PassionMusic:Xmas!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 4.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/25〜12/27

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 いつもならそうなのだが、今回この場所はライヴハウスではなく、街。
 事前に設置される舞台では何が起こるかは全くわからないように黒幕が張られ、厳重に警備される。
 クリスマス、サンタ衣装で、音楽のプレゼント。
 今回はライヴハウスではなく街でゲリラライヴ!
 もちろんちゃんと許可はとってあるので心配無用。
 あの黒幕なんだろう、と集まる人だかりの中に聞き覚えのある声が響く。
「メリクリー! そこいく君たちにクリスマスプレゼント! はいはい、ちょっと立ち止まってって! PassionMusic開始!」

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 今回はクリスマス関連仮装でライヴ。
 テーマは特に無し、過去の曲でもOK。
 パフォーマンスについては、舞台から降りるというのは混乱の可能性有りなので禁止。
 舞台上から物を投げる、も禁止。
 バックバンドは用意可能。楽器は申告があれば貸し出し可能。
 半獣化、獣化は可。ばれないように注意。
 持ち物については危険な、音楽に関係ないもの保持は禁止。場合によっては出演中止、ライヴ中止もありえます。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 街に飛び出てライヴ

 グループ、ソロでの参加は問いませんが、掛け持ちは禁止。
 演奏順も要望があれば調整しますが、ない場合は阿弥陀くじで決定されます。

●今回の参加者

 fa0597 仁和 環(27歳・♂・蝙蝠)
 fa1590 七式 クロノ(24歳・♂・狼)
 fa1591 八田 光一郎(24歳・♂・虎)
 fa1592 藤宮 光海(23歳・♀・蝙蝠)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa3461 美日郷 司(27歳・♂・蝙蝠)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●クリスマスですよ
 今回のPassion Musicは街頭に作った舞台でドーンとゲリラライヴ。
「ワンコ!」
「ワン!」
 天道ミラー(fa4657)はワンと鳴き。
「隅っこ!」
「確かにそれはポジションだが‥‥俺の名前じゃない」
 仁和 環(fa0597)は眉をぴくっと動かす。
「仁和の隅っこは広まっているな‥‥」
 美日郷 司(fa3461)はそう言って環の肩をぽん、と叩く。
「環君、ミラー君見習ってもっとノリ良く‥‥クリスマスだし」
「ノリ良く‥‥」
 と、蓮の言葉に欅(fa5241)は少し考えて。
「ブラボー‥‥とか?」
「ハッ! それはわがヴァニプロの合言葉‥‥! じゃあ一緒にブラボー!!」
『ブラボー!!』
 両手を挙げてブラボー! 効果は気分高揚。
「相変わらず渋谷は元気だな」
「いやいや、年ですよ。もういつ番組おろされるかひやひや‥‥」
「それはないない大丈夫!」
 ネクサスの七式 クロノ(fa1590)に続けて八田 光一郎(fa1591)が笑いながら言う。
「今回もよろしくね、楽しみよ」
 ぽん、と蓮の肩叩いて言う藤宮 光海(fa1592)。
「おう! せっかくだから終わったあとに皆でパーティーしよう! ケーキケーキ!」
「一応わしはChristianじゃが、読経の方が性に合うておるのじゃよなぁ。とは言え主の誕生祝ゆえ、賑やかに楽しく参ろうぞ。そのためにもしっかりとせねば」
 冬織(fa2993)は、遊びだけでなく仕事もしっかりと笑顔を浮かべて言う。
 今回も、楽しくスタート。

●Xmas!
 これから何が始まるのかと、街に溢れる人たちはその黒幕の張られた舞台に視線を集中させる。
 今回もしっかりSPガード付き。
 ざわめく声の中、一際高く。
「めりくりあけおめことよろ! その中でメリクリを今日ここで! はい立ち止まって、ここにいた人ラッキー! Pssion Musicからの、贈り物!!」
 勢い良く黒幕が落ちてライトがまぶしく舞台を照らす。
 一発でサンタクロースと分かる服装の蓮が道行く人に手を振って。
「今日はここで収録!! ハロウィン以来の登場!! やっぱ最初はこいつらだろ、ネクサス!!」

●ネクサス ―1/365のキセキ
「素敵なサウンドのプレゼントか、いいじゃないか」
「面白い趣向じゃない、流石Passion Musicね」
 クロノの言葉に光海が答える。そして光一郎がそういえば、とクロノに向けて。
「俺と光海ちゃんはいいとしてもクロノさ、お前さんはいいのか、彼女ほっといて?」
「コウ、余計な事を言わない。アンタも知ってるでしょ、二人の絆の強さ。大丈夫よ」
 光一郎の脇をつっつきつつ光海が言うと、クロノは少し笑い。
「ま、この唄で伝えるさ。俺の愛をな」
「で、ラブソングなワケだ」
 と、話一段落、舞台からのコール。
「さ、行こうぜ! 街に愛の唄を届けに」
「ステージと観客が俺達を待ってるぜ」
「OK、今日も張り切って行きましょ」
 舞台に上がってライトに照らされる。
 クロノは赤いロングコートに白いラインやファーマフラーでサンタ風に。
 光海も赤、ミニスカサンタ姿でキュートにセクシーに。
 そして光一郎はトナカイの着ぐるみを演奏しやすく改造したもので。

「 街はこんなにも輝いているじゃないか
  今日くらい信じていいだろ?
  カッコつけて否定しないでよ
  一歩踏み出せばきっと
  何かが変わるはずだから 」

 三人のアカペラコーラスからスタート。
 声を重ね合わせしっかりと響きを持たせる。

「 僕らが傷つけあう理由なんてない
  愛する事が怖くたって構わない
  二人があの日感じた想いだけ信じて
  躊躇わないで 僕の手をとって
  1/365のキセキ 信じられるから 」

 少しずつ盛り上げて、感情を高め膨らませていくようにクロノと光一郎が歌う。
 そこに光海がコーラスを入れて愛しさと切なさを表現し、盛り上げていく。
 そのまま、奏でるハーモニーをひとつにまとめてユニゾン。

「 あの日の手も温もりを 今夜もう一度確かめ合おう
  この胸にときめきくれた君へ
  言葉じゃ伝わらない想いは かさねた唇で伝えて
  雪降る聖夜を 君と朝まで 」

 ギターとベースそしてドラムの音に声。
 ネクサスらしさをしっかりと出して。
 演奏が終わって、観客に向かい。
「世界に届けッ! ラヴアンドピース!」
「メリークリスマスーッ、素敵な時間を過ごしてねっ」
「心からの想い、皆も大切な人に伝えてくれよ」
 と、クロノは観客に向かった後にカメラをみつけ視線をそちらへ。
「A dearest person,I love you」

●Twin Cross ―みんなアイのせい
「あっつい愛の告白も届いたかなー? 次は仁和環と冬織! 二人でTwin Cross!!」
 スモークの中に淡い光。
 冬織はシスター服にベール、そしてロザリオ。二人は誰がみても「ああ、シスターと神父」と。
 その中で環と冬織はハモり、アカペラで歌い始める。

「 We still don’t know where we are going
  Look like lost children
  But you can go anywhere
  Because―― 」

 スローテンポの歌声終わり、一転アップテンポ。
 余韻の中からドラムにエレキギター、三味線の音が響きだす。

「 街に溢れる迷える子羊
  笑い暮らすも一生 泣いて暮らすも一生なら
  Positiveに全て笑い飛ばし
  汝の隣人に愛を
  きっと心はHallelujah!
  So it’s 愛 」

「 街にたむろう迷える狼
  何もしないで後悔 行動起こすも後悔なら
  Negativeは一掃悩まず動け
  汝の右頬打たれたら
  左も差し出し腫れろや!
  So it’s 哀? 」

 冬織、環とそれぞれが歌い、シャウト気味に強くハモる。
 アクセントで、時々ひびくパイプオルガン風の音色。

「 愛(かな)しい想い 哀しい想い
  世界はアイに溢れてる

  どちらが欠けても人は未完成
  この存在が『I(アイ)』だから 」

 ヴォーカルだけ前面にだして、思い切り声だして歌うフレーズ。
 そして間奏では環の三味線のソロが入る。

「 街を彷徨う迷い子達よ
  見えぬ明日を恐れるな 汝は何処へでも行ける
  世界はアイに溢れてる
  So because みんなアイのせい
  きっと明日も晴れるや! 」

 最後は力強く吠えるように、観客に向かって。
 突っ切るような音はそのままに。
 歌い終わり、冬織は跪き十字を切り投げキスを。
 それににやける彼氏をつねる彼女が、観客の中にいたとかいなかったとか。

●Winter Strings ―Candela
「合言葉は‥‥」
「拾い拾われ大冒険ブラボー!」
 舞台裏ではしゃぎつつ、気持ちを高める。
「ハッ! そうだメリクリ記念に携帯パシャリ」
 ミラーは携帯ごそり、欅と司の写真をとる。
「横流しはシマセン、ふっふっふ」
 ケープ付サンタコートにサンタ帽子の司。ただ色は赤でなくしろ。一歩間違えば雪だるまのあのキャラっぽいので赤いマフラーが良い感じ。そして手にはやっぱり愛楽器『TATUMI』がある。
 欅は、とにもかくにも全身真っ黒。黒コートの襟には金色のベルの形をした大きなピンバッチが。そして頭にはトナカイ角がしっかりで、舞台で観客に贈るとあることのためにいつも隠れている左目を解禁中。
 そして写真をとって喜んでいるミラーもまた、頭にはトナカイ角。けれども赤ハーフコートと深紅のズボン。首にはベル付の首輪がひっそり。
 そして、舞台から彼らを呼ぶ声が響く。
「今回最後のプレゼントは美日郷司、天道ミラー、欅の三人で大冒険なWinter Stringsから!」
 舞台から響くドラムカウント。終わると同時に暗闇は一気に、舞台上の彼らの後ろからまぶしくライトを照らし逆光状態。足元にはふんわりとスモークが漂い幻想的。
 それとは反対に強く派手な音が駆け巡る。
 軽快なメロディにツインギター、そしてベースの刻むリズム。
 逆光はいつの間にか上からのライトに切り替わり。

「 街行く幸せ笑顔ぼんやり見つめ
 『いいな』と呟く紳士淑女の皆々様
  下を見ないで顔を上げて
  笑顔と言うキャンドル灯してごらん 」

 ミラーと欅がともに歌う。
 綺麗にハモりをいれて短い間奏へ。
 好きなようにアドリブ入れて、くるっと回ったり背中を合わせたり、観客へのウィンクバチコンのプレゼントは忘れずに。
 そして軽快さを少し隠してスローダウンする曲。
 光源も少し落とし、それぞれにスポットが当たる。

「 夜空彩る星々に負けないくらい
  自分で気が付かない輝き眠ってるハズ
  せっかくの煌めき隠さないで
  君だけのヒカリを どうか見せて 」

 今度は欅と司が歌い、明るい、けれども穏やかなビートが刻まれていく。
 けれどもそれはだんだんと強くなりやがて弾けて、声も三人であわせさらに華やかに。
 もちろんライトもくるくる賑やかに。

「 誰の心にもキャンドルがある
  星に負けないヒカリを灯すキャンドルになれる
  さぁ少しの勇気と笑顔を
  そして一緒に‥‥Merry Christmas! 」

 最後の一音元気よく飛ばすとともに、観客にむかってクラッカーぱぁん! と。
 観客は少しビックリ、けれどもクリスマスにクラッカーはパーティーの象徴のようなもの。
 拍手と声と、三人に送られる。
 と、帰り際に。
「シブ、これをやろう‥‥」
 司、サンタ帽を蓮に。
 そしてそれに便乗するように。
「俺も俺も!」
「渋谷さん、その帽子ちょっとカムバック」
「え? え?」
 ミラーは、トナカイ角を蓮の頭にがしょーんと。
 欅は帽子に、自分がつけていたピンバッヂをつけて、頭に返す。
 上手い具合に、角付サンタに。
 そのまま三人は、舞台から降りる。
「‥‥嵐のようにもらいました!!」

●街の中で
「三組から皆へのクリスマスプレゼンいかがでしたでしょーか! 楽しんでもらえたなら幸い! ってことで、その感想を僕に向かって叫んでもらえるかなー?」
 ざわめく観客に向かって蓮は言う。
 観客からはもちおん、という雰囲気が伝わってくる。
 いつものように、マイクをはずして。
「クリスマスプレゼンは満足ですかーーーーー!!??」
 もちろん! と明るい声が、その場から広がっていったのだった。

●クリスマスパーティーでどんちゃんちゃん
 無事ゲリラライヴも終わり、打ち上げもかねてクリスマスパーティー。
「はい、恋人がいる人はそのうちひっそり消えてください! 明日の朝までいた人は、僕の仲間! 騒ぐぞオルァ!」
「日本人の宗教無節操は今に始まったことじゃなし、他人の誕生日にかこつけて騒げる日ってことで! パーっと楽しく行ってみよう!」
「そうだねパーっと楽しく隅っこで!」
「そのネタはもういいんでっ!」
「仁和‥‥あそこに指定席が‥‥」
 司に指差され、環、隅っこへご案内。そして丸くなる。
「さすが環殿じゃ‥‥」
「あっはっは! 超似合う!」
「似合うな‥‥」
「あ、そだそだ。司君たちの今日のよかったよね、ドーンバーンみたいな。僕あーいうの好き」
「そうか‥‥それは、二人にも伝えなければな」
 と、噂(?)をしていると。
「シブさんシブさーん!! この間のワンコ呼びありがとうございマス! ワン!」
「ワンコ!! ワンコ今日のナイス! このままナイスに突っ走れ!」
「ハイ! 頑張りマス!」
 しゅぴっと敬礼しつつ、ミラーはにこにこ笑顔。
「欅君もナイス! きっと大物になる!」
「どうもありがとうございます。初ゲリラライヴに二人と一緒に演奏は楽しかったです」
「うん、一緒に演奏する仲間がいるってのは良いこと! さー、騒ぐといい!」
 スタッフも出演者も交えてどんどんちゃんちゃん。
 その中で、蓮はネクサスのところへ。
「いたー! クロノ君、超愛メッセージの相手が気になるんですがー!!」
「あ、クロノの彼女は」
「こら光一郎」
「気になるし! 気になるし!」
 どなたなんですか、という期待の視線を向けられるが、クロノはそれをさりげなく交わす。
「‥‥教えてくれないムード‥‥!」
 と、ちょっとしょぼん。けれども次の瞬間にはそれもすっぱりさっぱり。
「ま、幸せの邪魔はしちゃいけないからね! ハッ! ケーキの登場ですよ! 争奪戦になりそうな‥‥!」
 ケーキの登場に、さらにあがっていくテンション。
 クリスマスの夜は騒がしく、更けていく。