ビバ★天使生活アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 03/10〜03/14

●本文

 天界で、一番偉いミカエルは、ひきこもりでした。
「‥‥ダメだ、あんなのがトップじゃダメだよ天界。終わるよ天界」
「助けて神様ー! 神様ー!!」
「神様いねえええええ!!!! つーか超冬眠中ですからー!!!」
「でてきて、お願い出てきて‥‥! もうハンコ押すために腕だすだけでいいから‥‥!」
 がんばって、他の天使さん。

●キャスト募集
 深夜のファンタジーなドラマ『ビバ★天使生活』ではキャストを募集しております。
 有名天使からマイナー所、さらに創作天使まで幅広く募集中です。

●補足
 お話は天界にて展開。
 ひきこもりのミカエルはほぼ出てきません。ミカエルの部屋の外での出来事です。
 今回の目的はミカエルを引きずり出すこと。それだけです。
 話は自由に組み立ててもらってかまいません。ミカエルの部屋の前で延々でてこいと祈祷し続けるとか、無視でのっとりを計画するなどなど。
 『ビバ☆悪魔生活』よりも自由度が高くなっています。
 ひきこもりのミカエルには、さらにオプション鼻血、挙動不審、泣き虫などがつきます。

●今回の参加者

 fa0074 大海 結(14歳・♂・兎)
 fa0467 橘・朔耶(20歳・♀・虎)
 fa0868 槇島色(17歳・♀・猫)
 fa1420 神楽坂 紫翠(25歳・♂・鴉)
 fa2726 悠奈(18歳・♀・竜)
 fa4263 千架(18歳・♂・猫)
 fa5404 橋都 有(22歳・♂・兎)
 fa5442 瑛椰 翼(17歳・♂・犬)

●リプレイ本文

●Cast
罠に関して恐ろしくアクティブな悪魔の化身天使・イロウエル:橋都 有(fa5404)
漂白剤ならぬ漂黒剤を持て、白の下は黒・カマエル:千架(fa4263)
苦労性、みゅーみゅーな未来の天使・ティアイエル:悠奈(fa2726)
泣いて叫んで落ち着いて、神の慈悲は忙しい・レミエル:大海 結(fa0074)
皆お友達、だがしかし、鞭の隠れ女王・ラグエル:橘・朔耶(fa0467)
熱血炎の天使はヒヨコたちのパパン・ウリエル:瑛椰 翼(fa5442)
お注射しますよ、女医天使・ラファエル:神楽坂 紫翠(fa1420)
虎視眈々、無表情アンドロイド天使・メタトロン:槇島色(fa0868)
引き篭もりで鼻血ですが何か・ミカエル:璃久アイジ

●開かない扉ゲシゲシ!
 天使の長のミカエルの、執務室のその奥には自室、がある。
 現在その部屋の主は、仕事全部放置プレイで引き篭もり中。
 泣く泣く扉にすがるのは、みゅーみゅー泣きながら訴えるティアイエル。
「ミカ様ー! 判子をー!」
 がりがりー、と扉に爪立てながら項垂れる。
「‥‥駄目‥‥誰かに助けてもらおう‥‥」
 ほてほてと執務室をでるティアイエル。
 と、仕事を嫌な顔一つせず片付けるメタトロンと出会う。
「判子、押しますか?」
「これはミカさまのが必須なんですっ!」
 書類ください、と手を差し出すが、ティアイエルは書類を背面に隠し隠し。
 そのままとたたたーっと外へとかけて行く。
「だ、誰かに助けてもらおう‥‥!」
 涙うるうるさせながら走りゆくティアイエル。
 その姿をケムエルはみていた。
 走ってきた場所は無能上司の部屋の方から。
 手に持っていたのは書類。
「ティアイエルを手伝ってあげましょうかね」
 穏やかに爽やかに笑うのだが。
 それはひそりと黒い。
 そしてティアイエルは、とある天使に相談しに。
 その人選、もとい天使選は危険だよティアちゃん。
 悪戯暗鬼は必須、いつも袖の中にひそませ、ご機嫌鼻歌常歌い、ふらふら練り歩いて神出鬼没のイロウエル。
 いた! と走りこみ捕獲!
 ‥‥したっぽかったけどイロウエルは突撃をかわす。
「ひ、ひどいです!」
「ぇー」
「ぇーじゃないです。それよりまたミカ様が引き籠ってるの‥‥手伝ってください」
「微妙」
「そんな!」
「嘘。するよ、するする。遊ん‥‥恐怖を与え‥‥呼び出せばいいのか?」
 頷くティアイエル。
「先に戻ってて。ちょっと準備してからいくから」
 くるっと方向転換。イロウエルの表情は微妙に嬉しそう。楽しいことみつけた、といった感じだ。
 そして他にも、泣き走りティアイエル威力は絶大であっちゅー間に天使様方、『またひきこもりかよぉ』としぶしぶだったりるんるんだったりゆるゆるで皆さん集合。
「今日から俺がトップだー!!」
「違いますよー! 偉いのはミカ様ー!」
 高らかに叫ぶのはウリエル。
 天界養コッコ場の責任者でもある彼は卵を抱きかかえている。只今孵化前の子たちをあっため中。
「偉い人は偉いんですよ。引き籠ってないで、一緒にお茶しましょうよ。あ、それならお茶のセットもってこなくちゃ‥‥」
 ほのぼのーと場を和ます。ティーセットとりにその場を離れるのだが、何もないところで。
「うはっ‥‥!」
 こけ、さらに。
「うぐっ!」
 勢い良くあいた扉に顔面激突。
 それでも笑顔は崩れない。
「あ、ごめんなさいラグエル」
 やってきたのはレミエル。
 とてとてと引き籠る自室の扉前に立つ。
「‥‥引き籠ってるんですね。私も協力します。本当に困った人ですね‥‥」
 つぶやきため息。レミエルは自分のもつ幻視の力を発動する。
 と、ミカエルの部屋からどんがらがっしゃーん! とものすごい音が響く。
「!? な、何見せてるんですか!?」
「‥‥色々多種多様バリエーションに富む感じで‥‥迫りくる‥‥」
「迫りくる?」
「マッチョな天使」
「いやあああああ!!!」
 ティアイエル、想像しちゃって取り乱す。
「‥‥出てこない‥‥」
「次はおいしい食べ物フルコース、きらきら綺麗な感じに、えーと‥‥ってなんででてこないんだよー!! これ結構疲れるんだよ! ミカエル! ミーカーエールー!!! いわああああん、ミカエルのばかあああ!!!」
 初めてまだしばらくしかたってないのだがレミエルはテンション高くして叫ぶ。
 扉一枚向こうでは、さらにものすごい音と雷の落ちる音。
「‥‥雷?」
「あ、やっちゃったかも、テヘ!」
 テヘで誤魔化されちゃえ。
「ミミミ、ミカ様ー!!」
「ミカエル生きてるー!!??」
「わかった、ここはオレがあける!」
 ガンガン! と扉をけったウリエル。
 だがそれも一度で、扉向こうに叫びだす。
「ミカエルさんよー、飲み屋のツケが溜まってるんだけどねーいい加減払ってくれねぇとこっちも困るんだよね‥‥コルァ! とっとと開けやがれ!!」
「ウリエル、飲み屋なんてしてたんですか」
「養コッコ場の近くで居酒屋をちょっとな」
 と、そこへ現れる黒装束。しゅたっと登場してウリエルを捕獲。そのままずるずるとどこかへ引きずっていく。
「あ〜れ〜?」
「ミカ様親衛隊!」
 ずるずるずる、とそのまま部屋の外へ。
「あ、いいや、このまま養コッコ場まで運んじゃってー!」
 連行。

●罠液濁大盛
「みなさんお揃いですね」
「!? な、なんですかその格好は!」
 肩にドリル、頭に黄色いヘルメット。
 微笑をたたえてケムエルがやってくる。
「倉庫の奥のほうにあったんですよね。探すのに苦労しました。扉が蝶番側が脆いんですよね」
 ガチっとスイッチ入れるとものすごい勢いで回りだすドリル。
「あれ、これ螺子のサイズとあいませんね」
「ケムエル、とってもいい笑顔してますね」
「そうですか?」
 とってもいい黒い笑顔です。
「破壊活動は駄目です」
 と、静観していたメタトロンはドリル没収しようとするが、ケムエルはそれを交わす。
「本当に使う気はありませんよ。冗談です、冗談」
 いえ本気でした。
 そしてそこへ、天使だけど悪魔の化身なイロウエルが怪しげな卵を持ってやってくる。
「お、カマエル、カマちゃん」
「‥‥誰がカマです。発音の悪い口は引っ張りますよ?」
 笑顔で言った時にはすでに手が伸びてぎゅむう、と引っ張るケムエル。
「いひゃい‥‥また白刃取りできなかった」
 手を離されて頬擦りながら言うイロウエル。
 ティアイエルは大丈夫? と、傍に寄ってくる。
「大丈‥‥げふあっ!」
「!? 血っ‥‥!」
「うーそー」
「!!! きゃあああ! 赤い!」
 心配になって握った手は赤べっとり。
 イロウエルの袖の中には常に血糊が仕込まれている。
「うう、あとでお洗濯しなきゃ‥‥」
 みゅー、と泣くティアイエルを驚かして満足したのか、次なる罠をイロウエルは作成し始める。
 それはもう楽しそうに。
「ふんふ〜ん」
 赤青黄白謎の虫っぽいの。
「‥‥イロウエルは何をしているのですか?」
「卵を並べ‥‥」
「みたらわかります」
 レミエルが不思議に思って問う。そしてイロウエルはレミエルに卵を渡す。
「一緒に」
 渡されたら、並べるしかなかろう。
 執務室のいたるところに卵罠を。イロウエルは他の罠もしいていく。
 そんな様子をみてケムエルは言う。
「そんな稚拙な罠に引っかかるわけ無いでしょう。今まさに見てるんですよ?」
 おかしい、と笑うのだが一歩二歩動いて。
 ぐわしゃ。
「あ」
「やった。しかも虫」
 微妙に表情を嬉しそうに。
 カマエルは笑顔を向ける。
「命の源である卵を‥‥怪しいのを私に踏ませるなんて‥‥」
 カーンと戦いのゴングが鳴る。
「ベランダにつるしますよ、蓑虫にしてつるしますよ」
「それも楽しいかな。ちょっとしたお茶目で手軽なスリルをプレゼンツ」
 無表情のままちぇき!
 さらに、神経は逆なでされる。
「つるします」
 がっと腕あわせて力比べ状態の二人。
 そんな二人をみてティアイエルは。
「仲が良いね♪」
「どこをどう見たら仲が良いんですか」
「違うの!?」
「ティアイエルも一緒に騒ごうよ」
「え!?」
 巻き添え。
 にぎやかな執務室。
 と、その前を通りかかった天使一人。
 スリット深くはいったチャイナドレスに白衣とヒールの女医天使、ラファエルだ。
「一体なんの騒ぎなのこれは?」
 あたりの惨状を見れば誰だってそう思う。
「ラファエル様ー!」
「あら、怪我してるわよ」
 と、仲良し喧嘩から抜け出しティアイエルは走りよる。かくかくしかじかで。
 その合間にちゃちゃっとかすり傷の手当ても終わる。
「ミカエル様引き篭もり? またなの‥‥あ〜こうなると当分出て来ないわよ? 前回も苦労したそうだし‥‥」
「そうなんです‥‥!」
「あらあら、大変ね〜」
 暢気ににこにこ笑顔でラファエルは返す。ティアイエルは、彼女に泣きつき。
「手伝ってください!」
「手伝え? 嫌よ♪ 人の不幸は、蜜の味ですもの♪」
 ふふ、といい笑顔で返すラファエル。
 そしてこの混乱時にティーセット持って帰ってくるラグエルはタイミングが良いのか悪いのか。
「お茶の用意してきましたよ〜」
 ほえほえ笑顔で部屋に入り、卵しくレミエルの足に躓く。そして卵へずしゃ! 手に持っていたお茶はメタトロンにばしゃり。
 惨劇への、序章。

●いろんなの降臨
「ひょひょくひょもっひょひりょがるでひょう!(訳:その口もっと広がるでしょう!)」
「そっひょひょそ(訳:そっちこそ)」
 醜い戦いになりかけるイロウエルとケムエル。
 そこに、女王様が降臨する。
 ぱしいいいんと鞭の音。
「子犬ちゃん達、いい加減お利口にしな!」
「「無理!」」
「子犬ちゃんたち‥‥ちょっとレミエルも卵並べるのやめな!」
「もう並べ終わって‥‥あれ、女王様モード?」
 と、今まで沈黙していたメタトロンが立ち上がる。変な音立てながら。
「罠、全部排除」
 がーっと卵一挙に排除。
 さらに連行されたウリエルも帰還。
「卵が行方不明ーどこだー‥‥って、こ、こんなところにいたのかお前達!」
 撤去された卵。ぐっしゃりどろどろだがその中に割れない強靭な卵が。
「無事でよかったぞお前達! おお、おお!?」
 駆け寄るとそれにはひび。中からぴーぴー声が聞こえ、ヒヨコが飛び出してくる。
 ピピー! とホイッスル鳴らすウリエル。
 その音にヒヨコ整列。
「ヒヨコ部隊整列! 点呼‥‥よし、全員揃ったな」
 もうわけわからないほどの騒ぎ。
 その中で、レミエルはふっと気がつく。
 これだけ騒いでるのに出てこない。
「‥‥ミーカーエールー!」
 無数の雷が彼の周りにどしゃどしゃ落ち始め黒焦げの後を作る。
「あら、レミエル大興奮ね〜」
 そしてそれを華麗によけるラファエル。ラグエルは鞭ではじき返し、喧嘩真っ最中の二人はそんなの気がつかず避ける。
「お、大騒ぎです‥‥」
「気にしちゃ駄目だってティアイエルー」
 ばしばしと肩を叩いてフォローするウリエル。そしてホイッスル一吹き。
「突撃いぃぃぃ!」
「えー!!??」
 ヒヨコ部隊はまだ閉まったままの扉に突撃。その口にはネズミ花火を銜えている。
「いざそのまま突き進め‥‥いゃほふく前進はいいから」
 器用にお腹ずりずりしながら進むヒヨコにツッコミ。
 そのヒヨコの突撃でも扉は開かない。
「うう、ミーカーさーまー」
 べしべしと扉を叩くティアイエル。
 と、その想いが通じたのか、微妙に扉が開く。その隙間10センチ。
「ティア、ティッシュきれた」
「え、ティッシュ!? また鼻血ですか!?」
「うん」
 はい、と差し出される箱ティッシュ。
「ありがとう、じゃ」
「はい、じゃあ‥‥って待って待って待ってくださいー!」
 足をガッと隙間に突っ込む。
「え、何? ティア何? 危険だよ、扉開けると危険なんだよ!?」
「いーえ、開けてもらいます! ティアはミカ様に会いたいだけです‥‥お仕事しなくても良いですから‥‥出てきて下さいよぅ。そして判子ください‥‥!」
 がちゃがちゃと扉の所で繰り広げられる地味な戦い。
 それに気がついたイロウエルとケムエルは一時休戦(したようでしてない)。
「判子下さい、判子」
「卵なげるぞー」
「判子がいるの? ‥‥はい」
 そして三対一。負けるのはもちろんミカエルの方で。
「判子いただきます。はいありがとうございました」
「ミカ様ー!」
 どーんと笑顔でケムエルはそのままミカエルをぐっちゃり卵の中へ。
「罠はろう〜」
 イロウエルはミカエルの部屋内に罠張りに。
「ミカエル出てきたんですね〜、ああ、人が困るのみてるのたのしかったわ」
 顛末見届けたラファエルは笑顔。
 ウリエルはヒヨコたちにパパー! とつつかれの最中だ。
「やっとでてきたんですね。私も安心です」
 今まで泣き叫びの雷落としのレミエルも落ち着きを取り戻す。
 そしてラグエルも女王様モードオフ。
「お仕事しなくちゃ、メーですよ」
「ティア‥‥とりあえず状況が良くわからないんだけど」
「お祭騒ぎがあったってことです」
「じゃあ片付けよろしく‥‥」
「はい、ってえぇー!?」

●最後の罠
 お片付け終わってお茶会。
 だが引き籠らないようにティアイエルが目を光らせていたのにミカエルの姿が、ない。
「またですかー!」
「疲れた‥‥」
 ふあー、とあくびしながら寝台へ。
 そこには、そこには。
「誰‥‥!?」
 そこには透明ネグリジェに失敗オカマ化粧でずーっと忍び込んで待機していたイロウエル。
「ちょっとしたお茶目で手軽なスリルをプレゼンツ」
 寝そべったままちぇきポーズ。
「あー楽しかった」
 楽しかったといっても無表情のまま。
 何事も無かったかのように、イロウエルは部屋から出て行く。
「‥‥部屋にいても危険かもしれない‥‥」
 今日も天界は、どこにいても何があるかわからない、平和な楽しい場所。