Evans Twist&Shoutアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 やや難
報酬 不明
参加人数 10人
サポート 0人
期間 09/09〜09/11

●本文

 ここは波止場の一画に建つライヴハウス兼バーの『EVANS』。
 薄暗い店内は紫煙と酒の匂い、密やかに聞こえる怪しげな会話。そしてオールディズの曲が足を踏み入れた者にまとわりつく。
 陰と陽。独特な雰囲気を持つ店だ。
 興味本位に足を踏み入れただけの者はここで踵を返し、戸を閉めるのはザラ。そんな些か変わった空気の流れるバーで一人の男‥‥音楽業界のプロデューサーである木原朱音と店のオーナーである中島譲が話していた。
「よぅ、この前はありがとう。みんなに楽しんで貰えたようで、嬉しかったよ」
「えぇ‥‥そりゃぁ良かった。ま、ちょっと大変でしたが俺も楽しかったですぜ。料理や内装を準備するのも、幸せな花嫁さん達を見るもの良いモンでしたよ。あの旦那方、可愛い嫁さんを貰えて幸せそうだったな‥‥。ま。俺はいつでもアイツと居られて幸せですがね」
 思いっきり惚気る譲。意外だが彼はとても愛妻家である。20年以上連れ添っているが、未だに新婚さんのようで、先日結婚したばかりの娘夫婦も羨む程のラヴラヴッぷりだ。
「おいおい、そりゃぁ独身の俺に対する当て付けか?」
「別にそういう意味じゃナイっすけどね。結婚も悪くないっていう話ですよ。にしても前回の披露宴のような賑やかさ‥‥そういう雰囲気は良かったなっと思っただけですよ」
 舐めるように酒を飲む木原は、冗談めかしに譲に睨みをきかす。っと譲は珍しく慌てたように話し、話題を逸らす。
「そうだな。たまにはこの店も雰囲気を変えれば、客も増えるかもしれんぞ。毎回強面のヤツらばかりがたむろしていたんじゃ、除せ客もつかんだろ」
「おぉ、言ってくれますねぇ木原さん。先程の応酬ですかい? まぁ確かに女性客が入りづらそうなのは事実で、カップルもそうみたいですが、あまりムードを変えるのはちょいと考えちまいます」
 煙草を指の間に挟み、木原と共に酒を飲みながら言う譲。
 そうだよな、っと譲の言葉に頷く彼だが、何か思いついたように、大きな目を更に大きくし、
「だったらさ、ダンスパーティーなんてどうだ? 若い頃、良くやっただろ‥‥。リズム&ブルースやポップ、ツイストのミュージックに乗せて踊るなんて楽しいかもしれんぞ」
「そうですね、良いアイディアだと思いますよ。では演奏してくれるバンドを募集してダンスパーティーをしますか」
 木原の言葉に頷く譲。二人とも昔を思い出したように楽しげだ。

■ ライヴハウス兼バーのEVANSで、ダンスミュージックを奏でて下さるバンドの方を募集致します。
 近年の流行と違う雰囲気の『EVANS』。固定のお客様のみでの運営では少々難しくなってきているようで、ここで少し新しい風を吹き込むべく、ダンスパーティーを催したいと譲と木原が考えたようです。
 ということで、演奏して下さるバンドの方を募集致します。
 曲調はポップ、リズム&ブルース系(できれば英文系)で、ツイストなどのダンスが踊りやすいものでお願い致します。もちろんファッションもそれに沿ったモノを着用して頂くと、更に盛り上がる事でしょう。
 また同時に彼らの演奏に踊って下さるお客さんも募集致します。イカしたファッションで格好良いツイストを披露して下さい。

※注意事項
 オールディズ系でも構いませんが、曲調・歌詞はあくまでもオリジナルでお願い致します。またあまり曲が多すぎたり、長すぎてしまうと、反映できない場合がありますのでご注意ください。
 ステージに上がっていないバンドの方々も勿論、ダンスに参加して頂けます。楽しんで下さい。
 譲が、軽食・ドリンクを用意しております。ばっちりとダンスを踊ってお疲れになった方は、ご遠慮なくボックス席やカウンターでご休憩ください。

●今回の参加者

 fa1478 諫早 清見(20歳・♂・狼)
 fa2475 神代アゲハ(20歳・♂・猫)
 fa2657 DESPAIRER(24歳・♀・蝙蝠)
 fa2847 柊ラキア(25歳・♂・鴉)
 fa2899 文月 舵(26歳・♀・狸)
 fa4658 ミッシェル(25歳・♂・蝙蝠)
 fa5812 克稀(18歳・♂・猫)
 fa5870 Judas(25歳・♂・狼)
 fa5939 祥月 暁緒(19歳・♀・兎)
 fa5960 LaLa(17歳・♀・鴉)

●リプレイ本文


 波止場。古いレンガ造りの壁にあるネオンサインが示す店の名前は『EVANS』。
 客の入りを拒むような金属製の扉が取っ付きにくいが、少し勇気を出して開ければ、そこは音楽とダンスの楽園。
 熱気で満ちたフロアに克稀(fa5812)のシルバーアクセの嵌められた指が軽快に鍵盤を叩き、アンプを通して流れ出すメロディに合わせ人々は体をくねらせ踊る。
 その間を縫うように神代アゲハ(fa2475)のギターがアクセントを加えながら曲の骨組みを支える。しかしそれだけでは少々心許ない。
 という事で、譲がドラムで加わりアップテンポ気味なR&Bのリズムを叩き出していった。
 店内は既に最高潮。Shakeの演奏に合わせ、手拍子をしたりダンスパフォーマンスが繰り広げられていく。
 誰もが思い思いに体をくねらせ踊っているのを白・黄のライトの下で煽るボーカル&コーラスの上祥月 暁緒(fa5939)。
 手を振り、狭いステージで様々なターンを決めたりステップを踏む彼女。動く度に薄い青紫から濃い菫色へグラデーションするフレアーワンピースのスカートが翻る。
 一方、ステージ中央に立つメインボーカル担当のDESPAIRER(fa2657)は、いつもの陰鬱な雰囲気を一掃し、長い髪を一つに纏め上げ白のシャツといった爽やかな出で立ち。黒のサブリナパンツに合わせたサドルシューズが、歌い出すタイミングを計り、一呼吸、調子が変わると併せてスタンドマイクへ向かった。

『Miss Momenta』
「 Well,my darling,what are you afraid of?
  Is it “tomorrow”,making you so timid?
 「Well,I have no business at all with it」
 『It’s so useless,just a waste of time』 」

 二度目のItで祥月はDESPAIRERの歌声に声を合わせる。それを機に一転。やや抑え気味に爪弾く神代のギターと、克稀の入力していたサックスがアクセントとなり旋律を響かせる。

「 Today’s moment,may become tomorrow’s memory(fu‥‥) 」

 更に重なる二人の歌声。綺麗なハモリと伸びを見せると再び勢いある演奏へ変わった。

「But tomorrow’s fortune,or disaster,『are all today’s‥‥Nothing!』 」

 シャウトと共に神代、克稀に譲が音を揃え強く弾くと合わせてライトからストロボ明滅。フロアはまるでコマきれのように見えだし、皆その中でダンスを楽しむ。
 演奏は進みサビへと移っていった。

「 『How dare you wait for tomorrow?』
   It’s not tomorrow but TODAY we’re livin’
  『So let’s enjoy TONIGHT with me』(yeah)
   Anyway,tomorrow is another day

   If you keep hanging with that stupid ”tomorrow”
   「Then here’s one sure prediction for you」
   Tomorrow you’ll miss me,『’cause I’m leaving you with today』 」

 祥月とのハモリの後、DESPAIRERの歌。それは二人の掛け合いのようで華やか。客に紛れ、柊ラキア(fa2847)と文月 舵(fa2899)は向かい合い曲に乗りながら、足を交互に出したりターンを決めたりと楽しげにダンス。Judas(fa5870)も場の雰囲気に合わせカウンターにいたLaLa(fa5960)を誘いダンスに参加した。
 そんな二人を見た柊が人の背中越しに口パクで「そこだ頑張れ!」っと。もち、彼と手を取り合う文月も一緒に応援している。
 嬉しいと思いつつもJudasは困惑顔となり、些か弁解めいた事が頭を過ぎる。が、ターンを決めた時、コソッと見えた木原がコクリと頷き親指を立てたのを見て、Judasも再び良い笑みへ変わった。
 諫早 清見(fa1478)は上手いステップを踏み格好いい動きをする人の見真似。木原もそんな彼と並び踊り出す。軽く視線を合わせた二人。木原の顔は終始笑顔が乗っていた。
 そのわけは幸せなカップルを見る幸せもそのようだが、DESPAIRERが歌う、一瞬を楽しみながら生きる女性を表現したフレーズにも、のようだ。
 その歌声は歌詞のように力強く勇ましい。無論、祥月も同じように声を響かせる。
 彼女は両腕を高く上げリズミカルにハンドクラップ。東雲色のリボンを掛けたポニーテールとスカートが、軽くジャンプする彼女に合わせ悪戯っぽくヒラリと舞い、ブルーのライトに照らされる。
 勿論、パフォーマンスをするのは彼女だけではない。歌い終えたDESPAIRERも曲調に合わせ細身の体を揺らし、背後の神代は、白いシャツと黒いデニムの間にあるギターを激しく掻き鳴らす。
 それに伴わせ黒の革ジャンに同色の細身のデニムというハードな雰囲気の克稀もキーボードの鍵盤に指を滑らせ様々な音を奏る。譲のドラムも独奏中だ。
 三人がある程度弾いた処で、シャウトするDESPAIRERと祥月の声。そして一呼吸の間を置いて一同、力強い和音を響かせ音を切った。一緒にライトも落ちた。
 湧き上がる歓声と拍手を後にShakeはステージを降りた。

 再び明かりが点る。色取り取りにセロファンの貼られたライトだ。その下にいるのはウェーブの髪を少しだけ白いリボンで纏めたLaLaの姿。レースのついたコットンの白ワンピースにウェスタンブーツを合わせ、リボンを結んだタンバリンを手にスタンドマイクに向かっている。
「Skip&Beatです。皆さんが楽しんでくれるよう頑張りますー。では『Skip&Beat!』」
 緊張気味に言うと、背後の白いジャケットに淡いブルーのロングストールをふわりと巻き、ギターを抱えた諫早に合図。軽いタッチのストローク。それをヴァンプさせ続ける間、ベースを担当するミッシェル(fa4658)は被っていたピンストライプの帽子を胸にあて軽く頭を下げ御挨拶。元のように被り直す。っと、そこから一気にタッピングで元気なビートを紡ぐ。勿論、リズムを共に刻むのは先程から続いてドラムを叩く譲。
 ライトはフロアよりも明るく、楽しげに演奏を始める彼らを映し出す。

『Skip&Beat!』
「 Skip&Beat!

  Your Dance is so cool! I have a crush on me,you!
  Hey Boy! Hey Girl! 」

 諫早のギターがミッシェルと譲の紡ぐリズムに乗り、軽快なメロディを奏でる。柔らかめであるが覇気のあるLaLaの声とよく似合っている。
 ノって来たフロアの客は、男女カップルとなって手を繋ぎ、腕を伸縮させ、くっついたり離れたりのパフォーマや、膝から下を捻ったりするツイストのステップを楽しげに披露する。
 祥月もカウンターで休んでいた克稀の腕を引いた。そう折角の機会。踊るのも悪くない。
 引かれた克稀の方は些か焦る。小さく、「こういうのは不得手だから‥‥期待するな」っと呟くと彼女を連れフロアへ。
 曲に合わせ、周りの見様見真似でぎこちないながらも踊り、手を取った祥月を巻き込むように手前に引き、押し出す。すると見事な回転。翻るフレアのスカートがなんとも華やかだ。
 それを見ていたDESPAIRER。ボックス席で恋人の神代がダンスに誘ってくれるのを待っていたが、彼も照れてか声を掛けてくれない。
 そこで先程、歌った女性の心情ではないが自ら誘ってみる。いつになく大胆な彼女に吃驚の神代。しかし頷き合い二人でフロアへ出て、ぎこちないが踊り出す。
 ここで曲がブレイク。空白となった音に合わせフロアの客も止まりポーズを決める。二人も思い思いのポーズ。勿論、ステージにいる彼らも一緒。幾つかライトが落ちて一人一人をスポット。
 ジャケットの中のVネックの黒いシャツが見える程、ギターをグッと縦に持ち上げ小さくストロークを繰り返す諫早に、黒いスキニパンツを穿いた左足に体重を掛け、そちら側に上半身を屈め、反対の右足をグッと伸ばした恰好を取るミッシェル。彼らの真ん中で左腕を高く振るったのはLaLa。
 衣装のコントラストも良く映え、絶妙なタイミングで音が再開。歓声が上がると共にLaLaは心を込めて丁寧に、それでいて遅れないようマイクに向かう。

「 Do you enjoy now?
  LaLa Skip&Beat!
  Skip&Beat!
  Is my dance pretty?
  Will you become crazy about me?
  Hey You! Hey All!
  Do you enjoy all? LaLa Skip&Beat! 」

 ここでエンディングに向けての間奏。賑やかさは欠くことなくベースのミッシェルは太い弦を指先で弾くように音を奏で、譲が紡ぎ出す軽快なリズムに乗り、諫早はメロディラインをアップダウンのストロークで表現する。

「 LaLa Skip&Beat! LaLa Skip&Beat! 」

 歌いながらLaLaは両手を大きく広げ一緒に、と誘うポーズ。諫早も右手を振り上げ内側に向けて混ざってねっと促す。
 速いテンポに合わせダンスに夢中に客。彼らと共に歌う客。楽しい雰囲気に包まれミッシェルもベースを爪弾きながら客を、楽しげに踊る克稀と祥月をノセていった。


 ここで一旦休憩。誰もが暫しダンスを忘れ会話や軽食を楽しんでいる。譲はくわえ煙草で忙しげに動き回る。それを眺める木原に柊が突撃! 無論、昔を知っている輩は無謀な行為にビビる。
「わー木原さんはいつもお世話になってまーすアターック! ね、日焼けまだ残ってるんだよー見るー?」
 笑顔の柊。木原に聞きながらも、
「やっぱ、見たくてもみーせなーい! 僕から舵への気持ちだからねー! あ、譲さん、こんにちはー」
 悪戯っ子のように笑う。木原はそんな彼の頭を軽く叩くフリ。
「あんた、木原さんを相手に‥‥無敵だなぁ‥‥」
 っとニヤリと柊に笑う譲。しかし既にそこに柊の姿はない。気付いた時には猛烈アタックの餌食。苦笑いを浮かべる譲に嬉しそうに抱きつく柊。木原はやんちゃ坊主だなぁと笑みを浮かべ呟く。
「確かに気軽に中に入れる雰囲気ではないかもな‥‥」
「EVANSも撮影以来で久々だな‥‥」
「だろ? だがなJudasさん、入ればどうって事無いんだよな。よぅ玲‥‥おっと違う‥‥克稀、久し振りだな」
 飲み物を手に興味深げに周りを見渡すJudas。その隣に座る克稀も店内を懐かしげに見ている。
 ジャラリと付けたアクセで一瞬、間違える譲。だがすぐに訂正し拳を彼に突き出す。そこに克稀も握った拳を合わせ挨拶。
「おっとそうだ。照明のこと‥‥すまねぇな、神代さん。俺の店はまだそこまで設備が整っていねぇんでさ。大手のライブハウスのようにライトが自動で動く事とか出来ねぇんだよ」
 彼女と傍を通った神代に謝罪をしたところで、後半だ。


「こーんばんわっ、ALR+Judasでっす! 今日はアレンジのPLEASE×3だよ。皆、踊ってけーー!」
 黒シャツの袖を捲った腕を突き上げる柊。トレードマークのゴーグルもバッチリ首から下げられていた。
 ズドドンっという低音で勢いのある文月のドラムが響き、Judasと柊が共に真っ赤なフレイムストームを鋭く唸らせた。
 文月の刻む節奏にベースで参加した木原が沿う。
 真っ赤に燃え上がるようなライトがフロアとステージを照らし一体にするが、舞台の周りに付いた幾つかのフットライトで彼らが浮かび上がりなんとも迫力のある演出。

『PLEASE×3』
「 I LOVE YOUR GRACEHUL FACE AND NATURE
  NO,ALL!

  I WANT YOU TO STAY WITH ME,SO MORE
  TURN MY FACE! 」

 彼らが得意とするノリの良い楽曲。幾度となく聴いた曲であるが今回は更にアップテンポとなり、より軽快にアレンジされている。背中合わせになったJudasと柊の足が楽しげに、文月の力強いリズムに合わせ小刻みに揺れながら、旋律をアップストロークと爪弾きの二重奏を奏でる。その手は余りに動きが細かくて、踊るのを忘れ見入る人も居る程。
 Judasが動く度に艶やかなに三個釦の開いたサテンシャツがライトに光り不思議な色を放つ。彼はハッキリとネックを持ち上げ大きな動きでストロークを繰り返し、ダンスに花を与える。
 歌う柊は、芯のある声をスタンドマイクからフロアへ流し踊る人々を煽っていく。

「 PLEASE! PLEASE! PLEASE! 」

 繰り返される歌詞に文月は跳ね上げるようにタムを叩き、足下のバスドラがきちんとリズムを叩き出す。ウーハーが重低音を叩き出し、アップテンポでワイルドな仕上がりとなっていく。
 隅でこっそりツイストを踊るミッシェル。とても楽しそうに様々なステップを踏んでいく。

「 LOOK AT ME DARLING!
 (So Please‥‥With All My Heart) 」

 柊のギターが七色の音を奏で唸る。遅れてJudasもだ。響き合うギターに誰もが歓声を上げ、更にダンスが白熱する。
 終わらない曲。ドラムにギター、そしてベースが跳ねるように音を作り出し、PLEASEのフレーズを繰り返し歌う柊の声がずっと響いていた。


 EVANSはようやく店を閉め、出演者達と木原は飲み物や軽食をツマミながら、まったりとした時間を過ごしていた。
 諫早と克稀に祥月はカウンターで譲と雑談に花を咲かせ、店の奥のダーツに興じるJudasとミッシェル。
 流れるオールディズのバラードに乗せてフロアでチークで踊るのはDESPAIRERと神代。そして柊と文月だ。
 柊が文月にしか聞こえない程、小さく呟く。
 それはなんともスイートな言葉。彼女の頬が染まるのが、離れた場所にいる木原にも見て取れた。
 彼の隣に座るLaLaは二組のカップルをうっとりした視線で眺めつつ、いいなぁっ、私もそうなりたい‥‥と、小さく呟く。
 その願いが叶うのは、遠くない事だろうと木原は奥を見て思った。