チャ カジャ ソウル1アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 極楽寺遊丸 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | 3Lv以上 |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 5.5万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 09/16〜09/18 |
●本文
アジア有数の都市・韓国はソウル。昼夜問わず街は人や車で満ちている。そう、ここは眠りを知らない街としても有名なのであった。
街のほぼ中心部にある市役所の前に広がる広場は朝晩、平日祭日問わず活気に溢れ、週数回行われるコンサートは夜遅くまで大盛況を迎える事が多い。
また少し先を行けば、若者達で賑わう繁華街、明洞があり愛らしいファンシー雑貨から眼鏡、洋服っと何でも手に入る。
地下鉄の駅一つ向こうには南大門。様々な食材が手に入る、いわばソウルの台所のようなところ。
この通りソウルは、訪れる観光客の目や舌を楽しませてくれる、アジアが誇るエンターテーメントな大都市である。
今回、その素敵な都市に降りたのはバラエティ番組を担当するＴ氏こと槌谷と音楽プロディーサーの木原。それに任意で共に回ってくれる参加者達だ。
およそ二時間半のフライトの後、空港に降り立った彼らは待っていたリムジンバスに乗り込み、早速市内へ。
ホテルのロビーに着くと木原が皆に声を掛けた。
「やぁ、お疲れ様！！ これより先は槌谷君と別々に行動しようと思う。どなたか僕と一緒にソウル観光しながら、ショーや路上ライヴ、野外コンサートを楽しみに行かないか？」
きょろりと見回し、参加者を集った。
そんな彼の背後には勿論カメラクルー。そうこの旅は、音楽を通した旅番組である。
■木原と一緒にソウルの街で、ショーやライヴを楽しみませんか？
突如、Ｔ氏こと槌谷氏が企画した旅番組に便乗した木原。彼の目的は市内観光にショッピング、食事もですがそうですが、何よりソウル市内で週に３回は行われるというライヴやショーのよう。
注目の若手アーティストや企画、取り仕切り方など見られるのでは？ っとワクワクしております。
もしかしたら、同行されている皆さんが芸能人だと解ると飛び入り参加を要請されるかもしれません。勿論、その時は別途報酬があります。
なにより旅を楽しみながら、他国のアーティストの感性とお客さん達の歓声に触れ皆さんの持つアーティスト性を高めてみてはいかが？
■日程
１６日 １３：００ 韓国入国
１６：００ 一日目撮影スタート
１９：００ 西大門で２グループに分かれ、ショウを観覧（何を観たいかお決めください）
２２：００ 一日目終了
１７日 ０９：００ 二日目撮影スタート
２０：００ まで自由。 ２〜３グループに別れてお好きなところへｗ ＣＤショップ・遊園地・グルメツアーなどどうぞ
二日目終了
１８日 ０９：００ 三日目スタート
１１：００ 市役所前で行われる野外コンサートの手伝いなど
１７：００ コンサート開始。飛び入り参加可。（ただし著名な方はお気を付けください）
２３：００ Ｔ氏の用意したチャーター便で帰国。
通貨 ウォン。１００ｗ＝約１３円
●リプレイ本文
●ソウル初日日本から約２時間半で韓国はソウルに到着したＴ氏・木原を含む１８名。彼らは繁華街からやや離れた場所にあるＶＩＰ御用達ホテルにチェックインを済ませ荷を下す。
予定通り二手に分かれ、それぞれのプロデューサーに付く。
今、ロビーにいるのは木原のグループ。早速スケジュール通り西大門から開始だ。が、なんとここに木原の姿がない。あるのはフロントに託されたメモ。読めば、韓国の雰囲気になれる為、各自グループとなり『西大門』へ集合とある。
どうも飛行機の中で柊ラキア（fa2847）の話しに興味を持ち急遽決めたらしい。彼の悪戯好きな童心が伺える。
玖條 響（fa1276）と星野・巽（fa1359）はタクシーで現地へ。他のメンバーはＪｕｄａｓ（fa5870）が手にする地下鉄路線図を頼りに動く。韓国の地下鉄は、解り易く路線によって色分けされ、更に番号の表示がされているので見方も簡単だ。
先乗りしていた木原と四條 キリエ（fa3797）は、出演者達を現地で待つ。その間、二人はバイク話で盛り上がる。彼女も友人から預かる大型に乗っているらしい。彼の一部に共感した四條は、
「この３日間、一緒に行動して色々と勉強させて貰おうと思ってるんだ。宜しく‥‥先輩♪」
っと。こそばゆい言葉に木原は照れていると、参加者達が到着し始めた。
「韓国は初めてで‥‥最初から良い体験をさせて貰いましたよ。お手柔らかにお願いしますね」
挨拶をする玖條と星野。２人は性別を超えた恋人同士だ。そんな彼らは誰の目にも素敵に映る。
その通り、到着したＬａＬａ（fa5960）の瞳にもそう映ったよう。
「憧れの人達と韓国旅行、もう楽しいです！ あ、慧おにーちゃんにＪｕｄａｓさん、こっちこっち！」
はしゃぎ一緒に来た彼らに手招きをするＬａＬａ。追いついた慧（fa4790）とＪｕｄａｓが木原と挨拶をし合う。
和やかな雰囲気の中。柊が手を繋いだ奥さんの文月 舵（fa2899）と共に木原にアタック。
「見つけた〜見ぃつけた〜！ 着いたよね、着いたよね？ 韓国！ ぎゃぁ」
疲れを感じさせないハイテンションな柊。続く文月がまったりと、
「木原さんと韓国旅行が出来るなんて♪ うちもラキちゃんに負けへんくらい木原さんっ子やから嬉しいわぁ。韓国ってドラマや音楽など色々日本で流行ってますものね。うちら以外にも日本からの観光客はんがいるようやし、念の為にダテ眼鏡と帽子を持ってきて良かったわぁ。これラキちゃんの分どす」
柊は木原に抱きつきながらも傍にいる、ある２人を見てニマニマ。そんな彼の身の回りを気遣う、しっかり者の奥さん文月。この光景なんだか微笑ましい。
つい笑顔になる木原、は時計をチラ見して、
「文月さん、そう言ってくれて光栄だよ。おっと時間だ。‥‥みんないるね？ では舞台を観に行こう」
木原は参加者全員を見渡すと、呼んでいたタクシーに乗りこみ劇場へ向かった。
彼らはタクシーを降りるとちょっと遠回りをし、有名なトルダムギルを散策しながら貞洞劇場へ。
この劇場は韓国の伝統芸術の発展と伝承を目的に造られたもの。日替わりで様々な音楽・舞を鑑賞できると人気のスポットである。
誰もが期待に目を輝かせる中、更に嬉しそうなＬａＬａが慧の腕を取り、Ｊｕｄａｓの構えるデジカメのフレームイン。二人はハイ、キムチを合図に大きくジャンプ。
なんとも元気な記念撮影だ。２人のショットを撮りながらＪｕｄａｓは何故だか少し仏頂面。胸に靄る気持ちを感じていた。だが、すぐに気を取り直し、慧の記念撮影をしようという案に笑顔を向ける。写真は言うまでもなく素敵な１枚となった。
門前で賑わう一行の耳に開演ブザーが聞こえた。誰もが慌てて中へ飛び込み、急ぎ席に着く。
慌ただしい中でも文月の隣をしっかりキープの柊。二人で今後の糧になると良いね、と小声で話しながら、拍手で出演者を迎えた。
ライトが一点を照らし、まずは正楽合奏からだ。琴に似た伝統楽器の音色の重奏が耳に心地よい。続いて華やかな民族衣装と大きな薄桃色の花を手にする女性達によるファグァンムいう花冠舞。まるで花の精を思わす流暢な動きにＬａＬａや文月の瞳がうっとり。
ＬａＬａは後々の音楽に活かせるようにとジッと見入る。それに負けてないのは四條。彼女も真剣な眼差しでスケッチブックと格闘中。舞踊だけではなく細部もチェックし書き込む。どうも裏方全般を学ぶ彼女の視点は些か違うようだ。仕事熱心な彼女に木原が笑う。
美しい舞が終わると、パンソリというストーリーを太鼓に合わせ表現した１人音楽劇が始まった。声の伸ばし方やリズムの取り方につい耳が行くのは音楽を志す慧の性分。勿論、彼だけではなく柊も一緒。
劇の流れはＪｕｄａｓが前もって調べてくれた通り、翻訳が電光掲示板に表示され有り難い。意味が解れば楽しさ倍増である。
次々と演舞、曲が催され、１時間半の演目があっという間に終了した。
皆、盛大な拍手。
「‥‥国に根付く音って、その国の人にとって心地よい音なんだろうね。僕もそんな音を出せるようになったらいいな〜。ねぇ舵ぃ」
頬を紅潮させる柊に文月は深く頷いた。彼らの後に座る玖條も隣の星野に小さく、
「舞台衣装とか華やかで目でも楽しめたね。舞踏なんかは舞台演劇に役立てそうだな」
と。星野も手を叩きながらもそうだねっと相槌を打った。勿論、Ｊｕｄａｓ、ＬａＬａ、慧も学ぶ事が多かったと感動している。
「‥‥これから僕と四條さんは裏方を見せて貰うのだけど君達は？」
舞台裏を拝見させて貰う事を約束していた木原。すぐ手を上げたのは四條だ。他のメンバーは遠慮しタクシーを拾い劇場を後にした。
残った２人は色々な話を聞かせて貰い、実に良い体験をした。
●ソウル２日目
今日は自由行動。ということで、それぞれ好きな場所へと繰り出す。
玖條と星野はタクシーに乗り景福宮へ。ＬａＬａと慧はＪｕｄａｓと一緒に地下鉄路線図を頼りに仁寺洞に向かった。一応、道順をコンセルジェに訊ねると、３号線を使い『安国』で降りると便利と教えて貰い、納得した三人は行動開始。
残る柊、文月、四條。そして木原も同じ仁寺洞に行く。が、途中までタクシーで移動し、木原が降りると言った場所から徒歩。そこは街の真ん中を横切る清渓川沿いにある遊歩道。数年前まで埋め立てられ道路が走っていたが、環境を重視した人々のおかげで市民の憩いの場として改めて生まれ変わった場所だ。
柊と文月は木原に勧められ、歩道から階段を下りそこを歩き出す。そよぐ風がなんとも心地よい。なんとも恋人同士の散歩にうってつけの場所。木原が柊と文月に推す理由が解った。
四條と木原は川を上から眺め歩く。仁寺洞通り前まで来ると落ち合った。
通りはなかなか賑やかで面白い。歩道に鍵盤を模したライトが並び、夜に来ても楽しそうだ。
昼間の今は軒を連ねる店の様々なお土産物や食器が目移りさせる。
文月は丹念に茶器や小盤を見て回り、その後ろを笑顔で歩く柊と会話を弾ませた。２人は一軒の店にある可愛い茶器を購入。気に入った茶器を新居に連れていけると文月は嬉しそうだ。
そんな彼らをベンチに座り待つ木原と四條。幸せにあてられ少しバテたらしい。
一方、地下鉄を使い仁寺洞に着いたＪｕｄａｓ達はアート文化空間サムジキルの中を散策。
こちらも様々な店が並び、色鮮やかで独特のアクセが壁やテーブルに並んでいる。それだけでもアートとして見られる程だ。
早々と韓風の色彩豊かなマフラーを購入した慧。次に恋人へのお土産を選ぶ。ＬａＬａは可愛いアクセ達に惹かれながらも、慧に熱い視線を送る。彼が何を選ぶか気になるらしい。
「はぅ、うしゃさんｖ」
慧が手にした兎のブローチに反応する彼女。２人は楽しげに会話を募らせていく。シルバーアクセを見ていたＪｕｄａｓは、そんな遣り取りを兄の気持ちで見守る。彼は妹への土産と一緒にこっそりフラワートップのペンダントを購入した。
「あ、もうこんな時間？！ 文月さんとお約束があるのです」
店にある時計を見てびっくりのＬａＬａは二人と共に約束の場所へ向かった。
景福宮まで足を伸ばした星野と玖條。運良く慶会楼の特別観覧を購入し、美しい庭園や貴重な建築物内を散策して歩いた。
因みに変装をしているので、日本の観光客達は彼らだと気付かない。
「重要な建築物が沢山あるんだね。‥‥ここは京都のお寺みたいな感覚なのかな？」
「どうだろう。けれどここも日本と一緒で紅葉には早いね‥‥。そこの香遠亭や慶会樓は蓮の花が咲いていれば凄く綺麗そうだね。今度は花の綺麗な時に来ようか？」
玖條と星野は池の真ん中にある二つの島、東側の慶会楼を眺め、お互いの会話を楽しみながら歩いていく。庭園を堪能し景福宮を出ればお昼ちょっと前。２人は昼食と買い物をしに仁寺洞へ移動。
１駅分歩き、まずは可愛い小物から多彩なアートで飾られる店、サムジキルに入る。
「あ、千音鈴さんにお土産買わないと‥‥お揃いで探そうか？」
星野は不意に玖條のもう一人の恋人を思い出し、３人お揃いのモノを探しに行く。
「俺が良いのを見つけよう」
選ぶという玖條のセンスに疑問詞の星野。数分後、その通りとなる。目の前に置かれた天然石入り金色の豚の付いたストラップ。まず日本ではお目見えしないデザイン。因みに韓国では今年は干支は猪ではなく豚。だからだろう。
購入を決めかね、他のモノを見ながら話す２人。この国にも男性同士の多少なスキンシップがあるとはいえ、驚く程のラヴラヴッぷり。
ようやくお土産が決まると、サムジキルを後に韓定食を食べに行く。
そこでＬａＬａ、Ｊｕｄａｓ、慧達とすれ違った。お互い挨拶と次の予定を話していると、柊に文月、四條達とも会う。柊から強くＣＤショップ巡りの誘いを受けるが星野達はやんわり断り、別れた。
星野達に手を振り合流した一行は古民家を改造した喫茶店で韓国茶を楽しんだ後、地下鉄を使い長紗洞にあるショップへ向かった。
鍾路３街駅から暫らく歩くと、こぢんまりとした店を見つける。中は以外にもの凄い数のＣＤが所狭しと並んでいた。
木原と四條は音楽にも興味あるがまずはジャケ装丁の見物。
「ジャケって縦横１０ｃｍ強の限られたスペースでアピールするでしょ？ 立派なアートだよねー」
彼女の言葉に頷く木原。近くでＬａＬａと文月が楽しげにジャケ買い中。色々なＣＤを眺めつつ、彼女達の邪魔をしないよう見守る夫の柊は、Ｊｕｄａｓと慧と共にＣＤを手に音楽について語り合った。
●ソウル３日目
最終日。市庁舎広場で韓国人のスタッフと共に、四條と木原は身振手振りで表現し、共にステージを作っていった。
夕刻手前からお客が入り、満席。そこでライヴが始まり、街中に新人アーティストや男性ヴォーカルの美しい歌声やダンスのテンポ良い音が響き、ラスト、司会者によって拍手で迎えられたギターの柊＆Ｊｕｄａｓにドラムの文月、ボーカルを担当する星野と慧、タンバリンを手にしたＬａＬａ達。
「アニョンハセヨー。飛び入り参加をさせて下さりありがとう！ では聞いてください！」
星野の挨拶の後、すぐに軽快なポップロックが流れた。
『秋風』
「 暖めてあげる 僕の腕で
冬が来ないうちに 愛が凍える前に
早まる鼓動 繋がる心
僕らの周りは ほら春が訪れている 」
速いテンポながらもどこか郷愁を誘う音色に合わせ舞台袖にいる恋人を想うように歌う星野。ＬａＬａと慧のコーラスが入り、更に盛り上げる。
最後Ｊｕｄａｓｕと柊がギターの音を唸らせ伸ばすように終わらせる。っと文月が一拍おいてドラムカウント。音は一斉に華やかに。
ギターを爪弾き、リズムに合わせてゴーグルを揺らし踊る柊。彼に合わせＪｕｄａｓもだ。ＬａＬａはタンバリンをリズミカルに鳴らし、昨晩購入した可愛らしいチマチョゴリでダンス。
慧も同様に簡易ステージ衣装と称して昨日購入したばかりのマフラーをドラムのリズムに合わせて揺らす。
『PLEASE×3』
PLEASE！ PLEASE！ PLEASE！
LOOK AT ME DARLING！
賑やかなナンバーに観客が盛り上がる。舞台袖にいる四條も右足でリズムを刻む。
ラスト、幸せになぁれっと柊の掛け声を合図に、慧がＬａＬａを軽く押した。っが、力が入りすぎてしまい彼女は勢いよくＪｕｄａｓｕの胸に飛び込む。彼は咄嗟に手を出し細い肩を支えた。驚きながらも顔を上げるＬａＬａは優しい笑みに包まれ、つい頬を染める。
「あ、ありがとう」
その言葉はＪｕｄａｓｕに言ったモノか、はたまた慧に言ったものかは解らない。
会場は更にヒートアップ。韓国のアーティストと共に時間が許す限り大いに盛り上がった。
●帰路
「これ面白いね〜木原さん！ あ、キムチ、キムチをリバティの皆のお土産に！」
木原の腕を掴み空港内を奔走する柊。最後まで賑やかな彼。
Ｊｕｄａｓｕは隅で仁寺洞で購入したプレゼントをＬａＬａに渡す。それをこっそり見守る文月と四條に慧。これからの２人を影ながら見守った。
「ソウルタワーの夕暮れ、素敵だったね」
「あぁ、来て良かった」
待合い所で話す玖條と星野。
玖條は不意にチョーカーを星野に渡す。それは彼が仁寺洞で気になっていた物。
星野は感激のあまり人目を憚らず抱きしめ、
「ありがとう。君を好きで良かった」
小さく呟いた。
数時間後、一行は日本へ向かう飛行機の中。皆、それぞれくつろいでいる。そんな中、木原は皆が喜んで貰えた旅となっていれば幸いだと思った。
因みに、一部プライベートとは別に撮影はきっちりと行われた。
