PassionMusic:Onlyアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 02/07〜02/09

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「僕の唯一絶対の場所は舞台の上! んでそれぞれ唯一はあるでしょう! ってことで今日も気合入れていくぜー!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 演奏する内容に、今回は『唯一の、Only』というテーマがつきます。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。
 今回のライヴハウスは、観客との距離は近くも無く遠くも無く、観客よりも少し高いくらいの一般的な舞台です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 グループ、ソロでの参加は問いません。
 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 足りない音はバックバンドが補います。掛け持ち、助っ人は無です。
 演奏順も要望があれば調整しますが、ない場合は阿弥陀くじで決定されます。

●今回の参加者

 fa0877 ベス(16歳・♀・鷹)
 fa1744 雛姫(17歳・♀・小鳥)
 fa3172 浪井シーラ(26歳・♀・兎)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)
 fa4028 佐武 真人(32歳・♂・一角獣)
 fa4852 堕姫 ルキ(16歳・♀・鴉)
 fa5316 希蝶(22歳・♂・鴉)

●リプレイ本文

●二日目組、よろしくね
「よしっ! 出演者一番乗りっ!」
 打ち合わせのスタジオの扉を勢い良くあけて入ってきたのは千音鈴(fa3887)。
「二番ー! イェーイ!」
 そして次に入ってきたのは希蝶(fa5316)だ。ハイタッチの格好で入ってきて、千音鈴は反射的にそれに応える。
「若者は元気だな‥‥っと、ゲリラ宜しくな」
 佐武 真人(fa4028)は悠々とスタジオに入り、隅にあったピアノを見つけてそそと歩み寄る。
「って、みんな早いっ!」
 と、司会の渋谷蓮到着。それを合図にか続々と揃う出演者。
「渋谷さん初めまして! ロックのライブは初めてで緊張してますけど、楽しくいけるよう頑張ります!」
 ピッと敬礼し、ぐっと拳握って気合入るのはベス(fa0877)。彼女と今回一緒に組むのはTyrantess(fa3596)。
「しっぶやさーん! やっとPassionで会えました‥‥!」
「うおっ! 堕天使の子!」
 軽く突撃的アタックを蓮にかましたのは堕姫 ルキ(fa4852)。
「ふふ、堕天使の名は伊達じゃないってトコ見せちゃうよ♪」
「おっけー、それ楽しみにするからねー」
「渋谷さん、今回も宜しくお願いします」
「うん、シーラ嬢もしっかりよろしく!」
「はい。そうだ、これ、バレンタインも近いので、フォンダンショコラの差し入れです。皆さんで食べて下さい」
「お、ありがとー!」
「フォンダンショコラ‥‥私からは手作りチョコレートマフィンです。少し早いバレンタインのお土産に。蓮様は連続でお疲れ様です、オーバーヒート気味の時は扇いでさしあげますね」
「ありがとう雛姫嬢‥‥!」
 浪井シーラ(fa3172)のフォンダンショコラの横から雛姫(fa1744)のマフィンも登場。
 甘いものの存在に色めき立つ出演者たち。
「‥‥あの、打ち合わせ終わってからね、終わってからだからね。ちょ、その受け取った僕にむけるハイエナの様な瞳は本当怖いですから!! 僕代表で受け取っただけだからね!!」
 食べ物かかると人格変わりますという一例。
 この後無事にささーっと即行で打ち合わせは終わり、ティータイムとなるのだった。

●浪井シーラ ―Whereabouts
「収録二日目!! 今日のテーマは『Only』、つまり唯一ってこと。唯一は歌、そんな彼女が次に歌うは大切な唯一を取り戻す必死さ‥‥その気持ちをしっかり歌っていただきましょう‥‥浪井シーラ」

 歌声の始まりと共に、ライトと全体にあたり始める。
 暗い舞台から、強く伸びやかな声。

「 遠い記憶の彼方にあなたは微笑む
  今も変わらずに私の心を捉える 」

 メロディーは少しゆっくりと。
 舞台の中心にはハイネックミニスカートワンピース、ニーハイブーツに襟付きエナメルのロングベスト、全てを白で統一。

「 夢のような白い日々
  温かく優しかった
  全てに守られていた
  隠された歪みに気付かずに

  知らされることなく訪れた終焉
  ただそれを見ていただけ

  流した涙の数は憶えてない
  必死に戻そうとしていた
  たった一つしかない私の居場所を 」

 ゆっくりとした曲は、だんだんと速度を上げて盛り上がっていく。

「 どれだけもがいても戻らない
  戻そうとしても指から零れてしまう
  瞬きの時だけでもいいから
  あの優しい笑顔を見たいの 」
 
 力強く歌い上げ、最後は力尽きたかのように、シーラは俯く。
 後奏の一音が途切れ、曲が終わるとシーラは顔を上げて笑顔で一礼をした。

●雛姫 ―もし願いが叶うなら
「唯一は、持つものでもあるけども、唯一になりたい、唯一でありたいってのもあり‥‥そんな唯一を歌うのは‥‥雛姫‥‥!」
 明るい音がトントンと響く。
 ライトの中に立つのは雛姫。髪はポニーテールに結って活動的に。
 赤タータンチェックのミニスカートに黒ジャケット、シルバーアクセサリーをしゃらんとつけて。

「 もし願いが叶うなら
 貴方の為に灯り続ける 唯一の炎になりたい 」

 サビのフレーズを明るくのせて、観客を引き込む。

「 夢の隙間に差し込んだ
  暖かな太陽の光が
  眠れる時を揺るがした

  大好きな人の為に
  全てを誇れる私でいたい
  そう思うことは我侭でしょうか
  どうか受け止めて この想いを
  胸に響く情熱の炎 熱く燃やそう
  天に輝く太陽に負けないように 」

 弾むようなキーボード、唸る様に、疾走感を出すのはドラムとエレキギター。
 元気良く、音は自由に広がっていくように奏でられる。

「 もし願いが叶うなら
  貴方の為に輝き続ける 唯一の光になりたい

 もし願いが叶うなら
  貴方の為に奏で続ける 唯一の歌を唄いたい 」

 舞台上一杯つかって雛姫は歌う。
 最後はフレーズを何度も繰り返し響かせて、声を重ねて。

「 もし願いが叶うなら‥‥ 」

 そしてフェードアウト。

●佐武 真人 ―Children’s Castle
「ではここでちょっと音を変えて、ピアノの音だけお楽しみいただきまっす。ピアノって表現無限大だからね、僕も楽しみ! んではよろしく、佐武真人!」
 やや落とされた照明。ステージは夕焼けのようなオレンジのカラーライトで染め上げられる。
 ピアノの前に座る真人は上下ともに黒のシャツとパンツ。
 真人はゆっくりと、鍵盤の上に指を置く。

 優しくも、強い音がスローテンポでしっとりと。
 ゆっくりと鳴らされていく音は世界に惹きこむには十分。
 低音は揺らぐように、刻まれるリズムは軽やかに、段々と高音へ。

 そしてふっと作られる無音。
 ライトは少しずつ色を落とされ、今舞台上はモノトーンになっている。

 転調、低音を存分に響かせて、勢いを増して盛り上げていく。
 高音からの速いグリッサンド、そしてまた一瞬の間。
 音を確かめるように、丁寧に奏で、響く和音。

 テンポはまたさらにスローに持っていかれ、ゆったりと低音は落とすように。
 高音は反面キラキラと音色を響かせる。
 スポットで照らされたピアノ。小さな白いライトが降り注いでその黒い身体に映りこむ。
 最後の一音が、響き消えると同時に全てを照らしていたライトはオフ。
 真暗闇が、降りてくる。

●堕姫 ルキ ―Chains
「堕天使様の降臨です‥‥! はい、彼女は彼氏をしっかり監視しとかないと持ってかれるぞー! ではでは初登場、堕姫ルキ‥‥!」
 しゃらんと鎖の音。『虜囚』をイメージした、拘束服のようなゴシックロリータ。鳴った鎖は首輪についた鎖。背には半獣化で漆黒の翼。
 重めの音が響き始め、重なりゆくフレーズ。ゆっくりとゆっくりと、暗く鬱々と侵食するように。

「 無貌の海原、鎖を引き摺り 握り締める手を求めるままに
  モノクロームの迷路を彷徨う 還る場所も分からないまま‥‥ 」

 囁くように、そして願い、哀願するように。
 自然と揺れる身体を抱き締めながらルキは歌う。

「 不安な自由なんかより 安らげる束縛が欲しくて‥‥ 」

 メロディは少しずつ、開放されていくように。
 けれどもその重さ暗さは変わらないまま。

「 重ねあわされた影と影
 『もう二度と千切れる事の無いように‥‥』 」

 すっと腕を身体に這わせながら身を揺らし、そして前屈みになりながら胸を強調する、堕天使っぷりも発揮。

「 狂想たる愛願‥‥“私の”未来
 “あなたに”ずっと繋がれていたくて
  盲想でも構わない‥‥“私の”信実
 “あなたを”唯一人愛していたくて‥‥ 」

 身体を揺らしながら観客のほうへ腕を伸ばす。
 それは誘うように、伝えるように。
 さらに重々しくなる音に身体を揺らしながら。

●Babyface ―ONLY!!
「さてあと残るは二組ー。次は女の子二人! ベスとTyrantess、二人でBabyface!」
 暗いステージに一本すっと落ちるスポットライトの中で、ベスは歌いだす。
 Tyrantessはもちろん見せブラの、黒のレザーブラの上から赤のショートジャケットを。ボトムスは同じく赤のマイクロミニ、自分らしさをだし、さらにケープを羽織る。
 ベスはサンドリヨンに銀のピンヒールでTyrantessの赤系の衣裳と対象的に。ワンポイントに碧い髪飾りをつけ、同じようにケープを羽織る。

「 『唯一つ』を手にするために‥‥
  その『たったひとつ』はあたしらしい私かもしれない‥‥ 」

 しっかりと静かに響くのは声だけ、そしてドラムが入り、それを合図に他の音も混ざり始める。
 そして二人はケープ脱ぎ捨てて、雰囲気も一転。
 Tyrantessはギターでアップテンポな曲を引っ張っていく。

「 やりたいことは数知れず どれも諦めるなんてできない
 だから片っ端からTry そしてたまにError? 」

 テンポも声量も跳ね上がり、ライトも忙しく踊りだす。
 ベスは観客煽りつつ、Tyrantessを前へと引っ張ってマイクを向ける。
 二人で一緒にハモリを。

「 例え何度転んでも それで懲りるほどヤワじゃない
  何度だって立ち上がり I’ll keep on going my way!!

  I’m only ME,not anything else
  どんな型にもはまらない これがあたしのスタイル
  I’m only ME,not anybody else
  人真似なんかしたくない だってこれがあたしだから 」

 明るく元気に引っ張りあげるように。
 その雰囲気は広がり伝わっていく。

「 一度しかない人生 時間はいくらあっても足りない
  だから迷うくらいなら 立ち止まらずにGo!

  Im the ONLY me nobody else can be
  どんな枠にも収まらない これがあたしのやり方
  Im the ONLY me others never can be
  誰にも真似なんかできない あたしはあたしだけだから 」

 見た目幼い二人は、ユニット名の名前のように、それ以上にしっかり魅せる歌を奏でた。

●ELAN
「最後は飛躍に勢い、とGOGOな二人に飛び出してもらいましょう!! 千音鈴と、初登場希蝶!!」
 無色と色ライトをキラキラ派手に織り交ざる舞台。
 千音鈴はベース持ち、髪はバンダナで結い上げてポニーテール。赤の革ジャンに白の�Xネックシャツ、ダメージブルージーンズ。首には銀タグの革紐チョーカー、足は濃茶系編上ブーツ。
 希蝶はエレキギター、黒の革ジャンに、シルバードッグタグ。インナーはダークカラー、そして黒レザーパンツに黒のゴツめのブーツ。チェーンもじゃらじゃらとさせるが、トレードマークの×ピンはとらないまま。
 力強いアップテンポロックはベースソロから始まる。
 少し遅れてエレキギター、ドラムとアクセントを入れながら。

「 喜怒哀楽 どんな色に染まっていようが
  陽は容赦なく昇り 俺を叩き起こす
  二つと同じ日なんかない
  毎日がOnly Days 」

 希蝶がハモリに向かって盛り上げ、二人で声を重ねる。
 そして今度は千音鈴が。
 テンポを少し落としてメロウ気味に。
 ふっと無色ライトを少し弱め、また元に。細いライトを加えて動かす。

「 必ず私に明日があるとは限らない
  だから
  何一つ零すもんか
  何一つ失くすもんかと
  HighSpeedで【今】を駆抜ける
  邪魔する奴は蹴飛ばして 」

 観客に向かって蹴りのパフォーマンス。
 しっかり伝えたい所、響かせたいところは全楽器強く音を出す。
 エレキギター、ベースの速弾きをワンクッションにして次のフレーズ積み上げる。

「 数えきれない
  ONLY And ONLY×3
  手放せない【絶対】は山程
  1つだけなんてケチなこと
  言わなくたっていいじゃない(いいじゃん!×2)

  貪欲は人を成長させる
  それが私のモットーなんだから
  欲張りで行こう
  大切なモノは Everything is Only! 」

 歯切れ良く響く音は最後の盛り上がりに向かって大きく膨らんでいく。
 ライトもあわせて広がるようにめまぐるしく。
 最後の音と声は弾けるように。
 逆光を受けて、二人は弦弾きあげた腕そのままにポーズをとって決めた。

●ライヴハウス『RULE』
「今日の唯一はお前らだけの唯一! 楽しんだかー! 連続収録二日目も無事に終わり‥‥蓮さんはほっとしております‥‥明日も頑張るから頑張れって言って」
 観客から笑い声と頑張れーの声が返ってくる。
「はい、ありがとありがとー。明日の場所は内緒だけど、まー運が良かったら会えるんじゃない? んじゃー最後の締め、手伝ってもらいましょう!」
 いつものようにマイクを置く。
「今日の唯一、しかと受け取ったかあああああああああああ!!!!!」
 そのお答えはしっかりと、叫びになって。