PassionMusic:FromHighアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
06/16〜06/18
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●本文
『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
収録に出会えるかどうかは時の運。
そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
ぱっと、舞台の端にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者。
「やー、僕とまた出会った人っているのかな? はい挙手ー、っているの? すげーなおい。じゃ、今日もいってみよー!」
舞台の照明がばっと明るくなる。
最高のプレイを、そこで‥‥!
『Passion Music』出演者募集
ゲリラロックライヴ番組収録、出演ロッカー募集
こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
演奏する内容にテーマはありません。曲のセレクト演出等はお任せします。
収録に取り直しはありません、一発勝負です。
今回のライヴハウスのイメージは見下ろされる。観客から舞台を見下ろされ、上からの視線を感じることが特徴であるライヴハウスです。
なお、日程は以下です。
初日 参加者顔合わせ
二日目 スタジオでのリハーサルなど
三日目 ライヴハウスでの演奏、収録
グループ、ソロでの参加は問いません。
ドラムセットやピアノは備え付けのものがあります。
また、ソロの場合、バックバンドが必要であればこちらで用意します。
●リプレイ本文
●初日顔合せ
和やかなムードの中、最後の挨拶はTosiki(fa2105)。
「flickerのTosikiです‥‥って、俺一人か。今回はソロで参加。flickerとはまた異なる音楽性を試せる良い機会でもある‥‥俺の歌唱力はたかがしれてるから『聴かせる』より『見せる』いや『魅せる』演出を心掛けたい」
今回仲間はおらず一人での参加。苦笑しつつ、言葉の意味をかみ締めつつの挨拶をTosikiはした。
顔合わせも終わり、後は打ち合わせ。ラム・セリアディア(fa3004)は先にスタッフに頼んでいたバックバンドのメンバーとご対面中。
「まだまだ腕は未熟ですが、よろしくお願いいたしますっ!」
ラムは砕けた挨拶だけれども折り目正しく丁寧に頭を下げる。歌うのは自分であって、主役なのだけれども一番年下、ここで学ぶことも多いと思って謙虚に。
と、その後ろでは美日郷 司(fa3461)がTosikiへと声をかけているところだった。
「今回は『BLUE‐M』としてだ‥‥宜しくな‥‥あと、よかったらキーボードで協力してくれないか?」
「じゃあ‥‥明日は入念に音あわせだな」
もちろんOKとTosikiは笑顔でもって返す。
「ふふ、楽しみですわ〜」
司の後ろからひょこっと姿を現したのは星野 宇海(fa0379)。宜しく、と彼女は他の出演者にも挨拶をする。
「ネクサスさん、いつぞやのライヴでご一緒しましたわね、今回も宜しくお願いしますわ」
「ああ、宜しくな」
宇海に答えたのはネクサス、リーダーの七式 クロノ(fa1590)。八田 光一郎(fa1591)と藤宮 光海(fa1592)も宜しくと声を掛け合う。
「この前みたいにテンションあげてやろうな!」
「今回は全員ヘッドセットマイクね、上向くでしょ」
ライヴハウスがどんな場所かを知って上を指差しながら光海は二人へと言った。もちろん、と返ってきた言葉は力強い。
どの演奏者も一日挟み、入念に音を合わせたりなど有意義に過ごし、そして本番当日を迎える。
●拉致バス詰込!
集合後、スタッフに暗幕の張られたバスに詰込まれてたどり着いたライヴハウス裏口。
裏口であってもそのライヴハウスから感じる熱気は否応なく伝わってくる。
「練習もいっぱいしたし、楽しむわよー!!」
ぴょんっとバスから最初にラムは飛び降りてきゃっきゃとはしゃぐ。
他の面々もバスから降りて出番を待つばかり。
早く演奏したいと、気持ちを高めて維持する。
「最初の方お願いしますー!」
と、スタッフからのお呼びの声がかかる。
「また後で!」
今回の一番手はひらひらと手を振りながら、ライヴハウスの中へ‥‥
●Tosiki 〜上へ‥‥〜
「はいっ、またこの時間がやってきましたPassion Music! 今回もまた阿弥陀で順番をゲフン。ちょ、阿弥陀で笑うな、揉めないから良いんだよ、楽なんだよ! ってことで一番手、さーデカイ声で迎えうて、今回は一人で参戦、flicker‥‥Tosiki!!」
司会の紹介後、熱いライトに照らされてステージに立つのはTosiki。
自前のキーボードを持って舞台狭しとい動き回る。
ややハイテンポなロッカバラードの曲調はリズムをキープされて心地良く。
以前は苦手意識もあった歌唱だが今はもうそんなことはない。
声を曲名と同じように上へと向ける。
「 上へ上へ手を延ばす‥‥
何かを掴み取る為に‥‥
上へ上へ手を延ばす‥‥
その手は空虚を掴む‥‥
夏休み始まるとキャンパスを去った。
ファーストフードの厨房、ふと手が止まる。
行かないで。辞めないで。君の言葉が思い出される。
町を離れ一人きりのワンルーム。
紙に書いた鍵盤 破り捨てる。
上へ上へ手を延ばす‥‥
成功を掴み取る為に‥‥
上へ上へ手を延ばす‥‥
その手は掴めるのか‥‥いつかは‥‥ 」
観客から見下ろされる、というこのライヴハウスにあわせ、奏法を見せ付けるようなアクション。
初日の挨拶の言葉通り、『魅せる』プレイを前面に。
得意な鍵盤楽器。自分も楽しみ、そして観客を、沸かせた。
●ラム・セリアディア 〜勝負!〜
一度落ちた舞台に灯るライト。そこに立つのは演奏者ではなくて、司会。
「えー、僕個人的に、次の子好きです、かわいいです。すっげぇ楽しみです、一緒に演りたいとか思ってます。ということで、登場、天真爛漫ラム・セリアディア!」
ライトに照らされる中、ラムは楽しそうに手を振り、観客へとアピール。
幼いながら露出高めの服装で色気有りのラムはすぅっと息を吸って観客にメッセージを伝える。
「はろー! えびばーでぃー!! みんなー! 弾けてこーねーー!! でも、興奮しすぎて落っこちないでよねーーー!! それじゃあ、聞いてねっ! ラム・セリアディアでっ! 『勝負!』」
自身はギターを抱え、後ろには一昨日出会い、もうすでに仲良しのバックバンド。最高のライヴをするために昨日は十分に音合わせもした。
その成果、努力も現れて、息ぴったりでアップテンポの曲が流れ出す。
「 いつもと違う展開に 目を見開く貴方
小悪魔な笑みを浮かべ あたしは白い海に潜る
驚きながらも反応がある貴方に 更にあたしは激しくなる
だって嬉しいもの もっともっと喜んでもらいたい
たまには主導権握らせて
これはもう闘い 勝負!
あたしはいつもなすがまま だから
今日ぐらいは勝ちに行く うねる白い海はリングにかわる
ギブアップ? ダメ まだまだ終わらせない
愛してる 愛してる あたしにあるのはこの身一つ
結果はドロー? 想いもイーブン?
それでもいい また明日も勝負! 」
満面の笑顔を観客に向けて技術力不足はカバー。
ラム自身の魅力をきっちり出しながらの演奏。
観客はそれに、ラムの気持ちに応える様にテンションをあげていった。
●ネクサス 〜fly high〜
「コウ、毎度の事だけど落ち着く、本番じゃ頼りにしてるからさ」
ステージに上がる前、テンションがあがって仕方のない光一郎に光海は声をかける。
「今日もガンガン盛り上げていこうぜ皆」
「聴いてくれる皆と一緒に盛り上がる、だろ?」
「おう! 下向いてちゃ盛り上がれねーっての、俺達で上向かせてやるぜ!」
「その息ね、でもお客はライヴ見に来てるの、上向けるのはハートでしょ」
そういえばそうだ、とはたと気がついたというように光一郎は笑う。
三人の息、心はいつもながらぴたりと合わさっている。
「さーお次は前回に引き続き、今日も良いプレイ魅せてくれるって期待してるぜ! ネクサスの三人、七式クロノ、八田光一郎、そして紅一点、藤宮光海!!」
タイミング良く司会の呼ぶ声。ステージに駆け上がり一気に最高潮へと持っていく。
高く青い空をイメージさせるナンバー。梅雨空も突き抜けるくらいに観客と盛り上がろうとする彼らの気持ちは無駄にはならない。
三人の音が重なり合って、声を重ねる準備は万端。
「 どこまでも続く青空見上げ 夢を追う少年とすれ違った
真っ直ぐな瞳で何かを追い求め 見えない翼を広げている 」
一歩前へ出、クロノはその声を響かせる。
そして今度は光一郎が前へ、ベースを響かせながら歌う。
「 あの日の僕もあれ位眩しかったんだろうか?
今の僕は飛べない勇気も無い
でも鼓動が教えてる伝えてる
何時だって誰だってその想いだけあればいいと 」
それぞれのソロを歌い終わると、クロノと光一郎の声は合わさる。
そこへ光海のコーラスが入り、それぞれのキーを活かしながらのユニゾン。
重なる三つの声、ハーモニーは秀逸。
「 今の僕だってきっと飛べるはず(Flying in the sky)
無限の夢追いかける(Shining star)
奇跡と情熱の翼は今も僕の背中にある(Bright you now)行こう
fly high さえぎるものはない何処までも行こう そうさ
fly high 誰にも奪えない奇跡の翼羽ばたかせ 飛ぼう
fly high 無限に広がる空の向こうまで 」
ネクサスの奏でる音に観客のテンション、気持ちは上がっていく。
間奏は、熱く激しく、それぞれの音を活かしながら。ベースは主張しすぎず埋もれすぎず、けれどもパワー溢れるサウンドで曲を支える。
「OK everybody! Let’s shout fly high With us!」
と、観客のテンションの高さに応えるように『次お前達も声出せよ』と客席を指差し煽りながらクロノが声を上げる。
そしてラストスパートは一気に弾けるように。
賑やかになっていく音に再びユニゾン、声を重ねて。
「 fly high さえぎるものはない何処までも行こう そうさ
fly high 太陽にも奪えない情熱の翼羽ばたかせ 飛ぼう
fly high 誰も知らない扉の向こうまで
fly high in to the sky ready go a new world! 」
三人の声だけでなく観客の声も重なり、音が途切れる。
わっと溢れんばかりの声援がプレイに対して返ってくる。
光海は髪を縛っていたリボンを解き観客へと手を振る。
「皆っサイコー!」
光一郎は観客と同じか、それ以上のテンションを持たせ、対照的にクロノはクール。
「サンキュー! また何処かで俺達と盛り上がろうぜ!」
観客からもサンキューと声が返ってくる中、三人はステージを後にした。
●BLUE−M 〜Heaven�U〜
演奏前、司は愛用のストラトタイプのエレキギターを愛おしそうに撫ぜる。
「名前を付けたのは正解だったかしら? 昔から物持ちが悪かったですものね♪」
その様子を見ていた宇海はにこりと笑いながら言う。
「ああ‥‥TATUMIは大事な相方だからな‥‥」
宇海の弟の名前を冠したギターのネックにキスを一つ落とすのはステージに上がる前の験担ぎのマジナイだ。
「ふふ、Tosi流にも期待してますわ♪」
「昨日入念に音合わせしたし、応えるよ」
宇海は演奏協力者であるTosikiに声をかけステージへと視線を向ける。
と、丁度司会からのコール。
「お次はー、二人組。一番手のTosikiも助っ人で登場。いやーこのおねー様ともお近づきになりたいならせてください是非。え、もう一人? 野郎はどうでもいい、野郎は‥‥ん、いい音から嫉妬してるとか見苦しい? 見苦しくて結構、ステージに呼ぶぜ、BLUE−M!!」
司会を照らしていたライトが消え、暗闇の中でギターの音だけが響き、そこへ他の音が重なる。
そしてうっすらと明るくなるステージ。
「BLUE−Mに酔わせてあげるわ‥‥」
薄暗闇の中にこりと笑顔を浮かべ、黒いロングスリットスカート、黒のレザービスチェに黒い長手袋、と色を統一し、髪はルーズアップで妖艶な雰囲気の宇海が客席へと言葉を投げる。
そして同じく、パンツもストライプ袖無シャツも黒系に色を纏めた司の姿も暗がりの中に。
低く響くバスとギターでビートを刻み、そこにTosikiの音も重なる。
「 明けの明星 曙の天使
あどけない瞳の奥に眠る情熱が 私を捕えて放さない
蠱惑の微笑み
宵の明星 暁の堕天使
凍りつく心の中に潜む激情が 私を捕えて逃がさない
魅惑の甘露 」
艶を感じさせる低目の宇海の声。
歌詞とその姿はぴたりと一致する。
「 あなたに出会ったのは悪魔の采配 それとも宿命?
この肢体(からだ)も心も 私の中の全ての物を その手で掴んで
逃さないで 絡め取って 網の目のように 何があっても
ずっと‥‥ずっと‥‥ 」
歌詞と同じように曲調は不安定さを感じさせる。
半音の上げ下げで奏でられるメロディーと共に照明も揺れ雰囲気をかもし出していく。
そしてドラムの激しい音と共に一転、曲調はアップビートでハードに。
ステージも一気にライトアップされ、噴出したスモークの白さにライトが反射。眩しさ二乗。
その変化に静かに聴いていた観客は一緒になってテンションを上げていく。
「 永久(とわ)の幸せなんてあり得ない
共に落ち行くなら 地獄の果てでも付き合ってあげる
永劫の愛なんて信じない
たどり着けたなら 世界が終わっても側にいるわ
深紅の闇の中 二人一緒に溶けあえたら
至福の喜び Paradise of pleasure.
Eternal love and sacredness.Eternal desire and love. 」
今までの艶やかさの印象を消すほどに、力強く言葉の一つ一つを押し切るようにシャウト。
歌に集中する宇海を司、Tosiki、そしてバックバンドの音が支える。
最後の一言『and love』にはより一層想いを込めて。
すべての音はそこで歯切れ良く止められ、そして照明も一気に落とされ眩い世界から暗闇の世界へ。
暗闇に残された観客からは大きな声援が、おさまることなく響いていた。
●ライヴハウス『NEO』
「やっべ、テンションまだ高いよ。今日の収録はライヴハウスNEOでーしーた! まだまだ足りないと思うんだけど残念ながら今日はここで仕舞い。まだ騒ぎ足りねーって奴は‥‥自分の運を総動員して次回の収録に来なさい、どこかは未定、野生の勘であてろ。あ、この後ライヴハウスに迷惑かけるような行動は駄目絶対駄目! お前らわかってるよな!?」
司会は胸の前で腕を交差させてバツを作る。
そんなことしないという客席からの声に彼は満足そうに頷く。
「んじゃそのテンションの高さのまま最後まで付き合ってもらうぜ、はい静かにー」
口の前に人差し指一本たてて、静かに、のジェスチャー。
静まるライヴハウスにマイク無しで司会の地声が響く。
「楽しかったかお前らーーー!!!」
その応えは勿論、イエス。
上から下へと勢い良く、押し潰されるかと思うような声量が響きわたった。