ご当地★HERO茨城編アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 3Lv以上
獣人 フリー
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/08〜05/10

●本文

 今週もやってきました、毎度お馴染みご当地HERO。十一回目は茨城県。
 ひと雨ごとに温かさが募り、あちこちで蛙達の元気な鳴き声が聞こえだしている。
 さて、番組制作に携わる若手ディレクターとその一行に目を向けてみよう。
 本日、彼らは何をしているかといえば、いつものように仕事の取材という名目で名物の、つけけんちん蕎麦を食べながら会議。
「いやぁ、美味しいねー」
 ズルズル蕎麦を啜り、頬を染め嬉しげにいうディレクター。
「日本全国、どこでも美味いモノが沢山ですよね。当初、この企画どうなるのか不安でしたけど、やってよかったですよ」
 そりゃ、これだけ美味いモノや色々な観光名所をご当地HERO&悪HEROに紹介してもらい、様々楽しめば本望だろう。
 うんうん、っと頷くディレクターが、
「この番組を通して日本全国の美味しいもの、楽しい場所を沢山紹介し、良さを改めて知って欲しいよね。その反面、HEROや悪HEROを演じてくれる方々には、演出等でかなり苦労を掛けてるけどね‥‥」
 ちょっぴり溜め息。だけどすぐに笑顔に戻る。
「ま、ともあれ今回もご当地HERO行ってみよう! お父さん、お母さん、お嬢ちゃんにお坊ちゃん。んでもっておじいちゃん、おばあちゃんに猫のタマコちゃんに犬のポチロウ君まで、画面向こうで楽しめちゃうような番組を作っちゃおうぜ☆」
「そのためにはいつものようにHEROを募集ですな。よぉし、我こそは楽しく元気にHEROを演じちゃうぞっていう方を呼びましょう!」
 ディレクターとスタッフは、えいえいおーっと拳を振り上げた。


■出演者を募集いたします。
 若手ディレクター企画『ご当地HERO★茨城編』に出演して下さる方を募集致します。
 この番組は『地域密着エンター風旅番組』で、挙げられた土地に因んだヒーローや悪役を募集しております。
 面白そう、この土地は任せろ! っと思った方、またディレクターのクルーとして参加して下さるカメラマンや裏方さん、脚本を担当してくださる方を同時に募集しております。
 皆様の手で楽しく地域を紹介し、視聴者の方が行きたくなるような旅番組に仕上げて下さい。
 では若手ディレクターと共にご参加をお待ち申し上げます。

■注意点と決めて頂きたいこと
・『ご当地HERO』とは地域密着型英雄で、主な仕事は地域の観光地アピールや特産物の紹介など、そしてたまに悪者を戦う事と、様々な仕事を請け負っています。
 彼らの名前や容姿、着ているもの、その他に方言や設定、人数など細かな点を皆様でお考えください。
 また同じように悪役もご一緒に宜しくお願いします。
 その場合は、必ずその地方の特産物や地域名をもじったものでお願いします。【例:埼玉HERO★ カスカビーレッド、イワッキグリーン。悪役 ソウカ堅ヤッキー等】
 なお、皆様の考えられた面白キャラクターを生かしたいとので、実在するものの使用は禁止いたします。
・この番組は特撮ではなく、彼らが戦うばかりを要求していません。仲良く名産品や名所を案内して頂いてもけっこうです。
 その場合、近場でしたら行けますが、遠距離はVTR編集となります。
・できれば最初はHEROは『道の駅』からの登場。ここは電車の止まる駅ではありません。
 ですが演出上道の駅に拘らずにいてくださってもOK。ただし紹介して頂く名産物、名所をきちんとご記入ください。
 また指定した県のアピールをお願いします。他県を紹介されても反映することが出来ません。ご了承ください。
 それと、地元からの取材協力を快く得る為、マイナスイメージの紹介内容もご遠慮ください。
・喧嘩の無いよう楽しんでお決めください。(これが一番大事)
 皆様のお好きなHEROになってくださいね。

●今回の参加者

 fa0640 湯ノ花 ゆくる(14歳・♀・蝙蝠)
 fa0791 美角やよい(20歳・♀・牛)
 fa2122 月見里 神楽(12歳・♀・猫)
 fa2539 マリアーノ・ファリアス(11歳・♂・猿)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa3611 敷島ポーレット(18歳・♀・猫)
 fa4203 花鳥風月(17歳・♀・犬)
 fa5687 天城 当真(21歳・♂・鷹)

●リプレイ本文

●隠密HERO登場!
 今日もエンターな旅番組『ご当地☆HERO』が始まる。まず始めは新4号上りに隣接する道の駅『ごか』。
 休憩所の右奥にあるレストラン、窓辺で黄昏れている天城 当真(fa5687)を捕らえる。
「やぁ諸君。俺はご当地隠密HEROの五霞弥七だ。名の通りここ五霞を紹介しよう。関東平野の大きな部分を流域とする利根川が流れ、江戸川の起点もある町なのだ。豊かな流れにより畑や田園が形成された地。その風景は美しく、とても長閑で良いもんだ。最近では県花の名前に因んで付けられた銘柄豚肉も販売され、その風味豊かで軟らかな肉質は好評となり川向こうや、長い土手の向こうの近県から買いに来る人も多い。良かったら食べてみてくれ」
 柳色の羽織に藍色の旅装束に身を包んだ彼は、些か素っ気ない。しかし隠密HEROという役通りクールに撤しているのだ。
 そこに名物の味噌饅頭が投げられた。天城はおもむろにキャッチをすると二つに割り、餡と一緒に入る密書を読む。無論、饅頭はしっかりお腹の中へ移動させることも忘れない。
「‥‥悪HEROが現れ、御一行HERO達を狙っているの‥‥か。まずいな、早く知らせなければ」
 最後の一口をごっくんすると、天城は地図を手に施設を出る。向かうは密書に書かれた『しもつま』。
 さて今回のHEROは些か時代劇風のよう。どうなるかはこうご期待である。

●悪HEROと御一行HERO見参!?
 次に映し出された場所は道の駅『しもつま』。無料休憩所で一服するのは、あの有名な方の意志を受け継ぎ、誕生したHERO、水戸のみっちゃんこと湯ノ花 ゆくる(fa0640)だ。
 頭に被る頭巾を外し、のんびり茶を啜っている。残念かな、おやつに欲しかった好物のメロンパンは仕事中の為お預けだ。
 彼女の傍には杉色の旅装束を纏う石岡獅子之進となる、美角やよい(fa0791)が常陸獅子を手に控えていた。
「ここ‥‥数日、暑いですね‥‥。カクさん‥‥ではなく‥‥獅子之進さん」
「そうですね、みっちゃん。しかしそのお手にある団扇でひと扇ぎすれば、すぐに涼風を得られましょう」
 湯ノ花の言う通り、五月晴れのおかげで些か暑い。美角は団扇を見て一言。それを機に湯ノ花は解説へ繋ぐ。
「えぇ‥‥これは室町時代の天正年間‥‥常陸太田の‥‥瑞竜町沢山の耕山寺に‥‥住んでいた‥‥雪村(画人・禅僧)が始めたもの。‥‥徳川家2代藩主の光圀公も愛用‥‥奨励したと言われてます。‥‥現在も昔ながらの‥‥手作りで‥‥雪村縁の図柄は‥‥水墨画に‥‥骨組は地元産のマダケ‥‥紙は山方町の西ノ内和紙を‥‥使う‥‥良いものです。‥‥これからの季節に‥‥ピッタリですね♪」
 彼女がゆっくりと説明を終えたその時、めっさエコーの効いた声が木霊した。
「むははは〜〜、俺様は水戸から出張してきた納豆を世に伝える伝道師、悪HERO・テングーダー様だ! 南蛮渡来のファンで香りの他、味や粘りを伝えるのもいいが、やはりここは同じ名産品である雪村うちわで扇ぐ方が一層素晴らしさを伝わるというもの! 東照大権現、家康公の時代より下る江戸末期、安政年間生まれの初代笹沼清左衛門より伝統の味を全国に知らしめる為、それを渡して貰おう!」
 高下駄に浅黄色の羽織袴。赤ら顔の鼻長面を着けた名無しの演技者(fa2582)が柱の影から現れた。因みに面の正常な位置で、色々なお約束事はナシの方向。良い子も安心だ。
 咄嗟に美角が湯ノ花の前へ飛び出す。
「悪HEROめ、関東三大祭りのひとつ、常陸総社宮大祭で使う桐を原材料にした常陸獅子の舞を見せてあげる。そうだ、噛まれてみる? 厄除けに効くよっ」
 黒子の手伝いを借り、愛嬌ある赤い顔に太眉の獅子頭を被ると器用に舞い御獅子の歯をガチガチと鳴し攻撃する。
 勿論、ネームレスもすぐにやられる訳にはいかない。ということで、打合せ通りの殺陣で避けつつ攻撃を仕掛ける。そんな彼らを湯ノ花は団扇で扇ぎ応援。
「あ、あそこに納豆入りメロンパンが?!」
「ど‥‥どこでしょう‥‥」
 美角の隙を見てネームレスは湯ノ花にありがちな引っかけをする。無論、騙されるのはお約束。
 見回す彼女にネームレスはネバネバ糸を放ち、団扇を奪う。
「ワハハハ〜〜頂いたっ! 俺様の説明で水戸納豆の素晴らしさを知ったお前達を無闇に倒すわけにはいかぬ。しかし世に広めねばならぬのだ。故に‥‥御免!」
 高笑いをする彼は懐から取り出した煙幕弾を投げつけ、煙の向こうへ消えた。
 両手の拳をぶつけ悔しがる美角の横をシュッと投げ文ならぬ投げ味噌饅頭が横切り、落ちる前にキャッチ。
「これは五霞弥七さんの文付き味噌饅頭‥‥ほう、敵は筑波に向かっているようです。私達も参りましょう」
 二人は半分こして食べながら、手紙を読む。
「はい‥‥どうでも‥‥いいのですが‥‥メロンパン型のお饅頭って‥‥ないのですかね‥‥」
 湯ノ花はお茶で口直しをしながら、拘りの一言を放った。

●団扇探しと一緒に漫遊開始?
 彼らが向かう先は筑波。広々とした芝で遊ぶ子供達の間にハードなオーラをまき散らす、長ランにドカン。駄目押しの腰まで届く鉢巻きの白さが眩しい、硬派HERO筑波 博に扮する花鳥風月(fa4203)が立っていた。他のHEROと違い時代劇風ではないが、別の意味で時代掛かった姿。昭和の良き応援団といったところか。
 悪HEROを探す美角と湯ノ花に向かって、
「押忍ッ! 待ってたッス。ここは前に万博会場として賑わいを見せていた場所で、今は公園と工業団地に転用されたその名も科学万博記念公園ッス! どうッスか広くて綺麗で良いでしょ」
「斬新な雰囲気が良いところだけれど、ここにはあの悪HEROはいないみたいだ。よし次に行ってみよう‥‥とぅ!」
 気合いを入れながら解説をする花鳥に、頷き合う美角と湯ノ花。
 三人は辺りを見回しここには来ていない事を知ると、足早に次に向かう為、放送時間短縮あんちょこ足踏みでワープ。
 すぐに移動した先が映し出された。そこは緑生い茂る山中。キツイ坂道を歩く御一行の三名。
「やはりケーブルカーを使えば良かった‥‥。休憩を入れましょうッス」
 重い衣装でヘバリ気味の花鳥。湯ノ花と美角は頷くと丁度良い岩場に腰を下ろす。
 それを合図に山斜面から現れたのは、袴に着物、長い白襷を掛け、棒状の干し芋をくわえた蝦蟇ツクバーンに扮する敷島ポーレット(fa3611)だ。
「そんな事では伝説の四六のガマ様に笑われてしまうぞ。ということでここ筑波山の解説しよう」
 敷島は早速、前撮りVTRへ促す。画面に出るのは美しく聳える山。
「標高887mの筑波山。雅称は紫峰と言い、万葉集にも詠まれ日本百名山にも挙げられている山だ。美しい名と姿から富士山とも対比され、西の富士、東の筑波と称される程。登るにはロープウェイ等を利用できるが、やはり登山が一番! 弁慶も恐怖の余り7回後戻りしたという弁慶七戻りや、がまの岩などの奇岩。それに市営の筑波山梅林など見所が沢山。これからの季節うってつけだ。そして忘れてならないのは蝦蟇の油売りの口上。テンポと歯切れが要求されるセールストークは最高だ! ではいってみよう! さぁてお立ち会い、ご用とお急ぎでない方は聞いとくれ。手前取り出だしたるは‥‥」
 色々と名所が紹介され画面は彼らの元へ戻る。と、そこに模造刀を手にした敷島が覚えたての口上と共に和紙を刻む。
 鮮やかな手つきに見入る御一行。
 突然、頃を見計らった敷島が手にした紙を舞い上げ彼らに飛びかかる。
「ははは〜HERO達よ、これでも食らえっ」
「させないッス!」
 攻撃を止めようと洋ランを開く花鳥。その内側に鏡が張られ、太陽光線を使う必殺技の為の細工だが、いかんせんここでは新緑に邪魔をされて使えない。
 そんな彼女の肩を越え襲いかかる敷島。しかし美角が御獅子の口を大きく開け立ちはだかる。
 がっぷり。
 敷島は思いっきり頭を囓られ、ぼとりと土に突っ伏した。
「どうだ、常陸獅子十六連拳の味は!」
「‥‥あたた。なぁにこの程度の傷。これさえ塗ればこの通り。しかし私の出番はここまで。さらば!」
 得意満面で必殺技名を披露する美角。打撃技ちゃうやんの突っ込みは敢えてスルーの方向だ。
 敷島はむっくりと起きあがると、歯形の付いたおデコにガマの油をすり込みながら逃走を計ったところで、CM入りをした。

●CM明けも賑やか
 明けて映し出されたのは、先程の山の風景とは異なり川沿いの長閑な道の駅『いたこ』。
 ここで悪HEROのテングーダーことネームレスが、ベーカリーカフェの美味しいパンで腹ごしらえをしていた。
「さっき弥七さんから連絡を受けた! お前か、水戸のみっちゃんから雪村うちわを奪った者は! この塚原鹿之助と、鹿島神社の総本社、御祭神は武甕槌大神で武神・軍神としてはもとより、刀剣及び弓術の神、そして雷神としても知らる由緒正しい神様とそのお使いで飼われる鹿さん達が許さん。あ、因みに鹿島という表記は、この鹿に由来しているのだ」
 色々な方々が応援してくれるマリアーノ・ファリアス(fa2539)扮する紺色の旅装束姿をしたHERO塚原鹿之助。腰の二本差しを抜き、悪HEROに挑む。
「もう追っ手が‥‥。そう易々と返す訳にはいかん! 邪魔立てするなっ納豆ミサイルアターック」
 ネームレスは懐に手を入れ、藁に入る特製の納豆爆弾を取り出すと有無も言わさず投下。
 しかしマリアーノは鍋蓋を取り出し、攻撃を防ぎつつ塚原卜伝の解説へ入る。因みにそれをどこから出したのか、問うてはいけない。
「見破ったり! 剣聖・塚原卜伝は元々、鹿島神宮に仕える神官の息子として生まれ、鹿島古流、後に天真正伝香取神道流を学び、鹿島新当流の開祖となった。若き日の宮本武蔵に挑まれた際、こうして鍋の蓋で刀を受け止めた逸話は有名。だけど、これは後世の創作らしい。そして現在の鹿嶋は北関東最大級のサッカースタジアムと名門クラブがあり、スポーツの町として栄えている。我が町と剣、そしてこの足に武甕槌大神のご加護ありっ!」
 ズバシーン!
 鍋の蓋同様、突如サッカーボールが登場。マリアーノは焦る事なく動きに合わせ大きく飛び上がると見事ボレーをキメた!
 ボールは一直線にネームレスを狙う。が、彼も打合せ通り抱き込むように掴んだ。
「良いシュートだな」
 素敵な友情が芽生えそうな雰囲気が醸し出される。そこに御一行が再三度目の登場。
「ようやく見つけたぞっ! ええい下がれ下がれ、下がりおろう!」
 時刻的にこの台詞が合う頃ということで、前後の動き関係なく美角は袂から府中杉で造られた細工物を取り出し、ばーんっと披露。無論ハテナが浮かぶその場に人達。
「ここでアレを出すと問題なので代わりにこっち。良いもんでしょ。それとこれはお香で内産の杉の葉を原料にし、水車の動力を用いた臼杵によって作られたものだ。リラクゼーションにも効果あるかもしれない」
「くつろぐのは良いものですよw そろそろ戦闘モードをお終いにして、とびきりのなごみを紹介させて貰いますね」
 お客に紛れ見ていた、涼しげな滝を青と白の配色の着物を纏うちびHERO、霞のお竜こと月見里 神楽(fa2122)が前へ出てくると、大人びた顔でご挨拶。
「皆さんが『奥久慈だいご』に着くまでの間、竜神大釣橋をVTRで説明をします。こちらは竜神峡の竜神ダムに設置された歩いて渡れる橋では、日本一大きい竜神大吊橋になります。新緑の今景色が良いですが、また秋の紅葉もお勧めです。その橋を渡った先にある竜神の絵は木製の鐘があり、愛や希望、幸福の三種の音色を奏でるそうです。県と旅の無事を願って鳴していきません?」
 流れる映像は緑眩しい渓谷。下を覗けばかなりの圧巻である。
「そして日本三名瀑の一つ袋田の滝は、四季に全て見なければ味えないと西行法師が絶賛した風景で、別名四度の滝と呼ばれる四段階に流れのある瀑布を堪能あれ」
 次もまた圧倒する美しい滝の画。落ち着いた調子で話す月見里の声がそれらを和らげる。そこで映像が戻り最後の道の駅『奥久慈 だいご』へ悪HEROを含め6名が到着した。車から降りた途端、対峙する彼ら。
「早く‥‥雪村うちわを‥‥返して‥‥ください。‥‥それがないと困る」
「ま、仕方ない。君達が代わりに納豆の素晴らしさも全国に伝えてくれ! 水戸納豆は世界一ぃ〜〜!!」
 呟く水戸のみっちゃんこと湯ノ花の言葉に、観念したテングーダーことネームレスは素直に渡す。が、石岡獅子之進の美角と筑波 博に扮する花鳥の顔色が変わる。
 そのはず、偽物だった! そこで月見里はくるりと一回転。衣装を早替えし、背中に見事な竜の刺繍を施したくのいち姿の霞のお竜となり、手ににした竜の頭を象った分銅を飛ばす!
「悪行はこの昇り竜が全て調べてるよ! 観念しな」
「くはは! バレちゃぁ仕方ないね。ほら返すよ」
 咄嗟に避けた蝦蟇ツクバーンの敷島が皆の前に姿を現した。駆け寄り連行するマリアーノの塚原鹿之助。表情はなんだか嬉しそうだ。
 敷島は本物の雪村うちわを懐から取り出し、湯ノ花へ返した。
「さぁ、全てが元に戻ったところで、久慈川の清流の畔に温泉施設を併設した道の駅の温泉を堪能し、暫し旅の疲れを取りましょうかw 因みに効能は胃腸病、神経痛、リュウマチです」
 先程の殺気を消した月見里は名物の温泉へ皆を案内する。
 今回もなんだかんだで賑やかに終わりを迎えたご当地HERO。
 そうそう、天城の扮する隠密HERO、五霞弥七は御一行達が行く次の地へ既に向かっていたのであった。