Online Gamers南北アメリカ
種類 |
ショート
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担当 |
えりあす
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
04/22〜04/26
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●本文
冷戦以降、軍事産業は縮小され続けてきた。
戦争の必要が少なくなった為、当然の事である。
軍事産業の民間利用‥‥民需転換として結びついたのが‥‥
ゲーム業界である。
何故か?
高度な映像描写や演算処理等が必要とされるのが、この2つの業界だからだ。
今、君達が夢中で遊んでいるゲームにも、兵器技術メーカーのCG技術が取り入れられているのだよ?
そう、以前から軍事産業とゲーム産業は密接な関わりがあるのだ。
今、一つのオンラインゲームが話題を呼んでいる。
テロリスト達に占拠された国家機密が存在するビルを舞台にしたFPS(First Person Shooter:一人称シューティング)である。
オンラインでチームを組み、ボイスチャットを駆使して作戦を立て、テロリストを倒していく。
舞台となるビルも大変緻密に表現されており、そのあまりのリアルさが話題となって大ヒットした。
しかし、その裏では、あるプロジェクトが進行していた‥‥
実はこのゲーム、アメリカ軍部が製作したものだった。
そして、ゲームの舞台となるビルも実在していたのだ!
このゲームには陸軍で採用されている特殊訓練プログラムが導入されており、ゲームをプレイすれば知らず知らずの間に誰でも兵士としての能力が身に付く。
そして、ビルも本物と同じである為、マップを憶えれば、ビルのどこに何があるかというのも頭に入る。
もし、このビルがテロリストに占拠された場合‥‥誰もが有能な対テロリスト部隊の一員となりうるのだ‥‥!
ある日、ゲームのトップランカー宛にメールが届く。
『諸君はこのゲームにおいて有能な兵士として認定された。現在、ビルに他国のスパイが潜入し、国家機密を奪取しようとしている。軍事特別法に基づき、諸君らは可及的速やかにこのビルへ向かい、スパイを倒して国家機密を防衛せよ。諸君はこのゲームにおいて、既に訓練プログラムを終了している。戦闘が発生しても問題ないだろう』
●『Online Gamers』出演者募集
<配役>
配役として対テロリスト兵士として招集されたゲーマーや敵対するスパイ、ビルにいる民間人等が必要になります。
<設定>
ビルは40階まであり、国家機密が存在するルームは39階。39階には直通エレベーターは無く、30階から専用の階段を使用しなければならない。
この専用の階段を使用する為には、20階のコントロール・ルームでドアを解除しなければならない。
●リプレイ本文
●Online Gamers
<キャスト>
・ゲーマー
森村葵:森村・葵(fa0280)
有衣:青空 有衣(fa1181)
ザジ:ザジ・ザ・レティクル(fa2429)
・スパイ
コメットスイート:安部彩乃(fa1244)
ジョーカー:相麻 了(fa0352)
サンダーボルト:天霧 浮谷(fa1024)
バグキャット:チャイム(fa1855)
・ビル職員
ロバート・コール:Zebra(fa3503)
●LEVEL10:Security Center
「今日も平和だな‥‥」
ビルのセキュリティー担当の職員であるロバート・コールは、大口であくびをしながらテレビで野球観戦をしている。
このビルには重要な国家機密があるようだが、強固なセキュリティーで防衛されていた。
実はこの機密事項を奪取しようと、アメリカに敵対する国のテロリスト達が幾度と無くスパイを送り込んでいるのだが、殆どが侵入直後に捕まっていた。
セキュリティーは大半がコンピューターによる自動制御で、このビルに忍び込んだ侵入者は即座に捕縛される。
コンピューターによる制御は正確かつ強力なのだが、弱点が無い訳ではない。
もし、このシステムがハッキングされてしまったら‥‥強固なセキュリティーに飼い馴らされた関係者は対処できるだろうか?
『おーい‥‥監視カメラが映らなくなったぞ』
ブザーと共に警備員の声が聞こえた。
「ったく‥‥今、いい場面だったのに‥‥」
ブツブツと小言を言いつつ、ロバートはノートPCを小脇に抱えつつ様子を見に7階の監視センターへ向かう。
急いで階段を降り、7階でロバートが最初に目撃したのは‥‥
警備員が射殺される現場だった。
「うわぁ!」
ロバートはその光景に驚愕し、一目散に逃げ出す。
近くのエレベーターに飛び込もうとしたが、ボタンを押しても何故か開かない。
「わ、わ、わ! どうしよう!」
足音が近づいてくる。
このままでは間違いなく殺される。
ロバートは慌てて近くの部屋へ飛び込む。
入った瞬間、何かを踏んで転倒。
丁度、倒れた所にシーツの山があり、ロバートはその中に埋もれた。
ここはリネン室。
そのまま息を殺すロバート。
足音は徐々に遠退いていく。
●LEVEL20:Control Room
「この程度のセキュリティーなんざ‥‥あたいに掛かればイチコロさ」
バグキャットはハッキングによりビルのセキュリティーを解除し、システムをテロリスト達の管理下に置いた。
そして、エレベーターをテロリスト達が使用する1機を除き、全て停止。
これにより、このコントロール・ルームに入るには30階から階段を使用しなければならなくなり、時間稼ぎが出来るようになる。
「ふふふ‥‥完璧だねぇ♪」
バグキャットは自作の超小型ノートPCを片手にニヤリと笑う。
だが‥‥
彼女は気が付かなかった。
ビルのセキュリティー・システムが書き換えられた瞬間、ある防衛システムが作動していた事を‥‥
●Tower Of Doom
ビルがテロリスト達の配下に置かれた瞬間、あるオンライン・ゲームのトップランカー宛にメールが送信された。
このゲームはアメリカ軍部が開発したコードネーム「Tower Of Doom」という、オンライン専用FPS。
最近の軍隊ではゲームを使用した訓練も行われており、このゲームもそうした兵士訓練プログラムが導入されている。
つまり、このゲームをプレイすれば、知らない間に兵士としての能力が身に付くのだ。
メールが送信されたのは常にトッププレイヤーに入る森村葵、ザジ、そして‥‥
「あれ? こんな時間に誰からだろう?」
何故か最近プレイし始めたばかりの有衣にもメールが送信されていた。
彼女はごく一般のプレイヤーに過ぎないのだが‥‥恐らく、ビルのセキュリティーが書き換えられた時に、データベースが一部破損した事によって誤送信されたものと考えられる。
「う、嘘でしょ‥‥」
そして、そのメールを読んだ有衣は凍りついた。
『今、国家機密が存在するビルがテロリスト達により占拠され、危機に瀕している。君達、有能な兵士は可及的速やかにテロリストを排除し、国家機密を防衛せよ‥‥』
●LEVEL30:Secret Door
39階に国家機密が存在する部屋がある。
そこへ行くには30階から専用階段を使用しなければならず、この扉は厳重なロックが施されていた。
だが、テロリストがビルを管理下に置いても、このセキュリティー・ロックは解除されない。
「こちらバグキャット‥‥ちょっとロック解除に手間取っている。今、システムのバックドアを開けて、外部から仲間のハッカーにも手伝ってもらおうと思ってる所さ」
「りょ〜かいですぅ〜」
無線でバグキャットと連絡を取っているのは、リーダーのコメットスイート。
「ボス、誰かがビルに侵入したみたいだよ」
モニターを見ていたジョーカーが侵入者を発見した。
「あらあら‥‥それじゃぁ、こっちがお相手している間にバグキャットさんはロックの解除をお願いします〜」
コメットスイートがサブマシンガンを手にした。
「ちょっとスリルが足りねぇと思ってた所だぜ‥‥」
サンダーボルトもマグナムを構える。
●LEVEL1:The Main Entrance
ビル1階。
入り口を抜けると大きな広間になっている。
「ヒュゥ‥‥ゲームそのままじゃない! リアルね〜♪」
「あのゲームもここからスタートですネ」
トップランカーの2人、ザジと森村葵はそのゲームと同じ舞台に自分達がいるという事を楽しんでいた。
「あたしはザジ、ヨロシクね」
「森村葵と言いますネ、宜しくお願いするデス」
「え、もしかしてそのHN‥‥ランキングでいつも一ケタの所にいる‥‥」
有衣は2人の名前を知っていた。
2人共、有名なトップランカーの名前である。
この任務に召集されたのは、実力のあるランカーばかり‥‥その中に自分みたいな素人がいるなんて‥‥有衣は支給された銃を握りつつ、これからどうしようとおののきながら2人の後ろを歩いていた。
「このミッションなら楽勝♪」
リーダーのように振舞うザジ。
任務はビルを占拠したテロリスト達の殲滅。
ゲームスタートだ。
●LEVEL28:Banquet Area
途中、テロリスト達が放ったスパイを装った民間人がいたが、彼らにはゲーム中で養われた識別能力によって惑わされる事は無かった。
オンライン・ゲーマー達は20階のコントロール・ルームへ向かう。
テロリスト達によってエレベーターは使用不可。
それにより、30階から階段を使用して下りる手段しか方法は無い。
30階を目指す途中‥‥28階は各国要人をもてなす為の宴会場。
戦闘はここで発生した。
「ゲームマニア‥‥しかも、女の子を兵士にするなんてな。敵さんも人材不足ってやつか」
サングラスを着用し、マグナムを構えたサンダーボルトが3人の前に現れた。
「銃を構えてみろよ。俺がそれよりも早く撃ち抜いてやるからさ」
「やってやるデス‥‥」
葵が銃を構えようとした瞬間‥‥3人はテーブルの下へ潜り込む。
そして、テーブルを盾に銃撃戦が始まった。
ゲームであれば障害物が銃弾を阻害し、命中しる事は無いが‥‥
サンダーボルトが撃つマグナムの銃弾はテーブルを吹き飛ばし‥‥1発がザジの左腕に被弾した。
悲鳴を上げるザジ。
だが、サンダーボルトも銃弾が尽き、撤退した。
●LEVEL29:Rest Room
「痛いよぉ‥‥」
銃弾を受け、泣きじゃくるザジ。
有名ゲーマーと言えども、彼女はまだ子供である。
だが、幸いにも有衣は看護学部に通う大学生であり、怪我の治療は慣れたものだった。
「こういう場面があるから‥‥って、私に間違いメールが来たのかな。神様とかってホントにいるのかもね」
ザジの治療をしながら呟く有衣。
ゲームと違い、応急治療は経験がなければ出来ないものである。
「おや?」
葵が無線を受信した。
相手はロバート、ビルのセキュリティー担当職員だ。
彼からビルの現状を聞き、幾つかの情報を得る。
しかし、その無線はテロリスト達によって傍受されていた。
●LEVEL20:Control Room
「ふふふ、みーつけた」
コントロール・ルームに向かう3人の前に立ちはだかるジョーカー。
彼はゲーマー達の無線を傍受し、先回りしていた。
背後から襲い掛かり、ヒット&アウェイ戦法で彼らを苦しめていた‥‥
●LEVEL40:Game Master Room
テロリストとゲーマー達が戦っている様子をモニターで見ている人物がいた。
この人物が一体、何者かは誰も分からない‥‥
「彼らはよくやってくれている。これで、ゲーマー達が有能な兵士と成り得る事が証明された訳だ‥‥39階にある国家機密などエサにしか過ぎない。この戦闘データこそが重要な国家機密なのだよ」