跳びハね☆トーク 参アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 07/16〜07/18

●本文

 普段、なかなか見る事のないTV関係者達の素顔。ドラマで二枚目を演じるあの俳優や、演技派として有名なあの女優。美しい歌声を持つ歌手や流行を編み出すタレントさん。
 今を時めく彼らにいつも見せる面と違うところやその表情、色々なエピソード、感じたことを語って貰おうと企画された番組『跳ねる☆トーク』。
 セットの準備が整ったスタジオに一歩踏み込むと、そこはヨーロッパ辺りに現存するアンティークなお屋敷の談話室風の造りとなっている。
 豪奢な壁紙や調度品が置かれつつも、どこかしっとりと落ち着ける雰囲気となっていた。
 勿論、出演者達が座る椅子もアンティークでよく使い込まれたものが、司会者とのトークを考え、丸みを帯びた形となる雛壇の上に並べられている。
 さて準備は整った。あとは出演してくださる方々の入りを待つばかりだ‥‥。


■出演者募集
 跳ねる☆トークは、毎回テーマに基づいた日常のエピソードや芸能界での話を展開してくださる方を募集しております。
 三回目のテーマは梅雨に因んだこのテーマ。
『チャレンジャーになってみよう・だなぁと思った事 』と『なんだか、むぅっとしたこと』
 です。
 どこが梅雨? と思ったあーた。それもOK! ビシバシテーマに沿った大胆かつ、楽しいコメントやエピソードを披露して意外性や益々納得のあなたをアピールし、視聴者の方を楽しませてください。
 もちろん脱線もアリ。楽しんで発言してくださいませ。
 また番組の司会を行ってくださる方も同時に募集しております。
 どうぞ皆様のご参加をお待ち申し上げます。

●今回の参加者

 fa1013 都路帆乃香(24歳・♀・亀)
 fa2378 佳奈歌・ソーヴィニオン(17歳・♀・猫)
 fa3211 スモーキー巻(24歳・♂・亀)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)
 fa4578 Iris(25歳・♂・豹)
 fa4808 柊棗(17歳・♀・小鳥)
 fa5307 朱里 臣(18歳・♀・狼)
 fa5757 ベイル・アスト(17歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●跳びハねなトーク開始!
 ヨーロッパ辺りに現存するお屋敷の談話室を模した風なセットの雛壇に並べられたサロンアームチェアには様々なジャンルから集まった7人の出演者が座っている。そこをカメラはずぃーっと流す。
 そして今回、司会を勤める黒のスーツにコート姿のベイル・アスト(fa5757)が拍手の中登場した。
「皆様、ようこそ『跳ねる☆トーク』へ! 番組三回目の司会進行役を勤めさせて頂くベイルと申します‥‥」
 パチン☆ ポォォン!
 彼は一礼をし、おもむろに右手の指を軽く弾く。途端に一輪の向日葵が現れた。
 突然のマジックに前列中央に座る柊棗(fa4808)と、その背後、薄桃色のドレスを纏う都路帆乃香(fa1013)が驚き目を丸くする。
 都路を挟む男性陣、スモーキー巻(fa3211)にIris(fa4578)は、見事な手さばきに拍手。が、ベイルはちろり花を見るなり、片眉を上げる。間違えたという風な演技だ。スッと軽く左手を花に翳すと、また軽快な音と共に花がマイクに変身!
 出演者やスタッフから更なる拍手が送られる。ベイルは目礼をし、会場が落ち着くのを見計うと進行を始めた。
「今回のテーマは梅雨に因み『チャレンジャーになってみよう・だなぁと思った事 』と『なんだか、むぅっとしたこと』です」
「あははは‥‥このテーマのどこに梅雨が因んでるんですかねぇ?」
 柊棗の左側に座る朱里 臣(fa5307)が、当然のような突っ込み。同様に頷くのは朱里の右隣、フリルの間から垣間見える胸元がセクシーな佳奈歌・ソーヴィニオン(fa2378)と一つ向こうの長い足を組み替える椎名 硝子(fa4563)である。
 綺麗なお姉さん&可憐な少女の突っ込みにもベイルは平坦な姿勢を崩さず、
「ご意見はご尤も。確かに何処が梅雨なんでしょう? ね。まぁこの話は‥‥追々解明すると致しまして、揺り籠から墓場まで‥‥産声から断末魔まで。ありあらゆるお話を期待し、また聞かせて頂きたいと思います。それでは皆様、まず始めのテーマから『なんだか、むぅっとしたこと』。どなたかありますか?」
 彼も疑問に思っているらしいが、ここは進行の為に突っ込みをサラッとかわしトークを促す。
 指定されたお題に思うところアリで、手を挙げたのは柊棗。ベイルの軽く手を差しだす合図に話し始める。
「ベタなネタなのですが‥‥。やはりこの時期の天気って曇りや雨が多く、洗濯物なんかも部屋干しが多いんですよね‥‥」
 柊棗は普段、知る事のない清純派アイドルの日常トークを繰り広げる。
「今はプロダクションに併設している寮の一室を借りて住んでいるのです。一応、洗濯室があって、各自洗濯し乾燥できるようになってるんですよ。でもこの前、乾燥機の方が故障しまして仕方なく自室に干したのですが、仕事から帰ってきてキャミソールを見たら‥‥何やら見慣れない柄になってるんですよ。こんな柄だったかしらって? ってよく見ましたら‥‥」
 柊棗は声をひそめる。誰もが次を聞こうと真顔になった。少し間を置き、
「‥‥カビだったんですよ〜!」
 その一言にドッと笑いがスタジオを包む。話す本人は困ったような恥ずかしいようなの苦笑を浮かべるもきっちり最後のオチ。
「隣室の方にも聞きましたら、皆さんもカビが生えたって言うんです〜。その後クリーニングで綺麗にして頂きました‥‥。今時、密閉型の部屋が多いので発生しやすいんですよね‥‥皆さんも気をつけてください」
「そうなんです。ただでさえこの時期は気候が不安定で洗濯物も乾かず、その日に着たかった服が着られなかったり、雨を心配して白いワンピを諦めたりが多くて、気が滅入りますよねー‥‥。私も服と言いますか、雰囲気の所為でむぅっとした事がありますの」
 柊棗の左後ろに座る都路が頬を膨らましている。どうやら昔のむぅっとした事を思い出したらしい。ベイルはスッと手を出し促した。
「普段の洋服ってドラマやTVの衣装と違うじゃないですか、その時の事なんですけれど‥‥私服はTV出演時よりもちょっと大人っぽい服なんです。それでタクシーに乗った時に運転手さんから、貴女、都路さんに似てるねって言われたんです! 自分にそっくりって‥‥。服や雰囲気の所為か気付かれる事なかったんです。そして更に話が進んで、あの人、もう少し色気とか出てくれば綺麗なのになって‥‥」
 思い出しただけで笑顔が引きつる程のよう。
「どうも運転手さん的にTVの私は、年相応に見えないようで‥‥。本当に最後まで気付かれませんでした」
 慰めるべきか突っ込むべきか、どう反応して良いか解らない男性達。しかし女性達はあるのよねーそういうの等とトークを弾ませる。
「ほんとレディに対して失礼なっ! て感じです。あ、私もむぅっとした事を話したいな。梅雨に絡めたネタで。ばっちり持ってきました」
 振り返り話す朱里が都路に相づちを打つとベイルへ向き直った。どうやらテーマに沿った話に自信があるよう。可愛く胸を張る。
「ほう、どんなことでしょう?」
「私は小さい頃から髪を伸ばしていて、ご覧の通り長いんですよ‥‥」
 興味ありげなベイルに促され、話し始める朱里はポニーテールに結う灰色の髪をふわり前へ持ってくる。
「むぅっとしちゃう事はこの髪! 柔らかすぎてこの時期、どうしても湿気で膨らみ纏まらないんです。今はかろうじて纏まってますけど、ほんっと大変なんだからっ! 今、同じような髪質を持つ方が観ていたら絶対、頷いてますよね」
 朱里は話をしているうちに熱を帯びだす。
「纏まらない事もむぅもなんですが、何よりももっとむぅは、ストレートの方にそれがどうしたの? って思われる事っ! 悪意からでないのは分りますけど、この苦労を大したことないみたいに言われると‥‥ね。あの人が朝、目覚めたら天パになってますようにとか星に願っちゃうもの」
 をぃをぃ。
 誰もが朱里の言葉に心の中で突っ込み。
 聞いていたスタッフは願った相手がアフロになった様を想像してしまった程だ。
「それでもロングが好きだから根性で伸ばしますけど。今日も綺麗な方が多いですよね。それを保つにも気合いが必要ですよね」
「お洒落をするにはこの時期、なお大変そうですね‥‥ご健闘をお祈りしつつ、次のテーマ『チャレンジャーになってみよう・だなぁと思った事』‥‥。はい? Irisさん」
「テーマを移る前に俺のプチむぅっとした事を一つ‥‥。姉には内緒なのですが、前回の放送で姉が恋人とイチャイチャしてたのが、むぅっでした」
 眉を顰めた表情で話すIris。尤も収録で話せば内緒も何もない。ドッと笑いが起きた。
 Irisは意外なセンスを披露しつつ、本題へ移す。
「チャレンジャーって特になってみようと思った方なんですけど、‥‥皆さん、俺っていくつくらいに見えます?」
 グッと共演者の興味を引っ張る彼。隣に座る都路が小首を傾げ、前列に座る椎名と佳奈歌は振り返りながら、
「そぉねぇ‥‥20代半ば‥‥後半? はいってないはわよね?」
 などと語り合う。彼は一つ溜息を漏らし、
「‥‥大体よく言われる年齢です‥‥。実はまだ二十歳なんです。ホラ、年齢を明かすと大抵驚かれるんですが。この業界、若く見える人が多いからなのかなあ‥‥ちょっと臣‥‥! カメラさん並べて撮ってもらえます? ホラ、同い年でしょ」
 驚きの声が四方から上がる。Irisは、やっぱりという風な表情を浮かべながらも、前列に座る同年の朱里に顔を寄せ、些か悪あがき。それでも少し納得されない声が上がった。
「‥‥この顔と雰囲気の所為か、ドラマでも落ち着いてたり一癖ある大人の男役が多くて、スキルが足りてない分、毎回プレッシャーを感じたりするんですよ。やるからにはリアルを目指したいし‥‥。それが俺のチャレンジだったり。普段結構ズボラなんですけど、役作りをする際、行動が苦にならずにいるので結局この仕事が好きなんだろう、と思うんです」
 年齢の件は半ば諦めつつ話す彼。やはり仕事に関しては好きなようで目が輝く。
「そう、役作りって大変だけど面白いわよね。私もモデル業一本だったところから、お芝居のしの字も知らない状態でドラマや映画の仕事に飛び込んだの。我ながらそれってかなりチャレンジャーだったと思うわ。あの頃のVTRの再放送を観ると、穴を掘って埋まりたくなるわね。今は演技も少しは上達した‥‥と思いたいけれど」
 同意する椎名。彼女の言葉にIrisは頷く。
「プレッシャーも多いけれど、集中し役に入るのは生きてる感じがします。なりきりも俺の一部って事で。だから色んな経験して増やしたいですね」
「ホント、若い頃なら勢いで何でもこなせるけれど、年齢が上がるにつれて、新しい事はなかなか‥‥難しいわ。やれるうちに何でもやった方がいいわね」
「そうだよ、やれるのなら何でもすると良いよね。日々精進とチャレンジ。僕もデビューしてから特にそうなんだ」
 芝居と音楽。畑違いではあるがスモーキーは共感し加わる。ここで彼もチャレンジャーな話を披露。
「アマチュア時代はベース兼作詞作曲担当をしてたけれど、演奏技術は疑問視されながらも作詞作曲等の方に良い評価を貰ったんだよね。だから自分の為ではなく、人の為に曲を作るという方向で業界に入ったんだ」
 ふっと息を継ぐ彼。柊棗と朱里は背後の彼に体を向けながら話を聞く。
「でも、やはりアーティストへの思い断ちがたく、ベースやギターを再開。気がつくとメインやソロで歌っている事まであったり‥‥。アマチュア時代はバックヴォーカルしか経験がないのにね。本当に毎日、自分に何ができるか? と考えて暮らすのは楽しいよ。‥‥つくづくチャレンジの日々かな。勿論、向き不向きや上手下手があるわけだけど、ただ真っ正面からぶつかるんじゃなく、自分の持てるモノを色々と工夫して、それで良い結果が生まれた時、かなり嬉しいものだよね」
 しみじみと話す彼に今度はIrisが頷く。
「歌や演奏にしても自分の技量は百も承知してるよ。それを作曲段階で工夫や編曲、演出などで底上げし実力以上のものを見せていく。‥‥ここまでに考えが至るまで随分と遠回りしてしまった感はあるけど、回り道して色々と知っている分、強いよね。やっぱり前に進む事を止めず、チャレンジを続けるって大切だね」
「そうなのよ。皆さんも若いうちは失敗を恐れずに何にでも挑戦して行くと良いと思うわよ」
「うん、挑む気持ちは忘れてはいけないよね」
 パチパチパチー!
 スモーキーの話にIrisのチャレンジ精神な一言。頷く椎名。素敵な話の三連発にスタジオに拍手が湧いた。
「良いお話しを有難うございます。‥‥あ、椎名さん。なんでしょう」
 手を叩きながら司会に勤しむベイル。そこで手を上げた椎名に気付いた。
「そう、私のもう一つチャレンジャーの話を。本業のモデルってお芝居以上に色々な衣装を着る機会があるの。私はセクシー系や多少露出度が高い系統の衣装なら気にならないのだけれど。フリルやリボンがいっぱいな衣装だと羞恥心が‥‥。まぁ仕事だから、どんな衣装でも着るけれど、確認モニター越しで見るフリルワンピースを纏う自分の姿に、これはかなりチャレンジャーよねって思ってしまうのよ。尤も一度レンズが向けば、頭が仕事モードに替わって余計な事は考えなくなるのだけれどね」
 良い話の後になんだかホッとする様なコメント。一同笑顔に包まれた。


「あたしもチャレンジャーだなぁって思った事を話したいと思います。実はこう見えて結構お酒が好きで、おつまみと称して冷蔵庫にあるあり合わせのモノで面白そうな料理をするんですよ〜」
 最後に佳奈歌がお題トークを始める。っと、彼女の言葉にベイルは大きなカーテンをどこからか用意。
「そうなのですか‥‥では」
 ボンッ!
 片側を持ったスタッフと共にゆるゆると左右に布を振った。途端に音と煙が上がる。
 ベイルがカーテンをスッと除くと、簡易キッチンがそこにあった。出演者達は驚くも歓声を上げる。
 ベイルは薄く笑み、佳奈歌の手を引く。
「ではこちらで話ながら作ってください」
「え? あ、はい〜☆ ではつい先日作ったおつまみを。あの時、寮の調理場の冷蔵庫を調べてみたら冷凍の枝豆があったんですよ」
 戸惑いながらも置かれたエプロンを着け、改めてトーク開始。
「ただ解凍するだけって芸がないと思いまして、‥‥更に漁って使いかけの大蒜も発見したので、それを微塵切りにして熱した胡麻油の中に加え、香りが出るまで炒めて、一味唐辛子で味付け。その後に冷凍枝豆を一気に炒めれば完成‥‥!」
 手際よく包丁を使い、鍋に油を引き炒めていく彼女。最後にジュワッと冷凍のままの枝豆を加え炒めて、皿に盛る。
「食べてみたら意外とイケるんですよ〜☆ 普段はワインを好んで飲むのですが、これはビールにぴったりなんです☆」
 スタッフと共に紙皿を配り試食会となった。一同、笑顔で箸を進める。
 嬉しげに微笑む佳奈歌は、
「この他にもコンビーフを伸ばして焼いたりとかもいけます〜☆ 試してみてくださいね」
「如何でした、楽しんで頂けたでしょうか? 今回はこれでお終いです。ではまたお会いしましょう」
 ベイルが締めの挨拶をすると、出演者達は箸を休め手を振る。スタジオ中が良い話と美味しい匂いに包まれながら番組は終了を迎えた。