ご当地★HERO長崎編アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
極楽寺遊丸
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
3Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
5.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/11〜10/13
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●本文
日本全国津々浦々を回りその土地のHEROとなり名物や名所を案内するという番組が再開して二回目。
前回の関東から、ぐ〜〜んっと離れて、長崎県に来ている。
有名なテーマパークを散策して歩く、ご当地ディレクターの一行。
「う〜ん、ここは優雅で落ち着いた気分にさせる場所だねぇ‥‥。俺のようにハイクラスな人間にお似合いな場所だ」
ディレクターの一言に、ハイ〜〜?? っと耳を疑うスタッフ達。言うなら、ハイテンションでどこまでもハイな○○じゃないか? っと思うが、誰も口にしない。
だが皆、視線を巡らせクスクスと笑い合う。
その様子に気を悪くしたディレクター。むぅっ顔で怒鳴ろうとするが、タイミング良く古参のスタッフが割り込んだ。
「さ、ディレクター。遊びはここまでにして、仕事をしましょう。長崎には道の駅が丁度、八箇所ありますね。ここもかなり名産、名所がある場所。楽しいHERO達がいるでしょうね。さ、急いで仕事、仕事!」
彼はディレクターに反論させる余地無く、背中を押し借りている会議室まで連れて行った。
■若手ディレクターの企画『ご当地★HERO長崎編』に出演して下さる方を募集致します。
この番組は『地域密着エンター風旅番組』で、挙げられた土地に因むHEROや悪役を募集しております。
面白そう、この土地は任せろ! っと思った方、またディレクターのクルーとして参加して下さるカメラマンや裏方さんも同時に募集しております。
皆様の手で楽しく地域を紹介し、視聴してくれる方が行きたくなるような旅番組に仕上げて下さい。
では若手ディレクターと共にご参加をお待ち申し上げます。
■注意点と決めて頂きたいこと
・『ご当地HERO』とは地域密着型英雄で、主な仕事は地域の観光地アピールや特産物の紹介など、そしてたまに悪者を戦う事と、様々な仕事を請け負っています。
彼らの名前や容姿、着ているもの、その他に方言や設定、人数など細かな点を皆様でお考えください。
また同じように悪役もご一緒に宜しくお願いします。
その場合は、必ずその地方の特産物や地域名をもじったものでお願いします。【例:埼玉HERO★カスカビーレッド、イワッキグリーン。悪役 ソウカ堅ヤッキー等】
なお、皆様の考えてくださった面白キャラクターを生かしたいので、実在するもキャラの使用は禁止いたします。
・この番組は特撮ではなく、彼らが戦うばかりを要求していません。仲良く名産品や名所を案内して頂いてもけっこうです。
その場合、近場でしたら行けますが、遠距離はVTR編集となります。
・必ず指定した県のアピールをお願いします。他県を紹介されても反映することが出来ません。ご了承ください。
・最後に喧嘩の無いよう、またTV番組という事をお忘れ無く、担当したご当地の悪い処を挙げ連ねる行為はご遠慮願うと言うことで、皆さんで楽しんみながら、お決めください。(これが一番大事)
●リプレイ本文
●汽車は行くよ、どこまでも?
ポップなタイトルの文字が画面を躍りエンターな旅番組『ご当地☆HERO』の始まり。本日のHEROを撮るべくカメラを回す、森屋和仁(fa2315)は重々しく威厳あるお社の撮影。
しかしHEROの姿がない。辺りを探るようにカメラを回す彼の耳にカチカチカチっと、軽快な音が流れ込んだ。音の出所にレンズを向ける。そこに映しだされたのは、ぴりっとした駅員さんの衣装を纏った瑛椰 翼(fa5442)。
「本日はご当地HERO、長崎編を旅する路面電車・ブラブラ長崎号へご乗車頂きありがとうございます。当車は順繰りと県を巡り、その土地の名物・名産品をご紹介し、最終目的地『夕陽が丘そとめ』まで皆様をお連れします。そう、申し遅れました俺は、車掌を務める長崎クンです。えぇ、下に『ち』を入れるますと、国指定重要無形民俗文化財に指定される祭りの名前となります」
胸にあるでっかい名札を指さし答える瑛椰。因みにネタは森屋が調べてきてくれたもの。土地に馴染みある彼は、撮影前日に十月のこの祭りの情報をバッチリ知っていたのだ。
「では、切符を拝見。片道キップ‥‥切りまーす」
瑛椰はのっけから縁起でもない発言。勿論、瞬間的にカメラの前を横切ったディレクターの必殺ツッコミを見舞われる。
「か、か弱い俺に何ばするのっ。え‥‥ボケはいいから進めろ? はい‥‥。ではどっちから行こうか? 迷った時はサイコロ! それドーン」
抗議は虚しく流されたうえ、巻きの合図。瑛椰は気を取り直し、自作のHERO顔絵入り巨大サイコロを振った。
数回転し、止まったサイコロは銀髪のセクシーな女性の目。
「ということで、まずは松浦海のふるさと館にいる彼女からだ!」
瑛椰はテンション高く車へ向かおうとするが、スタッフから輪に結んだ長い紐を渡されてしまった。
「え、これで行け? 成る程、俺が車掌さんの恰好しているから電車ごっこね。‥‥って、えぇぇっ?! そんなのアリぃぃ?!」
瑛椰は、ぽんっと手を打つも、すぐにツッコミ。しかしこちらも敢えなく流され、輪をくぐる。
「‥‥では出発進行‥‥しゅっぽーしゅっぽー‥‥?」
恥ずかそうに掛け声。言うまでもないが彼の後ろにはカメラを手にした森屋がいる。
あまりに雰囲気と異ると断っても、紐を支える人が居なくては電車ごっこは始まらないと押し切られてしまった。これも番組に参加した事への悲劇。納得するより他ないようだ。
●セクシー水兵HERO
画面が切り替わり彼らが着いた先は、道の駅・松浦海のふるさと館。出迎えたのはサイコロの目に載っていた美女、紺を基調とした水兵服を着るシーブルー☆松浦に扮した竜華(fa1294)だ。
彼女は森屋のカメラに向かって手を振ると、丈短めのセーラーが持ち上がる。更に大きなバストが押し上げ、動く度におヘソがチラ見え。男性には喜ばしい画である。
釘付けの視線を予想した竜華は、悪戯っぽい笑みを浮かべつつ紹介を開始。
「ここ松浦ふるさと館は、今から二年前に正式にオープンした道の駅よ。名所は山間には棚田など色々あるわ。私のお勧めは、そうね‥‥ぎぎが浜かしら? ちょっと変わった名前の由来はね、松浦水軍の党祖・源久公が上陸した際に輿という乗り物から、ギィギィという音が彼に伝わって、そう聞こえたからなんですって。現在、浜は整備され海水浴場として賑わってるのよ。それと流鏑馬というお祭も見物ね。千年もの昔から続くものなの。中々趣深いでしょ?」
二人を連れて竜華は物産館へと入る。店内は様々な物産が並んでいた。
「ふふ、凄いでしょ。鯵と鯖は日本一の水揚げ量を誇る程よ。勿論、虎河豚の生産量もね。港が近い事で新鮮な魚を販売が出来るのよ」
艶やかな笑みを浮かべる竜華。近くにいる漁師さんに声を掛け親しそうに会話もする。
「この時期、旬という字を『とき』と読む、旬鯖と旬鯵。美味しいわよ。是非、松浦港まで食べに来てね。今月は松浦水軍まつりや松浦おさかなまつりなども楽しめるのでお勧めよ♪」
漁師さんと共に笑う竜華。
「お魚もだけど、お菓子も美味しい〜」
解説の間、瑛椰は漁業組合婦人部の方々製作のシフォンケーキを頬張る。森屋の回すカメラの向こうでディレクターが仕事しろっと口パクツッコミ。
「そう急かさなくても‥‥。では出発ー!」
瑛椰は食べ終えると、竜華を交え次へ電車ごっこを開始した。
●昆虫HERO見参
先へ進んだ一同は目的地、道の駅『昆虫の里たびら』へ。彼らを迫力満点のカブト虫モニュメントが迎えてくれる。
「流石は昆虫の王者! 格好良いなぁ」
少年の眼差しの瑛椰。そんな彼の顔がアレ? の表情に。
見ればモニュメントの上に黒いスーツに甲虫の羽根を付けた黒い影。それはムシカイザー・タビラこと鷹飼・源八朗(fa5082)だ。
「みんな、よく来たな! ‥‥とぅ!」
キメポーズを作ると背中の羽根を広げて格好良く着地。その動きなかなか堂に入っている。
しゅた!
ばししっのしゅぅ〜っ!
だが残念。地上でポーズを決める事なく、新聞やスプレー攻撃に撃沈。どうもアノ虫と間違えられたようだ。しかしここでやられてはHERO‥‥甲虫の名が廃る! 起死回生で跳ね起き新にキメポーズ。
「俺を台所に蔓延るヤツらと一緒にするな! 甲虫HEROなのだぞ」
彼は額に生える一本角付きマスクを皆に見せつけた。確かに触角などではない。
納得顔の皆に鷹飼は気を取り直し、
「ではご当地紹介だ。ここ昆虫の里たびらは地元で採れた新鮮な野菜や卵を提供している。なかでも手作りかりんとうは一押しの美味さだ。そして夏期は近くの自然園でカブト虫やクワガタ、蝶など個性豊かな昆虫達がありのままの環境で観察できるぞ。どうだ今度の休日に親子で楽しみに来ては」
胸を張る。聞いていた瑛椰は、あとは? っと問う。
「そうだな‥‥あとはオランダ風テーマパークか。そこは担当するHEROを訊ねてみよう」
鷹飼が答えると、早速、電車ごっこで目的地を目指していった。
●花の水兵さん&どんぶらHERO
鷹飼の案内の元、大村湾の傍までやってきた電車ごっこの一同。
彼らが到着した先は、四季折々の花を見ることが出来る異国風のテーマーパーク。旬を迎える花々が秋風に揺れている。良い画だと撮る森屋に、爽やかな白と赤のボーダーシャツに白いパンツ、赤いスカーフを首に巻き市の花である花水木の造花を添えた衣装に身を包んだHERO・水木リリーとなるティタネス(fa3251)がそろりと寄ってきた。
「異国情緒溢れる観光都市、佐世保へようこそ! 観光面ではやっぱり、ここオランダ風テーマパークが一番有名かな?」
被った白い水兵帽にもやはり市の花の鹿の子百合が添えられたり。花に囲まれ、はにかみ笑う彼女は、なんとも新鮮だ。
「ここも素敵だけど、西海国立公園の九十九島の絶景も見物だよ。名前は九十九だけど、実際には二百八もの島があるんだ。その密度は日本一ともいわれているよ」
ティタネスはフリップボードを手に解説し終える。と、
「さぁて、沢山歩いてお腹が空いたでしょう? 近年話題の佐世保バーガーを食べようか! これは米国人さん達からレシピを聞いて作られるようになり、今や地元の味へと発展したご当地名物だよ」
様々なデザイン紙に包まれるバーガーをティタネスは配りながら解説。
「さぁ、どうぞ! お店により味やレシピが違うから食べ比べても面白いよ! デザートには入港ぜんざいを用意してあるんだ。その名の由来は、無事に母港に帰る前夜にお祝いと慰労を兼ねて、当時の贅沢品だったぜんざいを食べたのが始まりなんだって。勿論、ぜんざいも店によってアレンジが変わってるんだ」
誰も美味しいと口々に話すそこに、可愛らしい声が響く。
「お〜い、こっちなのでぃす! 遣唐使ウーマンのご当地名物も紹介するので、食べてくださいなのでぇす☆」
辺りにカメラを回す森屋が捉えたのは、スタッフが必死に漕ぐでっかい桶に乗る縞りす(fa0115)。どうやら離島にある道の駅・遣唐使ふるさと館からやってきたようだ。
余談だが、番組内で離島まで行くのは難しいうえ別撮りの間もなかったので、彼女にはこっちに来て貰う形を取った。
「ささ、美味しい物を沢山持って来たのでぇすよ。ご当地名物は五島牛を使用した焼肉にハンバーグそして美味しいビーフカレー。あとはきびなごの一夜干しに五島うどん。五島列島の豊かな自然が産んだ美味しい物を、たんとおあがりなさ〜いなのでぃ〜‥‥」
べちょ。
浜に着岸した桶から飛び降りる彼女。だが緩やかな古代中国風とも日本の着物風とも取れる衣装が足に絡んでしまい着地失敗。見事に鼻を打った。だが、めげない縞りす。強い子だ。
森屋はそんな可愛いドジも逃さず押さえていく。
「てへへ〜‥‥大丈夫でぇす☆ それよりもお料理を‥‥。あ、お姉さん方には髪に椿油があるでぃすよ☆ これを髪につけると艶やかになるでぃす〜☆」
彼女は照れ隠しに笑い誤魔化し付きのご当地紹介。
「食べ物を並べたのでぇすが、五島列島はそれらはかりでないのでぇす。列島の大部分が西海国立公園に指定され、美しい海、教会や寺社をなど多くの歴史遺産が残っているでぃすよ。お時間のある時に見て下さいなのでぃす〜」
上手く説明できたとポーズを取る縞りす。彼女も一緒に名産品を頬張ったところで、一旦CMである。
●音楽と食事を司るHERO見参!
CM明け。森屋のカメラに映るHERO達。
皆、次のHEROの待つ西海市にある道の駅『さいかい』へ勿論、電車ごっこで入っていく。美味しい物をたらふく食べた所為か誰もこの行動に疑問がないようだ。寧ろ率先している。
白いドーム型屋根に木目調の壁が目を引く施設へ入る彼らの前にあるのはラッパのようなスピーカを付けた蓄音機。どこにもHEROの姿がない。
誰もが首を傾げ合う。っと、突然、ぢ、ぢっという音と共にスピーカが鳴り出した。
「やぁ、HEROの諸君。さいかいへようこそ。僕はフォノグラファー西海だよ」
穏やかな男性の声音を真似た美角やよい(fa0791)の声が言葉を紡いでいく。
「‥‥僕は今、音浴博物館にいるんだ。こっちで素敵な物を紹介するので、おいで」
そこで切れた。皆、興味を持ちHERO達は電車ごっこの連隊を作り彼女の元へ。迫った時間短縮の為、足踏みワープで音浴博物館の前に立った彼ら。
「ようこそ、音浴博物館へ。ささ、中へどうぞ」
快く出迎えるのはレトロ調のスリーピース&コートという男装姿のやよい。
鳥と川のせせらぎに包まれる森の中、以前は小学校だった木造の建物の前に立つ彼女は良く雰囲気に合っていた。
やよいはHERO達を館内へ促す。中は温かみのあるライトの下、無数の蓄音機や古いレコードが所狭しとあった。森屋はカメラをゆっくりと動かし画を押さえる。
辺りを見回すHERO達の顔を見ながら、やよいはおもむろに指を鳴らす。すると、蓄音機からノスタルジックなBGMが流れ出した。
「SP盤一万三千枚をはじめ、約十二万枚のレコードに蓄音機などのプレーヤーが百台以上も展示してあり、それらは見るだけでなく、実際に聴く事も出来るんだよ。皆さんもここに来きてレトロジカルな調べの中、忘れていた古き良き何かに『再会』なんてどうかな?」
レコードが醸し出す特有の音にウットリ顔の彼ら。やよいは少々ダジャレて、笑んだとこで美角あすか(fa0155)の声が響いた。
「あのー、お時間もあるようですし、そろそろ最終地の道の駅『夕陽が丘そとめ』に来ませんか?」
森屋の撮す画面の右下に彼女が映り込む予定のそこを、HERO達は見る。
「そろそろ行かなければ。では最終地へ出発〜」
瑛椰はロープを押し上げ手招き。もはや今回のノリを納得した皆は中に入り、またも時間短縮ワープを使い最後の地、長崎市にある道の駅『夕陽が丘そとめ』へ映像が切り替わった。
緩やかな海が一望できるレストランで待っていたのは、セパレートのミニスカ水着の各重要部分に特産品フィギュアを飾り付けた女幹部風の、長崎うまいもん市子に扮したあすか。
「いらっしゃーい、終着駅の長崎市へよーこそ! お腹も空いたでしょう? 特産品でお腹を満たしてね〜」
言うが早いか席へ案内し、黒子を伴いカステラやちゃんぽん、皿うどんに栗饅頭等の長崎グルメを並べていく。
なかでも目を引く料理が一つ。
「これは長崎生まれという説のある大人向けお子様ランチ、トルコライス! ピラフにスパゲティ、トンカツの盛り合わせって、見てるだけでも嬉しくなっちゃうと思いません?」
ずらりと並ぶ料理の数々が良い匂いを放つ。しかし食べっぱなしの彼らはあまり空腹でないようで、箸を持つ手が戸惑い気味だ。
チラ見したあすかは、斜めン度のからの黒い笑顔を浮かべ、
「思わず食べずにいられない長崎市グルメ! お腹一杯でも入るでしょ〜、そうでしょ〜? 腹いっぱい食べんば〜」
威圧し迫る。女幹部・風でなく、ズバリそのものだ。皆、慌てて皿を取り食べ出すと、強ばった表情が一転、
「あ〜! 美味しい〜♪」
声を上げる瑛椰とやよい。縞りすも料理に手を伸ばすが長い衣装に躓き、危うく転がりそうに。しかしティタネスに抱えられ難を逃れた。
角付き覆面が邪魔する鷹飼は、竜華に食べさせて貰うという羨ましい特典。世の男性を敵に回した事間違いなしだ。
そんな彼らをあすかと、カメラを回す森屋は満足げな表情を浮かべ見ている。
こうして番組は美味しく楽しいまま、終了を迎えた。