The☆へたれ星アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
玲梛夜
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
05/01〜05/03
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●本文
『あのへたれ星もとうとうクライマックス間近。
今までのことを振り返り、ちょっと裏話も聞きながら復讐とラストの展望を予想!
みなさんお見逃しなく!』
デフォルメ牛キャラが流ちょうにしゃべる。
これは、番組宣伝。
「番宣も、もうできている。あと中身をもっとつめてかなきゃな」
「番組も終わりが近づいている‥‥ので」
「ここで一気に盛り上がるべく総集編、およびネタをだす特番をする」
「はいはいはい」
もう好きにしてといいながら準備。
出演者たちに知らせは回った。
過去VTRなどの準備も、OK。
「あとは、トークしてもらうだけだな」
「ああ、特別とびいりゲストいれてな」
「ゲスト?」
「ゲストっていうか、仲間」
「仲間っていうか‥‥牛」
その言葉に新人は、噴き出す。
「ぶっ! スタジオに牛ー!!??」
「つぶらな瞳に見守られながらやるっていいと思わないか」
「よくないですよっ!」
「でももう決定したし」
と、いうことで‥‥牛も一緒に、トーク番組の収録と相成る。
司会はなし、それぞれが役に対する思いや、このNGは笑った、そしてラストへの意気込みを語ったりする。
The☆へたれ星、収録開始。
●リプレイ本文
●収録開始前
「コベコに関して注意です。とてもデリケートなので刺激しないこと。赤い布に反応はしません。乳牛なので。ですがしないようにしてください、万が一ということがあります」
と、諸注意を述べるのは一番コベコと時間を共にしている西村 哲也(fa4002)。
「赤い布振ろうと思ったのに」
雨宮慶(fa3658)は呟くがそれはストップが入る。
今回の司会役にはMAKOTO(fa0295)。世界レベルの格闘家が進行というのは面白い趣向だった。服装は学園祭を舞台にした回を思わせるよう学生服に放送部の腕章。
「このメンバーで衣装を着ずに、っていうのが変な感じですね」
織姫役、楊・玲花(fa0642)はそう言って笑う。
「そうだね、素のトーク番組‥‥役とのギャップはありそうだね。」
ラリー・タウンゼント(fa3487)はテノールの声を響かせて柔らかく笑み返し他のメンバーの様子を見る。
「コベコちゃーん! もうそのべろりにも慣れましたのよー」
桃音(fa4619)はスタジオにいたコベコと久しぶりのごあいさつ中。
「久しぶりにご一緒でどきどきします、また関われてうれしいけどどきどき」
シヴェル・マクスウェル(fa0898)は姫乃 唯(fa1463)に向かってよろしくと挨拶。
そして様子をみにきていた監督をみつけて歩み寄り。
「前回の大遅刻で迷惑を掛けたので、参加してもいいものか迷ったのだが‥‥ともあれよろしく頼む」
「今日はよろしく、失敗は誰にもあるものだし気にせず今日は頑張ってもらえればそれでOKだよ。さてそろそろ収録始めるようだから‥‥立ち位置お願いします」
ぱんぱん、と二度打ち鳴らされる音。
気持ちを、切り換えて。
●NG集その1
それぞれの自己紹介も終わり、MAKOTOが話を進め始める。
「まずはNG集からいってみよう。どんなのが出てくるのか、ツッコミとしても楽しみかな」
MAKOTOが言ってVTRに画面は切り替わる。
「あ、私ですのー」
最初にでてきたのは楽屋裏を歩いていくざらめ姿の桃音。
まわりのスタッフに挨拶しつつてこてこ。
と、服の裾をふんで、ずべしっ!
周りにいたスタッフが驚き駆け寄る。
一人では立ち上がれないざらめ衣装。
「何度も衣装さんにはご迷惑をおかけしました‥‥」
「衣裳の着難さはあったな。『ひらひら』などを踏ん付けて転んだりなど、ざらめに限らず日常茶飯事だったような。私の場合は受け身を取ろうとして、出演者に肘鉄とか」
「ありましたね‥‥」
「身体を張って、の撮影だね」
「今ではもう慣れちゃいましたけどね」
うんうん、とレギュラー陣は頷く。
「髪の毛もちゃんとしてるんだよ。メイクさんの発案でエクステを使って。鬘だと如何しても不自然になっちゃうし、それだったらエクステにしようと。俺の役、煌の頭はエクステでできています。女性陣はそのままでだよね」
「そうですね、ちょっと足りなければ私たちもエクステで補ってます」
「へぇー、いろんな工夫がされてるんだね」
そして次のNGへ。
画面が曇っている中、声だけが響く。
『コ、コベコォ! カメラは食べ物じゃないから!』
気がつけばそれは牛の鼻。
『あ、哲也餌食決定』
カメラをべろべろとするコベコをとめようと走り酔った哲也、カメラにかわってその洗礼にあう。
「最初のころすごかったですね、いつの間にか指をくわえられてちゅばちゅばされてたり」
自分の話をしている、とセット後ろにいたコベコが出演者たちの間に顔をだす。
鼻をぴすぴすさせながら。
「今はもうそういうのまったくないのかな?」
「いや今もありますね‥‥」
徹夜が差し出す指、それを見てコベコはぱくっと加える。
「終わるまでそのままで」
「その頃には指、ふやけてしまいますね」
玲花は言ってコベコの鼻の頭を撫でる。すると指をくわえるのをやめていく。
「こうすることも学びましたね」
「動物相手だから大変でした。でもカメラ回ってない時の方が可愛い良い顔してたりするんですよ。メロメロなんで許せちゃいますけどね」
哲也もコベコの鼻を撫でると嬉しそうにぴすぴす鼻の音。
付き合いが長いこともあり一番懐かれている。
「牛ドラマ、って言ってもよさそうですね」
「コベコちゃんは皆のアイドルですの!」
「なるほど。そろそろ次のコーナー、へたれ星の脇役たちです」
●素敵な脇役たち
「脇役も今までいろんな人でてきてますね〜。唯さんの役は‥‥」
「彦星サンに恋する乙女、綾です。一言で言うとトンでる少女‥‥?」
「トンでるのはどんな感じ?」
「恋のパワーは凄いと言うか、とにかく妄想が激しい‥‥でもこう言う役は演じていて楽しいです」
にこっと笑顔で答えて唯は続ける。
「彦星サンを好きになった切欠なんかは作中では描かれていませんが、きっと何かの拍子に偶然彦星サンに助けられた‥‥当然彦星サンにその気は全く無い‥‥とかだと思ってます」
「へたれ星ですからね、知らない間に何かしてそうです」
「ツンデレ織姫もそれでひっかかったのかしら‥‥」
「彦星サンは綾にとって白馬の王子様なんじゃないかと! でもまだ恋に恋してるだけなんだと思います。彦星サンが好きと言うより、恋している自分が楽しいんじゃないでしょうか」
「それって現代少女にもありえることだよね、共感できそうですね。では次は大人の女、都を」
「都は‥‥意地が悪いにも関わらず嫌味なキャラになっていなかったのは、周りの人徳故かな。なんだかんだで懐の深い面々に、視聴者は安心させられるのではなと思う。何が起こってもそれを楽しむ勢いがあるというのかな」
シヴェルはそのまま役についても語る。
「織姫の友人、都は面白がってみてる感じなんだけど、いいとこの家柄、とのみ公表しようか」
「それはどんなとこかな? ちょっとだけ視聴者にサービスを」
「内緒だ」
にやり、と意味ありげな笑顔をうかべ答えるシヴェル。
MAKOTOはそこをなんとか、と粘るが答えはでてきそうにない。
「残念ながら都の秘密は聞き出せそうになく‥‥次は雲の神様、ざらめ、お願いします」
「はい、元気一杯な雲の神様ですの。ざらめちゃんが初登場したのは、彦星が誘拐される回ですっ。あれからあっという間ですのね。演じている私も、最近神様設定を忘れてしまいそうなんですがホワイトデー温泉旅行の回で、神様ならではの『目』を披露しました」
「神様としてのキャラがでてたということ?」
「普段走り回ってる彼女とは少し違う顔が見えた気がしますっ」
「キャラにもそれぞれ奥深さがあるんだね、役者さん自身もしっかり掘り下げて」
「それぞれ役に愛着はあるからね」
ラリーの言葉に皆頷く。役を深めるのは呼吸するのと同じようだ。
「でも、そんな役者でもNGはやっぱりあるわけで‥‥ここらで第二弾にいってみようかな」
●NG集その2
『好‥‥好‥‥すみませんもう一度お願いします』
かぁっと赤くなりかける顔をそっぽに向ける玲花。鏡向こうでは哲也ががんばれと応援している。
「こ、このまえのバレンタインですね‥‥本当に照れてしまって、何度も何度もお願いしてしまいました。役に結構入り込みやすい方なので、織姫の気持ちになりきって何度も何度も」
「またあるかもしれませんね〜、練習は大丈夫? それともここで練習してみる?」
「それは本編でのお楽しみでお願いします。次のNGどうぞ」
笑って玲花は返して次へつなぐ。
『はい、最近コベコしゃまの毛じゅやがとても良いと‥‥あう、すみましぇ‥‥!』
「謝罪まで噛んじゃってますね〜。結構言いづらいんですよぅ〜、コベコしゃまって‥‥早口言葉にしたら言えません」
と、ここでひそりと早口大会勃発。これがなかなか難しくチャレンジしすぎでスタッフから先に進めての言葉が。
「あ、早口に気を取られて‥‥次のNGは‥‥」
画面に映るのは猛ダッシュ彦星。
「あ、これ覚えてる‥‥」
ラリーは呟いて苦笑い。
そのまま煌のもとに走りこむのだが勢いが良すぎてどーんと倒れこむ。
『すみませんっ、匙加減がいまいちわからなく‥‥』
『俺もこんな衝撃があるとは思ってなかったよ』
「そのときに勢いが良すぎて、俺が押し倒されたっていうか‥‥体張ってたね。これに限らず、初期の頃は結構フラフラ〜っとしてたりしたかな。今はもう大丈夫だけど!」
「ほのぼのですが結構ハードなアクションも多いので撮影は気が抜けないんですよ」
ラリーに合わせて哲也も笑う。
「蹴られシーンとか毎度派手に倒れたり飛んだりしてるので。綺麗に蹴ってもらえるので今じゃ慣れましたけど姉様以外の蹴りだと難しいかも」
「もう名物みたいなものですよね、月華役さんがいたら生でみれたのかな、残念」
「きっとあとでVTRでてきますよ」
「じゃあそれを楽しみにして、メインを飾るメンバーに役についてそろそろ話してもらいましょう」
●素敵なメインメンバーたち
「彦星の幼馴染、煌は‥‥コンセプトは頼りになるお兄さん的人物。彦星はヘタレで、ということだったので、俺は逆のタイプの人物で、と。でも演じてるのは煌みたいな、クールな男前が素じゃない俺です。演じるのは楽しいけどね」
「でもドラマをみてると結構、クールじゃない面もありますよね」
MAKOTOはそう言ってラリーをつっつく。
「ボケた発言に、ニブニブだったりするけど‥‥その辺は御愛嬌で。モテ男描写が不自然に見えないように、というのが一番気を遣うところかな」
「煌と月華お姉様の恋愛模様‥‥視聴者の頃からも気になっていましたが‥‥まさか演じている役も同じポジションで見守るとは思ってませんでしたの」
桃音は話に入り、ここはどうなりますの、とラリーに答えての視線を送る。
「乞うご期待かな! それよりも織姫と彦星の模様だよ、うん」
「だそうです、織姫」
「話がふられちゃいましたね。最初演じる時、織姫の気持ちが掴み辛くて、どう演じようかと迷った覚えもありますね」
その頃を思い出しながら玲花はしみじみ。
「これ問題発言かも知れませんけど‥‥実は、わたしの個人的な男性の好みからすると、へたれ星はストライクゾーンから外れて居るんです。いくらハンサムでも、頼りがいのない男性に魅力を感じませんから。でも、ツンデレ姫を演じているうちにですけど、最近へたれ星のことも愛おしくなってきたんです、へたれであっても、『織姫を好き!』という、その一点だけはけしてぶれないという良さがありますしね」
「玲花さんの思うへたれ星の魅力はそこなんですね、ではご本人は」
MAKOTOはさっと哲也に話を持っていく。
「振り返ってみると泣いて頼るだけだったへたれ星も、少しずつ成長してます。煌の手もだいぶ離れたかな?」
「まだまだだよ」
「あ、そうでもない? でも確実に成長はしてます。その回だけ見ると見事にダメな子なんですけ、初回から変な根性だけはあったかな。ちゃんと織姫との仲も一応、進展してるんですよ。ね、楊さん」
「ええ、本当にちょっとずつ」
「このままじりじり詰めていきますよ。俺だったら一度でもあのツンくらうと、デレの前に立ち直れませんけど、へたれ星ですからね」
「なんだかそのへたれ星ですからねって妙な説得力」
メンバーは笑ってそれを肯定。
「彦星には一度くらい周りをあっといわせるような男らしい所を見せてくれないかと期待して居るんですけど‥‥やっぱり最後までへたれで終わるのかしら?」
「俺の一押しは煌モデル、一瞬だけのタラシ星なんですけど‥‥タラシ星ならやってのけるかもしれませんね、監督どうなんですかー」
と、カメラには映らない先の監督に注がれる視線。何やら言葉がかかれた紙を見せる。
「‥‥まだ内緒、らしいね。最終回に向けていろいろを期待も膨らむところです。それじゃあ最後に、それぞれ一言ずつ意気込みと、掘り起こしたNG集でそろそろお別れの時間です」
「え、もうお別れ? 時間がたつのは早いです‥‥」
唯は時間がたつのが早いと言いながらカメラに向かう。
「また出演する機会があるといいなぁと思います。出演していない回も、綾は画面の外からそっと彦星サン達を眺めていると思って下さい! 彦星サンと織姫サンがどんなラストを迎えるのか、あたしも楽しみにしてマス! はい、都サン!」
「お、私か。へたれ星が誰もが観ていて楽める作品になる様に、私も少しでも手伝いが出来れば、と思っている。織姫サイドの話も彦星一家に負けないくらい形にしていくようがんばるよ。はい、ざらめ」
「恋愛模様に関して蚊帳の外なざらめ視点は、ある意味視聴者目線、一緒に楽しみながらお話を作っていこうと思ってますの! 元気一杯、神様なのも忘れずがんばります! 煌様!」
「残すところあと少し、運良くも初回から休まず出演してるから、終わりが来るのは淋し‥‥けど。ラストまで煌らしく演じられたら、と思います。彦星と織姫のカップルがどうなるかも気になるし。月華と煌のふたりの動向も気にして貰えると嬉しいかな。ニブニブの上に、一歩進んで足踏み状態なふたりだけどね。織姫にバトンタッチ」
「へたれ星、ツンデレ姫、月華、煌の4人が揃って、初めて彦星ファミリーが完成するような気がします‥‥勿論ざらめちゃんも他の皆さんも大切なファミリーの一員ですけど、最後までこのまま頑張ります。最後に彦星、閉めてください。へたれないでくださいませ」
「まだまだこれからも山あり谷あり、楽しみにしててください。俺達も頑張ります。ほら、ほらコベコも皆さんにごあいさつ!」
「彦星はまた!」
それぞれキャラが降りつつ、画面はコベコの薄桃の鼻がどアップに。
こうして収録は無事終了した。