SMSアジア・オセアニア
種類 |
ショート
|
担当 |
玲梛夜
|
芸能 |
5Lv以上
|
獣人 |
1Lv以上
|
難度 |
難しい
|
報酬 |
21.9万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
01/20〜01/23
|
●本文
テレビ局の、会議室で。
「ゴールデンの時間帯の、番組任されました。失敗したら首切られるかもしれないんで、僕のためにも必死になってください」
にっこり、しかし淡々と言うのは平木カオル。
「厳しくやります。甘さ抜きますからそれ相応の覚悟をして、それを見せてください」
突き放すように、またにっこり。
そして自主的にやってくださいと一言。
そう、これは厳しい番組。
とっても厳しい番組。
ゴールデンの時間帯に放送されるロック音楽番組の収録。
さあ、今日の音楽は――
●番組構成
出演者には『ライヴ』に向かう前にセットされたカメラに向かい意気込みを一言述べてもらう。
そしてライヴ。
なお、一言は一人(一組)ずつ。違うグループへの乱入は無し。
『ライヴ』はスタジオでの収録で観客はいない。
なお、放送に相応しくない、放送のレベルに達していないと判断された場合は編集でカットされる。
●ライヴ注意点
全ての準備は自力で。バックバンドの用意は無し。
何かの用意がいるときは自己申告となる。
演出機材はライト、スモークなどは可能。
火柱などの火気厳禁。危険だと思われることはもちろん禁止。
●リプレイ本文
●収録、開始
「演奏内容を見せてもらったんですが、問題なく。バックバンド用意無って音準備大変でしたよね‥‥今日はよろしくお願いします」
「どうぞ、よろしく、お願いしますね‥‥」
DESPAIRER(fa2657)は控えめに挨拶。
「わ、すごい緊張する。でも曲自体には自信持ってるし、この経験レベルアップに繋げないとね。DESPAIRERさん頑張ろうね!」
朱里 臣(fa5307)とDESPAIRERは今回組んで参加。
「カオル君、久しぶりだね。仕事を任されたってことは期待されてるってことだから、僕が言うまでもないだろうけど頑張って。同じくステージを任される僕らも期待は裏切らないよ」
「気合入れていくのは今回に限ったことじゃないが、良いステージになるよう頑張ろう。平木の首が飛んでも困るからな」
明石 丹(fa2837)の言葉に続きUN(fa2870)は笑いながら。
早河恭司(fa0124)も頷きつつ。
「男性三人集まったんだから力強く、武器にしたいよね」
「それなら女三人も負けませんわよ、恭司パパ」
星野 宇海(fa0379)は微笑をたたえて言う。
「ああ、憧れの人がいっぱい。幸せ‥‥よし、気合バッチリ頑張るわ」
まわり見回しつつうっとりの蓮 圭都(fa3861)。
「仕事はいつも真面目だけれど、今回は特に本気でやらせてもらうわね。でも楽しむのも大事よ。笑顔で行きましょう。カオルさん、どうぞよろしくお願いしますね」
橘川 円(fa4980)もにこりと笑顔。カオルは一人ずつ見回して、頭を下げた。
●D.S. ―Snowy Stormy
向けられたカメラに向かって臣はドラムスティックを握り締めて笑顔を送る。
「臣です応援宜しくね。トップバッター良いステージにするので期待してください。はい、DESPAIRERさんも!」
と、後ろにいたDESPAIRERをカメラ前へずずいっと押し出す。
DESPAIRERはいつもと同じ、少し暗い雰囲気で言葉を紡ぐ。
「今年も‥‥想いが、伝わるような‥‥そんな歌を、歌って、いきたいと、思っています‥‥」
そこまで言って、控えめにDESPAIRERは笑む。
「どうぞ、よろしく‥‥お願いしますね‥‥」
ふっと画面は暗くなりすぅっと濃い青の色に染まる。
夜のような濃紺の闇。
ただ中央、DESPAIRERと臣のいる場所だけ白く浮かび上がる。
黒のドレスと雪を思わせる首飾りをつけたDESPAIRERと、上下黒のシャツとパンツでシックにまとめつつ、赤のタイでピリッとスパイス。
音を走らせメロディアスながらも勢いを。
エレキギターとベースの生音に臣がドラムを丁寧に、リズミカルに合わせて支える。
そこにDESPAIRERの歌声。
「 時計の針が無情にも また一歩前へ進んだ
待ち合わせの時間からは すでに二時間が過ぎて
四杯目の紅茶を 飲み干してふと外を見た
優しく舞っていた雪は いつしか吹雪へと変わり 」
強い強い、ドラムの音。それと共に臣のアップが全体にかかるように重ねられる。
このドラムの音から曲の雰囲気は変わり盛り上がっていく。
カメラも引きからDESPAIRERのみのアップに。
「 It’s a snowy stormy night
That’s why he’s not coming
It sure is a snowy stormy night
I’m sure that’s why he’s not coming 」
低音が響く中、ヴォーカルは強く。
バックライトを明滅させて雰囲気をあおる。
「 喫茶店が閉まって 外の雪の中で一人
でも私は信じている 雪が止めば彼は来ると
It’s a snowy stormy night
That’s why I’m still waiting
It sure is a snowy stormy night...
I’m glad that tonight is a snowy stormy night 」
テンポは最後までそのまま、演奏と歌声を同時に途切れさせていく。
カメラは引いてゆき、全体を映していく。
ぽつぽつとライトが消されていき、最後は暗闇を降ろす。
『すっぽかされた』とわかっていて。
別の理由を探して、自分をだましたけれども、それでもやっぱり悲しみは、隠せない。
●NOIRE ―ナルキッソス
「綺麗な御姉様方と御一緒できて光栄です。ライヴで魅了ね」
まず最初に一言贈ったのは圭都。視線を宇海を円に送る。
「まぁ‥‥気合いを入れて頑張りますわ♪」
圭都の言葉に宇海はうふふと微笑浮かべ、円も優雅に笑う。
「女性ならではのしなやかな音楽、お聞きいただきましょう?」
そして暗転。
風の音が流れ出し、朝霧のように淡いスモーク。そこに逆光、三人のシルエットが浮かび上がる。
「 ナルキッソス風に揺れて‥‥ 」
静かに囁く様に。
そして楽器、ギターのメロディアスさをベースが支える。
ライトが少しずつおさまりステージにメンバーの姿が見え始める。
スモークは薄くうねり、ライトの明かりが流れるように動く。
風のように。
「 粉雪舞う世界から 春を告げる来訪者
暖かい眼差し 大地の香り
冷えた私の心に一瞬で住み着いた人
華を咲かせている事すら気付かずに 」
駆け抜けるように歌い、伸びやかに美しく。
テンポも音と歌をあわせて綺麗に綺麗に。
「 真白に染まる花弁が眩しい 甘い香りが痛いね
この風景が消える頃 本当の春が来る
その時あなたは何処にいる?
私はずっとココにいる 」
白を基調に七分丈シャツとパンツでサッパリ纏める圭都。ギターを弾く手首には黒のフラワーコサージュをレースリボン、それが揺れる。
長い髪に白い花、スッキリと白い長袖のカシュクールロングワンピースの宇海。ウエスト脇にはリボン、そして裾にかけて流れるラインを美しく揺らす。首には黒いロングネックレスを何連にも重ねてその上から白いマフラーをふわりと。
円は白のハイネックノースリーブニットにマーメイドラインの膝丈スカートに黒の編み上げショートブーツをあわせて。髪は項のあたりのサイドで軽く結い、耳では長めの黒ビーズのピアスが揺れるのが見える。
歌詞にあわせて身振りを宇海は加えていく。
「 はる・なつ・あき・ゆふ・零れるしずく受け止めて【Laー】
『ナルキッソス』風に揺れて あなたに恋した一輪の花
今度逢えたら、この心を形にして届けよう【Laー】
『永遠に変わらぬ想いを あなたの元に』 」
トーンあがると、ライトも明るくなる。
歌にあわせて、変わっていく。
宇海の声に圭都がコーラスとハモりを重ねて。
勢い損なうことなく音は続き、歌も乗せられてそのまま音をきる。
しんとすぐに、静寂。
余韻を残して。
●3‐ANGLE ―7DAYS
男三人、カメラに向かって。
「悩んでる時こそ聴いてほしい曲、かな」
恭司が言うと、UNも頷く。
「共感も出来ると思う。淡々とするかと思ったがメロディでかなり強い曲になったな」
「夢も日常も一瞬の風景が積み重なって7DAYS。当たり前にならないように火を灯して、そんな歌かな。それじゃ聞いてください」
すっと一拍の間、声をそろえて。
『7DAYS』
暗転した画面に声だけ響く。
多数のライトが浮かび、三人の姿。
恭司はギター持ち、革パンにベストだけといつもと様相変えて。
丹はベース。白のオフショルダーシャツに細身のレザーパンツ。
UNはラフに着たレザージャケットに黒のパンツ。、そして手にはSHOUT。
暗く灰がかったステージに淡くライトが音にあわせて躍る。
高音よりも、低音が響き、テンポや調子は激しく。
けれども抑え目に。
「 繰り返す後悔と吐き出した煙草の煙
雨に曇るガラスを見つめて俺は嘘もついたから
集めた理想との距離は 近く遠く『こんなもの』
この信号と一緒に全てが変われば
同じ世界でも 少しは違うのか 」
迷いや苛立ちは渦巻いてモヤモヤして、そして吹っ切れて激しく。
ライトも眩しくめまぐるしく、リズムに合わせて明滅。
端から駆けるように光が通って、今まで抑えられていた音は解放されてゆく。
「 7DAYS 満ち足りたい
7DAYS 夢を見たい
開かない窓が並ぶテリトリー 誰も扉閉ざしてた
燻る火種が本音というなら もう一度火をつけろ
7DAYS 歩き出せば
7DAYS 空は晴れた 」
勢いのまま突っ走る。三人で声を重ねて勢いあるシャウト。
ライトは不規則に点滅、少しずつ減っていく。
「 シグナルは点滅している 」
最後は明かりも音もなく。
繊細さよりも荒々しさ、勢いを押し出して。
●収録終わって
「お疲れ様でした。放送楽しみにしてくださいね」
カオルは笑顔で言ってねぎらう。
放送時には、特にどこもカットされることなく、ユニット名と曲名が入れられて放送された。