跳びハね☆トーク 弐アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/26〜06/28

●本文

 普段、なかなか見る事のないTV関係者達の素顔。ドラマで二枚目を演じるあの俳優や、演技派として有名なあの女優。美しい歌声を持つ歌手や流行を編み出すタレントさん。
 今を時めく彼らにいつも見せる面と違うところやその表情、色々なエピソード、感じたことを語って貰おうと企画された番組『跳ねる☆トーク』。
 セットの準備が整ったスタジオに一歩踏み込むと、そこはヨーロッパ辺りに現存するアンティークなお屋敷の談話室風の造りとなっている。
 豪奢な壁紙や調度品が置かれつつも、どこかしっとりと落ち着ける雰囲気となっていた。
 勿論、出演者達が座る椅子もアンティークでよく使い込まれたものが、司会者とのトークを考え、丸みを帯びた形となる雛壇の上に並べられている。
 さて準備は整った。あとは出演してくださる方々の入りを待つばかりだ‥‥。


■出演者募集
 跳ねる☆トークは、毎回テーマに基づいた日常のエピソードや芸能界での話を展開してくださる方を募集しております。
 二回目のテーマは、はやり6月、ジューンブライドに因んだこのテーマ。
『あぁ愛されてるんだと思う夫・妻の言動 』と『相手(夫・妻)に言われた、涙の一言』
 です。
 テーマに沿った大胆かつ、楽しいコメントやエピソードを披露して意外性や益々納得のあなたをアピールし、視聴者の方を楽しませてください。
 また番組の司会を行ってくださる方も同時に募集しております。
 どうぞ皆様のご参加をお待ち申し上げます。

●今回の参加者

 fa0379 星野 宇海(26歳・♀・竜)
 fa2847 柊ラキア(25歳・♂・鴉)
 fa2899 文月 舵(26歳・♀・狸)
 fa3092 阿野次 のもじ(15歳・♀・猫)
 fa4002 西村 哲也(25歳・♂・ハムスター)
 fa4579 (22歳・♀・豹)
 fa4619 桃音(15歳・♀・猫)
 fa4769 (20歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●跳びハねなトーク開始!
 ヨーロッパ辺りに現存するようなお屋敷の談話室を思わすセット。一段高い雛壇に並ぶサロンアームチェアに腰掛ける出演者をカメラは流し、軽く顔見せ。そして司会者に繋ぐのだが、今回は前と勝手が違うよう。
 ハンドカラオケから流れる曲に合わせ司会を勤める阿野次 のもじ(fa3092)が軽やかに踊りながら、
「好き好き好き好き好きぃ〜ダぁイキライっ!」
 個人のアルバムに収録される『LOVELOVEダイキライ』のサビでシャウトを決めた。
 どうやらアンティーク調の家具のある現場に華やかさを加えるという演出らしい。が、それは賑やかという言葉が正しいようだ。
 しかもぶっ飛んだ始まり方に、視聴者もゲストも戸惑い呆然としている。
 そんな事などそっちのけで阿野次は熱唱し終えたところで満足して司会を始めた。
「‥‥ということで司会の阿野次のもじです。今回は6月という事でズバリ、夫婦についてトーク☆ もちろん多彩なゲストさんからのオモシロエピソードや根畜生っなノロケ話を聞かせて頂きますv」
 番組を進行をする彼女を追うカメラ。だがまたもぶっ飛んだというか、少々お行儀の悪い行動を露見してしまった。
 なんと用意されている司会者用卓上に乗り仁王立ちにふんぞり返っていたのだ。
 無論誰もが絶句状態。しかし阿野次はノープログレム。どんどこ進んでいく。
「まずこちら『相手(夫・妻)に言われた、涙の一言』から。いってみよーか、西村さん」
 阿野次は有無も言わさず前列に座る西村 哲也(fa4002)にネタ振り。彼は突然の指名に驚きながらも端整な顔に柔和な笑みを乗せ話し出す。
「お、俺からですか? 仕事でちょっと癖のある人物を演じる事が多い所為かインタビューでいつもそうなのですか? と聞かれるのですが、普段はそりゃぁもぅ紳士ですよ。ホント」
 機知の効いた西村のコメントに、誰もが軽く笑い耳を傾ける。特に興味津々な顔で二組のカップルを見つめるのは桃音(fa4619)。
 やはりこの年頃のお嬢さんというのは甘い物と素敵な恋愛話が好物なのだろう。愛嬌のある大きな瞳を輝かせ聞いている。
 そんな背後からの熱い視線に笑いつつ、西村は隣に座る豪奢な赤いドレスに豊満な身を包んだ公認の恋人の檀(fa4579)をチラリと見やった。
 そう、彼女と初めての共演に心臓は強く鼓動し、今にも張り裂けそう。だが隠すように言葉を紡ぐ。
「そうですね、彼女って普段はかなりキッパリしてるんですが、一緒にいる時はとにかく俺を立ててくれるんです。ま、常々それが当たり前だ。って、思っちゃいけないって言い聞かせているんですけど、そう出来た人間じゃないんで、つい我侭言っちゃっうんですよ。後ですごく申し訳ないって思うんですが‥‥。いつだったか『いいのよ、そうやって考えてくれてる事が一番嬉しい』って。逆にありがとうって返してもらって、情けないんですけど泣きました! あの時から絶対に大事にしなきゃと思いましたね」
「で、でましたぁ〜! 初めから、す、凄いですねぇ〜〜」
 甘いコメントに一同、おぉっと桃色な、どよめきで反応。阿野次に至ってはわざわざ卓から移動したソファの背もたれから転がり落ちるという大袈裟なリアクション。無論、両足はVの字におっぴろげだ。
 それは怪奇ミステリーで有名なシーンの模写のよう。かなりの大胆ポーズを決める彼女だが、それも衣装の下に穿いたスパッツのおかげ。
 あまりの反応の多さに檀は頬を染め恥ずかしそうに俯くと、起きあがった阿野次が、
「どうです、檀さん、その時を思い出しますか?」
 レポーターの如く素早い突っ込み。檀は顔を上げて話し出す。
「えぇ。勿論。‥‥私の場合、役に入り必要な時に自然と涙が流れますけども、私生活ではなかなか無いですから。感動ものの映画など観てもあまり涙はでませんし。この通り泣く事が少ないのに、あの時は自然と涙が落ちてしまい吃驚しました」
 一息、西村を見詰め頬笑むと、また言葉を進める。
「私が自然と発した言葉に涙を流す哲也さんを見ていたら、なんとなく気持ちが伝わってきて嬉しくてつられて笑い泣きしてしまったんです。本当に私を大事にしてくれているんだ、私も大事にしなくちゃって。その時に貰った温かい言葉は嬉しいものでした。ちゃんと全部覚えてます。そして愛情の再確認も出来ましたし。私の方こそいつもありがとう、哲也さん」
 照れながらも西村に寄り添う檀。仲睦まじき事はよき事。番組を通してまた愛を再確認した模様。
「ん〜男の涙は女を本気にして、んで女というか女優の涙と統計は当てにならないっと‥‥。では次のお題は『あぁ愛されてるんだと思う夫・妻の言動』。西村&檀カップルに負けないラブラブを見せて貰いましょう。文月さん〜」
 阿野次はメモを取りながら、よく解らない合いの手を入れ早々に次のお題へ移る。
 指名されたのは前列に座る文月 舵(fa2899)。婚約者である柊ラキア(fa2847)は、些か緊張気味の彼女の手をそっと繋ぎ安心させている。
「うちですか‥‥へぇ。うちの場合は告白‥‥をしてもろた時に思やはったんどす。ずっとリバティのメンバーという『特別な仲間』のグレーゾーンが長くて、ちゃんと意識し始めたのは遅かったんどす。ほんまは直感ゆーのもあるんでっしゃろけど、それよりも大事やからこそ時間も掛けたかったし。けどはっきり言葉にしてもろうて、ああ、こへんなに幸せになはる言葉もあるんかて。後でメンバーに聞いたら、キューピッド役をリーダーがしてくれて‥‥ほんまに心配してもろたみたいで‥‥。祝福して貰える幸せもおたんや」
 空色の瞳を嬉しそうに細め、優しげな京都弁で話す文月。そこで柊が、
「そうそう同じバンドをやっていて普段もどこでも一緒なんだ! ほんと舵と出会えて良かった。僕は世界一の幸せ者です。一緒にいるだけで愛されてるなぁって思うんだ。けれど別々にいてもそう思う。いつもどこでも愛されてるなぁって‥‥v だって互いの想いを長い時間掛けて、ものすっごい大事に育ててきたんだ。勿論、これからも大切に育てていくけどね。どこにいても何してても、距離があっても愛し愛されって幸せだよね。こういう関係! ね、僕の未来の奥さんっ。気持ち的にはもぅハニー‥‥だけどv ねー舵ぃお式はいつしよう? あ、あれ? なんかずれてるずれてる」
 ハイテンションでお惚気を飛ばす柊。阿野次は耳を塞ぎ頭を左右に大袈裟に振りながら、
「キャーそれ以上はもう駄目ぇ」
 などと叫ぶと笑いが起こった。檀も声を立てて笑いながら純粋に話を楽しんでいるよう。西村は彼女に優しげな視線を送りつつ、知り合いの話や自分の事を知ってもらう良い機会に恵まれて嬉しそうだ。
 皆の声に柊は照れ笑いを浮かべると、舵が、
「‥‥この通りラキちゃんには、仕事やなんかで進む時にさり気なくおせなを押してもろたり、手を引いてもろうたり。そへんゆー気持ちをうちも返せたらええさかいすけど。言葉にするには恥ずかし事もありおすなぁ」
「うわぁ‥‥舵の笑顔! 僕だけにね僕だけにね‥‥ぎゃあ! もう今夜、夢にでそうっ」
「ば〜か〜も〜のぉっ。人に夢って書いて儚いって読むのだぁ。笑顔も儚いものなのです!」
「え? 舵の笑顔は儚くないよね? ないよね? って、あ〜もぅはーずかしいなぁ。ほんと舵が僕にくれる笑顔や言葉の全てがすっごく愛に満ちてるよ! えへへ、だから僕も大好きを示そうと思って。指輪の交換しよう」
 阿野次の言葉に不安に駆られたのか、柊はつい聞き返す。文月は無いというように微笑み頷いた。そこで気持ちを形にしようと柊は真顔で、しまっていた指輪・ライトレインを取り出すと文月の左手の薬指に嵌める。
「‥‥はい、交換。今までもこれからも舵が僕の一番です」
 実直で揺るぎない言葉。受けた文月は驚きと喜びの混じった表情で柊を見つめ、一呼吸の間を置くと同じ指輪を取り出し、彼の左手薬指に。
「これがなくても、殆ど一緒にいるんやけど、ほな‥‥大事にしてね」
 本当に柊だけに向けられた文月の最高の笑顔。揃いの指輪は喜びの涙のようにダイヤがライトに反射し輝く。
 傍観していた一同の拍手喝采。後部席に座った星野 宇海(fa0379)は二人に声を掛けた。
「ラキアさん、舵さんおめでとう! なかなかお会いできなくてお祝いを言えませんでしたけれど‥‥ここで言えましたわ。本当にお似合いですわね。末永くお幸せにね〜」
 祝辞を述べると間を置き、今度はお題を話し始める。
「素敵な場面の後で迷うのですけれど、私も一つ。えぇ、まだ未婚ですが‥‥一応、恋人はおりますの。つい先日世界的に立場の強弱が暴かれ‥‥いえ、何でもありませんのよ」
 途中、何かを誤魔化すように咳払いを一つ。そして意味深な笑みを浮かべ話を進める。
「当て嵌まると言えば、『嫁に貰いたいのは宇海だけ』かしら? ホントくらりと来た言葉でしたわ。最も‥‥その前に『好きな子は沢山いるけれど‥‥』が入りそうですけれどね」
 邪気の含んだ笑顔。美しい顔だけに凄みも効いて恐い。
「何しろ喧嘩の最中での言葉でしたので。まったく‥‥可愛い子に眼がない彼は困りますわ。首根っこ捕まえておきませんと、不安で仕方ありませんの」
 溜め息をつく星野の顔に恐い笑みから困惑の笑いへ差し変わる。
 そこにタイミングよくADがフリップを掲げた。それを読む一同。阿野次は声を出し読んだ。
「マネージャーさんメモによると本気で怒っていたとの事。別れると沸々と‥‥。結局は元の鞘に戻った様ですがカカァ天下は拍車が掛った模様です」
 ここまで暴露されると、リアクションが難しいトコロである。星野が困っている矢先、一つ向こうに座る桃音が、
「やはり色々な愛の形があるのですね。本当に良い勉強になりますの」
 のほほんとした口調で話し始める桃音。先程から聞かされたカップルのラヴな話に触発されたようである。
「私に今のところ相手がいないので、勝手に愛されてるなぁと思った事をお話をしますの。多分、ちょっとは好かれてるかも? と思ったレベルな事なのですけれど。実はある方に特に約束したわけでもなく自然と一緒にいたり、向こうから来たり‥‥。私が一人でいた時に何度も名前を呼ばれ探して貰ったりとかした事があるんですの。その方とお話ししていくうちに自分だけに彼の隠している弱い所や涙を見せてもらった瞬間が嬉しいかったですの! きゅんとしましたの」
 白い頬を染める桃音。なんだか淡い片恋のようで愛らしい話だ。
「これだと普通でしたら、かなり意識している者同士と思うのですけど‥‥違うんですの。相手が勘の良い方でしたらとっくに気付くハズですけれど、仕事バカだったり、本当にそうだったり‥‥鈍くてどうしようもない人が世の中にはいますの。私から言ってしまえばいいのですが、理想は『牛歩でもいいから相手に言わせる』ですから、譲れませんの! お仕事の仲間やファンの皆様にも応援のお声を掛けて頂いてますから桃音は、頑張りますの!」
「あらそうなの桃音ちゃん? 気になる方がいらっしゃるのなら、待つよりも首に鎖を掛ける勢いでアタックですわよ♪」
 なんとなく桃音の隣に座る青年を見つつ、餌を見つけた猛禽類のようなゴーングなアドバイスを嗾ける星野。
「ちょナニその裏技、後でソレ、エOK? やったー。ま、確かに押しても駄目なら引いてみな。引いても駄目なら押し倒せっですね」
 一緒に聞く阿野次は納得顔。彼女も桃音同様に乙女なのだ。尤も少々ブッ飛んではいるは、だが。
「ん〜今日日の女の子は恋に頑張り屋さんですね〜。俺の話もいいですか? 特定のお相手が決まってないから一人よがりな話になっちゃうし、どことなく桃ちゃんと似てるんですけれどね」
 両隣からの強い視線を感じているハズなのだがまったく動じていない忍(fa4769)。どうやら本日マッタリ系のよう。
 ドラマで見せるシリアスで美麗な彼とは違い朗らかな口調で話を始めた。
「‥‥楽しいとか嬉しいと思う時の俺って、とても解り易いと思うんだけど、逆に悲しいとか辛いってのは周りから解り辛くして、見せないようにしてるんだよね。そういう時は大抵、笑って誤魔化したり、おバカな事で流したりして自分でも気を紛らわせてたりしてるんだ。でもこの前、とても悲しい事があって結構、落ち込んでた時にいつものように笑って誤魔化してたら『らしくない事しないで泣けばいいんですの』って突然言われて、不覚にも泣いてしまったーんですよ」
 聞き入る一同に忍は一呼吸置くと話を進めた。
「いやもう、その子とはよく遊んだり仕事してるけど、そんなの言われたこと無かったから吃驚! あぁ気が付いて貰えたっていう嬉し泣きも入って‥‥。非常に恥ずかしかったです。けど落ち着くまで傍にいてくれて、俺としては情けなかったんだけど嬉しかったかなぁ。ここでは相手が誰かは言わないけどねー!」
 最後相手の名前を明かさず話を締める。が、語尾で誰だか気付いてしまったスタッフ。しかし忍はまーったく解っていないよう。
 阿野次もさり気なく見つめつつ、番組の締めに入った。
「楽しんで頂けたでしょうか? 今回のトークはこれでお終いです。またお会いしましょう!」
 どげしっ
 挨拶中に忍の座る椅子に桃音はこっそりローキックを見舞う。椅子は大きく揺れ忍は転げてしまった。が、そんな事をヨソに他の出演者は手を振り、カメラはゆっくりとズームアウトしていった。