【AbySS】SnowFlowerアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 4.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/30〜02/01

●本文

 ロック中心なライヴハウスAbySS。
 年末から新年はじめはお休みしておりました。
 ライヴハウスのボス‥‥じゃない、マスターは実家に帰省していたのです。その間の管理は甥っ子に任せていたものの、やっぱりライヴハウスは。
「ああ、微妙にほこりが‥‥掃除していったのにー」
 ライヴハウスは、埃っぽい。
「は、それよりも次のライヴ準備よ! 雪! 雪!!」
 なにやらスキーなどに行きまくり遊んだメアは雪をテーマにしたライヴをしたい模様。
「雪の中にダイヴ! とかまぁそんなことはできないけど気持ちそんな感じよね、ええ。楽しいものになるといいわ〜。って掃除掃除!」
 ライヴハウスを掃除して、ちゃきちゃきと準備を進めていく。
 年変わる前のライヴハウスと、同じ状態。
 そしてぺったりいつものように張り出されるメモ。

 ライヴ告知
 『Snow Flower』
 暖冬だといわれても降ってほしい雪。
 だからテーマは『雪』
 ひらひらみんなの雪の花をぱっとさかせて頂戴ね。

「よし、ばっちり‥‥来月はイタリアに遊びに行くし、今のうちにライヴよライヴ!」

●今回の参加者

 fa0597 仁和 環(27歳・♂・蝙蝠)
 fa1465 椎葉・千万里(14歳・♀・リス)
 fa4028 佐武 真人(32歳・♂・一角獣)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa4980 橘川 円(27歳・♀・鴉)
 fa5181 雪架(18歳・♂・小鳥)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)
 fa5316 希蝶(22歳・♂・鴉)

●リプレイ本文

●久しぶりと初めまして
 年明けて、やっとこさライヴハウスAbySS始動。
「あ、きたわねー」
「お久しぶりの隅っこ参上だ。今回もいつも通り全力投球で宜しく」
 開き直りの仁和 環(fa0597)。
「お久しブリー! 11月以来? だからこんなに懐かしいのか!」
「あら、ワンコちゃん」
「とっくにあけちゃったけど‥‥メアちゃんカオルサン、あけマシタおめでとうございマシタ! あとアネモネ初AbySSだから楽しみ!」
 元気にはしゃぐ天道ミラー(fa4657)をどうどうと制したのは欅(fa5241)だ。
「今日はよろしくお願いします。で、こっちがリーダーでキングの‥‥」
 と、欅は雪架(fa5181)を指差して。
「アネモネ三人、よろしくお願いします。ところで欅、指差すのよくないから」
 にっこり指掴んで下げる雪架。力関係がしっかりと現れる。
「あらあら仲が良いわね!」
 そしてはしゃぐ一方では静々と挨拶中。
「カオルさんはこの間の番組でお世話になりました。AbySSに来るのは初めてね。メアさんは‥‥忙しそうね、差し入れにレアチーズケーキ作ってきたから、よかったら」
「ご丁寧にありがとうございます」
 橘川 円(fa4980)からケーキ受け取りカオルは笑う。
「あとでメアちゃんに渡しておきますね。すっごく喜ぶと思います」
「ろっくは初めてですが、今日はよろしゅうお願いします!」
 ぺこっとお辞儀付で勢い良く椎葉・千万里(fa1465)も挨拶。
 そして同じく初めまして希蝶(fa5316)も。
「初めましてのAbySS! 宜しく! 大いに宜しく!! 初Liveの挨拶土産はSmile零円也!」
 がしっと手掴んで握手ぶんぶん。
「うん、とってもいい笑顔だね。笑顔は何事も基本なので良いと思います」
「元気だなぁ‥‥メアもカオルも相変わらず元気そうで何よりだ。俺も手ぶらなんだが‥‥とりあえずピアノ弾くのと‥‥久々に顔拝みにきた」
 元気っ子みつつ佐武 真人(fa4028)はメアに一言。
「私の顔拝むのがついでみたいね。ついででも良いんだけど、素敵な音楽しっかり聞かせてよね」
「それはもちろん。正直、声かけられた時は掃除で呼ばれたのかと思ったがな」
「掃除はすでに僕が鬼のようにさせられましたから‥‥」
「ライヴの後もお掃除よ!」
 埃がまだあるんだもの、とぐっと拳握って言われ、どうやらライヴ後の掃除は全員強制参加の様子。
「そのかわりお掃除終わったらライヴハウスで遊んでいいから」
 やる事しっかりすれば遊んでいいのは、ここの常識なのです。

●アネモネ ―アネモネ
 淡く照らされるライトの中にピアノの音が響く。
 でもそれはちょっとしたサプライズ。
 御馴染みのバースデーソング。
「Happy Birthday to KEYAKI‥‥」
 ミラーと雪架はにやにやしながら欅を見る。欅はそんな二人から表情見せないように顔背け。
 観客からもおめでとうの声が送られる。
 そして暗転する舞台。
 薄暗い蒼の中、ミラーに白ライト。音の始まりと共に床の色は蒼に染まる。
 ピアノの高音域から始まるメロディはスローテンポで、舞い落ちる雪のような音。そしてその音は高音域から低音域にオリ不規則な戦慄を奏でる。
 マイクスタンド前に立った雪架は白の破れTシャツにブラックジーンズ。ファーもりもりの黒コートでゴージャスに。
 ベース持った欅は肩の開いた黒カットソー、黒デニムに白トレンチと配色雪架と逆。
 ミラーは黒ジャケットに白シャツ、黒のレザーパンツ、そして黒革の首輪でちょっとハードに。
 手伝いに入る真人は衣装の上に黒ジャケットを羽織ってドラムの前に。

「 窓の向こうは夢の世界 白い雪のゆりかごに揺られている
  でも 私はただ眠っているだけじゃないの 」

 白ライトはぼんやりと全員に当たり、そしてステージは少しずつ床から蒼があがってくる。
 呟くように音にのせられる歌。ジョジョにそれは盛り上がっていく。
 と、白いライトがぽんと雪架だけにあたる。

「 月明かりに照らされた 素敵なこの世界で
  幸せの音 響かせながら
  溢れそうなこの想い 心に詰め込んでいる 」

 雪架は胸に手をやり掻き毟り、そして腰を折り歌う。
 音域は次第に高くなり、曲は高揚。
 ベースの低音響き始めメロディアスに。

「 ふわりふわりと雪が 全てを白く染めても
  貴方の姿は 私の中で色褪せはしない 」

 雪を模した小さな白ライトがひらひら落ち始め、それは歌に合わせて動いていく。
 と、音はドンと重い音が前へ出る。
 それ区切りに伸びやかに熱く、切なく。
 ボリュームはすべて高く高く、それぞれの音を激しく合わせていく。
 マイク外して欅に雪架は絡み、視線は観客に向けて色っぽく。

「(だから)お願いあと少しだけ その場所で待っていて
  私は小さな風の花 
  やさしい春の風がそよぐのを待っているの 」

 マイク戻し、スタンド振り回す雪架。それと同時に曲の終わりはバッサリと切るように終わり。
 派手な音から一気にシンと静寂。
 白く舞台の上は照らされて、動きは止まる。

●千万里 ―アレンジ『アネモネ』〜『雪白蝶』
 千万里は舞台に立ち、そして観客に笑みを送る。
「『アネモネ』さんと、この後演奏される『Kreis』さんに許可いただきまして、メロディをお借りして編曲したものです。今宵ここに集まりました雪の華、月の光と日の光で雪の結晶が違った輝きを持つように、素敵なお歌たちの、また違った魅力を引き出せれば! と思います。それぞれのお歌の一部をインストゥルメンタルにアレンジして弦のセッションです!」
 円がコントラバスで、欅がバイオリンで千万里をお手伝い。
 千万里も裾に大きく白で雪輪の和柄の入った紺のセーラーワンピースの裾揺らしながらバイオリンを構える。

 原曲よりもテンポはゆったりと。
 前奏のピアノ部分をツインバイオリンで。
 フィドル調のアレンジを効かせて、イメージは太陽の下で光る昼の雪の感じ。
 リズミカルな音もいれ、コントラバスの低音加えてサビのメロディ。
 さっき聞いたばかりの曲を違う雰囲気で観客は楽しむ。
 そしてテンポは徐々に落ち、そのまま『アネモネ』から『雪白蝶』へと曲は移る。
 次に演奏される曲の先だし。
 奏でられるのはハモりとなる所から。
 円が歌う部分をバイオリン、環が歌う部分をコントラバスで合わせる。
 ゆったりと、サビの部分を弾く。自然と体は揺れて気持ちよく弾いていることが伝わってくる。
 少しずつ音は少なくなり、しんと雪のやんだ雪原のような静けさを残して消えていく。
 ヴァイオリンを離して一息つく。
 千万里には拍手が送られた。

●Kreis ―白雪蝶
 雪のように薄いスモーク。
 ピアノの前に座るのは薄水色シャツに白パンツ。耳には揺れる硝子蝶ピアスつけた環。
 ヴァイオリンもって立つのは水色の、薄手のガーゼ生地を重ねたワンピース。白いレギンスを重ね履きして白いファーつきベルト、足元は黒のエナメルパンプスで締め。髪は軽く流して蝶モチーフのピンをあしらい、蝶モチーフのアシンメトリーピアスをつけた円。
 欅は連続で今度はドラムの手伝い。
 高音から始まるピアノのトリル、そこへヴァイオリンが重なって。

「 白銀に埋め尽くす粉雪が
  ひらひらと 肩に降り立つ
  一所 とどまることを知らずに
  震えては 羽音を立てる

 『儚く舞う冬の蝶に 心重ね
  宿木をも求めながら彷徨う』」

 ヴォーカルとコーラスを前面に出し、後ろで流れる音は控えめに。
 ピアノの和音と静かに、滑らかに歌にそうヴァイオリンに加え、ドラムは軽く刻む音だけ。
 そしてグリッサンドのアクセント。テンポも上げて、あわせてゆらゆらと、彷徨う蝶がバックに躍りはじめる。

「 行き先を見失いそうになる
  目の前を 遮られたように
  君という花ふと思い浮かべ
  ひたすらに明日を夢見た

 『凍えていた翅広げて 想い重ね』
  憧れでは済まないのだと知りつつ 」

 力強く奏でられ、低音も響き重みあるように。
 音を艶やかに伸ばし、タイミングそろえて和音でのアクセントを入れて。

「 君の肩留まって
  ひと時を 過ごせたらと
  ぬくもり感じながら瞳を伏せる
  それなのに 恐れた
  いつの日か溶けることを
  玉響に触れて 飛び立っていくよ 」

 しっかりと、駆け抜けつつもかみ締められる音。
 白蝶は青蝶にかわりすっと最後の音と共に消える。
 一瞬の無音の後に、静かに。

●真人&希蝶 ―銀花葬
「Hey! Ladies&Gentlemen‥‥初めまして。英語苦手だし勘弁! けどこんくらいは How are you? お返事良し! 皆イイコ! 更にステキな真人Daddyの演奏で超御機嫌 Me too! 希蝶イキマス‥‥『銀花葬』!」
 黒スーツ、黒マフラーと黒尽くめ、喪服風の希蝶はマイクスタンドの前に立つ。
 真人はピアノを前にテンション上げつつ、ラフに白シャツと黒パンツで。
 ピアノの音は静かに、一つずつ音を確認するように始まる。
 そして、無音。
 光は抑えられ、二人を照らすスポットとバックで細かくライトが光るだけ。それも色は赤を織り交ぜて妖しく、熱いイメージで。

「 熱を持たぬ躯 閉じられた瞳
  あの日から動かない 僕と君の時間 」

 静かさから一転、アップテンポ。
 言葉を追うように、パッセージで盛り上がり始める。

「 響き捨てた鼓動 音の消えた世界
  静かに静かに 銀の花だけが降りしきる 」

 盛り上がりそのままにリズムは重く、だんだん早さを増して迫るように。
 希蝶は『僕』であるかのように気持ちを乗せて歌う。
 大げさなほどの振りは全身を使ってまだ表現したりない気持ちを表す。

「 このまま二人 雪に埋もれ
  永遠に一つになろうか
  このまま二人 はぐれゆくなんて
  神様にさえさせはしない

  舞い散る雪は 胸に咲く想いの花
  枯れることなく積もり続ける
  色褪せぬ想いは 銀の花に彩られ
  鮮やかな侭に冷たい微睡みの中へ

  花よ 花よ
  永遠(とわ)の眠りを 君と僕に 」

 低音から音を広げ高音へと響かせていく。
 声は高く鋭く伸ばされて最後のフレーズを歌い刻む。
 そしてピアノは急激に音を下げてゆき和音でのリズムを印象的に残していく。
 最後の一音まで大事に。

●掃除とケーキとピアノ
「お掃除終了! 今日もライヴにお掃除とご苦労様! ライヴはやっぱりいいわね! とっても楽しくて私満足よ!!」
 ライヴが終わりお客がはけて、一息つく隙もあたえず掃除用具登場。全員問答無用でお掃除。そして掃除が終わってメアの総括。
「二月もまた何かテーマ決めてできればいいんだけど‥‥私旅行行っちゃうのよね‥‥まぁいいわ! とにもかくにもお疲れ様」
 そして掃除用具をごそごそ片付けつつ。
 円は環ににっこり笑う。
「噂の環ポジション‥‥見れてちょっと嬉しかったわ」
「隅っこの埃が俺を呼んだんだ‥‥」
「隅っこ大好きだものね」
 追い討ち。
「さて、ワンちゃんはアレをもってらっしゃい!」
「了解デス!」
 と、厨房に走るミラー。暫くして帰ってくると手にはガトーショコラのケーキがドーン。上には『おたおめ! KEYAKI!(はぁと)』とチョコレートのプレートに文字が。
「(はぁと)は誰の仕業か問いたい」
「私。だって物足りなかったんだもの! 書かなきゃダメでしょ!?」
「‥‥ありがとうございます?」
 微妙な上がり調子の疑問系。でも感謝はしている、ということで。
 誕生日おめでとうとお祝いの後、皆でケーキをもりっと食べる。足りないと言い出すメアは円が持ってきたケーキも持ち出す。
 そしてフリータイムの始まり。
「祝いも含めて一曲即興でジャジーなのを弾こう。セッションも面白そうだが‥‥なんならメアも合わせるか?」
「もっとピアノ弾きたいってよくわかるわよ。しょうがないわね‥‥ピアノだけじゃ寂しいものね」
 しょうがないと言いつつも、メアもどこか楽しそう。
 ピアノの音と歌声響き始めれば、やっぱりそこは音楽大好きな人たちばっかり。自然と自分も! と音の色は増えていく。
 結局最後は全員集合。
「‥‥いつまでやるのかな‥‥」
 即興に即興を重ねて、主役になる音は交代しつつ音は続く。
 まだ当分、それは終わらなさそうだ。