PassionMusic:CRADLEアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/02〜04/04

●本文

『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「今回のテーマは『揺り篭』! 揺り篭で眠るのは何? 揺り篭に乗せて揺らすもの、それは、何?」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!


『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマは『揺り篭』。それぞれの個性を出してください。
 舞台は特に特徴も無く、自分達と観客が面するのは一方。自分達のほうが少し高い位置、ということになります。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。
 舞台に関しては通常の舞台です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0760 陸 琢磨(21歳・♂・狼)
 fa1406 麻倉 千尋(15歳・♀・狸)
 fa1465 椎葉・千万里(14歳・♀・リス)
 fa3172 浪井シーラ(26歳・♀・兎)
 fa3867 アリエラ(22歳・♀・犬)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa5181 雪架(18歳・♂・小鳥)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●打ち合わせ後
「いつも世話になっているし」
 陸 琢磨(fa0760)は渋谷蓮に菓子折りを差し出す。
「まーじーでー! ありがと! 本番もよろしくー」
「いつも通り念入りにするとしよう。それが聞きに来てくれる客に対する礼儀だ。節目の時期だし、俺自身の為にも、な?」
「そだね、重要!」
「こんにちわ、宜しくお願いします」
 久しぶりの浪井シーラ(fa3172)も挨拶をしっかり丁寧に。
 部屋の隅では麻倉 千尋(fa1406)が自分なりの音を考えていたりも。
「アタシにはアタシなりの揺り篭‥‥ステージ最中にお客様に眠られないように気をつけなきゃなぁ」
 また別の場所では椎葉・千万里(fa1465)とアリエラ(fa3867)がきゃっきゃ、天道ミラー(fa4657)と雪架(fa5181)、欅(fa5241)のアネモネが多種多様に会話中。
「アリエラさんがんばろうね〜!」
「私ヴァニプロ入って最初のお仕事だから気合いいれて頑張るー! シブさんは大先輩なの!」
「大先輩です! アリエラ嬢たちのも楽しみにしてるよ〜、もちろんあねもにゃもね!」
「ガンバリマス! そういや3人で『アネモネ』るの久々〜♪ ‥‥よし、記念に欅の背中に上ろう」
「え、本気かワンコ」
 と、言う間によじよじと。
「さぁ雪架もシブサンも!」
「いくいく! やっぱりアネモネでやるのが一番楽しい‥‥自分の居場所って感じがするし」
「自分の演奏は勿論頑張りますが、アリーの歌も楽しみ」
「一緒に演奏するとよく見えない事が判明したのです。だから今回は堪能する予定〜! 頑張ってね!」
 アリエラは欅に抱きつく。
 と、その瞬間一部周辺の視線がギンと欅に鋭く入る。
「欅君の上二人、そのまま押しつぶしちゃって」
「ラジャー!」
「やめなさい、上二人」
 この後、欅は潰されたとか潰されなかったとか。

●アネモネ ―for a child
「今宵は揺り篭にゆられて音のひと時を! うっかり気持ちよくて寝ないよーに! トップバッターは男三人そろってのアネモネ! 曲名は‥‥『for a child』」
 舞台は、薄暗く、スポットはアネモネの三人とドラムに白く薄く当たる。
 ミラーは濃い灰色のスーツに白のタンクトップを重ね、トレードマークの首輪。
 雪架は襟の広い白のインナーに濃グレーの細身ジャケットと黒いパンツ。その指には左に二つ右に三つ、主張の強い指輪。腰にはゴシックデザインのクロストップがついたウォレットチェーンが動く。
 欅は髪を外に跳ねるように軽くセットし、上着の左側に赤色の桜のモチーフの入った黒スーツをまとう。
 それぞれギターとマイクとベースを持って。
 スローテンポのロックバラード。
 イントロはベースとドラムが、共にそっと優しい音を、ギターは微かなメロディを奏でる。
 そのイントロにかけて雪架のMC。
「テーマは『少年期』、しんみりテーマだけど音はアネモネらしく仕上がってるかな。じっくり聞いて下さい」
 ベースが曲を支えつつ、低音のメロディを重ねて。

「 変わらないでと君が泣いた
  変われないことを僕は嘆くのに
  時は悪戯に 二人の間に横たわったね
  心擦れ違うほど 夢に咲く花は揺れる 」

 蒼い放射線状の淡いライトはゆっくりと回転する。
 表情はそれぞれシリアスに。
 客席に向けられた雪架の手は胸元に、仕舞われる。
 ギターの音は高く、切なく響いていく。

「 I’m here.But being only a little interval.
  時は過ぎ やがて僕は大人になるけれど
  夢は夢のまま 胸に射す光のようだろう 」

 ライトは蒼から白に変わり、淡い色は濃くなる。
 最後にむけて音は盛り上がりを見せる。
 サビの直前にはギターの高音が響き渡る。

「 Mom quivers a cradle.
  I sleep.I continue to sleep until I wake.
  今はまだこのままで 甘えさせていて
  目が覚めたら歩き出すよ きっと きっと きっと 」

 低音の確かな躍動感、ギターとボーカルの繊細なメロディ。
 叫ぶように響く言葉。
 音を伸ばしきり、ライトが消える。

●麻倉 千尋 ―あおのゆりかご
「二番手歌うは『あおのゆりかご』、ゆるやかに柔らかに、いつか皆が、子供のために口ずさんでくれれば幸い。麻倉千尋が、歌います‥‥」
 ショルダーキーボードを持ち、千尋はステージへ。
 流れる音は事前に打ち込んできた音。
 けれどもそれは硬くなく、柔らかい音。
 ベースラインは木琴、低音で。
 アコースティックギターの音にオカリナ、ウッドブロックと柔らかな挿し色。
 ショルダーキーボードの音は、トイピアノの音を少し変えて、金属的な雰囲気を消す。

「 幾億の命のせて 揺り篭は揺れるよ
  宇宙(ソラ)の母の手揺らす 蒼の揺り篭

  夜の闇 日の光 風の音 雨の香
  宇宙の母与えたは 数多の中の一つの奇跡

  揺り篭から見上げれば 広がるは広い世界
  いつの日か君とつながれる 僕の小さな手

  幾億の命のせて 揺り篭は揺れるよ
  宇宙(ソラ)の母の手揺らす 蒼の揺り篭 」

 歌声は柔らかく、子守唄のように。
 普段とはちょっと違う様相を千尋は見せた。

●浪井シーラ ―white darkness
「続いては浪井シーラの登場です! 歌うのは、いつかのために作った曲、『white darkness』」
 ヴァイオリンと、ピアノの音から曲は始る。
 柔らかい白い光で舞台は照らされて、シーラはナチュラルなオレンジ系メイクに緩い巻き髪を作っていた。
 黒の深めVネックバルーンスカートワンピースに白のレースロングカーディガン、シルバーのパンプスをあわせて。

「 まるい星の粒の音を聞きながら
  視界の端でカーテンが靡いてる
  何も知らない君は微笑んでる

  柔らかな真白い光はとても優しく
  棘を持つ悲しい心を溶かしてゆく 」

 爽やかに、ミドルテンポで。
 ヴァイオリンと声の、ユニゾンのように軽やかに。

「 忘れないでこのぬくもりを
  起き上がり彼方へ歩き出して
  君が傷ついて泣いたら
  その傷ごとを慰めてあげる 」

 ギターの音にヴァイオリンが同じメロディを重ねて。

「 今はまだ知らない事だから
  ゆっくりまどろんでいて

  柔らかな真白い闇はとても儚く
  安堵する揺らめきに心を残してゆく 」

 だんだんとテンポをおとし、最後は余韻を残して。
 穏やかに語りかけるように歌い、最後は優しい微笑を浮かべた。

●Dandelion ―ゆらり
「Dandelionはアリエラと椎葉千万里の二人! 二人は同じ事務所仲間! 歌うのは『ゆらり』」
 ゆったりとゆれるスポット。
 アリエラはオフホワイトのシンプルなベビードール風ワンピース。ヘムラインは蝶々の羽のようにサイドが長くてひらひらと動く。
 足下は裸足で髪はサイドポニテール、そしてリボンと一緒に黄色と白のタンポポのコサージュを飾る。
 千万里は淡い黄色の、同じベビードール風ワンピース。足元はもちろん裸足で髪にはタンポポのコサージュ。
 それぞれアコースティックギターとヴァイオリンを持つ。
 始まりはヴァイオリンの音が紡ぎだす。
 ふと一拍の、間。

「 芝生に寝ころび ゆらりゆら
  誰の音? 背中に鼓動を感じる
  大地のゆりかご ゆらりゆら
  誰の腕? 回される手は暖かい 」

 ゆったりとスィングするようなテンポ。
 言葉を切るところは切り、歌でメロディを取ってバイオリンのみ軽く入れる。
 そしてはらりと桜の花吹雪をはらはらと。
 テンポを少し上げて、力強く。

「 桜の花弁が風にのって舞い散る斜面
  あなたと二人で寝ころぶ休日
  空がゆらり 雲がゆらり 私もゆらり 」

 ふっとギターの音が消え、声はささやくように。
 強さを持った音からゆったり流れるような音へと戻っていく。
 ヴァイオリンに、ぽろぽろと雨垂れの様なギターの音。
 ヴァイオリンは、ビブラートを利かせて温かいイメージを乗せていく。

「 揺りかごみたいね あなたの腕の中
  ずっと眠っていたくなる
  まどろみの中ささやく永遠の約束
  愛のひとひら ゆらりゆら 」

 声は、伸ばしきり、自然と消えていく。
 多方向から明るく舞台は照らされ、変わらず花は舞い落ちていく。
 ギターの音は消えて、ヴァイオリンが余韻を引継ぎ奏でていった。

●陸 琢磨 ―FALL RAIN WAVE
「今日のラストは、ソロの陸琢磨、歌うのは『FALL RAIN WAVE』、降りしきる雨でできた波は、心地よい揺り篭」
 メインで響くのはアコースティックギターの音。
 そこに他の、ピアノ、ヴァイオリン、ベースとドラムの音が加わる。
 優しく、穏やかに。

「 諍いに疲れた 心と身体を

  草原のベットに 横たえる

  たゆたう波に 揺れる様に

  陳腐な気分で 雨に身を委ねながら


  声が聞こえる 悲しい声が

  何処か憂う様に 僕を呼ぶ様に

  僕の目覚めを促した


  Ah... 降りしきる雨は とても優しくて

  肌が安らぎを憶えた

  僕を包み込む FALL RAIN WAVE

  Ah... 抱かれ行く波は 心地好過ぎて

  心が穏やかに揺れる

  穏やかに包む FALL RAIN WAVE 」

 雨と波をイメージした背景と効果、その中で音は響き渡る。

●ライヴハウス『ZEEL』
「今日も無事に終わりました! 揺り篭って言っても、人それぞれ。皆にあう揺り篭が今日あればよかったと思う! てことで、いつものアレ!」
 マイクをおいて、口の横に手を添える。
「自分の心、揺らされたやつ、いるかーーーー!!!」
 答えはお分かりの通り。