PassionMusic:Aアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 玲梛夜
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/30〜06/01

●本文

 『Passion Music』という看板がライヴハウスにかかる。
 その看板がかかると同時に、そこには収録の機材が運び込まれセットが始まる。
 それが完了するとそこにロッカーたちが現れて熱い熱いライヴを。
 いつ、どこでするのかはわからずゲリラ収録のロックライヴ番組。
 収録に出会えるかどうかは時の運。
 そこでプレイするロッカーたちにも場所のイメージは伝えられるが前日まで明確な場所は明かされない。
 集合場所、集合時間指定を受け、暗幕の張られたバスに乗せられてその場所へと連れて行かれる。
 準備の終わったライヴハウスでは今か今かとロック好きの観客がテンションをあげて、待っているのだ。
 ぱっと、舞台上にスポットがあたる。そこにはマイクとカンペを持った司会者、渋谷蓮(しぶや・れん)。
「Aってば1! ハートのエース、そのほかにもいろいろ! 今日はこのエース、Aを関した曲を、お前らにプレゼントだー!!」
 舞台の照明がばっと明るくなる。
 最高のプレイを、そこで‥‥!

『Passion Music』出演者募集
 ゲリラロックライヴ番組収録、出演者募集
 こちらから指定するのはライヴ日の集合場所、時間のみ。
 今回は「A」という曲名固定。
 ライヴハウスの舞台は一般的なものです。
 ソロ、グループを組む、は自由です。
 収録に取り直しはありません、一発勝負です。

 なお、日程は以下です。
 初日  参加者顔合わせ
 二日目 スタジオでのリハーサルなど
 三日目 ライヴハウスでの演奏、収録

 ドラムセットやピアノ等大きな楽器は備え付けのものがあります。
 バックバンドが必要であればこちらで用意します。
 グループ掛け持ちは禁止。
 演奏順は特に希望が無ければ阿弥陀くじです。

●今回の参加者

 fa0124 早河恭司(21歳・♂・狼)
 fa1443 門屋・嬢(19歳・♀・狼)
 fa1533 Syana(20歳・♂・小鳥)
 fa2495 椿(20歳・♂・小鳥)
 fa3211 スモーキー巻(24歳・♂・亀)
 fa4581 魔導院 冥(18歳・♀・竜)
 fa4980 橘川 円(27歳・♀・鴉)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●ライヴハウスにようこそ
 バスの扉が開く。裏口前に止まって、そのまま流れこむように中へ。
「お、みんな来たね。今日もよろしく!」
 迎えたのは渋谷蓮。
「今回も張り切っていきましょ、アンテナさ‥‥じゃなかった欅さん」
 欅(fa5241)の方を向きつつ、言葉の方向かえつつ橘川 円(fa4980)は笑顔を浮かべる。
「呼称がいっぱいあるのは人気者の証だからね、欅君」
「人気者になるのならば悪魔になるのが一番だ」
 魔導院 冥(fa4581)が魔界名物はちみつ饅頭を差し入れ。
「甘いものは体力回復に良いからな」
「食べ物‥‥!」
 そこに食いついたのは椿(fa2495)だ。視線はそこに集中。
 Syana(fa1533)はそんな様子をいつものこととにこやかに見守る。
「腹が減ってはナントヤラ!」
「む、そうだな。では始まる前に皆で一つずつ‥‥」
「あたしもひとつ」
 開いた箱に伸びる手は門屋・嬢(fa1443)のもの。
「はい、パース」
 蓮の手からスモーキー巻(fa3211)と早河恭司(fa0124)の手にも一つずつ。
「てか難しい顔してどしたの恭司君」
「相変わらず文字に起こす作業は苦手だったなぁと思って。歌いたい場面ははしっかり頭に浮かんでるのにそれを文字にするとなると難しくて。何かコツとかないものかな‥‥」
「勢いとか。あとは他の人のやってることを聞いてみたりとか寝。ほら音楽プロデューサも作曲家もいるんだからチャンスだよベーシスト!」
 ずずいっと恭司をスモーキーと嬢の元に押し出し。
 音楽談義が始まる。
 そうなれば、やっぱり誰もが気になるところで、収録開始までその話は途切れることなく膨らんだ。

●早河恭司
「はいっ、ライヴハウスです! 皆久しぶりー、ってそんなこともないか。さって今日は曲名統一『A』!! 『A』っていっても色々あるからね! そんではいってみよ! トップバッター、早河恭司!!」
 ぱっと明るい舞台に響く音。
 恭司のギターの音は明るい音を奏でる。
 他の音もそれに重なるように。

「 幼馴染のあいつは話題のルーキー
  昔から勝負してきたけど
  今や相手は連戦連勝の無敵プレイヤー 」

 明るいライトの中で白いシャツが眩しい。ジーンズを合わせ、ペンダントなどつけて明るい10代のように。
 ギターを弾きながら、歌う曲はどこかガーリーロックを思わせる。

「 でも僕だって負けられない
  不貞腐れてサボってきたけど
  唯一誇れる自分のステージ 」

 声は少し高く、男声で出る限りの高さを。
 ドラムのリズムに音と歌をのせていく。

「 一球 さらに一球返して
  試合は再び振り出しに戻った
  さぁやろう 今日こそ君に勝ってやる 」

 とくに何をと決めるでもなく思うままに動くその自然さ。
 その場のノリで観客も恭司も楽しんでいく。
 最後の一音も、それは変わらない。
 観客からの声にこたえながら恭司は舞台を降りた。

●スモーキー巻
「お次はスモーキー巻! Passion初登場なんだよね! 一発ばっちりやってもらいましょう! 歌はこれまた続いて同じ感じだけど別のもの! そのへんも楽しんでね! んじゃぁ、よろしくっ!!」
 スポットライトがスモーキーにあたる。
 ラフな衣装にユニフォーム風のシャツをはおってベースをもって。
 軽快に流れ出す音の最初はとくにテンポよく。
 ノリのよい音が歯切れよく響く。

「 1、2、3 試合が進む
  4、5、6 鼓動早まる
  Time is called 準備はいいか?
  Your name called いよいよ出番だ 」

 アップテンポのポップロックにのる音は誰の耳にもなじみやすいリズム。
 少しテンポはおとして、力強く声が響く。
 リズムは取りやすく、ノリやすい。

「 一人 二人 繋がれたBaton
  最後 飾る それこそがMission
  ピンチでのScrambleでも 怯むことなく切り抜ける

  一人 二人 向かい合うBatter
  気迫 闘志 執念でShutout
  豪腕のSluggerでも 力勝負でねじ伏せる 」

 落した音のテンポはまた元に戻って、勢いよく駆け抜けるように。
 持ち上げて、盛り上がっていく。
 ドラムとキーボード、ギターの音にスモーキーのベースと歌声。
 いつの間にか観客の手拍子も響く。

「 無数の期待をその背に受けて 荒れたマウンドに立ち
  空気震わす敵地の歓声 一瞬で 黙らせろReal Ace
  勝利を決めるその瞬間を その手でつかみ取れ
  誰より熱く光り輝く キミこそが 最高のRelief Ace 」

 思い切りよくはじけるように、速球を投げ込むように音は走る。
 最後もそれは、変わることなくあった。

●門屋・嬢&魔導院 冥
「門屋君の実力は以前一緒の番組に出たときに把握しているつもりだ。よろしく頼むゾ」
「こっちこそよろしく」
 舞台の裏で二人は視線を合わせて、息を揃える。

「次に音楽でハートをぶち抜いてくれるのは、この二人! 門屋・嬢&魔導院 冥!! 二人で音響かせ合ってもらいましょう!!」
 明るくなった舞台には嬢と冥。
 冥はいつもの来ているようなゴシックロリータ系ではなくスタンダードなパンク系で。けれどもミニスカートでその足をさらす。
 嬢は黒をメインにしたパンクロック調の服装。
 冥がギターを、嬢がベースの音を奏でる。
 アップテンポのイントロは、二人の音を合わせてゆく。

「 生き残りが激しいのは 女の子の世界にもあること
  グズグズしちゃいられない 早くなんとかしなくちゃ 」

 べースがメインで響けば、次はギターが主旋律を奏でていく。
 それに乗せての歌声。

「 心のカケラを蹴飛ばして 鏡の破片を踏み付けて
  憧れという名の現実を 今こそこの手で掴みとるの 」

 そしてギターとベースの音が重なって、盛り上がっていく。

「 あなたが誰かに狙われる ハートが誰かに奪われる
  そうなる前にあたしの この思いが本気だってこと
  あなたに教えてあげるわ 情熱をかけて今すぐに! 」

 ふっとギターの音が消える。
 ベースだけの音にのせての、歌。

「 あたし私はA(エース)の狙撃者(スナイパー)
  狙った得物ははずさない! BANG! 」

 最後はベースの音も消えて。
 アップテンポさを抑えて、切り取って、最後は二人で声を重ねる。
 その歌詞の雰囲気のように、勢いはそのままに。

●Schwarze Musiker
「次の登場はSchwarze Musiker! 二人は」
「どうもー、綺麗なお姉さんこと円さんと欅のユニット『Schwarze Musiker』です。曲を聴きながら一人ひとりのアンサーを考えてもらえたらこれ幸い。では今日は弄られる前にさっさといきます」
 蓮の紹介にかぶせてピアノ前に座る欅の声が暗闇に響く。
「ちょ、欅イイイィ! 僕のお仕事ですよこれ! あとで楽屋裏、楽屋裏こいよ! 円嬢が引っ張ってきてね! と、また流れぶったぎってもあれなんで、このまま勢いでいこうか!」
 舞台を満たすように、溢れるように背面からの暖かな金色の照明。
 ドラムのカウントから、欅の弾くピアノの音が華やかに流れ込んでくる。
 歌の入りとともに、二人にピンスポット。

「 愛のカタチはハートの形
  なんとなく定着している世界標準 」

 先に歌を乗せたのは円。胸元に白のコサージュをつけ黒の半袖のスクエアネックチュニックにホワイトジーンズ。足元は黒のパンプス。
 コントラバスを弾きながら伸びやかに響かせる。

「 それなら僕が最初に思った愛のカタチは
  一体どんな姿だったのだろうか 」

 ライトは少しずつ、金から白へと、朝焼けのように移り変わっていく。
 欅はいつものように黒のYシャツ、黒デニムでシンプルに。
 一つずつの音をクリアに生みだしながら。
 そこにコントラバスのスラップ音が裏拍を刻む。

「 雲の向こうに何があるのとか
  空はどこまで続くのだとか
  子供の頃に感じた不思議の全てが
  便利になりすぎたこの世界では
  Answer(答え)になって返ってくるけど 」

 歌声ははっきりと刻むように。
 ソロで響いて、円の声に欅がコーラスをかける。
 かぶせすぎず、ハモリは綺麗に。
 メロウな音をピアノが奏で、音が落ちる。
 ふと溜めて、とどめていた勢いを一気に放つように。
 じんわりと淡く橙の照明が重なっていく。

「 僕が知りたいのは そんなことじゃなくて
  それを感じて 何を見い出すのか
  求めているのは
  言葉にするにはもったいない 」

 ユニゾンで声を合わせ、演奏はあでやかに。
 コントラバスとピアノが即興で掛け合うように音を響かせ合う。
 重なる照明は茜色。
 それがゆっくりと絞られていく。

「 そう思いたくなるほど大切な 何か 」

 最後の言葉だけ溜めて、伴奏も落とし優しく、柔らかく二人の声を重ね合う。
 イントロのフレーズをピアノが繰り返し、ゆっくりと曲は締めくくられた。

●Stagione
「最後の締めは『Stagione』! 椿とSyanaに締めくくってもらいましょう! この二人ででてくれるのは初めてかな? てことでよろしくね!」
 二人の前にあるマイクには赤いリポンでワンポイント。
 それは長く長く観客に向かって線を描く。
 椿は白のレースアップシャツにペインターパンツ、足元はスニーカー。ピアノの上に手を置く。
 Syanaは三味線を持ち濃い赤色のシャツと濃いデニムパンツ。
 ラフに、カジュアルにまとめる。
 木漏れ日を思わせる、揺れる動きのある明るい光の中、ピアノのメロディが軽やかに。
 その途中から掠め撥の三味線の音が加わり、和音と音がそろう。

「 一歩一歩 踏み出すように
  ちょっとちょっと 進む物語り
  始まりは A〜a
  視線送るだけ 溜息の俺 」

 重ねられた言葉は一度目よりも二回目を強く膨らむように。
 照明は赤みを帯び始め、昼から夕暮れへと移り変わっていく。
 その中で、二人にはやわらかなピンスポット。
 椿の歌声に、Syanaがところどころ、ハモリをいれていく。

「 明日は明日は 声をかけよう
  きっときっと 何とかなるはず
  絞りだす A no‥‥
  気の利いた台詞 紅い夕空へ飛んだ 」

 低音はピアノが弾むように支え、連符を交えた旋律が走る。
 三味線はそこにリズムを刻み、調和していく。
 ピアノの手があくところで、椿は十字を切り祈る仕草。
 演奏を控えて伸ばす声はハモってゆったりと。
 高く伸ばす声が、響きわたる。
 落ちていく照明は、やがて夜を思わせる照明に。
 高音から低音に駆け下りるピアノと三味線は、転調してリズムを整える。

「 Anataが 好きです
  Arigatouが 嬉しいです
  縮まる二人の距離が
  幸せで とても幸せで
  心から叫ぶ Aishiteru! 」

 弾むような音はふっと優しくメロウになったかと思えば、歯切れよく力強くもなる。
 そしてまた明るくなる舞台。
 きらきらと輝くように。
 和音でアクセントをいれ、グリッサンドが走る。

「 くちびるが紡ぐ「A」から 赤い糸結んだ二人
  もう少し近くで触れたくて
  Ah―
  I want to A(kiss) you 」

 勢いつけたまま明るく、三味線の音で余韻をだしながら、最後はピアノの短音のみで囁くように。
 声が途切れそうになる中に三味線の撥。
 最後のメロディをアレンジした後奏が響き音は途切れた。

●ライヴハウス『淡』
 ライヴもすべておわり、舞台には蓮一人。
 それぞれの音の余韻がまだそこにはある。
「今日もおつかれさーん! テーマ一つにすれば、被ってもやっぱどこか違うし、違うとなれば全然違うもんだよね。うん、やっぱおもしろいねこういうのも! でも次はきっと変な舞台にご招待でやることになるとおもわれ! てことで軽く予告もいれたし最後の締めいってみよ!」
 いつものようにマイクをおいて。
「今日の、ライヴの感想はああああ!!!!!!」
 観客からの声援は、いつものように響きわたる。