Battle for Laptess南北アメリカ

種類 ショート
担当 えりあす
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/12〜12/16

●本文

 西暦2107年。
 高度な技術により栄華を誇った人類であったが、地球の天然資源を全て使い尽した事により窮地に立たされていた。地球上のエネルギー貯蓄量は、持ってあと数年。このままエネルギーが無くなってしまえば、人類の存亡に関わる。
 そこで、地球連盟は宇宙に資源を求めた。
 探索の結果、地球とほぼ同じ環境の惑星が見つかった。この惑星は『ラプティス』と名付けられた。
 地球連盟はすぐに調査団を派遣した。しかし、調査団は謎の失踪を遂げる。
 失踪直前に送信されたデータには、巨大な二足歩行のロボットが映し出されていた‥‥
 地球連盟は直ちに救出隊を向かわせた。
 果たして、調査団は無事なのか‥‥
 そして、謎の二足歩行ロボットとは‥‥

 *

「うーん、相変わらず脚本書くのはダメだなぁ、、、」
 新米監督のミスジャー・L(エル)は雑に書き殴られた脚本を投げ捨てた。
 ミスジャー監督はCGグラフィックスにおいては抜群の才能を誇る。今回、彼の技術に目を付けたTV会社が、CGを駆使したSFドラマ制作を依頼してきたのだ。
 ドラマはSFモノで、戦闘シーンは全てCGで作成。それ以外のシーンを役者が演じるという番組。単発の予定だが、視聴率次第では続編も考慮するという事なので、監督は気合が入っていた。
「しかし、監督・脚本・CG兼任はキツイな‥‥」
 だが、ミスジャー監督は脚本を書くのはあまり得意ではない。彼の部屋には破り捨てられた脚本が床を埋め尽くしている。
「まぁ、予算もあまり無いし、この路線で行くか。後はアドリブとかで何とかしてもらおう。そうと決まれば役者募集だ!」
 とりあえず脚本を書き上げたミスジャー監督は、自身のサイトで出演する役者募集の告知を載せた。

●SFドラマ:『Battle for Laptess(ラプティス戦役)』出演者募集
1)配役(名前は変更可、括弧内は搭乗機体)
 ・『紅い瞳の鷹』艦長:グレゴリー准将(万能揚陸艦『アストラル・ドルフィン』)
 ・オペレーター:レイル伍長
 ・部隊長:ダイジロー大尉(男性のみ可)(超弩級戦車『スチーム・エレファント』)
 ・部下1:マッドドッグ伍長(大型爆撃機『ブラスト・ビートル』)
 ・部下2:ミクロス上等兵(汎用小型戦闘機『スカイ・ワスプ』)
 ・部下3:ブラウン上等兵(汎用小型戦闘機『スカイ・ワスプ』)
 ・調査団オペレーター:ミカ(女性のみ可)
 ・調査団:カシス曹長(ホバー型戦闘車両『サウス・ガンナー』)

2)脚本
 ・資源惑星『ラプティス』に向かった調査団が行方不明となった(A)
 ・この調査団を救出する為に地球連盟は万能揚陸艦『アストラル・ドルフィン』を擁する艦隊『紅い瞳の鷹(変更可)』を派遣(B)
 ・ラプティスに降り立った艦隊だが、直ぐに敵の襲撃を受ける(C)

 <CG戦闘シーン>

 ・敵襲を退けた艦隊は調査団が使用していた万能艦を発見(D)
 ・実は調査団のオペレーター(女性)と部隊長は恋仲で、朽ち果てた万能艦を見た部隊長はすぐさま彼女が無事か確認する為に飛び出す。だが、艦の中には誰もいない。沈痛な面持ちの部隊長。だが、仲間がメモを発見。生存の可能性が見える(E)
 ・再び、調査団を探す部隊に巨大二足歩行ロボット『バトルサーバント』が襲い掛かる! だが、艦隊も『アストラル・ドルフィン』から地球連盟最新超弩級戦車『スチーム・エレファント』を出撃させ迎撃!(F)

 <CG戦闘シーン>

 ・激戦の最中、仲間が数人やられる(G)
 ・部隊が大ピンチ! しかし、そこへ調査団のホバー型戦闘車両『サウス・ガンナー』が援護に! どうやら、脱出に成功していたようだ(オペレーターと交信)(H)

 <CG戦闘シーン>

 ・辛くも『バトルサーバント』を退けた艦隊は調査団と合流し、帰還する(I)
 ・オペレーターと部隊長のラブシーン(J)
 ・END

3)資料
 ・万能揚陸艦『アストラル・ドルフィン』
  単独での大気圏突入・離脱能力を持つ万能艦。『紅い瞳の鷹』隊の母艦となる。
 ・超弩級戦車『スチーム・エレファント』
  巨大折り畳み式キャノン砲を装備した超弩級戦車。
 ・大型爆撃機『ブラスト・ビートル』
  対地ミサイルを配備した大型爆撃機。対空武装は無い為、戦闘機の護衛が必須。
 ・汎用小型戦闘機『スカイ・ワスプ』
  地上・宇宙両用の小型戦闘機。基本的に護衛機なので武装はやや貧弱。
 ・ホバー型戦闘車両『サウス・ガンナー』
  ホバーを用いている為、機動力に優れる支援戦闘車両。一撃離脱戦法が得意。
 ・巨大二足歩行ロボット『バトルサーバント』
  全長約18mの大型ロボット。基本的に殴る、蹴る。

4)その他
 ・極端に内容が変わらなければ脚本を修正可能

●今回の参加者

 fa0794 村上 繁昭(32歳・♂・蝙蝠)
 fa1024 天霧 浮谷(21歳・♂・兎)
 fa1206 緑川安則(25歳・♂・竜)
 fa1728 芳乃なくる(24歳・♀・狐)
 fa1771 由比美紀(20歳・♀・蝙蝠)
 fa2121 壬 タクト(24歳・♂・兎)
 fa2328 赤倉 玲等(20歳・♂・狐)
 fa2445 アニマ・ジーミック(18歳・♀・蛇)

●リプレイ本文

●キャスト
・クランティ准将:芳乃なくる(fa1728)
・レイル伍長:アニマ・ジーミック(fa2445)
・ダイジロー大尉:緑川安則(fa1206)
・ミクロス上等兵:天霧浮谷(fa1024)
・ブラウン上等兵:赤倉 玲等(fa2328)
・ミカ:由比美紀(fa1771)
・カシス曹長 :壬タクト(fa2121)

●オープニング
 調査団は惑星『ラプティス』に到着後、すぐに敵の襲撃に遭った。
「敵機に取り付かれたぞ! 砲撃主、何をやっている!」
「わかっているよ‥‥」
 砲撃主のカシスは敵機を近づけまいと弾幕を張る。
『ロバーツ少尉、敵機が背後に!』
『ふ、振り切れない!』
 仲間のワスプ機の背後に敵機が迫る。
「!! 力不足か‥‥」
 カシスは仲間を必死に援護するが、ドッグファイトの末に撃墜される。動揺するカシス。その時、爆音と共に艦が揺らぐ。
「動力炉に被弾! これ以上、持ちません!」
「‥‥脱出可能な人員は速やかに退避せよ。艦を放棄する」
 ミカが艦長に指示を仰ぐ。返答は‥‥艦の放棄。
「艦の放棄が決定されました。乗員は速やかに脱出してください」
 警報と共にミカのアナウンスが艦に響く。その時‥‥モニターに大きな影が映し出された。巨大な二足歩行型ロボット‥‥
「あ、あれは‥‥」
「ミカ! 何をしている! 早く来い!」
 呆然とするミカを強引に引っ張っていくカシス。
 その後、偵察隊から通信は途絶えた。

●紅い瞳の鷹
「それでは『赤い瞳の鷹』隊、惑星『ラプティス』まで、しゃなりしゃなりと、行ってまいりまぁ〜す♪」
 上司に向かい敬礼をするクランティ。ほんわかとした口調であるが、類稀なる才能とカリスマで准将まで成り上がったエリートだ。しかし、その性格が幸いし、彼女の部隊は真っ先に危険な任務に投入され続けてきた。
「調査隊が行方不明だと‥‥で、メンバーのリストは‥‥」
「部隊長、調査団メンバーはこちらです」
 ダイジローへ調査団メンバーのファイルを渡すブラウン。
「そ、そんな‥‥」
「資料に不明な点でもありましたか、隊長?」
 ダイジローは調査団のメンバーに心当たりのある名前を発見し、慄然とする。
(「‥‥バカな‥‥ミカがいるなんて‥‥頼む、無事でいてくれ!」)

『赤い瞳の鷹』隊の母艦となる万能揚陸艦『アストラル・ドルフィン』に乗り込む隊員達。
「‥‥緊張します」
 レイルはコクピットに座ると、緊張と不安が入り混じった表情を浮かべる。
「それでは、出撃しま〜す♪」
 それぞれの想いを胸に『赤い瞳の鷹』隊は惑星『ラプティス』へ向けて出発した。

●惑星『ラプティス』
 惑星『ラプティス』に到着した『赤い瞳の鷹』隊を待ち受けるのは敵襲であった。
「前方より3機の戦闘機、コードネーム『セーバー・ホーネット』がこちらに向かってきています!」
 レイルがレーダーで機影を捉えた。
「早速、お出迎えですねぇ。じゃぁ、こちらもご挨拶しませんと♪」
 クランティは相変わらずの口調で指示を出す。これが、どういう意味なのかは隊員達は理解していた。
「ブラウン上等兵、出撃します」
「こちら、ミクロス上等兵。手荒いご挨拶でいくぜっ!」
 航空部隊は既に出撃準備を整えていた。
「陸上であれば俺が出撃できるものを! ミクロス! ブラウン! 防空を頼むぞ!」
「「了解」」
 ダイジローの通信へ答えると、二人は出撃した。

<CG戦闘シーン>

「電子頭脳に人間様がやられるかよ!」
 ミクロス機は機関砲で敵機を撃ち落とす。
「へへっ、どうだ!」
「ミクロス、背後だ。やられるなよ」
 しかし、敵機もミクロス機の背後に取り付く。振り切るのが難しく、弾を避けるのが精一杯だ。
「今、援護に行く。それまで持ち堪えろ」
 ブラウン機も1機撃墜すると、ミクロス機の援護に入る。
「しつこいんだよ!」
 なかなか振り切る事が出来ないミクロス機だが、ブラウン機の援護を受け、何とか攻撃を退けた。そして、最後の1機を撃墜し、母艦へと帰還する。

●残影
 調査団を探す『赤い瞳の鷹』隊の目に飛び込んで来たのは、攻撃を受けて撃墜された見覚えのある万能艦であった。
「調査団の万能艦のようです‥‥」
 レイルは嘆息を吐く。
「生存者の確認を‥‥」
 レイルがそう言う前に、ダイジローは朽ちた艦へ向かっていた。
「あらあら‥‥部隊長さん、調査団に想い人さんがいたのですか? けれど、何が起こるかわからない地で、部隊長なんて立場の人が母艦をほっぽって出ていっちゃうのはいただけませんねぇ。うふふ、帰ってきたらどんなバツを与えちゃいましょーか♪」
 その様子を見てクランティは、うっとりした表情で呟くのであった。

「ミカ! いるのか! 返事しろ!」
 冷静さを失ったダイジローは、僅かな望みを求めて艦内を捜索していた。しかし、返事は無い。
「ブラウン! そっちにはいたか!」
 ブラウンは無言で首を振るだけであった。
 その頃、ミクロスは食料庫で見つけたビスケットを食べながら操縦室を捜索していた。
「ん? 何だろ」
 一枚のメモを手に取ると、そこには『艦が大破。脱出艇で脱出』と書かれていた。

●再会
「そっか‥‥可能性はゼロじゃないんだな‥‥良かった」
 ミクロスから渡されたメモを見て安息するダイジロー。しかし、それも束の間。レイルの声が艦内に響く。
「新たな敵機発見! コードネーム『バトル・サーバント』です!」
「巨大だ‥‥馬鹿げている」
 モニターに映る敵を見てブラウンは唖然とする。全長18メートルはあろうかという巨大な二足歩行型ロボットがこちらに近づいてきているのだ。
「二足歩行型だと? 丁度いい! 性能評価試験してやる。新兵器『スチーム・エレファント』を出撃させるぞ!」
「ま、待ってください! 艦長からの指令は出ていません!」
 ダイジローはレイルの声を無視し、強引にスチーム・エレファントに乗り込む。ミクロスとブラウンも出撃準備を完了していた。
「まぁ‥‥これは軍法会議ものですわね♪」
 クランティはその行動を止める事はなかった。

<CG戦闘シーン>

「いくぜ!」
 出撃したスチーム・エレファントは大型キャノン砲をバトル・サーバントに撃ち込んだ。直撃を受け、硬直した所を航空部隊が機関銃で一斉射撃。
「なんて装甲だ」
 しかし、ダメージは与えられない。そこへ、蜂を追い払うかのようにバトル・サーバントが大きく腕を振り、スカイ・ワスプを攻撃。
「しまった!」
 この攻撃はミクロス機に命中し、バランスを崩す。
「水平安定板がやられた!」
「大丈夫か!」
「このままじゃ、どっちにしろ地上に落下だ‥‥タダじゃ死なねぇぜ、デカブツがぁ!」
 ミクロスはそのままバトル・サーバントへ機体を突撃させた。仲間の叫び声は爆音に掻き消される。
「よくもやってくれたな! 足つきがぁ!」
 再びバトル・サーバントに狙いを定めるダイジロー。しかし、動揺と焦りで狙いが定まらない。
「部隊長、敵の注意を引き付けます」
 ブラウン機がバトル・サーバントに接近。だが、敵は予想以上に反応が早く、ブラウン機を振り払う。機体の翼を破壊されたブラウン機は、そのまま地上に墜落していく。
「翼がやられては‥‥腹を括るしかありませんね。御武運を‥‥」
「そんな‥‥ブラウン上等兵から通信が途絶えました‥‥」
 レイルは震えながら状況を報告する。
「落ち着いて下さい、まずは生死の確認を」
 絶望の中、一筋の光明が射し込んだのはその時。
「こちら、ラプティス調査団・カシス機サウス・ガンナー。これよりスチーム・エレファントの援護に入る」
「え!? カシス曹長!」
 突然、アストラル・ドルフィンへ通信が入る。受信した声を聞き、レイルは涙腺が弛んだ。でも、今はそんな状況じゃない。必死に堪えながら任務に当たる。
「何! ミカは無事なのか!」
「うそ、ダイジロー? 助けに来てくれたんだ!」
 ダイジローとミカの通信に苦笑しつつも、カシスは安堵した表情を見せる。
「水を差すようで悪いが、感動の対面はあの二本足をどうにかしてからで頼むよ?」
 カシス機はオートキャノンをバトル・サーバントに撃ち込んだ。怯んだ所へスチーム・エレファントのキャノン砲が炸裂。直撃を受け、バトル・サーバントはその巨体をラプティスの地に沈める。
「助ける側が助けられちゃいましたか‥‥」
 クランティは表情を緩めた。

●帰還
 撃墜されたミクロスとブラウンは、辛くも脱出に成功しており、無事に合流を果す。
「あんなのより艦長にこき使われる方がきついっての」
「幸運の女神のお裾分けに預からせていただいた、という所ですか」
「みんな、無事だったのね!」
 生きていた二人に喜悦の表情を浮かべながら抱きつくレイルであった。
「脱出してからずっと、彼女は君が自分を心配しているだろうと、そのことばかり気にしていたんだよ」
 カシスはからかうように言うが、今の二人にはその言葉は届いていないだろう。
「助けに来るのが遅い〜。すごく怖かったんだから」
「ゴメン‥‥ミカ」
 拗ねたように言うと素直に謝るダイジローに、ミカは笑顔を見せる。
「でも、助けに来てくれたし許してあげる」
「‥‥俺はお前のことが大好きだ‥‥失いたくない‥‥失うことなんて考えたくないぞ」
 ダイジローはミカを抱き寄せると、そっと唇を重ねた‥‥。
「地球に帰るまでが任務ですから気を抜かないように♪」
 クランティの声が艦内に流れると、隊員達は慌てて各持ち場に戻る。
 こうして、調査団を救出した『赤い瞳の鷹』隊は、地球に帰還するのであった。

 END