Live×Live! 企画編アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
なし
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/06〜10/08
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●本文
「ライヴをしよう」
してるだろう、と即座にツッコミが入る。けれども渋谷蓮は違うと笑った。
「なんてーの、僕とお前らじゃなくて僕ら的な‥‥」
「全員で、一個を作る‥‥?」
「それだ!」
蓮は、いつも支えてもらっているバックバンドメンバー、ギターの維澄の言葉に大きく頷く。
「ということは俺ら用無し? 酷い、シブちゃんたら俺達を捨てていくんだ!」
「鬼」
「悪魔」
「弄られ」
「違うし。お前らも一緒。いいじゃん、ツインドラムでも。トリプルギターでも、楽しけりゃいいじゃん」
「うん、銭弾んでくれるならやるけど」
「‥‥お前らの方が鬼!! 維澄さんはあれだろ、一角獣じゃなくて鬼なんだろっ!! その角がその証拠!!」
と、楽しく愉快に遊びつつ、しっかりとこのお話は形になっていく。
そしてプロダクションにお誘いの依頼がやってくるのだった。
何故か蓮の直筆で。
●お誘い!
皆でやるライヴを企画中。
現在参加メンバーは、僕、渋谷蓮と楽しい仲‥‥バックバンドメンバー。
ひとつのライヴを全員で一丸になって作る。ツインドラムにトリプルギター、ベース上等、歌い手えーと‥‥何人でもいいよ!
大所帯グループにのってライヴをやりたいと思ってまーす。
とりあえずいきなりあつまってやろうぜって言っても無理なので、企画内容を募集。
この日時に遊‥‥会議するから暇なら来てねー。踊る企画会議!
こっちとしては、全員で全曲演奏。参加者をグループに分けたりなんかは無し。
ライヴする場所とかはまだ未定。どっか大きいとこでしたいねー、くらいの考え。
いきなり参加ー、って手を挙げるのは不安有ると思うから、覗きにいらっしゃい! 今回は方向性決め、参加しまーすって手あげてもメンバーに決まるかどうかはわかんないよ、後日また参加する人こいやーって告知するから。
まぁ、詳しくは当日とかに! 楽しみにしてまーす!
(お土産あるとなおよし。)
場所はライヴハウスAbySS!
●リプレイ本文
●踊る企画会議!
「‥‥渋谷、邪魔」
「やだわ、維澄ちゃんが私を苛める!」
ライヴハウスにばーんと、ドラムセットを運び。
それを手伝うのは美日郷 司(fa3461)と佐武 真人(fa4028)、そして渋谷蓮のバックバンドメンバー、ドラムのトワとギターの維澄。
「渋谷、今度メアの隣でモノマネするといい。きっと喜ぶ」
「うん、するする! おっし、ドラムもおっけー。トワ君調整自分でするよね」
「おー、会議してていよ」
と、いうことで。別室へ移動。ライヴハウスの奥の部屋にて。
「踊る企画会議へようこそ〜‥‥あ、俺もか」
「ブハ! 顔一緒おおおお!!!」
「息子だからな」
「息子です」
先に集まっていた参加者の一人、Iris(fa4578)は両手広げてお迎え。
真人とIrisは親子で、顔は一緒。
「‥‥佐武親子は同じ顔なんだな」
司はそれに驚きよりも感心する。
「それにしても、真人さんと一緒に仕事することになるとは思わなかった。改めてどうぞ宜しくー」
「初めましてミッシェルと申します。どうぞ宜しくお願いいたします。お土産にはスィートポテトを持ってまいりました。お口にあえば宜しいのですが」
ぺこりと頭を下げた後、ミッシェル(fa4658)が置いた箱の中にはスイートポテト。
そのスイートポテトの隣には、コンビニの袋。それは蓮 圭都(fa3861)が持ってきたものだ。
「蓮圭都です。どうぞ宜しく。渋谷さん達に会えるなんて嬉しいわ」
「女の子がいると場が華やぐよね‥‥参加ありがとうっ! 圭都嬢とクク嬢と、えーと‥‥」
と、蓮の視線の先には南央(fa4181)が。
「初めまして、南央です。私、活動は音楽系じゃないんですけど、でも音楽は大好きです! ライブにも時間とお小遣いがあれば沢山行きたいし‥‥」
「わかるわかる。僕も若い頃そうだった」
「あ、ええと、お土産はどなたに渡せば‥‥栗羊羹持ってきました」
「私もお土産持って来たんだった。えとね、かぼちゃモンブランを人数分作ってきたよ。メアちゃんとカオルさんの分もあるんだけど‥‥冷蔵庫は何処〜?」
「冷蔵庫は厨房に業務用のが。後で事務所の冷蔵庫に移せばいいかな?」
「そうだね、書置きもしておいて、明日食べて貰えたかどうか確認して、そしたら‥‥ふふふ」
クク・ルドゥ(fa0259)は何やら企みの笑みを浮かべる。
「んじゃー、一日目よろしくっ!」
「‥‥よろしく、デボンシャーティーとラスクを持ってきた」
氷桜(fa4254)も頭下げて挨拶。
そしてタイミングよく調整していたトワもそろって。
「入り口に『踊る企画会議室』って張ってあって笑った」
「書道が趣味なんです」
と、ミッシェルは小さく手を上げる。
「達筆だったグッジョブ! あれ後でほしい、ください」
「あ、どうぞどうぞ」
と、雑談もそこそこに、会議は始まる。
●企画×企画
「では最初に‥‥氷桜君からいってみる?」
「‥‥その前に、あまりこういう企画に参加する機会は無さそうなのでICレコーダーで録音させて貰おう」
「あ、それダメ」
と、蓮は一言。
「全員の許可事前に、が基本‥‥それに何より、もしそれがどっかに流れたりしたら」
「困る事になる。企画会議だからなぁ」
蓮のバックバンドメンバー、紅陽と維澄からも拒否の言葉。
「まー、ライヴ自体がまだ不安要素あるから、あんま形にしときたくないんだよねー。てことで気を取り直してどーぞ」
「‥‥初め一人で少しずつ人数を増やしていくのは如何か」
「ふんふん、どういう状況作って増やすの?」
と、氷桜にツッコミを入れる蓮。氷桜はそれに答えられず。
「一案だし、なんかできそうな状況あればやったらいいよ、はい次どーぞ」
苦笑しつつベース弄りつつ先ほどから潤がフォローする。
そして次は私、と手を挙げたのは圭都。
「私はこんなライヴがやりたい! の観点からの提案ね。密度の高いライヴを目指して」
「どんな感じで密度高く濃く?」
「何百人収容可能、とか大勢のお客さんがいるのは確かに盛り上がるんだけど一番後ろの列のお客さん達の顔が豆粒になるのは嫌だわ‥‥だって、そのお客さんからすればステージの上のメンバーも豆粒ってことよね? 後ろにスクリーン設けるにしても皆の表情が直に見える会場がいいんじゃないかしら。その分、公演回数を増やすとか」
「スクリーンとかは良くやるね、それでもやっぱりまだ十分じゃないか‥‥」
「ええと‥‥ちょっと良いですか?」
「お、南央嬢どーぞ」
控えめに南央は自分の思っている事を言葉にしていく。
「ファンの人達にとって見てるだけじゃなくて『参加してる』っていう実感の持てるライブって凄く楽しいし、行って良かったって、ずっと心に残るものだと思うんです。だから、今度のライブも、そういうライブであればいいなあと思ってます。勿論どんなライブも一緒に楽しむ工夫はしてありますよね、でもテーマとして『ファン参加型ライブ』を掲げるライブってなかなかみないんじゃないかなあ、と‥‥」
「何かしたい事とかある?」
問われて南央はちょっと考える。
「交流会とか、撮影OKの時間を設けるとか、そういうのもあるとファンとしては嬉しいです」
そう言って笑顔浮かべられると場は和む。
「ファンの事しっかり見て、ファンも含めて全員参加のライヴ、って感じだな」
「綺麗に纏めたね、紅陽」
と、蓮は関心しつつIrisの持ってきたピーナッツをぽりぽり。
そして真人の持ってきた高級茶葉で淹れたお茶を飲む。
「あ、美味い‥‥美味いついでに真人君発表!」
「俺か、そうだなぁ‥‥本番のライブだが、メンバーは勿論、渋谷蓮に、そのバックバンドのメンバーと並んでステージに立つわけだよな。それなりに実力のあるやつが集まるんだと思ってるんだが」
「うん、実力はいるね、プロとして自信あるレベルほしい」
「それなら色んな奴が集まること前提にメンバーの個性を生かす意味でも、曲の表情を変えて、バラードからガンガンのヘビーなロックまで流れを考えた構成にしてみるのはどうだ。難しい部分もあるだろうが、網羅とまではいかなくても、色々聞けるお得感があるだろうし、チャレンジする楽しみもあると思う」
「あ、それやりたい。色んなの弾きたい」
「潤はやりたいのか‥‥覚えとく。はい次!」
「じゃあ親子続きで俺!」
しゅびっと手を挙げて話し始めたのはIris。
「折角大人数でやるならステージ一つに固まるんじゃなくて全体にバラけて配置とかできないかな。例えば場内に幾筋か通路設けて、客席の真っ只中をメンバーが縦横無尽に動きまわれるようなイメージ。どこのお客さんも、間近でキャー! って言えるような。あ、ちょっとファン参加型とかとも通じるかな?」
Irisはさらに続ける。
「音響とか照明とか安全面とかそういうの無視してるのは承知の上。実現可能かどうかは、スタッフさん、スポンサーさんに宜しくして渋谷さん!」
「あっはっは、確かに今回できるできないは別に問題じゃないんだよねー。わかった、善処」
「それなら私も我侭言っちゃおうかしら」
圭都がIrisの発言から思うことあって発言。
「平面じゃなくて、飛んだり、消えたり‥‥あ、ワイヤーで吊ったり奈落から飛び出したりっていう意味ね! 登場シーンで白煙、紙吹雪、火柱! のド派手な演出も可能な状態なら」
「ヨロシク渋谷」
うんうん、と頷くのは蓮のメンバー達からはやりたいらしい雰囲気が伝わってくる。
「え、火柱ドーンとか決定の雰囲気なんだけど‥‥他にー他にー‥‥あ、もうお茶ないよ」
「それなら珈琲を淹れよう‥‥天津甘栗も食べると良い」
と、立ち上がり自前機械で珈琲を淹れ始める司。良い匂いが漂ってくる。
「企画だが‥‥意外と難しいものだな‥‥言葉にするのも」
「だね、頭の中あるものちゃんと伝えるの難しい」
「俺としては‥‥クラッシックとロックの融合‥‥というのは面白いかと思うんだが‥‥クラッシック奏者とロッカー‥‥普段は一緒に仕事をしないだろうし」
「どっかで一緒になっても全部一緒はないよね、うーん‥‥って圭都嬢のんびりおにぎりタイム!?」
と、もそもそと持参したコンビニおにぎり食し中の圭都。
「コンビニおにぎりって、品揃えは豊富だし、具も凝ってるしあなどれないのよ〜。まあ、私の場合主食がコンビニ物っていうのもあるんだけど」
「不健康! ご飯は自分で作らなきゃ」
「私料理ダメなのよね。レンジでチンが一番」
「‥‥明日ご飯作ってあげるよ‥‥お話もとにもどして、なんだっけ?」
「クラッシック奏者とロッカーは普段一緒に仕事しない、ってとこからだな」
真人は話を繋ぐ。そしてその話をしていた司はさらに言葉を続ける。
「例えばロックの音の裏でクラッシックを流すというのも面白いかと‥‥違う曲に聞こえるかもな。和楽器でロックというのも良いかと思ったが‥‥それは別の仕事で出ていた」
「和楽器でロックしたい。他人がしてても気にしない、やるよ。良いもんだったらするの基本がスタンス。テーマが必要なら‥‥秋らしく紅葉狩りか? 赤や黄色の紅葉色を主体にするとか」
「テーマは‥‥その時期にならないとわかんないなぁ。あ、珈琲ならかぼちゃモンブラン食べよっか、スイートポテトも。取ってくる。話し続けててー」
と、入った珈琲をみて蓮は冷蔵庫に走る。
「苦し紛れに身内に聞いたらろくな意見が出なかった。合間に芸をするとか‥‥あげくに演奏中に料理をしてステージ終了でフルコースとか‥‥」
ネタっぷりに溜息をつく司。そんな様子を見て、笑いながら紅陽は言う。
「やっぱ企画して貰うっていいね、うん」
「自分達でしないんですか?」
「するけど、俺たちがするのは‥‥」
「あいつのテンションいかにあげるかの企画だよなぁ」
と、話している間にそのあいつは、嬉しそうに箱抱えて帰還。
「たっだいま〜。よし続き続き。あと企画出してないのは〜」
「私だねっ!」
「あ、私もです」
「じゃあ私からいいかな?」
「どうぞどうぞ」
残るはククとミッシェル。先に企画を出すのはククだ。
「TVでね、ゲストを呼んで皆でセッションする番組があって、あんな感じのをしてみたいの〜♪ その時集まった皆でセッションして、足りない担当があれば、バックバンドの皆さんから知り合いを呼ぶなり何なりで補充‥‥とか? 後ろにコーラス担当者が何人も‥‥その中に私も加わって‥‥」
ふふふ、とどりー夢に突入のクク。目はキラキラ、ちょっとあさっての方向に向きつつある。
「‥‥はいミッシェル君言ってみよ!」
「え、はい。あまりライブの経験がないもので‥‥ちゃんとお役に立てるか分かりませんが‥‥渋谷さんの担当していらっしゃる『Passion+』のように‥‥あ、いつも番組拝見してます――ファッションで魅せるステージはどうかと思いました。登場シーンごとに各々ポーズをきめて、人数が多いなら迫力もあるかと。花道を設けて動けるメンバーはそこで演奏をしてみせたり。興奮してしまうお客さんもいらっしゃるかもしれませんから、どこまで実現可能か分かりませんが、見て楽しめるのも大切な要素だと思います」
「拝見ありがとう! だなーばしっとポーズ決めるとかっこいいよなぁ‥‥」
「きっとこんな感じ」
と、ベース持って潤は立ち上がり弦を弾き腕振り上げてポーズをとる。
「うっわ、いいかもっ!」
机ばしばし叩いて蓮ははしゃぐ。
と、ここでIrisは一つ提案。
「確か、ライヴって大所帯前提でしょ?そ れなら本当に音出してどんなものか聞いてみた方がイメージ膨らむと思うんだよね」
「あ、それならしっかり」
「楽器は持ってきている‥‥」
すちゃっとギターを持ってきている面々は手を挙げる。
となると、やることは一つ。
軽く音出し決定。
●かるーく音出し
ライヴハウスのホールでの音出し前にちょっと休憩。
「ピアノ‥‥真人さん、一つワガママ聞いてくれるんだよね?」
「無茶なことでなければな」
「ピアノ弾いて貰いたいんだけどな」
それぐらいなら、と真人はピアノの所へ。
そして座って音を奏で始める。
最初は緩やかに、色々と調子を変えながら即興で。
その音に惹かれるように、ホールに面々集まってくる。
「あ、ピアノ弾いてる! ちょ、休憩終わり、そのまま楽器隊皆入る! やれるだろ!」
そのまま真人が奏でる音に合わせて音が増えていく。
ピアノは真人。そこに明確なリズムを作り支えるトワのドラムの音。
司、圭都、ミッシェルはギター、音のバランスとって維澄、紅陽、潤はベースを持つ。
「すごい、豪華!」
南央は手をぱちぱち、リズムとりながら喜ぶ。
「音が華やかになりますね」
「だね、真人君ドラムいけるー?」
「いけるいける」
と、真人はピアノの手を止めてドラムに移動。
ツインドラム、トリプルギター、トリプルベース。
となると足りないのはヴォーカル。
「う、歌い‥‥たい!」
ククは澄んだ声を響かせる。
そこに重ねるように蓮の声と、ドラム叩きつつのトワの声。
時間の限り多種多様のバリエーションを。軽くどころかしっかり音出しとなった。
●三日目のお楽しみ
「今日はライヴですよ、これから」
「友達出るみたいだし! 二日目のありがとうメモ嬉しかったからひっそりかぼちゃモンブランも冷蔵庫に仕込んで置いてあげたし、ふふふ」
「しっかり参加しますよ」
氷桜を覘くメンバーは三日目のライヴ、折角だしばっちりのっていっちゃうぞ、という気持ちでライヴハウスに集まる。
「渋谷さん達にお会いできる上に、ライヴまで‥‥! 嬉しいです!」
「南央嬢もはりきっていこー!」
と、幕が上がるライヴを会議の打ち上げとして参加するのでした。