下には焦げちゃのハイネックニットシャツ。茶とピンクのチェック柄スカートの下には念のためにスパッツが穿かれており、時折見えたり。そして足元は紫のパンプス。
「 少年と少女が出会うとーきー何かがかわーるのだろう
LETmeruhen
本気の伝説☆二人手をくんで創り出す〜 」
音にあわせてしっかり歌い、最後をのもじはびしっと決めた。
「ありがとうね! 次でラスト。今回唯一組んで、だね。千音鈴と冬織、二人で『秋彩』お願いしますっ!!」
ミドルテンポのカントリーロックはドラム、ピアノ、抑え目のエレキギターの音で構成されていた。
先に出てきたのは千音鈴。
手にはバイオリンを持ち、蒼にワイン線チェックの、おそろい柄のキャスケット帽とスクエアネックワンピース。ワンピースの下には淡いブルーグレーのくしゅくしゅネックの薄手ニットを。幅広の茶色ベルトに同色のジョッキーブーツを穿き、濃色ヘリンボーンデニムパンツをブーツの中に。そして木素材のカントリー調大振りネックレスでアクセント。
中央でターン後、バイオリンを千音鈴は奏で始める。
そして冬織も登場。
白のくるみ釦ピンタックオーバーブラウスに、ワインのモヘアボレロ。そこに濃茶の幅広ベルトをアクセントに持ってくる。それに合わせて赤地にアラベスクプリントのロングスカート。ベルトと同色のロングブーツにアクセサリーとしてアンティーク調の大振りネックレス、そして睡蓮の帽子を。
「 秋色に染まった木の葉の招待状
ある日窓から滑り込んだら
手当たり次第の感情 大きな鞄に詰め込み
あての無い旅に出よう
遥かに高くなった空仰ぎながら
飛行機雲 目印に歩く
秋の風が奏でる旋律 琥珀色に耳にとけて
いつか聴いた懐かしい歌 」
広場を一杯一杯ぐるりとターンも交えつつ冬織は歩く。
隅々まで満遍なく歌と姿が届くようにとの心遣い。
「 紅の森 金の錦
見渡す花野 銀の錦
鮮やかに心彩ってゆく
鞄いっぱいの感情 染めて染めて染めて
ゆららゆらら秋の日差し 身体中で受け止め
迷い忘れ素直な気持ち ずっとずっとずっと
どこまでも抱えていける
未来(あした)も 」
秋晴れの空ように明るい音と、伸びやかな抜けるような声はしっかりと響く。
歌が終って、戻る前に千音鈴はワンポースの裾をつまんで淑女風にお辞儀と愛嬌有り。
「これで音楽込みのファッションショーは終わりー! 皆拍手とかありがとうね! 次はバーベキュー! わーって興奮して騒ぎ起こしたりしないように! そういう事起こると残念な事になるからね。ではバスへ移動どうぞ!」
蓮はアナウンス。スタッフ達は観客を移動させ始める。
「お、写真はどうよ」
「ばっちりだね。お客さんの楽しそうな顔も撮れたし‥‥あとはこの後も撮りたいね。最後はお約束の参加者全員集合写真も!」
「うん、撮りながら食べよう食べよう。全員では無理だからバス毎で撮ろう!」
などなどと、この後の予定を話しつつ、バーベキュー会場へと移る。
●おいしい一時
「あ、林檎に桃‥‥!」
食べたい果物の出現に雛姫は瞳キラキラ。
「桃はスタッフが探してきたよ‥‥さぁ食べたまへ雛姫嬢!」
「いただきます! あ、ちゃんとお手伝いもしますよ、しますよ! スタッフ様も蓮様もいっぱい食べてくださいませね」
「食べる食べる!」
一番見事な食べっぷりを見せて、というか魅せていたのはのもじ。
本当に美味しそうにパクパクと食べ、その様子は円の手によって激写されていた。
冬織は鍋奉行ならぬ焼奉行。
舞も食べるよりも焼いたりお皿に取り分けたり、お茶を配ったり。
そして千音鈴は、早食い勝負を始めていたり。
それぞれ色々な方向性でコミュニケーションをとる。
観客たちも観客達で、出発前に貰ったトレーディングカードを交換、と楽しんでいた。
「アジ嬢食べてるー?」
「食べてますよ。秋ってホント良いですよね‥‥金木犀の香りや綺麗な色に染まる葉々、それに何より‥‥」
「やっぱり食べ物だよねぇ‥‥」
アジは蓮の言葉にこくっと頷く。
「僕のサツマイモ半分あげる‥‥おいしい秋の味覚」
と、焼き芋を二人で食べる。
「そろそろゲームしますよー」
と、ゲーム大会も始まる。
ゲームに勝ち残った何人かには出演者からのプレゼントがあるのだった。
●そして最後に
「一号車集合ー!」
「シブもっとテンション高く! 私も負けないくらい高くいくから! 酸欠はしないけど」
「あっはっは、集合集合しゅーごー!!」
出演者を中心に、バス毎に記念写真。写真は後日、ツアー参加者の下へ送られる。
「左に‥‥二列目の、そう君! はいOK」
もちろんその写真を撮るのは円。
「一足す一は」
『にーー!!』
シャッターを切る音は、青空に響く。