ロクナビ!!:MandLアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや難
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報酬 |
0.8万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
06/24〜06/27
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●本文
「出演者、募集と‥‥OPもEDの募集もしたし‥‥あーほんっとうに始動なんだなー」
ぱらぱらっと社外秘、な資料を捲りながら平木カオル(ひらぎ・かおる)は色々と思い出す。
と、作業を止めていた手を思い出したようにまた動かし始め、各プロダクションにメールを送信。
「さって、どんな子が来るかなぁ」
青く輝く画面を見ながら、カオルは楽しみだと笑う。
「あー‥‥メンバーどうなるかな‥‥妙に気張らずにありのままやってくれればいいんだけど‥‥あ、こっそり見に行こう、うん、絶対楽しいだろうな」
収録の日が、怖くもあり、でも待ち遠しい。
『ロクナビ!!』
この番組はロック中心音楽番組なのだが歌うことのない番組だ。
毎回出されるテーマについてトークをするのだ。
テーマは毎回、『音』と、『何か』
第一回目のその『何か』は『愛』
自分達の奏でる『音』と、『愛』について語って頂きたい。
テーマに関してどのような話をするのか、それはお任せ。
どんな話をしてくれるのか、楽しみである。
●リプレイ本文
●収録開始の前に
「今日は宜しくお願いします」
参加者とスタッフにジェンド(fa0971)は挨拶中。
「うん、楽しいをトークを期待しているから」
ジェンドにスタッフの一人、平木カオルも笑顔で返す。
と、二人に近づいてきたのは陽守 由良(fa2925)。
「OPED制作ではうちのリーダーが世話になったらしいな」
「由良さん、ライヴぶり」
「ん、EDに採用されたって話しだし宜しく伝えてくれって‥‥」
「由良ちゃん」
「と、こっちは‥‥」
由良の後ろからひょこりと顔を見せたのは文月 舵(fa2899)。
「アドリバティレイアの文月舵です、どうぞ宜しゅうおたの申します」
はんなり京都弁でぺこりと頭を下げるとカオルも同じように。
「リバティにはお世話になりっぱで、こちらこそ。さて‥‥そろそろ収録開始、スタンバイよろしく」
促されて挨拶もそこそこに、三人はセットの方へと案内された。
●音と愛
白基調のセット、流れるOPにあわせて出演者は一人一人登場。
半円状の柔らかなソファに腰掛けてトーク準備は万端。
トップバッターは煌びやかな銀髪の持ち主、LUCIFEL(fa0475)。
「愛を謳いロックを歌う、ココロの調律者または愛の歌い手‥‥俺が語らずして誰が語るってな、よろしくっ!」
彼の隣には紅 勇花(fa0034)。頭に黒い帽子、深緑色のタンクトップに黒の半袖ジャケット、ジーンズと全て男物。
「こんばんはー、ギタリストの紅勇花ですー‥‥ええと、今回は一つお手柔らかにお願いします」
「ジェンドっていーマス。フリーで活動中のギター弾き。好みの音楽はロック系ってトコだな」
その隣には月見里 神楽(fa2122)がちょこんと。にこにこ笑顔で元気良く。
「月見里神楽です! 音楽について語るのって、自分の音楽観の再確認になるよね。お兄さんやお姉さんはどんなのかな? 凄い楽しみ」
「こうして集まって話しする機会って中々で、自分以外の意見を聞いて、新しゅう気付く事もあると思うんです。いっぱいいっぱいアンテナ伸ばして楽しくお話しできたらええな、と」
「俺も思いっ切り楽しませてもらうかな、舵と一緒に」
アドリバティレイアの仲間同士、舵と由良は並んで座る。由良の隣にはスモーキー巻(fa3211)。
「プロデューサーのスモーキー巻だよ、よろしく」
そして最後はNeiro(fa3920)。
「あたしはNeiroよ、ヨロシクね」
今回のテーマ『音』と『愛』について最初に言葉を発したのはLUCIFEL。
「恋愛、家族愛、友愛‥‥形は様々だが全ては愛から始まり愛に終る。何をしても愛が無ければ無意味な事だと思うぜ」
「僕は『愛』とはつまり『何か、もしくは誰かを肯定する気持ち』ではないかと思っているよ。例えば‥‥」
と、語りだしたスモーキーは真面目な顔で隣の由良を見る。由良は何だ、と少し不思議そうな表情で。
「僕がキミを愛しているとしたら、僕はキミという存在をきわめて肯定的にとらえているという事になる」
「なるほど‥‥って、何で俺だ!?」
「いや、それは一番反応が面白そうだと思って‥‥」
「反応が面白そう!?」
「まぁまぁ由良ちゃん落ち着きや」
立ち上がりかける由良を舵は服の端をちょこちょこっと引っ張って。
「そうゆう言葉はレディに。そう思うだろ?」
場を収めようとLUCIFELは同じ男であるジェンドへ話を。
リラックスして聞いていたジェンドは突然回された話を頷きするりと交わす。
「俺よりも他の人に聞いたほうがいいと思うぜ?」
「はいっ! そこで恋話! お兄さんお姉さんのお話聞きたいです! 女の子は恋話大好きですよ、ねー」
チャンス、とばかりに神楽は元気良く切り出す。その視線は年上組への期待が満々。
最初にその話にのったのは当然のように。
「俺は俺の全てを、全ての愛を捧げられるレディを探し求めてる。だからレディへは積極的に仕掛けるな。何処に居るのか‥‥いや、もう出会ってるが気付いてないだけかもな?」
微笑を浮かべつつ、その視線は女性陣へとさりげなく。
それを舵はスルーし、微笑みを湛えて自分の恋について語る。
「ふふ、実は最近気になる人がいて、その人に会えて幸せやなあ、てよう思うんです。これ以上は秘密です」
「初耳だ‥‥」
「だって言うてないから」
由良の呟きにはにかみ、照れながら舵は言う。そしてしっかり話を次の人へとパス。
「勇花さんはどないで?」
「いや、僕は恋の話しなんて特には‥‥」
自分の恋愛話は苦手、なのでうまく逃げようとするがそれが許されるはずも無く。
「またまた! あるよねー?」
「そうね、隠し事は良くないわよ」
「その通りです」
視線はちくちくと。
「うっ‥‥だ、だから何もないんだってお兄ちゃんとはッ! ‥‥あぁっ!」
詰め寄られ、気がつくと自爆。
しまった、と顔を朱に染めつつ勇花は丸くなり顔を隠す。
「な、ならNeiroさんは?」
逃がさない、と勇花がNeiroにふる。
Neiroはにこりと笑みを浮かべた。余裕がある。
「話させてもいいの? 私の恋バナは番組内で納まらないわよ、放送できるかも分からないしね」
「気になります!」
神楽に後でね、とNeiroは返し男性陣は、と切り返す。
「あー‥‥俺はパス、キャラじゃねーし。言い出しっぺはどうなんだ?」
由良は先に自分は話さないと逃げ、話を神楽へ。
神楽は少しはにかみ話し始める。
「神楽はねドラムやりだしたきっかけが初恋なのです。とある演奏会に行って、演奏会終わった後でドラムソロで一曲やってくれたお兄さん。最後に、にこって格好良かったの! 今では神楽の先生。恋と言うより、優しいお兄さんですね。でも憧れはかわりませんよ」
「なんやかわいらしい話。ずっと大事にせなあかんね」
舵の言葉に神楽は頷く。
「‥‥恋バナはあとのお楽しみにして、別の事も話してみないかな?」
と、このまま行けばまだこの話は続きそうだと思ったのか、スモーキーは苦笑しつつ切り出す。
「あ、聞いてみたい事あります」
舵は手をしゅぴっとあげ、そのまま言葉を続ける。
「皆さんの自分の音、音楽へのポリシーとか聞いてみてもええですか?」
「それがいいね」
舵の言葉にスモーキーは頷く。そして他の面々も。
「普段なかなか聞く機会もねぇし、楽しみだな。それぞれが自分なりの音に関しては考えて活動してるだろうし‥‥何か、話自体は堅いのに妙にリラックスしてる俺がいるんだが」
「じゃあ由良ちゃんからお願いしよかしら」
「ん、俺の音楽に対するポリシーは今までもこれからも『楽しむ事、楽しませる事』だな。そのせいか自分で作る曲は明るいのが多くなっちまう。正直に言うと暗い曲って苦手だ。あ、作るのがって意味で。聴くのは好きだぜ。あまり自分で作らねぇせーか、凄ぇインスピレーションわくし。まぁ、どんなジャンルの曲でも、なるべく多く聴くようにはしてるな。歌詞のイメージも大切にしてる。それでまた細部を変えたりもするし」
「神楽もちょっと似てる! 『音を楽しむ事』ってそのまま音楽の原点。前は『演奏を上手く、子供だから下手って言われたくない』って思ってて。だからかな、技術を磨く事ばかり一生懸命である時『音を楽しんでる?』って聞かれて‥‥答えれなかったです。それからかな、体の力抜いて演奏出来るようになったのは。大人まで時間あるもん、焦らなくても、大丈夫だからね」
「そうそう、未来のレディは焦らなくていい。俺はポップロックがを歌う事が多いが、アッパーチューンで心に活力を、メロウナンバーで心に癒しをって感じかね。だから悲しいだけの曲とかは歌わないな。伊達にココロの調律者と名乗ってないぜ」
由良のポリシーから神楽、LUCIFELと続き次はジェンドが口を開く。
「んー、俺はあんまり難しい事は考えねぇからさ。そうだな、『いい音を作る』って事ぐらいじゃねぇかな。自分で『いい音、いい曲』って思えねぇモンが皆の胸に届くとは思えねーし。自分がそう思えたものを皆に聞かせてぇと思う。唯一ポリシーっぽいのはそれぐらい、だな」
少し照れくさそうにジェンドは言い、お前はどうだ、とNeiroへ。
「あたしの音楽は紛れも無く、あたしの一番リアルな部分が現れてるわ。良い意味でも、悪い意味でも」
「悪い意味?」
Neiroの言葉に勇花は興味有り、と先を促す。
「時々過激すぎるアプローチや表現があるの。『やりすぎ、不愉快』と批評される事もあるけど、ちゃんと受け止めてる。自分の評価としてね。だけどそれで自分の音楽を正統派に、一般受けするものにしよう、なんて思う事は決してないわ。誰が何て言っても、どんな風に批判されても、あたしはあたしのリアルな生き様を音にしていく‥‥それがあたしのポリシー」
「ふむふむ、お勉強になります。うちもちょっとおしゃべりさせてもらいますね」
Neiroの話が一段落、そこで今度は舵。
「うちはイメージ先行です。いつもこの音を出したい、っていう我侭半分で始まります。で、表現する時に、この我侭を大事にしたいと思てるんです。その時の気持ちとかひらめきとかを伝えたくて。音の纏り、こうした方が調子がええっていう定番がありますけど、そういうのはほんまに最後です。基礎やルールがあってこそ出来る事があるのも分かりますから丸々無視はしませんけどね」
なるほど、と由良は関心し、そして話は次の段階へ。
「んじゃ、音と愛と、絡めてってみようぜ。最初は愛の歌い手、いけ」
「じゃ、遠慮なく。愛を音として表現、まずどんな愛を謳うかを考える。それが定まればあとは自身の心の内から引き出してくるだけだ。溢れ出てきたモノを紡ぐ、それだけで良い」
「色々ありますよね、恋愛から、親愛、友愛。曲にも出ますし。自然に誰かを想ってたり、それだけで優しくなれたり、素敵ですよね」
舵は頷き、微笑む。それに勇花も同意。
「確かに愛って色々‥‥僕が思うに、綺麗なモノでもあるけど物凄く醜いモノでもあると思うんだ。愛憎表裏一体、って言うしね。僕がよく音にするのはその醜い部分。綺麗な愛の歌の方が好きかもしれないけど、これもまた、愛の一側面だからね。醜い愛は往々にして自分勝手だけど‥‥それだけに、正直な想いに満ちている。だからその想いのままに音を刻んでいけばそれが曲になる‥‥まぁ、ドロドロしたモノになりがちなのは否めないけど、そんな愛もあるんだって皆に伝われば幸いだよ」
「対象や想いの強さによって呼び名は様々に変わるけれど、きっと根元の部分では一緒で、あえてその全体に名前を付けるなら『愛』という言葉が一番しっくり来るんじゃないかな」
勇花の言葉にスモーキーが続く。
「極端な事を言えば、僕の作る曲は全てがいろんな『愛』でできているんだよ」
唐突な言葉に一同はキョトンと。苦笑しながらスモーキーは続ける。
「歌い手の個性を尊重しそれを良いものとして引き出していこうという歌い手への『愛』、題材が例えマイナスイメージの強い物でも、それを少しでも肯定的にとらえるテーマへの『愛』、悲しい曲でも救いのない曲にはしない、人生、運命、そして現実に対する『愛』と、言ったらちょっとはわかるかな? 曲を聴いてくれた人が、その曲自体、歌ってくれたアーティスト、あるいはそれ以外の何かにでも、新たな『愛』を感じてくれれば『愛』の輪は回り続ける。それで僕は本望だよ」
「詩人みたいだ‥‥」
「それは褒め言葉かな?」
どこからともなく出た言葉にスモーキーは微笑み返す。
「でも、まぁ先ずは自分が誰かを愛してねぇと駄目じゃね?」
一区切り、とみて話し始めるジェンド。笑い交じりで言葉を続ける。
「ま、それは冗談として。俺が言えるのは『感情を込めて演奏する』位の事だと思うンだよな。楽器ってさ、淡々と譜通りに演奏しても凄ぇ味気ねー感じにしかならねーんだよ。アソビゴコロとか自分のクセが演奏に混ざって味のある音になる。そのアソビゴコロを出す一番良い方法が感情を込める事だと思うぜ。楽しい歌なら楽しげに、悲しい歌なら悲しげに。ンで愛の歌なら‥‥ファンの皆を愛して? 俺が語って良い事なのかどうかちょっと不安になってきちまった」
「大丈夫よ、それがジェンドさんの在り方でしょう? そうね、あたしは愛以外にも自分の感情をよく音にするんだけど作曲の時は表現したい感情に意識を集中してピアノの前に向かうわ。目を閉じて‥‥何時間も掛かる時もあるし、嘘みたいに音のイメージが湧いて来る時も。イメージっていうのは映像として見えてくるのよ、映画みたいに。それに合う曲を直感と即興で付けていくわけ。こんなメロディー、こんな響きが良いわってね。まあ‥‥愛って一言では言い表せない神秘的な感情だからなかなかイメージが湧かない時もあるけどそれがまた自分探しみたいで楽しいのよ」
「映画として見えてくる! そこから繋げて神楽の場合、恋愛ドラマで使う曲を考えちゃいます。役者もやらせて頂いてるからかも。例えば待ち合わせのシーンなら軽やかな曲調でドキドキして踊りだす心を表現とか。自分のでてるドラマで曲、作ってみたいです」
「いつか叶うといいな」
「はい!」
「じゃあ他に‥‥」
と、まだまだ盛上がりつつ、音と愛についての話は続いていく。
●収録終って
「お疲れ様デシタ!」
収録後、カオルは出演者の面々を労う。
「放送では時間の関係でちょこちょこカットされるだろうけど、楽しみにね」
「今日はおおきに、また機会があったら呼んで下さい」
「はい、また」
スタジオを後にする面々を見送りながらカオルは一言。
「いやぁ、愛って奥が深いんだなぁ‥‥」