PassionMusic:H!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/31〜11/02

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 いつもならそうなのだが、今回この場所はライヴハウスではなく、街。
 事前に設置される舞台では何が起こるかは全くわからないように黒幕が張られ、厳重に警備される。
 ハロウィンの仮装で、音楽をお届けのイタズラを。
 今回はライヴハウスではなく街でゲリラライヴ!
 もちろんちゃんと許可はとってあるので心配無用。
 あの黒幕なんだろう、と集まる人だかりの中に聞き覚えのある声が響く。
「Trick or Treat! ハロウィンのこの日に楽しく派手に騒いじゃおう! 今日のゲリラライヴはここでしちゃうぞー!」

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 今回はハロウィン仮装でライヴ。
 テーマは無し、過去の曲でもOK。
 パフォーマンスについては、舞台から降りるというのは混乱の可能性有りなので禁止。
 舞台上から物を投げる、も禁止。
 バックバンドは用意可能。楽器は申告があれば貸し出し可能。
 半獣化、獣化は可。ばれないように注意。
 持ち物については危険な、音楽に関係ないもの保持は禁止。場合によっては出演中止、ライヴ中止もありえます。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 街に飛び出てライヴ

 グループ、ソロでの参加は問いませんが、掛け持ちは禁止。
 演奏順も要望があれば調整しますが、ない場合は阿弥陀くじで決定されます。

●今回の参加者

 fa1590 七式 クロノ(24歳・♂・狼)
 fa1591 八田 光一郎(24歳・♂・虎)
 fa1592 藤宮 光海(23歳・♀・蝙蝠)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4557 アレクサンドル(31歳・♂・豹)
 fa4559 (24歳・♂・豹)
 fa4578 Iris(25歳・♂・豹)

●リプレイ本文

●ハロウィンですよ、テンション多角
 渋谷蓮の頭の上でぺかぺか光るジャックの帽子。
「‥‥楽しい!?」
「兄貴に捕まった鬱憤晴らしてるの! Trick or Trap or Trance?」
「晴らし方が謎だよ! それに全部それ危険! 選べないから!」
 帽子の持ち主は兄である笙(fa4559)。千音鈴(fa3887)はボタン連打で光らせて遊ぶ。
「カボチャ大王‥‥俺には不要だが、似合ってる」
「どうもありがとう!」
「私が弄ってるはずなのに兄貴が弄ってる! えぇい、もっとぺかぺかー!」
 笙の眩しい笑みに蓮は半ば投げやりに答えた。
「‥‥本当に似合っているぞ、渋谷‥‥」
「えぇー絶対カボチャ大王の被り物の方が似合ってた‥‥」
 美日郷 司(fa3461)にも肯定されてちょっとしゅーんとなる蓮の前にさっと立つ人影。
「では私が元気付けのために手品を‥‥」
「おおおっ!」
「アレク‥‥生き生きしているな‥‥そんなに手品がしたかったのか‥‥」
 アレクサンドル(fa4557)は手品をご機嫌で披露。鮮やかな手際に蓮ははしゃぐ。
「やー、本番もよろしくね、お客さんびっくり」
「渋谷さん、会議ぶりですね、宜しく」
 と、容姿端麗、Iris(fa4578)が楽しみというように話かけてくる。
「普段は映画ドラマでの活動が多いんですけど音楽の方も挑戦中。お菓子より素敵なライヴを‥‥でもお菓子も大事」
「うん、とっても大事」
「トリックオアトリートッ」
「トリックオアトリートッ! てかIris君のお顔、お父上と一緒でそれがすでにイタズラっぽい!」
 爽やかに笑いながら何故かバンザーイと声を上げる二人。
 そしてはしゃぐ傍らではネクサスがイタズラを練っていた。
「いいイタズラに大事なのは遊び心ってな」
「調整もやってるし、特に問題ないわよ」
「ま、時々やってるからね。仲間を知る為に、新しい刺激を得る為にってね」
 ギター担当の七式 クロノ(fa1590)、ベースの八田 光一郎(fa1591)、ドラムの藤宮 光海(fa1592)。
 そのイタズラは本番の楽しみとされた。

●Trick Or Treat!
「蓮、今日も頼む」
「おーう、任せといてー。さ、そろそろスタンバって!」
 ざわめく街に黒幕張られた謎の舞台。
 周りはSPがしっかりガードして、何か始まるのかなと通行人たちはそこを見つめる。
 と、ぷつっとマイクの入る音がして。
「Trick Or Treat! いつもはライヴハウスのこの番組が、飛び出して街にイタズラしにきたよっ!! そこ行く人たち全員立ち止まってイタズラされてけ! Passion Music!!」
 その声と同時に黒幕が落ちて、ぶわーっと白いスモークが音立てながら広がる。
 そんな中、ライトを受けて黒とオレンジのカボチャパンツに、頭にはカボチャを模したクラウンを載せた蓮が観客に呼びかける。
「寄ってらっしゃい観てらっしゃい聞いてらっしゃい! 一時のイタズラ、見逃せば今晩寝れなくなっちゃうよ!」
 そしてスモークが段々薄れてくると、舞台の上に一番手の姿がうっすらと見えてくる。
「今日のトップはいつもと違うネクサス!!」

●ネクサス 『今日から未来(あした)へ〜ハロウィンポップVer〜』
 幕が落ちる前にスタンバイ。
「今日も楽しんでいこうぜ、皆!」
「いいんじゃないか? 今日は特別だしな」
「いい感じね、コウ。本番もその調子でお願いね」
「うお? ちょい調子狂うけど‥‥OK! まけせとけ」
 いつもと違っておだてられて、光一郎は驚きつつもまたテンションをあげる。
 そして幕が落ちて。
 ハイテンポな曲が始まる。

「皆、いっくよー!」
「Lucky boy and girls! Let’s enjoy one‐night trick play!」
 ベースを演奏するのは黒ベースにオレンジをポイントに、キュートな印象のとんがり帽子にマントのミニスカ魔女の光海。
 ギターは顔を幽霊風の衣装から出した光一郎。
 そしてドラムは白い仮面をつけ黒いタキシードを着たクロノ。

「 迷うキミの手を引きたいよ
  ボクは何時も前とキミだけ見ている
  走ったって歩いたって辿り着けるなら
  まずは走り出そうよ 」

 メインで歌うのは光海。クロノと光一郎はコーラスで。
 アップテンポで一気に盛り上がって。

「 好きな事も嫌な事も全部やって行こう
  何があるかわからないから
  人生って面白い 」

 そして三人でユニゾン。

「 目に映る今日もまだ見えない明日も
  ココロの底から楽しもう
  何時だって今は一度きり
  ココロとカラダ自由にして
  おもいきり駆け抜けよう
  二度と無いこの瞬間を
  今日から未来(あした)へ 」

 演奏しながら観客を盛り上げていく。
 光海と光一郎は背面合わせて演奏。
 そして光海が観客に向かって。
「皆ー、楽しんでる? もう一回行くよ!」
 同じフレーズを歌って、ラストに大きくジャンプ。
 曲を閉じて、街から拍手と声が。
「サンキュー!楽しかったぜーっ!」
「ありがとーっ、最高だったよっ!」
 三人は手を振りながら、舞台を降りた。

●Iris 『アナライズ』
「次は映画ドラマでお仕事中、でも音楽にも挑戦中のIris! さー、お嬢さん方は叫ぶ用意よろしくー! Iris、どーぞやっちゃってください!」
 ぽっと、スポットはIrisだけに。
 半獣化して袖がボロボロになった黒タンクトップとレザーパンツ。足元はブーツ。
 手首にはチェーン、そして指先には付け爪をしてワイルドに、獰猛に。
「Rule of love OK?」
 スポットの中、囁いて、そして一気に明るくライトアップ、派手にバックバンドが音を鳴らしてゆく。
 低音が響くアップテンポの曲は勢いよく。

「 駆け引きなら昼夜Go‐By
  マニュアル通りじゃつまらない
  常識マナー? 無粋なロマン
  よくいる二人じゃ意味がない

  視線、吐息、それはカード
  勝たなきゃ負け 明白な了解 」

 ギターは唸るように音を奏でて、Irisは舞台の端ギリギリまで行き手拍子誘い煽る。

「 疑う余裕があるなら
  牙城崩壊目指せ 喰らえ ノしていけ

  笑顔、涙、全てピース
  勝たなきゃ負け 明白な了解 」

 声も音も明かりも落として。
 曲の終わりと見せかけて。
 Irisは舞台から降りるようなそぶりを見せたが、くるっと向き直り。

「Nonsense!」

「 甘く熟した果実 少しの苦味を本能のリアルで貫け
  ルール無用 直向に恋せよ それこそ愛だろう 」

 シャウトと同時にライトアップ。
 音はテンション高いままに最後まで。
 歌いきって、一呼吸。
 Irisは観客へと笑みを向け、手を振って答えた。

●Mil sonidos 『Tarot World』
「兄と妹が仲良く、演奏してくれます! Mil sonidosの笙と千音鈴! ちなみに僕が持ってんのは二人からの預かり物の杖と竿!」
 黒とオレンジのカボチャパンツ、頭に小さなカボチャを模したクラウン載せた蓮の手には、黄の長杖と黒い、長い、カボチャぬいぐるみ付きの竿。
 千音鈴は半獣化で、季節無視、白のパニエでふわふわにした向日葵柄ミニワンピに黄色のショートブーツ。左手には白バラの腕飾り。
 笙も半獣化。黒のスタンドカラーシャツに黒のレザーパンツとブール。そしてフード付きグレーのロングコートを前閉じ着用。髪は白に染めて電気ランタンをスタンドにおいて。
 『犬の愚者』と『猫の隠者』で対になる。
 前奏から一気に派手に。
 ドラムがリズムを刻み、アクセントにクラッシュを響かせる。
 メロディを担当するのはエレキギターだが、しっかりとベースの歩とも響く。

「 予報外れのどしゃ降り 『ツイテナイ』と溜息Lady
  水も滴るイイ女 発想転換如何でしょ?
  ふいに差しかけられる傘 『ラッキー』結構Nice Guy
  不運がもたらす幸運を Getするかはキミ次第 」

 千音鈴が歌い、笙がコーラスを入れ一部ハモる。
 そしてメインを次は笙が。

「 この世はまるでTarot
  同じカードにも二つの顔
  聡明なHigh Priestess 逆立ちしたらヒステリー 」

 ユニゾンも綺麗に聞かせて、二人は掛け合う。
 音はさらに加速して、音と同じように動きもオーバーにはじけて行く。
 踊るように動いて観客にもアピール。
 背面あわせて、歌う方が観客向かって正面に、と歌詞と仮装をあわせて。

「 可能性のFoolも 知性派のHermitも
  いつも同じじゃ世界は退屈 」

 ハーモニーを響かせて、そしてしっかりユニゾン。
 ライトは、派手に楽しく眩しく動いて。

「 愚者と隠者は表裏一体 光と闇も背中合わせ
  都合良く考えるくらいが丁度イイ
  正か逆か明日はどっちだ スリル満点
  Enjoy the Tarot World! 」

 千音鈴の声に笙の声が重なる。
 ラストはシャウト。
 音は後奏になっても遠慮なく鳴り響いて、一気に切る。
 ライトも徐々に収まってふっとそれにあわせて消えた。

●BLUE‐M 『Halloween night』
「今日のイタズラ、その最後はBLUE‐M! 色男二人の登場でーっす! じゃ、きっちりシメてもらいましょう!」
 アレクサンドルは、黒い肌を白塗りし、口元には牙を装着。ドラキュラ伯爵のように髪を後ろに撫で付けてシルクハットをかぶる。黒燕尾服に白手袋。裏地が深紅の襟付きマントにはあとでびっくりが隠れている。
 司は演奏前にいつものようにエレキギターのネックにキスを落とすお呪いをする。黒いタキシードに伊達眼鏡。前髪を上げ。髪は首元でかっちりと縛る。半獣化して動かさないように注意している蝙蝠の羽根。
 吸血鬼伯爵と蝙蝠執事の二人。
 薄暗闇にスモークが少し煙る。

「 Halloween night! 魅惑のNight! Halloween night! 蠱惑のNight! 」

 ドラムのリズム、そしてハモりのコーラス。
 一拍の無音で街行く人を引き込む。
 そしてドラムのカウント後、一気にエレキギターの音が駆けて景気良くアップテンポなロックサウンドが巡る。

「 全てが寝静まる夜
  魔物達の声さえ至上の音楽
  Halloween night! 魅惑のNight! 」

 少し音は抑えられて、司の声が響く。
 テンポも同様に、押さえ気味。

「 今日は気取ったLady&Gentleman
  何処までいくの?
  あなたのお気の召すまま
  いつまでいるの?
  あなたの心のままに
  パーティは始まったばかり
  朝まで踊ろう 二人熱が冷めるまで 」

 そしてまた再び盛り上がり始め、最高潮のサビへ突入。
 ドラムを叩くアレクサンドル。演奏の合間に、ドラムスティックを投げて受け止めるとそれはハロウィングッズに変わって行く。
 黒とオレンジの花、ミニ魔女箒、などなど。

「 全てが目覚めるその瞬間(とき)まで
  恋人達の甘い囁きがこだまする
  Halloween night! 蠱惑のNight! 」

 シャウトして、音をガンガンに響かせ一度カットアウト。
 ふっと収まった音はエレキギターだけの音に。

「 魔物も戸惑う 目の眩むような夜に乾杯! 」

 司とアレクサンドルの声をラストは重ねた。
 そして今、アレクサンドルの手にあるのはカボチャランタンの棒付きキャンディー。
 アレクサンドルはそれを司に投げる。
 司は受け取って、蓮にこっちに来い来いと手招きしキャンディーを渡す。
 と、観客の目がそちらに行っているうちにアレクサンドルはカボチャランタンの旗を空中から取り出し、それも蓮へ渡す。みている人はしっかりアレクサンドルのセミプロ級の手品の腕に感嘆の声。
 手品というイタズラ含めたライヴは、曲と手品と、両方に拍手と歓声が送られて終わった。

●街の中で
「もらいました、おいしそうです、ハロウィンです‥‥あげようかー? よし、はいあげたー」
 キャンディーを観客に向かって見せながら言う蓮。
 古典的ネタで、キャンディーを上にあげてブーイング受けの真っ最中。
「あっはっは、わかってたくせに‥‥! わかってたくせに‥‥! キャンディー一個しかないからね、僕がおいしくいただきます! てか皆は音楽イッパイでお腹イッパイでしょ!?」
 その質問には肯定の声が返ってくる。
「だよね、よし。その想いしっかり返してくれよっ! 今日のイタズラびっくりどっきりいかがでしたかーーーー!!??」
 いつものようにマイク使わず地声で問う。
 そのお答えは、ハロウィン満載の街に心地よく、響く答えだった。