跳びハね☆トーク 六アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 2Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 2万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 10/14〜10/16

●本文

 普段、なかなか見る事のないTV関係者達の素顔。ドラマで二枚目を演じるあの俳優や、演技派として有名なあの女優。美しい歌声を持つ歌手や流行を編み出すタレントさん。
 今を時めく彼らにいつも見せる面と違うところやその表情、色々なエピソード、感じたことを語って貰おうと企画された番組『跳ねる☆トーク』。
 セットの準備が整ったスタジオに一歩踏み込むと、そこはヨーロッパ辺りに現存するアンティークなお屋敷の談話室風の造りとなっている。
 豪奢な壁紙や調度品が置かれつつも、どこかしっとりと落ち着ける雰囲気となっていた。
 勿論、出演者達が座る椅子もアンティークでよく使い込まれたものが、司会者とのトークを考え、丸みを帯びた形となる雛壇の上に並べられている。
 さて準備は整った。あとは出演してくださる方々の入りを待つばかりだ‥‥。


■出演者募集
 跳ねる☆トークは毎回テーマに基づいた日常のエピソードや芸能界での話を展開してくださる方を募集しております。
 さて七回目のテーマは『自分の中に感じる・ある、ちょいワルなところ』と『こっそり心の中にある課題』です。
 ビシバシとテーマに沿った大胆かつ、楽しいコメントやエピソードを披露して意外性や益々納得のあなたをアピールし、視聴者の方を楽しませてください。
 また番組の司会を行ってくださる方も同時に募集しております。
 どうぞ皆様のご参加をお待ち申し上げます。

●今回の参加者

 fa1242 小野田有馬(37歳・♂・猫)
 fa3134 佐渡川ススム(26歳・♂・猿)
 fa3251 ティタネス(20歳・♀・熊)
 fa3831 水沢 鷹弘(35歳・♂・獅子)
 fa4487 音楽家(13歳・♂・竜)
 fa4563 椎名 硝子(26歳・♀・豹)
 fa4909 葉月 珪(22歳・♀・猫)
 fa5019 大河内・魁(23歳・♂・蝙蝠)
 fa6066 ごっつええ兄さん(21歳・♂・猫)
 fa6070 (29歳・♂・狼)

●リプレイ本文


 ヨーロッパ辺りに現存するお屋敷の談話室を模したセット。雛壇に置かれたアンティークなサロンアームチェアには今回の出演者7名が座り、彼らを紹介するべくカメラが上段の右、水沢 鷹弘(fa3831)を捕らえていく。
 ブリティッシュなスーツに身を包んだ彼は勤めて愛想良く頭を下げると、胸元と背中が大きく割れた流行のニットワンピを着る椎名 硝子(fa4563)へ。彼女は魅惑的な笑みを浮かべ手を振った。
 画は更に移動し、ヘンリーネックシャツにモッズコートをサラリと着こなす大河内・魁(fa5019)が映り、隣のフェミニンな秋色ワンピにニットを羽織る葉月 珪(fa4909)へすっと流される。
 カメラはそこで下へ降り、上質なイタリアンスーツを着こなすアクティブな芸能事務所社長である小野田有馬(fa1242)を映す。ちょっと可愛く手を振る彼。それに釣られたティタネス(fa3251)も同じように手を振った。因みに彼女の衣装はカラフルなボタンが沢山付いたスエット地のカーディガンにニータックデニム。男女問わず愛される一着が彼女に良く似合う。
 カメラは一通り出演者を映し終えたところで、今回の司会者である聡(fa6070)にレンズを向けた。彼は黒いインナーに白とピンクのシワ加工ストライプシャツ、そして黒デニムとラフな出で立ちでハリセン片手に話し出した。
「はい、というわけで始まりました、跳びハね☆トーク! 皆様に愛されている証拠にこの番組も6回目。本日の司会は僕、聡がお送りいたします。狼の中にだってバラエティ班もいるんで‥‥」
「狼‥‥可愛い狼の縫いぐるみならウルフほどあるぞぉぉ!」
 ピョピョンのドド〜ン。
 聡の些か拙い話を掻き消すが如く、佐渡川ススム(fa3134)がホップステップ跳びハねー! っと強力バネを仕込んだ靴で跳ねてくると、些か無理なダジャレを放つ。
 ついでに聡にタックルをキメて彼をセットからはじき出す。
 ディレクターがそこに待ち構えて警告のイエローカードをピッと聡に見せた。そう、どういう形であれ獣人ネタは御法度なのである。
 彼はハイっと‥‥っとブルーになりつつセットへ戻ってきた。その間を繋いでいるのは佐渡川。セットの隅から隅までぴょぴょ〜んっと飛び回り、カメラ&出演者の視線を集めていた。
「オッス、佐渡ちゃんだぜ! 今日は跳びハネまくっやるぜいっ。さぁ、トランポリンか、跳び箱か‥‥プロが見せる事の出来ないアマチュア技で、どんな物でも跳び越え‥‥て?」
 回りの寒々しさをヨソにテンションアゲアゲな彼は、目まぐるしく動き回る。
 しかしそろそろ場の空気を読む頃。なんとも雰囲気に似つかわしくない自分を指さし、
「あ‥‥お、お呼びでない?」
 皆がうん。っと頷くと、佐渡川は失礼すますたぁっと、もの凄い速さで席についた。
「‥‥さて、早々からハイテンションで賑わってますが、一つ目のテーマに移りましょう。テーマはこれ! 『自分の中に感じる・ある、ちょいワルなところ』‥‥さ、挙手を‥‥ハイ、小野田さん」
 聡が、落ち着いたところを見計らい進行に移った。早速、手を挙げ小野田が話し出す。
「‥‥私が感じているちょい悪は、普段、車で移動している時にパトカーがいるっていうだけで、制限速度ぴったり守って走る車なんかを見ると、ちょっとニヤッとするのよ‥‥ニヤッとね。あらん、貴方達ってば普段ならびゅんびゅん追い越してるでしょう? そうしなさいよ、ってみたいに」
 顎に手を添え話す彼。その仕草、優雅なおネエ系だ。しかも話が些か毒っぽいので更にそう感じさせる。
「あるわよね? こういうニヤリな時って。まぁあんまり大っぴらに言える趣味でもないけどね☆ でもアノ関係者を見るとワルい事をしてなくても身が固くなってついイイ子ちゃんをしちゃうっていうのは、昔から定番な話だったけど‥‥。今じゃ何もしていなくても普通に職質‥‥いえ、まぁ、ここから先はちょっと毒が過ぎそうだからやめておくわ」
 斜めン度の角度で顔を傾けほくそ笑む。なんだかその顔はとても腹黒く、ちょいワルを通り越し普通のワル系のよう。尤も衣装の影響1.5倍増しとなっているのも事実だが。
「うわぁ、なんか続きを聞いてみたいけど、聞いたら引きそうですねぇ‥‥。あ、椎名さん」
 聡はハンケチを取り出し、汗を拭き拭き。そして次に手を挙げていた椎名へ振った。
「そぉね、あの白黒車両を見かけると、つい背筋を正して歩いちゃう歩行者とかいるわよね、いかにもってカンジで笑っちゃうけど、そういうすぐ畏まっちゃうお堅い方や、そこにお勤めしている真面目な人やまだウブそうな子を見ると、ついからかいたくなっちゃったりするのよ。仕事の関係でお会いした時なんかに、服やメイク褒めてくださったりすると、あら、それだけ? なんて返してみたり、ね。慌て蓋めくあの顔を‥‥つい楽しくって。それが私の持つちょいワルな部分かしら? あ、けどそれだけよ。手玉になんてすると本当のワルのすること。これくらいならウィットに飛んだ小悪魔ぐらいで、相手も馴染んでくれて会話も弾んだりするの」
 椎名はなんともセクシーな笑みで話す。それ解るわっと小野田が隣で手を打つ。
「でしょう? ほんと日本の方ってシャイな人が多いから、たまにユーモアたっぷりに返してくださると、あら? って思うけれど。でも照れながら一生懸命、考えてくれたお世辞もそれはそれでカワイイし。つい心の中で微笑んじゃうのよね」
 どうやらいつの世も擦れずに純粋でいて、その中でもユーモアを持つ男性が人気あるようだ。
 前列後列で会話を弾ませる小野田と椎名。二人の傍に座った水沢は、真面目一徹な自分に足りないモノを判断し頭の中でそれをメモ。
「ほうほう、女性達‥‥いえ一部男性ですが、男性陣にかなり参考になるちょいワルご意見でしたね。では盛り上っていますが、ここでCMを。‥‥何事にも休息は必要ですよ。では!」
 聡はしっかりと纏めてCMへの合図を送った。


 CM明け。拍手に迎えられ、再びセットと出演者が画面に現れる。画が切り替わり聡のバストアップから。
「さぁ、二つ目のテーマはこちら『こっそり心の中にある課題』ですね。発表してくださる方、奮ってお願いします」
「じゃぁ俺が‥‥。俺は口が悪い上に、思った事をそのまま言っちまうようで、誤解される事も多くて最近はこっそりってぇのも変だが、その辺を直すよう心の課題にしてんだ」
 後方の席からスッと手を挙げ話し出す大河内。だがいかんせん、話す傍から口が悪い。
「あの〜、全然心掛けて無さそうなんですが?」
 しっかりとツッコむ聡に大河内は鋭い視線を投げる。だがそれはディレクターに言われた演出。はわわっと口を押さえる聡に笑いが起こる。っと話す彼も一緒に口元を歪めながら、
「確かにこれだと気に入った奴とか、惚れた女に誤解されかねないよな‥‥。敬語を使うよう、よくマネージャーに言われてるんだが、特に目上や先輩にはちゃんとしろってさ。でも堅っ苦しいの苦手だから、あんまやる気のしねェ‥‥ま、これも課題って事で。あと最近は笑うのも心掛けてるんだぜ。以前、女性スタッフにあまり笑わないから近寄り難いって、言われちまってな。なら少し笑ってみようか? ‥‥って。お、俺だってたまには笑うんです」
 再度、無理矢理に笑みを作る大河内をカメラがアップで撮る。些か引きつったそれはコワイ。追い打ちを掛けるように態とらしい敬語まで放つ。
「もう少し練習が必要そうね」
 隣に座る葉月に腕を突かれツッコまれる。こうも言えるのは幼馴染みの特権だ。憮然とした彼は、
「やはり俺らしくねェよな。これを使うとどうも上手く話せねぇ‥‥。やっぱ自分らしくありながらも、新しい自分を出していくってぇのが、これからの課題だな」
「そうですね。ままでも魅力的だから‥‥少しは先輩を敬えばOKではないかと‥‥はひぃ、新人が出しゃばりました! すみません。っと、では大先輩ということで水沢さん、どうぞ」
 またも睨まれガタブルの聡。意外に毒舌家のよう。彼は怒られる前に速攻、水沢に話を振った。
「ん、私かい? そうだね、自分の演技に関してまだまだ課題が多いと感じていること、それがひっそりと心に思う課題かな?」
 指名を受けた水沢はゆったりとした口調で話し出す。
「いつも貰った役の人物像‥‥育った環境や信念・行動について台本を読みながら練り上げ、ドラマに臨むのだが、しかしどうも想像していたモノと監督達が考えるものと食い違う時があってね、迷った時は相談しつつ摺り合わせるのだけど‥‥それでもやはり、心の中で固めた、この人物はこれに基づいて言動を起こしていたのにっていう考えが、すぐには捨てらず、演じられなくなってしまう事が結構あるんだ。その所為かよく、お前は頭が固いんだ。と言われるよ」
 水沢はフッと苦笑いを見せ、淡々と語る。
「人物と物語の展開のバランスは何年、演技をしていても悩むところ。まぁ満足せず、悩むという事は上達の余地がある事とだと思い、毎日の課題‥‥勉強、となっているのかな」
 そこで締める水沢。しかし残念、実は時間の都合上で話の一部が、出演者だけのお楽しみとなってしまっていた。
「あ、わたしもお仕事の話をいいですか? 少し課題とは違うかも知れませんが。お仕事に臨む際、出来るだけ得意分野を活せて成長できるモノを選んでるのですけど、今後は興味を持った分野への進出も考えてまして、それが課題でしょうか? 色々とマルチに活躍したいと思っているんです」
 そう、今後の仕事の方面を話すのは葉月だ。しかしそこには何かありそう? である。勿論、調べはついている。聡は台本を見てそれを振る。
「それはいいですね、お? 葉月さんって新婚さんなんですか〜。でしたら他にも課題があるんでは?」
「えぇ‥‥そうですね、出来るだけ夫と一緒のお仕事がしたいなぁ〜なんて。お互いスケジュールの都合で、一緒に居られる時間が限られてまして‥‥。その点、仕事が一緒だと時間を共有出来ますから。‥‥あ、混同はしてませんよ。厳禁なのは解ってます。そこは配慮して、ご一緒する方々が不快に思わない様、目配り気配りを忘れないのも心の中にある課題ですね」
「だったら、ここでも気を付けるべきでは?」
 染まる頬に手を当て答える葉月。最後に、出来るだけ一緒に居たいからこそ、気を付けるべきだと思っています。などとばっちりと惚気する彼女に、大河内がツッコむ。
 小野田と椎名はご馳走様っと振り返り冗談口。佐渡川はなぜか残念顔。ここで聞けば支障をきたしそうなネタのよう。聡は敢えて流した。
「あ、ティタネスさんはどうです?」
「そうだねぇ、あたしはやっぱり歌‥‥かな? 歌うのは好きなんだけど、どうも上手くないらしくって、思いっきり音痴キャラにされてるんだ」
 ずっと聞く側にいたティタネスが聡に促され話し出す。因みに音痴キャラにされているのではなく、そのものズバリなのである。
「先生について練習とかしてるんだ。‥‥多少は良くなったかも? ねぇちょっと歌うから聴いてくれるかな?」
 その言葉に全員一斉に拒否る。彼女の歌声の破壊力はすでに芸能界では知れたことなのだ。
 ティタネスは残念そうに俯くも、すぐに話題を変え、
「そっか‥‥解った。それじゃぁもう一つの課題・表情の話で。あたしはどうもすぐ顔に出ちゃうらしくって、表情を隠すとか嘘をつくとか全然できてないんだ。それでも最近は演技も上達したって言われるけど、それは役になりきってるだけで。やっぱり嬉しいから笑顔、悲しいから泣き顔とか、その辺で嘘は全然つけてないんだ」
「それでもありではないかな?」
 横から役者として経験豊富な水沢のアドバイス。ティタネスは彼に礼を言いながら、
「そう。水沢さんみたく言ってくれる方もいるけど、結構不便な事も多くてね。嬉しい時なんかは良いんだけど、ちょっと話を理解出来てなかった時やお腹が空いている時なんかを言い当てられたりすると、結構、情けなかったりするんだよね」
 はぁっと溜め息。
 それを笑顔で慰める椎名と葉月に小野田。そうだぜっと頷く大河内。意外な彼の優しさ披露に誰もが吃驚したところで、
「はい、というわけで色々なお話を聞かせて貰えましたね。もっと聞きたいところなのですが、お時間のようで‥‥あ、はい? なんでしょう佐渡川さん」
 スタッフのカンペを見て、締めに入る聡。しかしその前で体育座り無言で訴える佐渡川。どうも漏れてしまっていたようだ。
「あ、お話を伺ってませんでしたねぇ。では心の中にある課題を‥‥」
「‥‥ふ、そうだなぁ‥‥それは断るっ! 俺は跳びハねでなく突っ跳ねトークをするのだ!」
 またもダジャレを披露しテンションを上げる彼。
「くっくっく‥‥前もってした打ち合わせを守らない。それが俺のちょいワルなところさ」
 周りの信用を失いかねない危険な芸を披露する彼をカメラがアップ。その下には、良い子は真似しないようにネ☆ っとテロップが。真似をすればお友達を失いかねないからだ。
「ちょいワル‥‥俺がそう感じるのはワルノリしてる時! 朝の某番組でディレクター邸の破壊活動をしている時なんかまさにだぜ! けっして気の毒と思わない。だって俺はちょいワルだからさ」
 それは、けっしてそれで済まされる可愛いものではない。居合わせた某番組スタッフが助走を付け天誅とばかりに跳び蹴り。もんどり打ちフレイムアウトした佐渡川を見ながら、ちょいワルの恨みは恐ろしいモノだと思いつつ、カメラに向かって手を振った。