紅葉狩りドラマSPアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 11/30〜12/04

●本文

 落ちる葉っぱ‥‥お掃除してすることといえば一つ。
 焚き火で、焼き芋。
 YA KI I MO.
 これは、そんな焼き芋に命を懸けるものたちの話である。

●ストーリーと補足
 落ち葉を集め、火をつけて、それを囲む。
 それを囲んだなら、芋入れなきゃダメだろう!
 芋のほかにも何か入れちゃえ!
 と、いうノリでどたばたの一部始終を描く。
 芋のほかに入れるものはミカンなど、食べ物に限る。
 いれたものは撮影中にしっかり出演者に食べてもらうので、あまり変なものをいれると苦しくなるのは出演者である。
 ちなみに、いれるものは持ち込み。
 あまりにも火が強くなり、火事になりそうになった場合はすぐさま消化作業を行うことも前提。
 故意に火を強くしようとするのは安全面などを考えて絶対にしないことを約束していただく。

●キャスト
 この役は必須、という指定はない。
 舞台背景は現代。田舎にある広い庭付の民家。縁側もしっかり有り。
 広い庭でぎゃーぎゃーさわぐ一家でも、近所から集まった子供でも好きに設定してヨシ。

●今回の参加者

 fa0115 縞りす(12歳・♀・リス)
 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa3487 ラリー・タウンゼント(28歳・♂・一角獣)
 fa3611 敷島ポーレット(18歳・♀・猫)
 fa4181 南央(17歳・♀・ハムスター)
 fa4203 花鳥風月(17歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●Cast
真砂郁:南央(fa4181)
真砂恵:あずさ&お兄さん(fa2132)
二宮優花:姫乃 唯(fa1463)
高木萌:縞りす(fa0115)
エステル・シャロエ:冬織(fa2993)
ジェレマイア・ウッドヴァイン:ラリー・タウンゼント(fa3487)
ルクリア・ウッドヴァイン:敷島ポーレット(fa3611)
相酉洋子:花鳥風月(fa4203)

●とある家の庭先で
 はらはらはら。おちる葉、ざっざっと箒でかき集めるフランス人と、この家に入り浸る少女、優花。エステルは、今現在真砂家にホームステイ中。
「この時期って、掃いても掃いても葉っぱが落ちて来るよねぇ〜、それに寒いし。手が冷たくなっちゃったよぅ」
「落ち葉沢山でござるデース。後は野とナレ山となり申したが、郁、どしたら宜しおすかデース?」
 エステルは怪しい日本語で、郁へと尋ねる。
 郁は。
「にーっす! 焼芋! 芋!! 芋!! ブハ!」
 両手あげ、笑顔で走りよってくる非常にテンションが高い子だった。自家発電できそうなほど、年中元気少女。そんな郁は、どこからともなくマッチを取り出す。シュッと火をつけて。
「着火マアアアアアアン!!! 燃えろ〜バアアアアアアニ〜〜〜〜ン! ‥‥全然燃えないよ!」
 がさっと手近にあった木の枝でがさがさっと落ち葉をかき混ぜる。
「お姉ちゃん、エステルさん、何やってるの〜?」
 と、ひょこっと顔を出したのは郁の妹、恵。
 庭に下りてきてがさがさしている郁たちの傍へやってくる。
「やきいも! ママからもらってくるね! エステルさんも!」
「YAKIIMO、何ちゃら食いモンがあったデースカ。早速準備すっとでございマース」
 と、二人が中にもどって色々物色している間に。
「バアアアアニン、バアアアアアニン!!! プッ!」
 郁は着火を完了。
 庭からうっすらと煙が上がる。
 そんな煙をみた萌。火事かと思い覗いてみると違っており、はたっと郁と目が合う。
「にーっす!」
「焼芋? あっつあつのをハフハフいいながら食べるのが一番ですね。もってきます!」
 と、ダッシュして家に一度帰る。
「はぁ〜、暖か〜」
 こうして、ちゃくちゃくと焼芋の準備は整っていくのだった。

●レッツ☆焼芋その他満載祭
 焚き火も良い感じになり。
「芋! 芋!! プフッ!」
「お姉ちゃん落ち着いて」
「オーウ、そんなカンジで投げ入れるで有りますネ」
 えぇいと芋を焚き火に投げ入れる郁をエステルもまねする。
 危険だからと恵はとめるのだがとまらないとまらない。
 家にあった芋類すべてかき集めてきたので、その量は四人で食べれるだけ以上だった。
 そしてさらに萌帰還。
「お芋もってきたよ、あれ、いっぱいある?」
 と、食料は増えて。
 そして、庭先に集う人も増える。
「いいにおい‥‥いや、だめだ、まだ走りこみの最中だし‥‥でもちょっとなら‥‥」
 と、納得してやってきた洋子。
 焚き火に少し当たり、そして芋へと視線が。
「食べます?」
「‥‥いいの?」
 こくこく、と皆に頷かれ、洋子は手を伸ばし、かける。
「いやー、体脂肪率が増える! でも、食べたい!」
 叫びつつも手の中には焼芋。
「あ、焼芋は蒸し焼きに、これ王道よ、地面に穴掘って、産めて…こっちにも火を移して‥‥‥‥自分との戦いに負けている‥‥!」
 洋子はうきうきと焼芋準備をしている自分に気がつき愕然とする。が、もうここまでくればやるしかない!
 楽しい本格焼芋仲間、一人追加。
 分裂していく焚き火に、次々と放り込まれる食材。
 あたりには、良いにおいが。
「お邪魔します、俺たちも、いいかな?」
「なんかいいにおいだけど‥‥なにやってるの?」
「焚き火に色々」
 においに誘われて、栗をもって参上したのはジェレマイア。そばにはなにをしているのかよく分かっていない従姉妹のルクリアも一緒。ルクリアの手にも色々なものが。
「散歩してたら、良い匂いがしたから家に取って返してきちゃったよ」
 ルクリアは、芋などをいれる様子を見てなんとなく、なにをしているか察する。
「焚き火に、お芋とかぽい?」
「うん、落ち葉で芋を焼くと美味しく焼けるんだよ」
「へー、日本の落ち葉は不思議なのね」
 早速、と普通に燃えている焚き火のそばへ。
 ホイルに包んだ食材を放り込む。
「ハンバーグ、トウモロコシ〜。早く焼けないかな〜」
 しゃがみこんで鼻歌交じり。楽しそうなルクリアの姿にほんわり笑みをこぼすジェレマイア。彼自身ももってきた栗を焚き火の中へ。
 実は現在、焚き火の中には、通常食材のサツマイモやジャガイモといったものの他にバナナにみかん、栗。りんご、そしてハンバーグに各種キノコや、こんにゃくに卵がホイルに包まれて投下されていた。
「バナナは‥‥おいしい〜! はい、次はエステルさん!」
 恵は自身がいれたシナモン振りバターとろりのバナナがあたってほくほく。
 郁はサツマイモをもしゃもしゃ食べていたのだが、視線は他の人のもつ芋へ。
 他人のものほど美味しそうなのである。
「オウ! 私のバーン、一度掴んだとは、絶対食べるルールずらデース」
 すちゃっと長火箸構え、エステルが掘り当てた(?)のは、こんにゃく。
「味噌! 味噌ぬったら田楽! プッ!」
 とってくる、といった感じで郁は台所へダッシュ。
 そして他の面々も、そろそろやけたかなと焚き火をごそごそ。
「なっ‥‥ちょっ‥‥俺がマッシュルームとポルチーニ以外のキノコが食べられないってしってるだろ! 万が一当たりついても、絶対に食べないから!! って言ってる傍から‥‥」
「私はー、ハンバーグ! わーい」
 がっくりのジェレマイアと、喜びのルクレア。
 ジェレマイアは、ごそごそと他のものもあさるのが出てくるのはきのこばっかり。
 いとしの、自分が投げ入れた栗は‥‥すでに他の人のおなかの中に。
「‥‥キノコ‥‥またキノコ‥‥俺、食べられないのに‥‥っ」
 くすん、と涙しつつ縁側の隅っこに膝を抱えて座るジェレマイア。その肩をぽん、と叩き慰めたのは郁。味噌を持ってきて、それを渡して、ジェレマイアのキノコをちょっとつまんで見るが、他のものにも目移り。最終的に、サツマイモに辿り着く。
「わ〜、それも美味しそうね〜。ちょっとちょーだい♪」
「あ、優ちゃんのも美味しそう」
「そっちも!」
 仲良し親友の恵と優花、そしてルクリアは並んで美味しく。
 エステルは自分がいれた卵が爆発していることにおどろいたり。
 そんな穏やかな午後。
 サツマイモを食べていた郁が、ハッと何かに気がつきダッシュ。
「‥‥郁さんどうしたんだろう」
 ダダダっと走りながら戻ってきた郁の手には皿。
 高々とそれを、郁は掲げる。
「れでぃーすあーんどじぇんとるめん! いっつゲソ!」
 みよ、これをという風にかかげられるゲソ。
「お姉ちゃん、ゲソって‥‥さっきスルメしたのに‥‥どこにあったの?」
「冷蔵庫に。爺ちゃんの肴かな? 下味バッチリ親切だよね!」
 郁はにひひと笑い、ゲソ投下の準備を始める。
 とっても、楽しそう。
「それ全部焼くデスカ? じーちゃん後で困りますです」
「ん? 全部焼くゲソよ。爺ちゃん? ピーナッツあるから平気。気にしないゲソ☆」
 郁は大丈夫大丈夫、とゲソ用意完了。
 いざゲソ!
「ゲソ! ゲーソゲソ! ブハッ!」
「郁さん‥‥ゲソのついでにキノコも食べません?」
「ゲソで心一杯!」
「自分で食べようね〜」
 ゲソに心躍らせる郁。
 真砂家の庭は、焚き火の跡がたくさん。
 そして、自滅した品もある。
 エステルはそれらももしゃりながら、その後を見て。
「日本は落武者‥ン遅延ノン、荒武者? ‥‥荒行するは誰でござったデースか。コレ裸足で歩くデースネ。エステル挑戦でござるデース! ‥‥ばってん今日は無理やねんデース」
「なんだかキャンプみたいだったね」
「うん、焼き芋美味しい! バナナも焼くと甘味が増して結構美味しいよね。蜜柑も、それ程変でも無いと思うけどなぁ? やっぱり何でも試してみないとね」
「よっしゲソ!! うま! なにこれうま!! 甘いもの食べたら、しょっぱいものも食べないとね〜! ほどよくしょっぱ!」
 と、出来上がったゲソを一人でパクつき平らげる郁。
 食べ終わった後は元気よく、手をあわせて。
「すっげ満腹! ごちそーさま!」
 まだほのかに煙があがる焚き火も、ちゃんと始末して。
 楽しい焼芋祭は。
「またやろうねっ!」
「今度は栗を‥‥」
「オウ! 楽しみデース!」
「今度は、自分に負けないけど負けそう‥‥」
「今日は美味しかった!」
「そうだね!」
 それぞれ口々に感想を述べ、今日の焼芋祭はおしまい。
 でもまたすぐ、はらはらと色づいた葉は落ちてくる。
 そして、ここは田舎。
 焚き火ができるほどの落ち葉は、いくらでもあったりするのだった。
「とりあえず次もゲソ! プッ!」
「ゲソって‥‥お姉ちゃん‥‥」
「まぁまぁ、また他にも美味しそうなもの考えておこうっと」
 爽やかな風がひゅるり。
 食べて騒いで、楽しいひと時だったのでした。