Tales of MagicFountain南北アメリカ
種類 |
ショート
|
担当 |
えりあす
|
芸能 |
1Lv以上
|
獣人 |
1Lv以上
|
難度 |
普通
|
報酬 |
1.3万円
|
参加人数 |
10人
|
サポート |
0人
|
期間 |
01/16〜01/22
|
●本文
「ほのぼのとした、可愛らしいドラマなんていいかもね」
ある制作会社のプロデューサー、ジェニファーさんが企画会議で次のドラマについて提案をしました。ジェニファーさんは何時も突拍子の無い企画で関係者の方々を困らせていましたが、今回は反対意見も無くスムーズに制作に移る事が出来たようです。
今回企画されたドラマは、メルヘンチックでほのぼのとしたファンタジードラマです。企画が纏まり、役者の募集が告知されました。
可愛くて童話っぽく、でもちょっと感動できるような物語‥‥そんなストーリーを一緒に作ってみませんか?
●番組名:Tales of Magic Fountain
<配役>
・主人公の女の子(女の子限定。出来れば16歳以下)
・主人公の恋人(男の子限定。出来れば16歳以下)
・先生:1人
・主人公の仲間:2人〜
・悪い人達:2人〜
・その他
<ストーリー>
主人公の女の子は魔女の一族に生まれた魔法使い。
ある日、主人公はいつも一緒にいた気の弱い恋人と些細な事で喧嘩をしてしまいました。怒った主人公は恋人に『別れの魔法』を使ってしまいます。
あんな軟弱な恋人と別れてスッキリ! と、思っていましたが、お昼ご飯の時‥‥
「今日は何食べようか? 〜(恋人の名前)?」
と、別れた筈の恋人の名前が無意識に出てきてしまいます。
主人公はその時に気づきました。あんな事言っちゃったケド、本当は‥‥
急いで恋人の元へ戻る主人公。でも『別れの魔法』のせいで、恋人は主人公の事をただのクラスメイトとしか思っていませんでした。
主人公は魔法の中和の仕方を知りません。慌てて学校の先生でもあり、魔法の師匠へ解決策を尋ねに行きます。
しかし、先生も魔法の解き方を知りませんでした。資料を調べ『虹の彼方に湧くという魔法の泉を飲ませると魔法が解けるかも?』という記述を見つけます。主人公は急いで魔法の泉を探しにいきます。
仲間に支えられ、森を抜け、山を越え、悪い人達にいじめられても挫けず、魔法の泉を探す主人公。でも、ついに見つける事は出来ませんでした。
泣きながら恋人の元へ戻る主人公。しかし、奇跡は起こります。魔法を解く方法は‥‥本当に好きという事を証明するその涙だったのです。魔法が解けて2人は再び仲良くなりましたとさ☆
<その他>
細かい演出、脚本の修正は出演者におまかせします。
●リプレイ本文
●キャスト
・リアンちゃん(主人公):月 李花ちゃん(fa1105)
・パイロくん(主人公の恋人):パイロ・シルヴァンくん(fa1772)
・マックス先生:三条院真尋さん(fa1081)
・泉の精霊さん&喋る魔法書さん:Chizuruさん(fa1737)
・ジムくん(仲間):谷津・薫くん(fa0924)
・ドリーちゃん(仲間):あいりちゃん(fa2601)
・シャミーちゃん(仲間):シャミーちゃん(fa0858)
・スプリガンくん(悪い人):相麻 了くん(fa0352)
・ニュイさん(闇の精霊さん):深月沙奈さん(fa1155)
・小悪魔1号さん:碧野 風華ちゃん(fa1788)
●Tales of Magic Fountain
ここは、ある田舎の小さな学校。
子供達は少なく、低学年から高学年まで同じ教室でお勉強をしています。
放課後、魔法使いのリアンちゃんは恋人のパイロくんと、どこかへ遊びに行こうと思っていました。
「ねぇ! どこかに、遊びに行かない?」
彼は本が好きなので、いつも図書室にいるのは知っていました。
リアンちゃんが図書室に入ると、パイロくんは他の女の子と何やら楽しそうにお話しています。
女の子はリアンちゃんに気づくと、慌てて部屋から出て行きました。
「もう! あの子と何話していたの!」
「えぇと‥‥その‥‥」
「いつもそう‥‥優柔不断で、はっきり言ってよ? 言っても、もごもごじゃわからないってば!」
嫉妬しちゃったリアンちゃんは、パイロくんに厳しい口調で言います。
「この本、面白いよってお話していただけだよ‥‥」
「ふーん。私よりそんな本や、あの子とお話している方がいいんだ‥‥もう、大嫌い!」
怒ったリアンちゃんは、パイロくんに習ったばかりの『忘却の魔法』を唱えてしまいました。
*
言い過ぎちゃったかな‥‥と、ちょっとパイロくんの様子が心配になってきたリアンちゃんは、再び図書室に来ました。
中には彼とジムくんがいるようです。
リアンちゃんが中に入ると、ジムくんはいつものようにちょっかいを出してきました。
普段なら、ここでパイロくんが注意するのですが‥‥何か様子が変です。
不思議に思って聞いてみると‥‥
「誰、君? ボクは本を読みたいんだ。邪魔しないで」
何故かリアンちゃんの事を憶えていません。
挙句の果てにはジムくんに『あんな人に近づいちゃ駄目だよ』なんて言う始末。
「そんな‥‥パイロお兄さんのばかーっ」
人が変わった様な言動のパイロくんに気を悪くしたジムくんは、図書室から出て行ってしまいます。
「どうしたの‥‥もしかして、魔法が強くかかりすぎちゃったのかも‥‥」
恋人の豹変にリアンちゃんは、今までに感じた事の無い悲しみが心の奥底から湧き上がりました。
――あの時は怒りに感情が支配されちゃったから‥‥彼の顔が見たくなかったから‥‥
リアンちゃんは魔法を解く方法を知りません。
彼女は泣きながら学校の先生でもある魔法の師匠の家へと走っていきました。
*
師匠の家は静かな森の中にあります。
「あらあら。どうしたの?」
慌てて師匠のマックス先生の家へ飛び込んだリアンちゃんは、魔法を解く方法を尋ねました。
「魔法は感情に支配された状態で使うと本当にそうなっちゃうのよ。そうなると‥‥難しいわね」
「じゃぁ、どうすれば‥‥」
リアンちゃんは泣き崩れてしまいます。
「そうねぇ‥‥あなた、何か知らないかしら?」
マックス先生は表紙を羽根代わりにして飛んでいる不思議な魔法書に尋ねます。
『確かな情報ではありませんが、虹の彼方に湧く魔法の泉の水を飲めば、あらゆる魔力が効果を失うとか』
妙に早口で甲高い声が聞こえる‥‥と言うか、脳裏に響きました。
「泉に行けば何とかなるの? じゃぁ、すぐに行く!」
リアンちゃんは泉を探す決心をします。
「お待ちなさい。一人だけでは心細いでしょ?」
マックス先生はリアンちゃんに仲間を紹介します。
「私、シャミーって言うの。宜しくね」
恥ずかしそうに挨拶をするシャミーちゃん。
「先生から事情は聞いたよ‥‥僕、パイロお兄さんとリアンお姉さんが仲良くしてる方が好きだし。僕も一緒に頑張るからっ!」
ジムくんも一緒です。
「泉に行くなら、庭の裏手に魔法の森へ繋がる道があるわ。そこから行くといいでしょう」
マックス先生は旅立つ一行の準備を手伝い、泉への道を教えます。
こうして、リアンちゃん達は魔法の泉へと出発するのでした。
*
魔法の森は薄暗く、時々獣さんの声が聞こえてきます。
リアンちゃんはちょっぴり怖くて震えてしまうのですが、ジムくんとシャミーちゃんに勇気付けられます。
一行は途中で森の精霊さんに出会いました。
「迷子になったら大変ですよぉ〜、わたしはぁ〜、森の事ならなぁ〜んでも知ってるのでぇ〜、お手伝いしますよぉ〜」
おっとりとした性格の精霊・ドリーちゃん。
素敵な仲間の案内で、森はすぐに抜ける事が出来ました。
「疲れたよぉ〜」
旅の途中、ジムくんは歩き疲れたのか、地面にペタンと座り込んじゃいます。
「慣れない旅は大変ですぅ〜、お休みしましょ〜」
ドリーちゃんもお疲れの様子。
一行は石碑の近くで休憩する事にしました。
‥‥その時です。
石碑の影が徐々に実体化していき‥‥小悪魔さんに大変身!
「自分でかけた魔法を解こうなんて馬鹿な旅ね〜。この先はいい事何も無いのに〜。このまま帰っちゃえばいいんだよ〜」
先の尖った尻尾をふりふりしながら囁きます。
「嫌いなんでしょ? うんざりしてたんでしょ? 別れちゃえばいいのよ〜」
「そんな事言うなんて酷いよ!」
ジムくんが怒りました。
でも、リアンちゃんは黙って震えています。
「うんうん、本当は彼の事大嫌いなんだよね〜」
そう小悪魔さんが笑うと‥‥リアンちゃんは口を開きました。
「‥‥嫌い‥‥そんな事無い! 本当に、本当に大好きなんだからっ!」
大きな声で自分の本心を叫びます。
すると、小悪魔さんは勢いに負けて退散していきました☆
*
一行は山岳地帯に足を踏み入れました。
山々の間からは綺麗な虹が見えます。
あの虹の彼方に目指す泉が‥‥
山を越えるのは大変ですが、ここを通らないと泉に辿り着けないのです。
しかし、そこで待ち構えていたのは‥‥
「命が欲しくば金を置いてけ!」
刀をぶんぶん振り回す山賊のスプリガンくんでした。
逃げ出す一行。
でも、シャミーちゃんがスプリガンくんの前に!
「私達はこの山を越えて、泉を探さなきゃいけないの! 道を開けてよ!」
「だーめ! 通さない!」
壮烈な口喧嘩バトルが勃発しました!
両者一歩も譲りません!
決着がつかず、口喧嘩は激しくなっていきます。
怒ったスプリガンくんは刀を振り上げます!
でも、その隙を突いてシャミーちゃんが攻撃!
ポカッ☆
「うわぁ!」
スプリガンくんは倒れてしまいました。
その後、事情を聞いたスプリガンくんは同情して涙します。
そして、自分の財布を渡し『がんばれよー!』と応援してくれました。
反対にシャミーちゃんは冴えない顔をしています。
――お話で解決したかったのに‥‥結局、また戦っちゃった
落ち込んでしまいますが‥‥それでも、先へ進まなければなりません。
一行は山を越えることが出来ました。
*
リアンちゃんは悩んでいました。
時々、困難と遭遇した時、心の中にある不安とか後悔と言ったもの実体化して語りかけて来るのです。
それは、闇の精霊・ニュイさんでした。
「アンタも忘れちゃえばいいじゃん。そしたら、すっごい楽になるのにっ」
そう言って、リアンちゃんをいじめてくるのです。
でも、頑張って耐えるリアンちゃん。
もうすぐ、好きな人とまた仲良くなれるのだから‥‥
つらい旅も終盤。
一行はついに魔法の泉に辿り着きました。
泉に近づくリアンちゃんの前に、泉の精霊さんが現れます。
「この水を飲むと魔法が解けるの?」
精霊さんに尋ねるリアンちゃん。
「いえ‥‥この泉は飲んだ魔法使いの魔力を中和し、ただの人間にする水。魔法を解くものでは無いのです」
「え! じゃぁ、どうすれば‥‥」
リアンちゃんは今まで我慢してきた感情が溢れ出し、泣き出してしまいます。
「あらゆる魔法を解く奇跡の聖水は存在します。それは、とても身近な場所にあるとか‥‥」
恋人の元へ戻りなさい‥‥と、精霊さんは優しく微笑みました。
*
結局、魔法を解く水を得る事が出来なかったリアンちゃんは、泣きながら恋人の元へ帰りました。
――あのつらい旅は何だったの? 永遠に彼と仲良く出来ないの?
そう思うと、涙が止まりません。
「やっぱり別れる事できないよ‥‥だって、ものすごく大好きだもの!」
その時、奇跡は起こります!
「その言葉、ボクがずっと言いたかったのに‥‥」
リアンちゃんの涙を見たパイロくんは、心で固まっていた何かが溶け出して‥‥彼女の事を思い出しました!
魔法が解けたのです。
そう、魔法を解く水は‥‥本当に好きだと言う事を証明するその涙だったのです!
「ほらほら、ここは仲直りのちゅーだよ」
ジムくんが言うと、リアンちゃんは顔を真っ赤にしながらパイロくんの頬にキスをします。
「また、よろしくね?」
こうして、二人は再び仲良くなりましたとさ☆
――END