PassionMusic:strayedBアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
12/14〜12/16
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●本文
『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
収録に出会えるかどうかは時の運。
そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「今回は初の試み! 曲名はすべて『迷い蝶』! それぞれの奏でる楽曲は如何な蝶なのかっ! ではではいってみよ!」
舞台の照明がばっと明るくなる。
最高のプレイを、そこで‥‥!
『Passion Music』出演者募集
ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
今回は演奏する曲名が『迷い蝶』で統一。それぞれの個性を出してください。
舞台は特に特徴も無く、自分達と観客が面するのは一方。自分達のほうが少し高い位置、ということになります。
ソロ、グループを組む、は自由です。
収録に取り直しはありません、一発勝負です。
舞台に関しては通常の舞台です。
なお、日程は以下です。
初日 参加者顔合わせ
二日目 スタジオでのリハーサルなど
三日目 ライヴハウスでの演奏、収録
ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
バックバンドが必要であればこちらで用意します。
グループ掛け持ちは禁止。
演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。
●リプレイ本文
●一日目
連続収録は久しぶりです。
そしてお久しぶりな人も初めましてな人もいたりする『迷い蝶』の回。
それぞれ挨拶を交わし交わされ、暇になった頃、机の前で。
「ということで、全員よさそうな感じなので公開阿弥陀です、初公開阿弥陀、皆にはどこがいいか選ぶ権利を与えよう。いつも、あいうえお順でならべてちゃっちゃっちゃーなんだけどね」
どーんと広げられたチラシの裏には蓮が引いた組数分の線。
「ここ!」
最初に場所指定をしたのは天道ミラー(fa4657)。
続いて今回組むEUREKA(fa3661)と仁和 環(fa0597)もちょっと相談して選ぶ。
「では私たちはここで〜」
「はいよっ!」
BLUE‐Mの星野 宇海(fa0379)とアレクサンドル(fa4557)。選んだ場所は宇海の好みの場所だがアレクサンドルは紳士なのでそれを受け入れる。
「それじゃ、僕お先に。久しぶりだからいつも以上に気合入れていかなきゃ」
紅 勇花(fa0034)はそう言いながらここ、と指定。
「僕らは残り物で」
「残り物には福がある、ですね」
T.R.Y.の渦深 晨(fa4131)と玖條 奏(fa4133)は最後の空きで良いと了承。
「よし、好きなところに線引きまくれ」
盛大な線引きが、始まる。
そして、順番決定!
二日連続収録一日目、宜しくお願いします。
●天道ミラー
「今日は、曲名が皆『迷い蝶』、だがしかし個性は色々でるもの! 今日最初はPassion初登場! 天道ミラー!! 素敵に自分の世界をヨロシク!! ごめん個人的にワンコみたいだと思ってる!!」
スポットライトに照らされて立つミラー。観客からひっそり『わんこー』と声かけられて、ミラーは手を振ってみたり。
半獣化して黒のプリムダウン帽と黒のレザーロングコート前全開し、しっかりそれらで耳と尻尾を隠す。そして深紅のシャツち黒パンツ。持つ黒いエレキギターには、紫色で、蝶が舞う。
最初の音はバックバンドのキーボード、怪しげな雰囲気で。
「 道に迷い疲れ果てた君の羽根
煌めきは落ち暗い色に染まってた
俺は何も訊かず手をさしのべ
『気にしないで 好きなだけ休めばいい』
君は嬉しそうにやって来た 」
ドラムの音が徐々に乗り、テンポアップ。
激しい音にエレキギターとベースの音がさらに重なり、テンションも曲も、より高みに。
激しい音に乗せ、声はまっすぐしっかりとお腹から。
「優しい言葉と優しい笑顔で
美しい羽根持つ君を完璧に捕らえた筈なのに
羽根の輝き取り戻した君は 悪戯な微笑み浮かべ
俺の腕すり抜け 気まぐれに飛び回る 」
曲にあわせてエレキギターと踊るようにターン。きらきらとエレキギターに描かれた蝶が光る。
曲はテンポを落としていき、ゆっくりと。
「 そう 君は迷子のフリして俺の所に飛び込んだ
美しい羽根捕らえる筈が囚われて
惑わされたのは 俺の方 」
声とともに、曲が静香に終わる。
シンとホールは一瞬して、そして観客からの声。
ミラーはそれに答えるように彼らの方へ投げキス。
「皆へ愛!」
●Azurite
「テーマは蝶だけどユニットの名前は花! さー、楽しみいってみよ! 青色で描く仁和環とEUREKAの迷い蝶に聞きほれるが良いよ! Azurite!!」
暗いブルーの光に照らされて。
蒼地に蝶舞う中華系服の環と蒼地に白牡丹のチャイナドレスのEUREKA。
EUREKAはピアノの前、そして環は三味線を持ちマイクスタンドの前へ。
始まりは高音域から。
急速におちてあがって、そしてアクセントに多彩な音と激しさを交えてゆく。
そしてライトも一気に明るく。
「 見上げれば凍る月の光 遮る蒼い影ひらり
儚く羽ばたく翅は 虚ろ夜の幻か
戸惑いそっと伸ばす指先 舞い降りた冬の蝶
甘い蜜探す舞は 限りある刻に追われ 」
ドラムのリズムが響き、ピアノ、三味線と音を立たせ、そして歯切れ良くインパクトをつけ、ふっと音を引かせてメロウに。
「 何故に季節(とき)迷う 聲なき蝶は告げはしない
何処へ魂(こころ)惑う いとけなき躯傷つけながら
焔の緋より 冷たくも熱き想いの蒼
その翅に映す姿は 貴女という華求める俺か
春の優より 厳かに試練課せし季節(とき)
彷徨い迷いこんだか それとも―― 」
音は一度、ふっと消える。その後再び盛り上げ、また静かに静かに。
環の歌声を押さえ込んだ音にのせて。
「 見上げれば凍る月の光 遮る蒼い影ひらり
儚く羽ばたく翅は 自ら迷い風に舞う
今しか咲かない華のもとへ 」
声の終わりとともに激しい全楽器の音、そこからピアノと三味線の音だけが抜け出て、カットアウト。
同時に照明も落ち暗闇の中に観客の声が響いた。
その暗闇の中、ひっそり観客から『隅っこー!』という声が聞こえ環はバックに戻ると同時に隅っこに座り込み、その姿をEUREKAは目撃しちょっと笑っていた。
●BLUE‐M
「次の登場はパフォーマンスも楽しみだー! なBLUE‐M、星野宇海とアレクサンドル! 紳士と淑女‥‥女王様の方がしっくり? ともかく二人の迷い蝶! 僕また何かもらえるの期待してる!」
青黒と紅の二色のライトの中、燕尾服とマントを羽織ったアレクサンドルがシルクハットを胸に置き、優雅に一礼。
そしてサックスを持ち、一音を大事に始まり、優雅に、妖艶に現れる宇海。
黒皮のビスチェに肘までのロング手袋、そしてシフォンの綺麗なマーメイドラインのロングスカートは裾広がりでフワリ。
そして舞台を広く歩くたびに長く紅いストールが揺れる。
髪ではカラーストーンが光り、耳には蝶型のイヤリングが揺れる。
「 紅(あか)と黒 背中の羽は罪の色
魅惑の鱗粉(こな)を振りまいて
今宵も誰かを惑わせる 」
宇海は舞台を一周、歌いながら手先まで滑らかに繊細に振りを入れて。
と、アレクサンドルがマジックで折り紙の蝶の群を上空へと浮かばせる。
そしてスモークがふわっとそれを隠してゆく。
「 甘い声 狂い咲きの花弁探し
愛の蜜を求め ひらり・ひらり
甘い罠 銀の糸に絡められ
愛のしずく求め ひらり・ひらり
囚われたのは 花か蝶か 分らないまま
もう二度と戻らない 季節外れの迷い蝶
闇の中、ただ紅(あか)が独り舞う‥‥ 」
スモークから黒揚羽が一羽抜け出し、宇海の伸ばす右手へととまる。
宇海はそれを愛でながら、情感込めて歌う。
サックスとエレキギターの和音に妖艶な声が長く長く。
「 Love never returns‥‥ 」
終わりと思わせて、囁くようにセクシーな声。
観客からの拍手の中、宇海は蝶にキス一つ、そして優雅に深く深く、腰を落としてお辞儀して声にこたえる。
アレクサンドルも宇海の隣に立ち、その手の中の蝶を黒薔薇へとマジックで変え捧げる。
退場途中、宇海は薔薇にキスし、端にて待機中の蓮の頭にそれを置いた。
そしてアレクサンドルがその前を通るとぽん、と薔薇は元の蝶へ。
最後までしっかり見せ場を作っていたのだった。
●T.R.Y.
「よし、今日も頑張ろう、カナ」
「うん、がんばろう」
舞台に上がる前に二人で声をかけあって。
「いろんなことに挑戦していく、だから渦深晨と玖條奏の二人は『T.R.Y.』今回の二人は和ロックに挑戦!! いいね、いっぱいいろんなことに挑戦するのいいこと、Passionはそんな場所をこれからも提供してきます! んではその挑戦お前等しっかり受け止めな!」
薄暗いステージの中、もわっと足元にはスモーク、その中にスポットを受けて、薄紫色に華の文様が入った着物のような衣装をカジュアルなズボン、アンダーとあわせて着崩してきる奏と、Tシャツと黒のズボンの上、膝丈までの青地に花の描かれた浴衣を少し着崩した晨が浮かび上がる。
そして和ロックの始まりは印象深く笙の音が鳴り響く。
「 白き闇の只中で
ふと目に留まる極彩色
ひらりヒラリと不規則に
風と戯れ 舞踊る 」
その音に乗せるように、アカペラのように、声を合わせ、奏、晨、と声を分け、そしてまた合わさる。
「 まるで何処かへ誘う(さそう)様(よう)
付かず離れず傍(ココ)にいる
ふわりフワリと舞う様(さま)で
身体は自然に 動き出す 」
増えてゆく音に声は乗り、そして二人はひらひら袖を揺らして蝶が舞う様子を表現する。
ステップ少し、身振りのみ、落ち着いた大人の雰囲気を心がけて。
「 共に行こう
導くままに
共に踊ろう
手と手を繋ぎ
全ては風の示すがままに 身も心も委ねよう 」
力強く、しっかりと伝えたいところは二人で声を重ね合わせ強める。
テンポは少しずつ、ゆっくりとなっていく。
「 次は誰が共に舞う その身全てを委ねるならば
姿現す 惑い蝶
朧なる存在 紡ぐ(つむぐ)言ノ葉と
夢幻の姿 霧の中 」
余韻十分もたせて、薄暗い中二人の声が響き途切れる。
最後は二人並んで、笑顔を観客に向けて。
まだまだ二人の挑戦は続く。
●紅勇花
「今日の最後に舞う蝶は、ギタリストでありつつも歌っちゃう紅勇花! お久しぶりの彼女が奏でる曲はいかなもの! んでは、どーぞ!! 『迷い蝶 −Masquarade−』」
ライトが切り替わり勇花へ。
かき鳴らされるエレキギターの音はリズミカルに。
ラテン風の曲調は、情熱を感じさせつつも、どこか寂しげ。
「 青、黄に紫、煌めく光纏い舞う黒揚羽
花から花へ、渡り飛んでは蜜求め睦みあい
飽くことも無く、交じり合う悦びに酔い痴れ
憂い哀し‥‥瞳に揺れた影は翅の下へ 」
と、少し雰囲気が変わり、落ち着いた雰囲気になる。
「 澱み落ちた心 闇(くら)き砂漠のヴィジョン
乾いた翅 朽ちる前に‥‥私を潤して! 」
落ち着いた雰囲気から、想いをぶちまけるが如く声も歌も激しく激しく。
魂込めて、曲が奏でられる。
「 狂(イカ)れる程に身に浴びても 焼け付くほどに飲み干しても
<‥‥まだ足りないと‥‥ココロが叫んでる‥‥>
舞飛ぶ翅に散った光は 悲哀に良く似た輝き放つ‥‥
<‥‥これも違う‥‥私の華は何処‥‥?> 」
最後は勢いを引き継いだまま激しさを持たせ、そして少しずつ音楽は抑えられ、弱められていく。
そして、残る音は勇花のギターの音だけ。
数度気持ち込めてその音は掻き均され、最後の一音が響く。
その音途切れると同時に、観客から声の波。
●ライヴハウス『ウィズダム』
「蝶ひらひら、皆ちゃんと迷わずあるべきところに飛んでいけ! 今日は五羽の蝶がここ、ライヴハウス『ウィズダム』にてひらひらしーまーしーたっ! 明日もね、某所で収録あるんだよー、わぁー僕働きまくってえらーい」
と、よた話は終わり。
ちょっと観客と話しつつ、最後の締め。
「それでは今日もラストは皆からの叫びで締めくくりたいとおもいまっす。今回はー、そだな、僕が『迷い蝶』つったら『ひらひらー!』で思いの丈を表現してください、気合入れてひらひらね、ひらひら」
わかった、というようにざわめく観客。
蓮はマイクを置いて。
「ライヴはいかがでしたでしょーかっ! 迷い蝶ーーー!!!」
『ひらひらーーーー!!!』
ひらひらどころじゃないギラギラばっさばっさ、という雰囲気で、観客からは大満足のお声が返ってくるのでした。