跳びハね☆トーク 壱アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/21〜05/23

●本文

 普段、なかなか見る事のないTV関係者達の素顔。ドラマで二枚目を演じるあの俳優や、演技派として有名なあの女優。美しい歌声を持つ歌手や流行を編み出すタレントさん。
 今を時めく彼らにいつも見せる面と違うところやその表情、色々なエピソード、感じたことを語って貰おうと企画された番組『跳ねる☆トーク』。
 セットの準備が整ったスタジオに一歩踏み込むと、そこはヨーロッパ辺りに現存するアンティークなお屋敷の談話室風の造りとなっている。
 豪奢な壁紙や調度品が置かれつつも、どこかしっとりと落ち着ける雰囲気となっていた。
 勿論、出演者達が座る椅子もアンティークでよく使い込まれたものが、司会者とのトークを考え、丸みを帯びた形となる雛壇の上に並べられている。
 さて準備は整った。あとは出演してくださる方々の入りを待つばかりだ‥‥。


■出演者募集
 跳ねる☆トークは、毎回テーマに基づいた芸能界でのエピソードや日常の話を展開してくださる方を募集しております。
 初回のテーマは、
『異性の言葉に思わず胸が高鳴ったこと』と『彼(彼女)に言われた、ちょっと素敵な一言』
 です。
 テーマに沿った大胆かつ、楽しいコメントやエピソードを披露して意外性や益々納得のあなたをアピールし、視聴者の方を楽しませてください。
 また番組の司会を行ってくださる方も同時に募集しております。
 どうぞ皆様のご参加をお待ち申し上げます。

●今回の参加者

 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa2122 月見里 神楽(12歳・♀・猫)
 fa2457 マリーカ・フォルケン(22歳・♀・小鳥)
 fa3846 Rickey(20歳・♂・犬)
 fa3861 蓮 圭都(22歳・♀・猫)
 fa4339 ジュディス・アドゥーベ(16歳・♀・牛)
 fa4406 珂鴇大河(25歳・♂・犬)
 fa5745 ブレイズ(19歳・♂・竜)

●リプレイ本文

●跳びハねなトーク開始!
 ヨーロッパ辺りに現存するようなお屋敷にある談話室風なセットの段差のある雛壇に並んだサロンアームチェアに腰掛ける出演者をカメラはずぃーっと流し軽く顔見せ紹介。
「こんばんは。跳ねる☆トークのお時間がやってきました。今回の進行を勤めさせて頂きます普段は歌手をしております姫乃です。宜しくお願いします」
 司会を買って出てくれた姫乃 舞(fa0634)は、少々緊張した面持ちで頭を下げる。しかし、同じ思いをしている人物が席の方にもう一人。
「わう、今回のゲストは音楽系の人が殆ど!? 俺、俳優業なんだけど浮いてないかな‥‥大丈夫?」
 俳優をしているRickey(fa3846)は周りを見てぽつり。確かに言う通り音楽関係者が多い。
 心細そうな彼に蓮 圭都(fa3861) の一つ向こうに座る珂鴇大河(fa4406) が、やんちゃ坊主を思わすような明るい笑顔で、
「大丈夫だって! 俺的には他職の人の話も色々な糧になるだろうし、しっかり聞かせて貰うぜ。どんな話がでてくるかも楽しみにしてるよ。んで特に俺のスイートにゃんこ、よろしくな。圭の言葉は要メモだ」
 どさくさに蓮の細い肩に腕を回す。
 彼らの後部席で突発な行動を目の当たりにしたマッタリ系のジュディス・アドゥーベ(fa4339) とシックなワンピを着用し年齢相当に見えるよう、おすまし登場を予定していた月見里 神楽(fa2122)がわぁっとリアクション。
 その声に驚くマリーカ・フォルケン(fa2457)は彼女達を振り返るとウフフっと何か懐かしむように微笑んだ。
 様々なリアクションがある中、蓮は珂鴇の手をチラリと見ると、
「あら、大河さん。ニャンコだなんて‥‥飼ってらっしゃる猫を連れて来てるのかしら? それにしても業界は魅力的な人ばかりだからドキッとする事は多いわよね。ただそこからの進展は難しいみたい。けど、惚気話なんて聞くと羨ましいって思っちゃうわ」
「痛ててっ?! にゃ‥‥にゃんこは連れてきてないが、猫は飼い始めたぞ、今度会うかー?」
 さり気なく抓り上げ払う。
 やられた珂鴇は少々めげるも他の話題で話を繋げていく。が、敢えなく撃沈。赤くなった手をさすっている。
「まぁ、珂鴇さん、それが圭都さんが仰っていたプロポーズですか? うふふ頑張って下さいね。そこから進展するには大変そうですが‥‥。そう、ここで皆さんの体験された『彼に言われた、ちょっと素敵な一言』を披露して頂きましょう‥‥。ブレイズ(fa5745)さん、いかがです?」
 進行すべく姫乃が今回のテーマを上げ、後部席に座るブレイズを指名した。とたんに月見里とジュディスが興味深げに彼を見て目を輝かせる。やはり女の子はこういった話題に興味津々なのだ。
 注目を浴びたブレイズは、張った気を解すようにコホンっと小さく咳払いをすると、新人の立場を考え姿勢を正し話し始めた。
「そうですね、14、5ぐらいの時、すんげー落ち込んだ俺を当時憧れていた年上のお姉さんが歌で励ましてくれた時に貰った言葉というか歌ですね。その日は丁度俺の誕生日で、それに因んだモノでした。今でも覚えてますよ‥‥
『 ありがとう、ありがとう ここに居てくれて
  泣きそうな程 嬉しいんだ だから僕は 歌うよ君に 
  涙、笑顔にしたいから おめでとう Happy birthday 』
 その真っ直ぐな歌詞が胸に凄く響いて、グッときたんすよね。俺、引き込まれちゃって‥‥。え、今はどうかですか? 実はお姉さんは体が弱くて、病院で知り合った医者の卵と恋仲に‥‥そのまま結婚しちまい、俺、失恋しました。でも、すっげぇ感謝してるんですよ。歌で人を感動させる事を教えてくれて、俺を導いてくれたんでね」
 ほろ苦い恋の思い出とその曲を口ずさむブレイズ。出演者達は彼の淡いまま砕けた想いに溜め息。
「男性って若い頃、年上の女性に憧れる事が多いと聞いた事があります。それに歌をメッセージにするというのは、音楽に携わる私達に何か考えさせられるものがありますね。‥‥あ、圭都さん?」
「ホント、私自身の歌にもそういう気持ちとか経験が結構素直に出てると思うわ。単純だけど一緒にいて嬉しいとか、共感したなんて言って貰えたりすると凄く嬉しい。ちゃんと言葉にして貰えるのは幸せよね」
「へぇ、圭都さんの曲を聴けば、恋愛観が分かるのですね‥‥。私も歌手活動をしておりますが、恋愛とは縁遠くて気持ちの込め方を悩む事があるんですよ。だからドラマで疑似体験し勉強しております。これから先に役立てたいなって」
 ブレイズの話に納得顔の蓮は自分の思いも含めて話す。姫乃も彼女の言葉に誘発され本音をポロリ。
 そんな遣り取りの中、蓮は所属するバンドメンバーを思いだし、
「そういや、うちのリーダーはわりと言葉にするタイプね。傍から見てるとラブな桃色世界よ。日本人ってそういう事あまり言わないじゃない? ま、相手によっては直球過ぎないと伝わらない事もあるのだから良いかも」
 そこにいないメンバーの内々な話を披露(暴露)する彼女。珂鴇はそれを止めることなく同意の頷きで、
「そうそう。見ててじれってぇなぁと。んでも本人達はあれで幸せなんだろうと思うな。まぁ、あんまりつれないと不機嫌になってニッコリが恐ろしくニッコリで‥‥な? とばっちりとかくるんだよ。どうにかなんねぇかな、本当。んで、テーマの素敵な一言なぁ‥‥。お付き合いゼロっつーわけじゃないが昔の事は忘れた。という事にしておくぜ。ま、聞いて嬉しいのは優しい言葉とか励ます言葉も良いんだけど、辛辣にあたってくれる言葉もある意味、良い言葉と思う。本当に俺の事を考えてくれてるからこそだって思えるじゃん。そんなわけで思ったのは圭都の言う事全てが俺の素敵な一言。コンビニおにぎり買ってきてや、帰りにファミレスいく? でもだ」
 いない事を良い事に二人は言う言う。
 彼らは一頻り話し終えると珂鴇はテーマの話題に移り、彼なりに献身的な愛を蓮に向ける。が、無論却下! 彼女は頬を染めつつも影で握られる手を再度、ギュッと抓った。
「いきなりプロポーズはちょっと‥‥。そういった事があると女性って不思議で余計慎重にガードしちゃうのよね。嫌とは言わないけど‥‥」
「うわぁ、オトナなお話ですね。私なんてまだそこまでは‥‥。素敵な方が迎えに来てくださり甘い恋をしたい、って思ってますが。ですけど実際は機会がなく難しいです〜。思えば、アノ父と兄がいますし。母や姉は細かい事を言いそうもないですけど、父と兄は厳しそうです。やっぱり家族が認めてくれたお付き合いが良いですしね」
 驚くのは、まだ未成年なジュディス。しかし胸に秘めた愛いらしい秘密を披露。しかし言葉通り、あの厳つい父では、相手もたじろぐだろう。尤もそれは自分を思っての事なのはだと承知の上。
 同年のジュディスの話に耳を傾ける月見里。その心の内は同様。彼氏さんからの素敵な言葉に胸が高鳴る日が来るかもという期待。やはりそこは普通の少女と変わらない恋を夢見る乙女である。
 無論、司会の姫乃も同様。だがここは進行の立場を保ちつつも本音をぽつり。
「あら、ジュディスさんのお父様とお仕事をした事がありますが素敵な方でしたわ。そんなにお厳しいのですか‥‥確かに家族の承諾は必要ですよね。それよりも芸能界に籍を置きますと、同世代のコみたいに恋愛を楽しむわけにはいきませんよね」
 はぁっと溜め息を吐く。少し場の空気が落ちだしたところにRickeyが手を上げ、
「ねぇ恋愛話と一寸違うんだけどさ、今、4つになる姪っ子がいるんだけど、おしゃまって言うか、嬉しくなるような事を言ってくれるんだよね。‥‥リッキーって素敵。あたし大人になったらお嫁さんになる、とか。それも会う度に。ま、大きくなったら忘れちゃうだろうし、意味が分かってる訳じゃないんだろうけど、やっぱり悪い気はしないよね」
 彼女にメロメロというような目尻の垂れた甘い笑顔を乗せる。それには皆、頷きつつ笑う。
「あらら、お顔が‥‥本当に女の子って可愛いですよね。Rickeyさんが姪っ子さんを大好きな様に、姪っ子さんも大好きなのでしょうね。素敵なお話をありがとうございます。さて、ここでCMです」
 クスクス笑いをしながら姫乃はCMへ促した。

●続くトーク
 CM明け。再びスタジオが映る。
「次のテーマはこちら『異性の言葉に思わず胸が高鳴ったこと』。そうですね、マリーカさんお願いします」
 進行する姫乃はマリーカを指名すると合わせカメラがそっちへ向く。
「まぁ、わたくしからですか。はい‥‥ではまだ場末の酒場で歌っていた頃の話を。その時のわたくしは自分の才能に疑問を覚え、歌手・音楽家としてやっていく事を悩んでました。そんな折りに先生と出会いましたの。彼はわたくしの何が気に留まったのか分かりませんが、でもそこで、今度、舞台を任される事になり、ついては音楽スタッフに加わって欲しい、とお誘いを受けたのです。それもかなり大きい劇場でのお仕事で。勉強になる事ばかりでしたが、周囲の才能に圧倒されてしまい落ち込んだ時、先生がとても真剣なお顔で、君が必要なのだよマリーカ君。私は己の目が正しい信じている。だから君を信じさせてくれないか? ‥‥っと。わたくしを包む温かな眼差しと言葉忘れません。少し自信を持てたその後、色々とお声が掛かるようになりました。あの時、先生のお言葉が無かったら、今のわたくしは無かったんですの」
 まるで恋する乙女のように淡い笑みを浮かべ思い出を話す彼女。それは背後に座る乙女達と同じモノ。やはり女性は幾つになってもそのようで魅力的な表情に暫しブレイズは見取れてしまっている。
「良いエピソードをありがとうございますマリーカさん。いつまでも恋心を持つのは魅力の一つですね。ね、ブレイズさん。さぁ次は‥‥そうですね、Rickeyさん」
「OK! そう、思い出話に因んで故郷を出てた時の事でいこう。俺さ、一人前になるまで帰らないって決めてたんだよね。で、ハイスクールから仲良かった女の子がいて、それを話したら怒った表情でそっぽを向いちゃって、勝手に行けばいいじゃない。自分で決めた事なんだから何があっても帰って来ないでよね! って強く言われちゃって。うわぁ俺って彼女にとってどうでもいい存在だったワケ!? ってどん底な気分になったんだけど、それを察したのか彼女、急に俯いて俺の服の裾を掴んで、‥‥でも寂しくなった時は電話ぐらいしてもいいわよって。もぅ何だか凄く可愛くなって思わず抱きしめた事を覚えてる。え、今どうなったのかって? あはは、秘密〜☆」
 彼もまた懐かしそうに語る。しかし背後からくる乙女二人の突きを笑い誤魔化しで避け、終わらせた。
「ん〜やっぱり男性の方はチャーミングな女の子の方が魅力なのかしら〜? 私にもそう言って下さる方がいるのですけれど、この前一番お気に入りの服を着てたら、それはやめとけって言われちゃって‥‥。似合ってないのかな、って悲しくなったんですけど、、そんな可愛らしい格好をしてたら、女神様と間違われて天へ連れて行かれちゃうぞって。ちょっと凹んだ後だっただけに、思わずドキッと〜。あ、その相手ですか? えーと、実は兄なんです〜。普段は母と郷里にいるのですが、たまに来てくれるんです。ふふ‥‥芸能人ではないですけど、結構、格好良いんです」
「あら、両方の立場からお話しを聞けましたね。一瞬ハラハラさせられた後のドッキリは、恋愛においては効果抜群そう。しかしジュディスさんはお兄様ですか‥‥」
 次いだ二人の話に言葉を返す姫乃。そこに黙していた月見里が手を上げ、
「神楽は可愛いより、綺麗がドキってします。ん〜分かりにくいかな? えぇと、今日も可愛いね。も嬉しいけど、何となくお嬢ちゃんな子供扱いされてる印象があるんですよね〜。けど、綺麗になった? って言葉は疑問形だけど、落ち着いた響きっぽいじゃないですか。少し大人っぽくなれたかなって期待しちゃう。え、解りづらい? 些細な違いですけど‥‥うふふ、女の子って難しいんですよ〜」
 小首を傾げ話す彼女。その言葉にスタッフが裏から、からかう。
「神楽ちゃーん、綺麗ー」
「あ‥‥誰です、からかうのは!? 前に言ってくれたら胸キュンだけど、今、言っても遅いですよー」
 茶々に頬を膨らます月見里。しかし冗談だと知っている為本気ではない。その遣り取りのおかしさに一同大笑い。
「あら、可愛いと言われるのは良い事よ。私のドキっはそう言うカンジかしら。実は失敗を引きずる質なんだけど、さらりと明るく受け止められて、意外にうっかりさんなんだ。って言われ処理されると、ときめいちゃう。ま、異性に限らず場の雰囲気を明るくしてくれる人に惹かれるのよね」
 やっぱり愛らしく場を盛り上げる月見里に蓮はニッコリ笑顔で自分の話を交え説く。そこに珂鴇が再三のアタック。
「俺は圭都限定で常に胸は高鳴りまくりだぜ。今もバクバクドッキドキしてるぞ。なんだろう‥‥ビビっと電気が走るというか、なぁ圭都‥‥って?!」
 腕を回そうとするが、スルリと翻されてしまい行き場を失った珂鴇。慌ててバランスを取る彼の前に、姫乃がすぃっと現れ、
「いかがでした、楽しんで頂けたでしょうか? 今回のトークはこれでお終いです。ではまたお会いしましょう」
 最後の挨拶を終えると、一同が手を振る。振れないのはズルッと転けた珂鴇だけ。しかし引いたカメラによってその場面は映らず、彼の名誉が保たれたと思う。