PassionMusic:Seprateアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/11〜05/13

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「今回はー、みてのとーり舞台真っ二つ! てかまぁこう、橋はかかってんだけど、ぎゃあ、見上げられるってなんかこう、恥ずかしいかも! てことで分たれた舞台、かかった橋つかってやってもらいましょう!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回はテーマ特になし、二つの円形舞台、それをつなぐ橋という舞台設定。ライヴハウス全体はすり鉢状に近い感じです。上からも多少の視線はあります。
 橋は金網状で下に観客がいます。舞台は高め、橋は階段状に上がって、平坦なところが1M、そして下りとなっています。
 橋のところは本当に真下から見られるので対策はしっかりしてください。
 放送できないものはだめです。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0034 紅 勇花(17歳・♀・兎)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa2899 文月 舵(26歳・♀・狸)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)
 fa3867 アリエラ(22歳・♀・犬)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa5404 橋都 有(22歳・♂・兎)
 fa5703 茉莉枝(19歳・♀・竜)

●リプレイ本文

●一日目、顔合わせ
「よろしくお願いしますね」
 茉莉枝(fa5703)は今回共に組んで演奏することとなった二人に挨拶をする。
「おう。そういやー、二月以来のPassionか。久しぶりだからな、張り切らせてもらうぜ」
 打ち合わせも終わり、雑談タイム。Tyrantess(fa3596)は本番にむけての気持ちをすでに高めていた。
「うん、よろしく。三人でいいものにしよう。せっかく女三人なんだから何かアピールしなきゃね」
 紅 勇花(fa0034)はそう言って頷く。
 女三人、気持の方向はしっかり重なっていた。
「僕は最近のお仕事がPassion中心になりつつある気がする‥‥楽しいからいいんだけどね」
「僕も連続になってるかな」
 ふと思い出したような勇花の言葉。それが聞こえた明石 丹(fa2837)は自分も同じと頷く。
「楽しんでいいもの届ければ最高かな。がんばろうね、舵、アリー」
 丹は文月 舵(fa2899)とアリエラ(fa3867)に体を向ける。
「マコ兄様と舵姉様と一緒! がんばるです!」
「ふふ、アリーちゃんは元気やね。面白そうなステージやから‥‥マコちゃんの生態展示が見ものやわ」
「マコ兄さまの展示!?」
 アリエラはそれを想像しようとするがイメージが固まらず唸る。そんな様子を、丹と舵はにこにこで見守る。
 その付近で天道ミラー(fa4657)と橋都 有(fa5404)は気合と心の方向を合わせていた。
「オラオラ俺様リズムで皆楽しくGOできるよう頑張ろう! ステージ元気に使って、一緒に!」
「ここが俺の生きる場所的なオーラをむんむんと出しながら‥‥はったりなら任せとけ」
「任せ‥‥はったりー!!??」
「冗談だワンコ」
「そっか!」
 ミラーは冗談、と納得。
 だがこの有、本当は初音楽仕事ということでかなりドキドキしていた。
「今回も楽しみだねー、みんなよろしくね! 橋つかってドーンと一発かましちゃってー! 僕も楽しみにしてるからっ!!」
 渋谷蓮は全員に言葉を送る。
 PassionMusic、二つの舞台を橋でつなぐライヴハウスでの収録。
 その準備、それぞれ開始。

●アドリバティレイア ―夏夜 −Midsummer eve CD−
「今日のPassionは視線が横と下と下と‥‥とりあえず君たちそんななめまわすように見てもね、僕からは何もでてこないから面白いものは。出してくれるの僕じゃないから」
 今日は二つの舞台を特設の橋で結んだライヴハウスで。
 ざわつくライヴハウス内、マイクから蓮の声が通る。
「今日の一番手は、ここにいる奴らなら知らないわけは、ない! むしろいたらもぐり、うん。ってことで、最初からガンガンに飛ばしていってくれるのは‥‥アドリバティレイア!」
 一度照明が落ちる。
 落ちた照明、けれども橋下の観客たちはそこに誰かがスタンバイするのを気配で感じ取る。
 暗闇に静かに声が響く。

「 3 」

 スポットはドラムの設置された舞台にパッと。
 最初にその姿を現したのは舵。
 ドラム演奏のために衿と裾は崩して着た、赤と黒を重ねた着物はゴールドの帯でさらに華やかに。背の飾り結びは背中を向ける二階席の客にのみ見える。
 髪もアップにしてゴージャスに、かっこよく。

「 2 」
 
 次に反対側の舞台、アイスブリザードを抱えるアリエラに。
 淡いピンクの半袖パフスリーブのシフォンチュニックのハイウエスト部は大きな黒リボンでマークが。黒いベリーショートパンツから伸びる生足、その先はサンダル。
 髪はサイドポニテールにしてビーズ付の黒いリボンをきゅっと結ぶ。

「 1 」

 そして最後に、橋の上に立つ丹。
 襟を開いた白シャツと、レザーパンツに足元はブーツで。
 右手首には三人とも揃いのリストバンド。
 光の中にリバティ三人勢ぞろい。
 まっすぐ空間を見つめる。

「 3・2・1 LIBERTIES! 」

 カウントダウンとくればこの曲。
 何度も色々なところで流れた曲は耳に残る。観客も交えての大コール。
 カッと眩しいほどに照らされる舞台。
 同時にテンションはガツンとマックス。

「 短夜を楽しもう FIREFLYER
  予感より速く燃え上がれ

  瞼の裏でチカチカに明るい LOVE CALL
  とても眠れはしないでしょう! 」

 曲に合わせてライトもくるくると賑やかに。
 アリエラはシールドをわざと巻きつけるようにくるっと回り、それをまた解くように楽しそうに笑う。
 ぴょんぴょんと、舞台を飛び跳ねるように。
 ふっと音は縮まりこむ。
 声が一層際立って響くように。

「 ステレオタイプすり替えてみたところで
  ブレーキはきかないんだから
  往生際 調子はイイ感じ? 」

 メロディアスな、爪弾く音のギターがその声を支え、一瞬の間。

「 さあ鐘鳴らして! 」

 弾けるように大音量。舵の叩くドラム、アリエラのベースが合わさる重低音が響き渡る。
 高まるテンションは止まらずそのまま右上がり。
 丹は橋の上を動き回る。
 駆けだすリズムに合わせて観客にアピール。
 彼の真下にいる観客が靴裏のロゴ『LIBERTIES』をみつければ、みつけてくれてありがとうと笑顔を向ける。
 そしてサービスと、橋上でうつ伏せに下向いて、観客に近い距離で歌ったりも。

「 追い風に煽られて STARTING LINE
  始まっちゃいない
  踏み出しちゃいない
  だから今夜 」

 止まる音は、最後の合図。
 腕を上にあげて、指三本。
 舵は立ちあがって二階席に、丹は橋から少し身を乗り出して、一緒にと示す。
 照明は弱まり、スポットライトだけ光々と。
 やることは、ひとつ。

『 3・2・1 』

 観客と三人と声を合わせて。
 割れんばかりの声、その勢いをさらに後押しするようにライトがカッと一気に。
 照らされるのはホール全体。
 最後に丹はアリエラと舵を呼んで手を繋ぐ。
 万歳をして礼!
 そして体の向きを変えてもう片側にも、礼。
 リバティ流の感謝の気持ち。
 大きな声援でもって、彼らは送られる。

●H@T ―Speller
「リバティであったまった所に新たに楽しいこと面白いこと! おなじみアネモネの天道ミラーと初登場! 本職俳優の橋都有がユニット結成、H@T!! どんな音が生まれるか、耳の穴キレーにしてしっかり聞きなよ!」
 スタンバイ準備でごそごそ。橋を上がる音が聞こえ、なんだかずっこけたような音も。
 橋下の観客のみ、何が起こっているのかを知って笑い声。
 そして、準備完了。
 派手な音の始まりとともに、遠慮ないほどの光。
 背中合わせのミラーと有が橋の上に。
 二人ともメイン色は黒。
 有はTシャツ、ジャケット、レザーパンツ、すべて黒。腰回りには極彩色の破れ布を巻きつけ、ウォレットチェーンを巻きつける。
 ミラーは黒パンツにファー付の丈長ジャケットの裾を翻しつつギターを抱く。もちろん首にはトレードマークの首輪。
 そんな二人は、ギラギラグルグル回る照明の中橋からダッシュ。
 二つの舞台に分かれ、舞台端を辿るようにぐるっと回り始める。
 歌は二人で、ミラーが生むメロディに有の声量を重ねるように。

「 “周りがそう言うから”なんて
  そんなツマラナイモノ吹き飛ばせ
  ストーリーを決めるのは誰か
  主役は誰か思い出せ 」

 転がるような軽快さと明るさはテンションをあげていく音。
 ミラーは舞台に残ってその弾き方観客にしっかり見せるようにプレイ。
 有は再び橋上に戻る。
 表情はクールにもちつつも熱視線。
 泳がす指先でも観客を煽る。

「 右か左か上か下か エトセトラ×2
  全てを選ぶのは そう自分自身 」

 自分本位にオラオラといった雰囲気で、引っ張り上げていくような雰囲気は、最高潮。
 そのまま一音ずつしっかりと地に足付けるような刻む音。
 ミラーも橋上にやってきて、二人は最初と同じように再び背中を合わせる。
 橋下の観客にも背中から身を乗り出したりとアピールは忘れない。

「 綴れ 偽り無い確かな心で
  繋げ 未知なるペェジへ
  そして掴みとれ 自分だけの最終章 」

 背中を押すような音は歌詞とともに一度すぱっと音を切る。
 続く後奏も、そのテンションは変わらない。
 鳴りやむ音には、歓声が重なりかえる。

●Roseate ―balance
「盛り上がったテンションに華を添えるべく、やってきてくれるのは音姫三人組、Roseate! 小悪魔な可愛さで、今宵の最後、しっかりしめてもらいましょう!」
 暗いホール、片方の舞台にライトがあたるとそこにはTyrantess。
 いつも通り、ミニスカートとショート丈のタンクトップ。
 エレキギターを胸に抱き、軽くギターヘッドにキスをするパフォーマンス。
 久しぶりのそれに、観客は沸く。
 そして次に反対の舞台にライト。
 薄手のパーカーの下にはシャツとショートパンツ。ストリート風に活動的にまとめた勇花は前屈みになってきゅっと腕で胸を寄せて、悪戯っぽい笑みを浮かべて誘うように手招き。
 その手招きに、ホールが動く。
 最後に、橋上へライト。
 足先は赤いパンプス、黒のニーソックス、デニムのホットパンツで足を出す茉莉枝。
 透け感のある白シフォンカーデの下にはローズピンクのキャミソールでへそ出しで、首元には大粒のフェイクパールネックレスをじゃらり。
 茉莉枝はしゃがみこんで、下の観客に向かって投げキッス。橋下観客以外からこっちも、とコールを受ける。
 が、それに応える間はなく曲が勢いつけて流れ始める。
 弾けるように軽快なガーリーロック調。
 くるくると白ライトとローズピンクのライトが、淡いピンクの中を回る。
 その雰囲気も、小悪魔っぷりにプラス。

「 おとなしく澄ましただけのお人形じゃ
  いささか可愛くないでしょう
  そう右手に花束 左手には宝石
  飾られて微笑むだけじゃつまらないわ 」

 ギターの音にはエッジがたち、跳ねるように。
 茉莉枝は勇花のいる舞台へ向く階段へ動く。勇花も茉莉枝のそばに寄り、ギターソロ。
 メインメロディーをアレンジしてスピードアップ。
 早弾きも織り交ぜて、疾走感のある音を奏でる。
 その演奏の邪魔にならないように、茉莉枝は勇花に頬寄せたりと絡みを入れる。
 それに勇花は茉莉枝の方を身をかがめて上目遣いに見て返す。

「 左右に伸ばされた細い天秤は
  どちらかに傾いているの
  それとも? 」

 派手さを抑えた、けれどもメリハリのついた音が響く。
 橋中央に戻って、腕を左右に伸ばして天秤のように体を傾ける茉莉枝。
 そっと囁くように、最後のフレーズをヘッドセットマイクから吹き込むように。
 そして始まる二回目のギターソロはTyrantessの番。
 茉莉枝の抑えた歌声の雰囲気から引き継いで静かに始まり、音を一気に盛り上げていく。
 Tyrantessは見えない距離ギリギリでそのギターテクニック披露。
 彼女の音の生み出したテンションで、曲はサビに流れ込む。
 柵から危なくない限りで身を乗り出して歌う茉莉枝。
 勇花とTyrantessも気持ちをこめて最高のプレイをしする。

「 ひとつだけで満たされるはずなんてない
  聞き分けのいい子じゃないの お生憎様
  両手広げ 抱えきれないくらいに
  何もかもを手に入れなきゃ気がすまない

  視線の先でにこりと天秤傾けたら
  君の錘 どっちに沈むのかしら? 」

 突き抜けるような音はそのままに。
 その余韻を残して、音を落とすように沈めていく。
 けれども反対に、ホールの熱気はおさまることなかった。

●ライヴハウス『Forest』
「ちょ、橋にぶらさがんなって!」
 三組の演奏が終わってまだ熱さめないライヴハウス。
 いつもの最後の締めくくりを蓮が始める。
「今日もお前らもお疲れー!! 演奏三組もお疲れー!! こういう舞台ってばね、使うと個性が出るわけですよ。僕だったらここでとび跳ねー‥‥スタッフに渋い顔されましたー」
 さて、とここで話を切る。
「次がどこであるかはわかんないけど、最後のしめさせてもらいまっす!」
 マイクを服につっこんで、両手は口元。
「今日のライヴはー‥‥どーでしたかっ!!!!」
 その声にかえる、割れんばかりの声援は蓮を通り越して楽屋まで届く。