クリスマスドラマSPアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/25〜12/29

●本文

 クリスマスです。
 クリスマスといえば。
「とりあえず恋人たちいちゃつく」
「一人身さみしい」
「一人身ですが何か、あてつけですか」
「す、すまん‥‥」
 珍しく新人勝利のへたれ星チーム。
「はいはい、もう一人身はいいんで、さっさとお話すすめましょう」
「そうだな! 今回はクリスマスで恋人と‥‥あ‥‥」
「お、落ち着け! 大丈夫だ!」
「しつこいですよ、別に気にしてませんから」
 新人の笑顔は氷のように冷たかったとか。
 さて今回の、お話は。

 ドラマあらすじ
 下界ではクリスマスというものがある。
 それにあやかって今年はへたれ星宅でクリスマスパーティーを開くらしい。
 もちろんクリスマスがどういうものかよくわかっていない。
 だがしかし、このチャンスを逃さずいちゃつこうと試みるへたれ星。
 目標は、織姫の手を握ることなのでした。(ハードル低いのはへたれだから)
 そして、この機会にラブチャンスが訪れる‥‥かもしれない。

 補足
 とりあえず、さわいでよし。
 危険なことはしない、ハメをはずしすぎない、常識からはずれないならば大体許されます。
 今回、七夕メンバーに加え、他にも広く募集中。

●今回の参加者

 fa0642 楊・玲花(19歳・♀・猫)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa3369 桜 美琴(30歳・♀・猫)
 fa3487 ラリー・タウンゼント(28歳・♂・一角獣)
 fa4002 西村 哲也(25歳・♂・ハムスター)
 fa4619 桃音(15歳・♀・猫)
 fa4728 レイス アゲート(26歳・♂・豹)
 fa4769 (20歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●出演
彦星:西村 哲也(fa4002)
織姫:楊・玲花(fa0642)
月華:桜 美琴(fa3369)
煌:ラリー・タウンゼント(fa3487)
翠:椿(fa2495)
ざらめ:桃音(fa4619)
杏:忍(fa4769)
紫苑:レイス アゲート(fa4728)

●三角のと丸いのと
「通販代の倹約だから一緒に頼んだのよね〜」
「そうです! 何で私が取りに来ないと行けないんですのー! えぇい開けてやる、うりゃ!」
 雲の神様、ざらめは同居人宛ての荷物のテープを勢い良くビリイイっとはがす。
「‥‥これは何?」
 中に入っていたのは三角の形、先にはまふっと毛玉っぽいものがついた赤い帽子に、きらきら光る丸い玉だったり星だったり。
「確か‥‥栗須鱒とかって言ってましたの」
 栗須鱒?
 首をかしげ何それ、と思うのは当たり前。
「ちょっと彦星ー、栗須鱒って知ってるー?」
「栗酢鱒? ‥‥栗と鱒あったっけ? あ、ざらめさんざらめさん。コ、コベコまだ子供だから気をつけてあげないといけない事とか」
 微妙な情報伝達不備も起こっています。
 そしてへたれ星がざらめに少し歩み寄っています。
「翠は知って‥‥きっと食料庫の前ね」
 月華は辺りを見回すものの、みあたらない翠の居場所を予想して放置。
 そしてその予想通り翠は食料庫の前でぱたんきゅー中。
「こうなったら、物知りの煌に聞くのが一番ね」
 と、いうことで。
「‥‥まだ宮中で仕事をしていたんだが‥‥急ぎの用とは?」
 幼馴染の煌を召集。
「‥‥クリスマスは何か、というのを聞くためだけに呼んだのか‥‥」
 うんうん、と頷く面々にため息を返す煌。
「確か、父上の蔵書にそのようなものを解説した本があった筈だが」
 煌は、なんだろうねーと想像をめぐらせる面々を置いて一度家に。
 そしてしばらくして。
「本があったぞ。これによると‥‥クリスマスとは、イエス・キリストという人物の降誕を祝う祭のようだな。『神様が人間として産まれてきてくださったこと』を祝うことが本質なのだとか」
「お祝い!」
 ならば宴会でしょう、実践あるのみ。と鶴の一声ならぬ姉さまの一声。
 他方に招待状が、舞い込むのでした・

●クリスマスパーティー、その前に
「彦星、これを機会に織姫と距離をつめるの。らぶらぶよ、らぶらぶ」
「らぶらぶ? らぶらぶってどうすればいいんですか姉さま。あ、でも独り身に聞いても無駄でしたか‥‥」
「一人身で悪かったわねー!!」
 と、いつものように月華の蹴りが炸裂。
「ぎゃあ! き‥‥煌あああ!!!!」
 そしてそのまま、彦星は煌の元へと走る。
 こっそり宮中に忍び込み(もちろんコベコも一緒)、煌をみつけるとそこでは女官にモテモテの煌が。なんとなく出にくく、さっと隠れてします。
「!! コ、コベコ! あれだ、あれだよ! 煌みたいになれば!」
 だが、頭上に電球ぺかーという感じで閃く彦星。
「煌すごく格好イイし! きっとそれなら織姫と手‥‥手を‥‥!」
 と、一人騒いでいる間に煌に見つかって。
「何をしているんだ‥‥?」
「あ、煌! 煌ー」
 なんとなく、安堵してか煌の服の裾を握る彦星。
「ありがとう、煌」
「? 何がだろうか‥‥」
「色々!」
 煌は不思議に思いつつ、彦星が満足ならいいか、と思うのだった。
 そして、彦星の想い人、織姫はというと。
「クリスマスパーティ‥‥ってなんですの? 知らないなんてわたくしのプライドが許しませんわ‥‥!」
 と、自らの情報網を駆使してある筋よりクリスマスは手編みのものをプレゼントするという風習があることを知る。
「‥‥そう言えば、彦星の防寒着とかがだいぶ傷んでましたわね」
 ふと思い立ち、織姫は彦星のために首履きと胴衣を編み始めるのだった。

●皆らぶらぶ!?
 クリスマスパーティーの当日。
「栗すまし‥‥ってお吸い物の仲間? ‥‥他にもご馳走いっぱいって――ご馳走!? ご馳走は食料庫! れっつご‥‥ぉふっ!?」
「そうはさせないわよ!」
「阻止だ」
 月華の蹴りと、煌の投げ縄で翠は、確保。
「あれ、何してるんですかー」
「逃げられないように首輪と紐‥‥よし」
 翠、煌の監視下に。
「これならば逃げられないだろう? 彦星の家の食料庫は、私が護ってみせる」
「任せたわよ煌! 私は、私のロマンスを!」
「酷いや、二人とも‥‥ここは、ふーき様に貰った忍術とかいう怪しい本の技で脱出しちゃうもん!」
「逃がすものか‥‥」
 ごそごそし始める翠。しっかり煌が監視中。
 その傍では和気藹々。彦星からの信頼を得始めたざらめがコベコと楽しく料理物色中。
「コベコちゃんこれが食べたいんですの?」
「ぶもっ!」
「今日は彦星さんは男をあげる日でるから私たちは見守るのですの!」
「ぶももっ!」
 ぱくぱく料理を食べるざらめとコベコ。
 二人の視線の先には。
「織姫、待っていました。手をどうぞ」
「あら、何か彦星がちょっと変なような‥‥」
「そう?」
 にっこりと、爽やかな笑顔。
 いつものへたれーなかんじがタラシ! になっている彦星。
 パーティーにきていた娘さん方の視線が彦星に集まり、織姫はちょっと楽しくない。ジェラシー。
「‥‥あっちにいきますわよ、彦星」
「はい、織姫」
 自分にあえて嬉しいと飛びつくのを予想していた織姫としては、ちょっと調子が掴めず。
「彦星、いいわよ、その調子!」
「月華‥‥覗きは‥‥」
「そういう煌も!」
「私は琵琶で雰囲気を‥‥あ‥‥」
 と、琵琶を掲げて気がつく煌。
 紐が無い。
「‥‥逃げられた‥‥」
 翠は何処。
 食料庫の前。
 そこにきょろきょろしつつ、尻尾に緑のリボンまいた白猫一人うろうろ。
「迷った‥‥うぅ。俺、迷子の迷子の子猫ちゃんー‥‥?」
「あああ‥‥鍵、鍵が閉まって‥‥もう、もうだめ‥‥白い‥‥白い大福が‥‥がぷ」
「にゃああー!! おっ、オバケー!」
「!!!!! ぎゃー!! 姐さんの罠ー」
 目の前を揺らめいた白いものに噛み付く翠。
 大声をあげて驚いたのは、白猫便の杏。涙しつつ尻尾をさすさす。
 翠は翠で、杏の声に驚き、月華設置の罠にしっかりとはまって。
「大福がしゃべったー!!」
「だ、大福じゃありません‥‥俺は宅急便さんなの‥‥」
「えー‥‥大福‥‥」
 ほらここにお届けものも! と杏は自己主張。
「うるさいですのー!! 今の叫びは誰ですのー!」
「綿菓子ちゃーん! 綿菓子ちょーだい! ついでに助けてー!」
「人の顔見て一番最初に綿菓子請求すんなー!」
 と、声を聞きつけてやってきたざらめに頭突きされる翠。コベコももちろん一緒。
「しょうがないですの‥‥はい、わたがし。で、あなたは誰ですの?」
「俺は白猫便の杏‥‥彦星さんに『牛飼い協同組合』から暦をお届けにきたの」
「配達、同業! 仲間! 杏だから‥餡子ちゃん!」
「仲間!」
 同業者というだけで意気投合の二人。
「‥‥二人とも座るですの! 喋りにくいですの!」
 それぞれの羽と尻尾をびっとひっぱりつつ言うざらめ。
 二人ともしゃがみます。ちなみに緑は罠にかかったまま。
 一方その頃、ロマンスを求める月華は。
「おや? お美しい人ですね? 私は紫苑。暇なら、少し話でもしませんか?」
 口説かれていた。
「は?! その〜え〜と‥‥本気? ‥‥うわ〜!」
 どかっと近くにいた人を遠慮なく照れ隠しで蹴る挙動不審の月華。
「ずいぶんと盛況ですね? フフフ‥‥にぎやかなのは、好きですので楽しませてもらいましょう。是非ご一緒に」
「えっ! やだもう!」
 げしっ! 月華により蹴り被害はだんだんと増えていく。
「ずいぶんと面白い人ですね? どうです? 私とつき合いませんか? 気が向かないなら、此処までの縁だったとなりますけど」
 あなた次第ですよ、という風に言われ、月華は舞い上がる。三十歳、幸せを掴む時かもしれない‥‥!
「いいのかしら‥‥いいのかしら‥‥! 私のロマンス‥‥その前に彦星を片付けないと駄目かしら!」
「彦星?」
「あそこにいる私の弟よ」
 少し騒ぎから離れたところで織姫と二人きり。
「ありがとう、織姫。とっても嬉しい」
 全身で慶びを示して泣きじゃくるのかと思ったら‥‥笑顔だけ。想像していたのとは違い織姫はたじたじだ。
「どうしたの?」
 彦星無意識。
「な、なんでもありませんわ。調子が狂いますわ‥‥」
「織姫から贈り物、もらえると思ってなかったから」
「わたくしが彦星に贈り物をすることになんか文句でもありますの?」
 ここできっと涙目に、と思ってもさらりと笑顔。
「もしかして彦星‥‥熱でもあるのかしら‥‥でもこれはこれで‥‥」
 と、いいムードのところに。
「彦星さーん! 牛飼い協同組合からお届けなのでーす。はい、来年の干支の暦っ!」
 杏乱入。知らない人の登場に、彦星はびくーんとする。そして織姫の後ろにさっと隠れ。
「お、織姫ぇ〜」
 いつものへたれ星に‥‥たらし星は数時間の幻想だったのだ。
 そしてよほど今まで気を張っていたのか、へたれ度は上がっている。
「彦星! わたくしの後ろに隠れるなんて‥‥情けない! ただの白猫便よ!」
「でもっ‥‥」
「でもじゃないですわっ! ほら受け取りなさい」
 織姫にビシバシされながら、おずおずと彦星は毎年干支は牛、な暦を受け取る。毎年牛なのは、牛飼い協同組合だから。
「ありがとうなの、オチビちゃん、配達ご褒美に綿菓子ひとつくださいなー?」
「チビ言うなサボり便―!!」
「ぎゃにゃん!」
 賑やかに去っていく杏、そしてざらめ‥‥罠引きずってくる翠。
「見つけたぞ翠‥‥食料庫前にあの罠を引きずってくるとは‥‥もう逃がさないぞ」
「煌サン!」
 にっこり笑顔を向け再度監視下‥‥翠の胃袋に収まっているのは綿菓子のみ。そろそろばたんきゅーのお時間も近い。
「痛いよオチビ‥‥ざらめさん‥‥コベコさん慰めてなの」
「ぶもっ」
「コベコちゃんはあげませんのっ!」
 彦星のためにも護りますのー! と杏の前に立ちはだかるざらめ。
 ぶんっと振り回す袖が杏にばしばしあたる。
「ごめんなさいね、織姫、彦星‥‥皆撤収よ」
「賑やかですね‥‥あれ、いつの間にか妹への土産がない‥‥」
 このままでは騒ぎは拡大する一方、と見かねた月華は全員に撤収合図。
 ぞろぞろと面々は移動して、織姫と彦星が残される。
「‥‥」
「‥‥何か喋りなさい、彦星」
「う‥‥ねえ織姫、らぶらぶってどうすればいいのかな‥‥僕には『好き』しかないのに」
 織姫に言われて、彦星はなみだ目になりながら話始める。
 さらっと、一番大事なことを言えているのを、彦星は自覚していない。
「ひ、彦星はそのままでいいのですわ。無理せずに」
「そうかな?」
「そうなのですわ」
 つーんとしながら言われ、それでも彦星は嬉しい。
 そして自然に。
「織姫、ありがとう!」
 二人の手はふれあい繋がれる。
 ゆっくり育んでいけば、良いのです。

●宴も終わり‥‥
「あら、コベコ何して‥‥」
「ぶもっ」
「誰かの忘れ物プレゼントあけちゃってー!」
 楽しそうにがさがさしていたコベコ。
 その足元にはひらりひらりと舞うチケット。
「‥‥温泉地旅行券‥‥?」
 月華はそれを拾い上げてみる。
「‥‥とりあえず保管ね」
「姉さまー! 織姫と手つなげましたー!!」
 と、そこへ嬉しそうに走りながら報告にやってくる彦星。
「ここにいたか‥‥」
 そして煌も二人見つけ傍へ。
「私からの贈り物‥‥揃いの首飾りだ」
「わぁ、煌ありがとう!」
「あら、素敵ね」
「そういえば姉さま、らぶらぶはできました?」
 と、ほにゃーんとした笑顔で俺はできたんですよー! と自慢半分尋ねてくる彦星。
「わ、私の理想は高いのよ〜! それに彦星が心配で自分のことはあと! でも‥‥煌が嫁を貰うまでは‥‥大丈夫よね?」
「私に聞かれてもな‥‥」
「ぶもっ!」
 と、鼻息ぴすーとしるる大丈夫と頷くのはコベコ。フォローしているらしい。
「コベコだけね、優しいのは‥‥」
 月華頑張れ。
 きっと誰にも、幸せはやってくるのです。
 今のところ一番の幸せは‥‥?
「やっぱり僕が一番幸せですっ! 織姫もコベコも煌も姉さまも他にも皆いっぱいいるし!」
「‥‥かもしれないな‥‥ところで」
「どうしたの?」
「なんだか住人増えてないか‥‥?」
「コベコちゃーん、コベコちゃんこっちむいてなのー触らせてなのー」
「駄目ですのー! いきなりおさわりは駄目ですのー!」
「‥‥」
 なんだか白いのがまだいます。
 ざらめは彦星メモを参考に、デリケート(?)なコベコをガードで大忙し。
 サボり便を叩き出すのは。
「ざらめちゃん、加勢するわ!」
「はいですの!」
「「さっさと仕事にもどれー!!!」」
 蹴りと頭突き炸裂。
「‥‥あれでは嫁に行くのはまだ先だな」
「姉さま恋人作らないと俺心配です」
「心配してるのはいつも私のほうよっ!」
 クリスマス、でもいつもと余り変わらないような。
 そんな時間が、流れた一日なのでした。
「そういば煌、翠は?」
「食料庫前で罠にかかり、力尽きて、今そこでずるずると張っている」
「!?」
「お‥‥おなかす‥‥あ、兄貴たすけ‥‥ご馳走の日なのに食べれて‥‥ない!」
 ぱたり。
「」