ビバ☆悪魔生活アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
4.4万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
11/26〜11/28
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●本文
「うおあああああ、誰ですか昨日の仕込み食ったのはああああ!!!」
場所は地獄の万魔殿、の厨房。
声の主はお料理番悪魔のニスロクさん。
さぁ、皆様の朝食の準備、と起きた所びっくり。
昨日仕込んでいた材料が、冷蔵庫に、ない。
「まずい、皆様が起きてくるまであ、あと少し‥‥朝ご飯ないと‥‥」
『僕 が 食 べ ら れ る か も し れ な い 。』
「こうしてる場合じゃない! 何か、何かっ‥‥!」
と、ニスロクさんの視界に移ったのは、野菜の数々。
さぁニスロクさん、がんばって朝ご飯を作るんだ!
早くしないと早起き悪魔さんたちがご飯せびりにきちゃうぞ!
「ニスロク朝ご飯ー」
「ってもうきたあああああ!!!!」
さて、どなたがいらっしゃったのか。
とにかくがんばれニスロクさん、ファイトだニスロクさん。
朝ご飯タイムを乗り切れ!
●キャスト募集
深夜のファンタジーなドラマ『ビバ☆悪魔生活』ではキャストを募集しております。
有名所からマイナー悪魔、広くとって魔物まで、個性色々で演じてください。もちろん創作悪魔も可。
<今回の必須悪魔さん>
ニスロク。地獄の料理番。朝から困ってます、テンション高いです。他設定付けたし可能。
一人称は僕。
●補足
お話は万魔殿の厨房にて展開。
ニスロクを手伝いに来た、朝ご飯まだー、邪魔しにきただけ、実は仕込み自分が食べました、テヘなどなど行動は自由ですが、破壊などの行動はダメです。
半獣化、獣化は可。容姿を特殊メイクで補うことも可能。
お話の終わり方はお任せ。
●リプレイ本文
●Cast
アフロにコンプレックスなお料理番猫悪魔・ニスロク:桃音(fa4619)
寝起き悪しトウのたった女王様サキュバス・ルージュ:桜 美琴(fa3369)
ちょっとナルシストなエレキギター装備の芸術愛悪魔・パイモン:魔導院 冥(fa4581)
妄想癖有り、夢見るオトメ‥‥っぽいエンプーサ・リゼット:月居ヤエル(fa2680)
底無胃袋トラブルグレムリン・ラルゴ:クッキー(fa0472)
妙に生真面目、壺は嫌いです、天災型イフリート・アルハザード:氷桜(fa4254)
早起き黒翼出現で豹変しちゃう死を司る上位悪魔・アズラエル:神楽坂 紫翠(fa1420)
悪運強しの口悪し、すぐ手がでちゃう警備隊長な悪魔・ベリアル:レイス アゲート(fa4728)
●厨房は大忙し
「ねぇ‥‥ニスロクちゃん〜? ご飯ないのぉ?」
「どどどどどうしたんですか‥‥ご飯の時間はまままだだすっ!」
甘い声でニスロクにしな垂れかかり朝ご飯をたかるのは、黒皮ボンテージファッションのサキュバス、ルージュ。
「何で無いのよ!」
「お、お米は‥‥ほ、星屑の彼方にさようならー‥‥」
「私のお米ー! あんたを食べるわよ!?」
「アフロは毒なんです! ガーゴイルが石になっちゃうくらい毒でガーゴイル‥‥!!」
げしっと遠慮なく蹴りをニスロクにいれるルージュ。だがしかし、もふっとしたニスロクのアフロで、その衝撃は吸収される。
「一体何事ですか?」
厨房から聞こえたニスロクの叫びに、早朝の散歩をしていたアズラエルはコースを変えて顔を出す。
そこではもっふりアフロをかすかにゆらしながら打ちひしがれるニスロク。ニスロクは、朝食の材料が無くなっている事を訴える。
「朝ごはんの材料が無い? 呆然としている場合じゃないですよ? 何が残ってます?」
「や、野菜がいっぱいです‥‥」
「しょうがないですね‥‥暇ですから、手伝いますよ」
と、二人で野菜をガンガン切るのだが、ルージュのニスロクへの妨害は続いていた。
そしてまた一人。
「どうしたの〜? いそがしそうだね〜」
「あ、ラル‥‥」
ニスロクの視線はラルゴの口の回りに集中。仕込んだ覚えのあるものの食べカスがいっぱい。
「仕込み食べたの君‥‥?」
「食べてないよ?」
「‥‥‥‥マリネの仕込み、美味しかったでしょ‥‥?」
「美味しかったよー!」
「やっぱりいいい!!!!」
そして新たなる刺客(?)も来襲。
黒のレザーショートパンツにビスチェ。堂々とさらす左足は青銅のように背中の小さめの蝙蝠羽根を少し動かし欠伸しながらやってきたのはエンプーサ、リゼット。
「朝なんてかったるーい、ニスロク君、いつものあれ〜」
「ああ、はいはいっ!」
と、いつものあれ、朝のコーヒーを差し出す。
「‥‥朝のコーヒーはぁ〜」
「!! し、しまった‥‥」
手渡されたカップの中身を見て、リゼットはなんでそんな声でるのと思うほどの、まるで地獄の底から(場所地獄だけど)聞こえるような声を響かせる。
「初恋のように甘い砂糖3個入れたカフェ・オレっていってあんでしょー?! 何、ブラックなんかだしてンのよ。もー、ちょーBadでやってらんないってカンジィ〜! 朝から変な物、飲ますなっつーの、はい入れなおしー」
「すみません、すぐに‥‥」
ちゃんとしたものを渡すとリゼットはご機嫌に。そして飲みつつ、愚痴が始まる。
「ちょっと聞いてよー。昨日、狙った男がウザくてさー、やってらんないよねー。どっかにイケメン、落ちてないかなー、それでぇ‥‥」
「‥‥野菜切らなきゃ」
愚痴の途中でトリップしたリゼットを放置、ニスロクはだかだか野菜切りに戻る。
リゼットに対処している間にベリアルもいつの間にかそこに。
そしてアズラエルにご飯を色っぽく迫りつつねだるルージュ。
「あのグラッセが欲しいわ〜、駄目なら、代わりに貴方でも良いわよ?」
「あ〜それは、できたばかりですよ? 味見するんですか? フフ、自分以外の人の方が、いいと思いますよ? 綺麗なものには、毒ありますから」
「毒‥‥?」
と、固まるルージュ。だが気にせずちゃっかりアズラエルの作ったものをつまみ食いするベリアルしていた。
「お前、器用だよな〜そういえば、昔から何でもすぐできてたよな?」
「そんな事ないですよ。要領がいいだけです。味見は、いいですが、残して置いて下さいよ?」
「ってなんでつまみ食いしてんのよっ! ‥‥やば! ‥‥上司じゃないの?!」
遠慮なく蹴りを入れてから自分の上司であることに気がつくルージュ。
ルージュしっかり! そして蹴りを受けたベリアルはゆらりと立ち上がり。
「いきなり何しやがる? ほお、この俺に、喧嘩売るとは、良い度胸じゃないか?」
ちゃき、と腰にある剣に手をかけるベリアル、ルージュはやばいと逃げ体勢。
「べ、ベリアル様ったら今日も好い男ねぇ♪ ‥‥じゃこれで!」
しゅたっと、逃走。
「あ、こら! 待て!」
「ベリアル様、すぐ来て下さい!」
と、そのベリアルを呼び止める部下。
「あん? どうした?」
「カノン様が暴れて‥‥」
「お前等で、なんとかしろよ」
「無理です。隊長じゃないと‥‥一応恋人じゃないですか?」
「めんどくさいな‥‥で、場所はどこだ?」
部下から場所を聞き、帰ってくるまでに朝飯と念押しつつ向かうベリアル。
途端に、厨房が静かに。
「‥‥まだ材料が足りませんね‥‥手配してきます」
「あ、ありがとうございますー!」
こうして、厨房にはニスロクと、ニスロクを楽しそうに傍観するラルゴ。そして未だ絶賛愚痴り中のリゼットが残された。
●爆発☆ミラクル
静かになった、といっても愚痴がBGMで流れる厨房。朝食をせびりにやってくるものは後を絶たない。
「ふははは、御機嫌よう諸君!」
ギュイィーンと、エレキギターの高い音を響かせながら声高々と現れたのは立派な悪魔尻尾と角を持ち、王冠をかぶりミニスカート、だけど西洋の王子様ルックがばっちりお似合いのパイモン。
朝からテンション高いです。ロックを理解できない悪魔には騒音にしかならないのだが、ニスロクは理解できたりする。
「ぎゅいぃぃーん、おはようございますー、今日の朝食野菜しかー!」
ノリノリ、口で音出しながらエアギターで答えるニスロク。
その言葉にギターを鳴らし悲しみを表現するパイモン。
「仕方が無い、今日は野菜と‥‥オードブルは薔薇で我慢しよう」
「手伝ってほしいです、ル、ルシファーさん‥‥」
ぼそ、とパイモンの上司の名前を出すニスロク。その名を出されると逆らえないパイモン。
「‥‥料理も芸術も心が大事なのさ‥‥」
パイモン、朝食作りに参戦(?)決定。
順調に大鍋に野菜を放り込んでいくニスロク。だが、火力が足りない。
「でね、もういやに‥‥ねぇちょっと聞いてるー!?」
と、現実世界に戻ってきたリゼットの言葉にニスロク号泣しながら。
「ごーめーんーなーさーいぃ〜」
反射的に謝る。ちなみに号泣はたまねぎ超刻み中のためだったり。
「‥‥朝食はまだか‥‥」
そこへやってきたるはアラブ系の服装に、何故かスカルフェイス装着のイフリート、アルハザード。賭博と天災の属性を持つのだが、天災寄り。というか天災。
「すみませんまだですっ、今火力、火力がっ!」
「‥‥朝食が‥‥ないだと‥‥? ふざけるな」
「す、すみません、でも、でもっ!! 早く食べたければ手伝ってください!」
ニスロクに対してきつい声色を向けるアルハザード。だが、早く朝食にありつくには、手伝うしかない。
「‥‥」
「ありがとうございます‥‥! あーこれで火力問題は安心‥‥もっと、もっとか、火力アップしてくださいいぃぃ」
人力、ならぬ悪魔力で高火力コンロ代わりになるアルハザード。
「‥‥待て、壺は近づけるな‥‥」
「でもこの中に調味料が‥‥」
「‥‥では見せるな」
「‥‥手間かかるのに‥‥」
こうして、朝ご飯作りはしばし、邪魔が入らず調子よく進んで行く。
そして。
「朝食のスープ、完成ですっ‥‥!」
「一番は私よっ!!」
「うわぁっ」
蹴りと共に厨房へとタイミングを見計らっていたのか戻ってくるルージュ。もふっとアフロで衝撃吸収、そのもふっと感にトキメキを感じているらしい。
「‥‥ホント最近の若者ってぇ〜でもほら、そこをつっつくと私の魅力にイチコロ? アハって感じぃ?」
「そこ、やかましいわ〜! この小娘!!」
「きゃあっ! ちょっとートウのたったオバサンなにすんのよー!」
リゼットのBGMで静かに朝ご飯食べられないじゃないの、とハリセンでツッコミを入れるルージュ。
二人はぎゃあぎゃあと騒ぐ。
「できたっ‥‥! ニスロク君、朝食だよ」
「ってこれデザートじゃないですかー!」
「‥‥いただきます」
と、傍でちゃっかり、すでに朝食頂きますのアルハザード。
ルージュが、許すはずがなく。
「あ、私が一番だって言ってるでしょー!!」
「‥‥な、何をする、やめ‥‥これはお前のではなく‥‥‥‥俺のものだー!!!!」
アルハザード、ルージュのしつこさにプツン。
そして、爆発は起こったのだった。
厨房から、万魔殿全体へと響いていく振動‥‥!
「と〜け〜る〜とける〜と〜け〜る〜〜」
もわもわと煙が上がる中、逃亡しようとするラルゴ。
「何処がじゃ!」
すかさず本能でハリセンチョップのツッコミを入れるルージュ。
「‥‥何が起こったのだ‥‥」
「ば、爆発‥‥あ、あれ‥‥?」
けほけほと咳き込みつつなんだかいつもと違う自分の頭を触るニスロク。
もふっとしたものがない。
思わずその辺に転がる鍋の底に自分を映す。
「アッ、アフロがアフロが治ったああぁぁー!! 見てくださいパイモンさん!」
号泣しながらニスロクはパイモンの顔がしっと掴んでその姿‥‥ではなく頭を見せる。
「ええ、あのもふっとが‥‥」
もふっと感が気に入っていたルージュはショック。
「‥‥これは、また派手に、壊れたようですね」
材料手配をし、駆けつけてきたアズラエルは惨状を見て、溜息。
「直るまで、連帯責任で、強制労働か?」
「どうしたーすげー音が‥‥お前等、大丈夫かよ? すごいなその姿あ〜腹痛いぜ、あはははっ」
と、ベリアルはしゃがみこみ笑う。
煙もおさまり互いを見合うと。
アフロ。
アフロ。
けほっと煙をはきつつ、自身の頭を触り呆然とするリゼット。
「マ、マジー? 冗談じゃないわよぉー」
ニスロクとまだ見詰め合っているパイモン。
「美しい‥‥」
「え?」
「芸術派爆発だーーー!!」
激しくギターをかき鳴らし、今の自分を表現するパイモン。先ほどの呟きもニスロクの瞳にうつる自分に対してだったりする。
そして、ぶはっと煙を吐きその場へ倒れこむ。
「え、アフロ!? ‥‥いい女は何でも似合うものよね‥‥」
「あ、ルージュさんとっても前向き‥‥」
と、背後から突然熱を感じる。そこには、無差別放火中のアフロなアルハザード。
「‥‥朝食が‥‥」
「!!!!!!」
先ほどの爆発の犠牲者は、ミラクルでアフロの治ったニスロク以外の面々と‥‥折角できた野菜スープ。
「‥‥‥‥うわあああああああん!!!!!!」
アフロは、アフロは治ったけど‥‥! と叫びながら厨房から大脱走するニスロク。
「ニスロク! 片付けは‥‥!」
「うわああああああん!!!!!!」
アズラエルの静止もむなしく、万魔殿内に響く、ニスロクの泣き声。
今日も万魔殿は、平和です。