PassionMusic:TheFirstアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 03/09〜03/11

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクと持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「俺様ー、何様ー!! 今日は俺最高、俺一番な感じでお送りしまっす! あれだよね、なんかもう俺様万っ歳っ! みたいな感じー、じゃーいってみよ!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマ『俺様』それぞれの個性を出してください。
 舞台は特に特徴も無く、自分達と観客が面するのは一方。自分達のほうが少し高い位置、ということになります。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。
 舞台に関しては通常の舞台です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0549 倉坂セイ(18歳・♂・狸)
 fa2657 DESPAIRER(24歳・♀・蝙蝠)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa4131 渦深 晨(17歳・♂・兎)
 fa4133 玖條 奏(17歳・♂・兎)
 fa5181 雪架(18歳・♂・小鳥)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)
 fa5470 榛原 瑛(26歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●俺様と焼肉
 打ち合わせもさらりと終わり、雑談タイム。
 今回のテーマにあわせて、それぞれ遊んでおります。
「特定の人限定で俺様な人って‥‥そこにいるよな」
 欅(fa5241)の視線の先、T.R.Y.の渦深 晨(fa4131)と玖條 奏(fa4133)。
「俺?」
「『何か言った?』『いえ何でも』ってやり取りが無条件で成り立つ関係はそうかなと」
「してそうしてそう」
「そんなことないですよ。ね、カナ?」
「皆さんのご迷惑にだけはならないよう、精一杯ストッパーとして頑張ります」
「アッハッハッハッ! 晨君てば女王様でもいけそう。でも女王様はいるからねー」
「それはわしのことかえ?」
 冬織(fa2993)が蓮に後ろでにっこり。
「うん。女王様でも女帝でも」
「あいにく今回は、女王様でも女帝でもなく『とおる&がお太郎』じゃ――許可を出したお前が悪いぜ」
「キャラ違うし!」
 しゅーるなピンクのがおーうさぎが言うように、声色かえて、冬織は言う。
「ひぃー、笑う、笑っちゃう‥‥!」
「渋谷さん‥‥大丈夫ですか?」
 笑いすぎでひーひーの蓮。DESPAIRER(fa2657)は声をかける。
「大丈夫、大丈夫。ありがとうねっ! いやぁ、俺様からこんな風に色々できてたのしいねー。あ、アネモニャは? キング? キングが俺様?」
「はいキングです」
 雪架(fa5181)が手を上げながら答える。
「うちはどっちかというと‥‥」
「どっちかというか、強いて言えば常に下克じょ‥‥」
「下克上ー! 欅君、無理、それきっと無理」
 イイ笑顔で、蓮は言う。
「渋谷は元気だなー」
「元気ですよー!」
 と、ここまで見ていた榛原 瑛(fa5470)がしみじみと呟く。
「もうディレさんの俺様テンションにかかると、こう、僕もね! 指ぱっちんとかジャケット脱ぎ捨て投げとかね、本当にやってみたいけどやらないけどね! ところでお腹がすいたんだよ瑛君」
「唐突だな。そうか、腹が減ったか。何か食え」
「唐突なのが売りなんだよ。焼肉かな」
 蓮は周りの面々を見て言う。
「奢って」
「ご馳走様です、榛原さん」
「お財布係ー」
「お財布係っておい!」
 まぁまぁ、と瑛を倉坂セイ(fa0549)が苦笑しながら押し留める。
「いや、でも僕もね、鬼じゃぁないからね、今日とかは言わないよ。収録終わった日ね」
「‥‥横暴だ。横暴だ、それは横暴だ!」
「そんなことないない、ないよー」
 と、押し問答すること三十分以上。
 お互いの妥協ライン。
「てゆかもうこれ僕が奢りみたいなもんじゃん! くっそ妨害してやる!」
「俺の勝ちだ。つーか、そっちのほうが稼いでるだろうが!」
 と、ぎゃぁぎゃぁ言い合う瑛と蓮。
「奢ってもらえるなら誰でもいいよねー」
「そうだね、予定あけとかなくちゃ」
「がお太郎、焼肉くさくなってしまうかもしれぬな」
 他の面々は、奢ってもらえるならどっちでもいいのが本音。

●とおる&がお太郎 ―Voice
「はいPassionMusicでっす! 今日のテーマは『俺様』! 俺様、何様、俺様ですからっ! 俺様がつんといってみよ! 最初は初登場じゃないけど初登場! Voice!!」

 暗闇の中で指はじく音。
 ライトがあたって、普段どおり和装の冬織と、がおーうさぎのがお太郎。
 小脇抱えて、手拍子とスキャットでリズムを作る。
 観客も、それにあわせて同じリズムを生み出す。
 それを伴奏に力強く歌い始める。

「 力無き言葉は嫌い
  陳腐 浅はか 愚鈍な記号の羅列
  其れを紡げと差出す誰か
  冗談は消えてから言えば? 」

 同じリズムを転調して、のせていく。

「 想い有る言葉は悪くない
  陳腐 浅はか 愚鈍でも力ある音
  其れを叫び願え子羊
  狼が気紛れで聞いてあげる 」

 すこし優しく語りかけるように、フレーズをつむぐ。

「 3秒だけ耳を貸すわ
  だから――魂の聲 叫び吠えなさい
  さあ! 」

 一呼吸。
 力強い声の後に静かに呟くように。

「 Three Two One‥‥ 」

 静かさから変わって、低音から高温とフルに音域を使う。
 高く高く低く低く。

「 希う聲は歌へ
  触れさせる程優しくなんてないけど
  熱い想いは嫌いじゃない
  羨望 陶酔 期待は悦楽
  此の聲を紡ぎ歌う力の欠片

  積もる聲 いと憎し 」

 最後は小憎たらしくも愛しいものたち、という雰囲気で。

●アネモネ ―フロンティア
「‥‥セッカ、リラックスでな」
「ダイジョウブ、練習はした、いつもどおりでダイジョウブ」
「‥‥とりあえず、貧乏ゆすりはやめような」
 初ベース持ちで雪架は緊張中、挙動不審。
「じゃ、次は二連続でPassionなアネモネー! フロンティア!」

 舞台に上がって、ライトがあたる。
 欅は黒い艶加工のYシャツをはだけ、黒のタイトパンツに黒ブーツ。右人差し指にある大粒の赤い石の指輪と、首の炎の形のシルバーアクセがライト反射する。そして腰周りにブラックシルバーのチェーン。
 雪架は黒いタンクトップに変則的に縫い目の入った斜めファスナーの黒シャツあわせる。裾の方だけファスナー閉めて、袖のファスナーは開きゆるく着こなして。黒のスリムパンツに黒くていかついワークブーツ。首、手首、指、腰回りとごついシルバーアクセじゃらじゃらとさせる。
 それぞれ持つのはエレキギターとアイスブリザード。

 ギターの音が高音域で走るイントロ。細やかなメロディが踊るように流れる。
 そして、ライトの彩度が歌の始まりとともにあがる。

「 魔法使いが不気味に笑う
  騙されたと思って扉を開けて
  俺の世界に堕ちてごらん 」

 低くて狭い音域を歯切れよく歌う。ドラムとベースは低音刻み、ギターの音は細かく鳴らすのみ。
 雪架の視線は誘うように会場に向けられ雰囲気は色っぽく。
 音の切り返しのたびに赤いライトが踊る。

「 ぬるいオトギ話に 潤いと刺激はいかが
  林檎の毒より不敵な微笑み
  現実(リアル)思考のお姫様でも 手加減無用逃さない 」

 怪しい雰囲気漂わせ滑らかに。
 高音域では音伸ばしてゆがませる。躍動感もたせながら盛り上げて、明るいメロディに。
 音と同じようにはっきり陰影もわかるほどのライトの光の中で、サビを歌う。

「 可愛い口を抉じ開けて 熱い吐息をプレゼント
  息つく間も無く甘い言葉と 少し過激なエスコート
  嘘の君には惹かれない 本当の姿を晒してみなよ
  もう君は(俺は)艶やかな俺の(君の)虜 
  優しいだけの王子様にはモッタイナイ 」

 疾走間溢れさせ、ボーカルとコーラスが重なる。
 そのまま歌いきり、でも音は強く持たせ、伸ばして歪ませ落としつくす。
 ボリュームはそれにあわせて落ち、ギターが音を返す。
 音にあわせて落ちていくライトは今はほのかに明るいくらい。

●Die Krone ―fly high
「さてお次! 僕の焼肉総支払いがかかってます! てゆかもう支払い決まってるようなもんなんだけど! 倉坂セイと榛原瑛、初登場の二人でDie Krone、曲はfly high!」
 瑛にライトがあたる。
「いいかよく聞けよ? いい感じに酔わせてやるからてめぇら俺様についてきやがれ!」

 セイはベースを持ち、瑛はマイクスタンドを前に。
 レザーのライダースジャケットに白タンク、ダメージジーンズにワークブーツ。
 ごつめのシルバーアクセはじゃらじゃら。髪はワックスで硬めに逆立てた瑛。
 ドラムのカウント、いきなり響くのは歌。
 白い、逆光ライトが背面から日が昇るようにあがり、ステージを照らし始める。

「 朝日に照らされ 埃が舞い散る
  荒れ果てた道さえひた走れ
  ブーツの紐を固く締め 不敵に笑えば
  目指すはまだ見ぬ高みへと 」

 リズム支えていたベースにギターが重なり力強くなっていく曲。
 それは全体に勢いつけるのには十分なほど。
 けれども少し雰囲気かえて、メロディアスに。 

「 おとなしい顔して迎合しきって
  木の葉の真似する虫にでもなるつもりか? 」

 しっかりとギターとベースは掛け合ってゆく。
 そしてサビ前に、瑛は指をならし、羽織っていたジャケットを脱いで投げ上げる。
 同時に赤と黄のライトがクロスしながら会場切るように照らし出して、ステージ全体使うようにパフォーマンス。

「 fly high もっと遠くへ
  ちゃちな雑音耳に入れる暇などない
  かけたプライド 期待の視線
  背負う覚悟はできている 」

 勢いつけて、駆け上がるように。
 曲はさらに盛り上がる。

「 get along 遥か彼方へ
  一瞬たりとも迷っている暇などない
  きつく握って突き出したこの拳は
  世界を掴むためにある 」

 言葉に合わせての振りは観客も乗ってきて。
 瑛は最後にマイクスタンド蹴り倒して、勢いのまま曲をしめた。

●T.R.Y. ―Shine‐Shadow
「まさか俺様な歌を歌う日が来るなんて‥‥」
「今度はへたれなの歌わないとね」
「‥‥シン‥‥」
 舞台裏でこそこそ会話。
 そしてお呼びがかかる。
「今日のT.R.Y.は、いつもと少し違う雰囲気で! かわいい俺様、だがしかし瞬間みせる大人な俺様! てことで、Shine‐Shadow!」


「 さあ進め 自分のココロが向く先に向かって 」

 元気に少年の天真爛漫な俺様感を前に押し出すように、二人は声を重ねる。
 揃いの衣装は頭に小さいクラウンで、擦りきれた風のジーンズとスニーカー。
 Tシャツにジャケットでストリートキングのような雰囲気。

「 全て巻き込んで自分ペース 凛とした姿はサマになるでしょ 」
「 無駄にゲンキなのもきっと魅力? 」
「 確約なんてナイのに自信タップリ その先に未来見えてるから 」

 交互に歌い、シンが前に出て少し雰囲気変えて、かわいらしさ出しつつ歌う。

「 (想像してもワカラナイ アナタが見てる未来はどんなもんですか
  同じ未来歩みたい並びたい だから背伸びして追い掛けてる) 」

 そして感想。
 二人の見せ場の一つ、ダンスでは大技の登場。
 それに会場も盛り上がる。

「 俺についておいで 冒険したいなら 」
「 文句は言わせないさ 俺はいつでもgoing my way 」
「 いつでも勝負は受けて立つから 」
「 お前も覚悟決めてからおいで 」

 奏が歌い、シンが声を重ねるのを交互に。
 少しずつまたラストにむかって盛り上げていく。 

「 ミもココロも服従したくなるように 」

 最後は二人で声をそろえて。
 元気な俺様は瞬間雰囲気変えて、艶っぽく曲に言葉をのせて流し目を。

「 シテアゲル 」

●DESPAIRER ―Alone on Top
「今夜の最後はDESPAIRER! 最後は絢爛ではなくて孤独を! 走り続け、頂点に立つ強さ、弱さ見せないその姿、追いつかれること無い、Alone on Top」
 ふっとライトが落ちてDESPAIRERを照らし出す。
 燃えるような赤のドレスはちょっと豪華な感じで、王者の風格を漂わす。
 勢い良く駆け抜けるように始まる曲に、DESPAIRERの澄んだ声が響く。

「 理解できない? 当然のことね
  あなたと私じゃ 格が違うもの
  理解なんてね しなくてもいいの
  あなたは黙って ついてくればいい 」

 保っていた勢いは少し潜み、わずかな寂寥感が漂う。
 歌詞にもその雰囲気が滲みゆくように。

「 ここから見下ろす この景色は
  あなたには わからないでしょうけど
  並ぶものなど 誰もいない
  この孤独 それが頂点の証 」

 そして転換して、強くぐいぐいと引っ張るように音も声も響く。
 力強さは勢いに乗せて。

「 I’m on top,so follow me
  私があなたを 月のように輝かせるから
  I’m on top,so come with me
  私のことだけ ずっと見つめながらついてきて 」

 ふっと無音。
 今までの力強さが嘘のようにひそりと音が潜まる。
 静かにゆっくりと気持ちを押し出すように最後のフレーズ。

「 I’m on top...Alone
  So come to me... 」

●ライヴハウス『ASKED』
「この中に何人俺様遺伝子もってるやついるんだろーと思う僕ですよ。これから焼肉ですよ、あっははは!!! やっすいとこでいいよ、やっすいとこで、たべほ!! てことで皆探さないでねー」
 えー、とのブーイング。
 でも教えません。
「さって、お前らのわがまま俺様を僕に届けてよー! はーい、ここは協調性ね、どんな俺様も声合わせて」
 マイクおいて、いつものラストチェック。
「今日のライヴの俺様度はあああ!!!!?????」
 最高ーーーー!!!! と、叫びのお返事が、響く。