いろはに諺 いの巻アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
極楽寺遊丸
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
04/09〜04/13
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●本文
サブタイトルは、諺(ことわざ)を楽しく学んじゃおう!
タイトル通りの教育番組である。いや、そのはずだ。何と言おうと。
しかしプロデューサーの指示により、スタッフ達が運び込むモノはなにやらおかしい。どれもパーティーやイベントなどに使われるような面白センスの小道具、衣装ばかり。
そう、この番組の意図は楽しみながら諺を学ぼうというもの。娯楽要素を多く含んだ教育番組を目指しているらしい。
どこか和風を思わすセットや大きな白いシートなども用意され、準備は整った。
あとは出演者と司会のお姉さんを待つばかり‥‥
■演出
はじめに出演者全員(進行役のお姉さんは除く)に全身黒タイツを着用してもらい、お題の頭に当たる文字を人文字で作っていただきます。
今回は「い」です。
その文字を使い、頓知のきいた面白い発言をしてください。
次にお姉さんの指示に従って、色々な面白い演技を開始。
諺の意味を忠実に再現するのもOKですし、スタッフが用意した小道具、衣装を使用し、ボケてお姉さんにツッコミを入れて貰う設定もOKです。
■お題
い 「一か八か」
意味は、上手くいくか解らないけれど、運に任せて思いきって試してみること。まさにこの番組そのものである。由来は一になるか八になるか。
■出演者募集
いろはに諺の出演者を募集します。
楽しく頓知のきいた出演者と番組進行係のお姉さん、演出を手伝ってくださるスタッフの応募をお待ちしております。
■成長傾向
芸、演出
●リプレイ本文
●みんな始まるよ
色取り取りのクレヨンで賑やかに描かれた「いろはに諺」の文字が子供数名の元気な声で読み上げられると、画面は切り替わり和風の背景画と鉄棒が幾つも取り付けられた大きな板セットがあるスタジオが映し出される。
カメラに向かって手を振る司会進行役のお姉さん、小日向 環生(fa3028)と豊浦 あやね(fa3371)が揃いの桜色の着物を纏い、ADの合図にぺこりと頭を下げ、自己紹介を兼ねた司会が開始された。
「みんな、こんにちは! タマお姉さんだよ」
「あやねお姉さんやで」
「この番組は諺を楽しく学ぼう! というオモシロ教育番組なの。文字ぃ君達が体を張って教えてくれるのよ。みんな、楽しみにね」
小日向が番組の趣旨を告げる背後には、全身タイツ姿の文字ぃ君と呼ばれた出演者達が大きく手を振っている。
「そうそう、いろはにに合わせて、諺が出てくるで。今日のお題は一か八かの『い』や! ほな、いの一番! 頑張っていきまひょ! おもろなかったら、ばしばしハリセンが飛ぶで」
豊浦は自前のハリセンを豪快にスイング。当たるとかなり痛そうだ。とりあえず張り切っていってみよう!
●東海ドロップスの『い』
最初の文字ぃ君は若手芸人の二人、東海ドロップスの雲隠・壱鴎(fa0316)と 霧隠・孤影(fa1010)だ。
「どーもー!!東海ドロップスで〜す! 」
満面の笑顔でご挨拶。なぜか孤影はテンションが高く、ぴょんぴょん跳ね回ってる。
「っえ〜い、いぇ〜い〜です」
「どふっ!! 」
そんな孤影のヒップアタックを壱鴎はもろに食らい、画面からフェードアウト。そんな相方の事など気にせず孤影はまだ跳ね回り、
「こえいの、い〜です〜!! 」
元気よくお題を答える。よたよたと戻ってきた壱鴎もひん曲がった眼鏡を直し一言。
「いちおう大丈夫の、い〜! 」
二人はすぐさま後ろの板のセットによじ登りだした。そこから文字が出来上がるまで早送り。二人が忙しく動き回わりなかなか面白い画になっている。ようやく文字が整い通常のスピードへと戻った。
左側を担当する壱鴎が何故か逆立ちの体勢で悶えている。そんな彼にさらに酷い難題を孤影が押しつける。
「いっちゃん、ハネが足りないです」
「ハネ? え、こう‥‥ゴッ」
言われた通り壱鴎は首でハネを作ろうとするが上手くいかない。見かねた豊浦が近付きハリセンで一撃。軽快な音と共に壱鴎の頭は内側へ曲がった。
「痛いの、い〜‥‥」
「医者の、い〜です! 」
軽々と降りる孤影に対し、壱鴎は痛みを堪えぞもぞと着地。降りても俯いたままだ。それにもめげずネタ開始。
手で聴診の真似をする孤影に向かって壱鴎は聞く。待ってましたとばかりに孤影は大きく頷き答えた。
「何々? 孤影ちゃん、お医者さんやりたいの? できれば首を見てほしいんだけど」
「胃潰瘍です」
「孤影ちゃん、何処から開始だったの今の」
いきなり胃潰瘍とはいい加減だ。しかも開始がどこからか解らない。
「一か八か‥‥手術です! 」
それでもマイペースに話を進める孤影。お題を織り込んだコントになってる。
「胃潰瘍なら薬飲めば治るよ!? 」
「なら、診察料一千万、貰うです」
「ぼったくりだよ! 今時、指名料でもそんなに取られないよ!? 」
指名料って‥‥どんなお店の話だ? 大仰に驚く壱鴎に向かって孤影が、
「いいかげんにしなさ〜い〜です」
「こっちの台詞だよ!? 」
スタッフの拍手を浴び一礼する東海ドロップス。
「はい、東海ドロップスの文字ぃ君でした。みんな、勉強になった? まだ教えて欲しい? では次行ってみよう」
「お次は三人の文字ぃ君や、よろしゅう頼むで! 」
●文字ぃ君、三人の『い』
背が高く筋肉質の身体をタイツに押し込めたティタネス(fa3251)、フィット感が気になるのか落ち着かないHIKAGE(fa1340)、なぜか両手に人形を携えたHAKASE(fa2600)の三人が出てくる。最初を誰がやるか決めかねた様子だがレディーファーストという事でティタネスから開始。
「い‥‥一寸の虫にも五分の魂。あたしみたいなか弱い女の子でも、甘く見てると痛い目に遭うからな? 」
「一寸どころか一間はあるやろ! どこがか弱いんや! 」
「そういう、ネタは芸人の仕事なのです、仕事を取るなです! 」
カメラにずいっと近寄ったティタネスがむんっと筋肉を隆起させる。っと、すかさず豊浦がツッコんだ。そこへ何故か孤影のキレ芸も炸裂。
ティタネスも負けてない。じろり睨み返すと、一言。
「一間のあたしなら三尺の魂か? 」
「デカッ! 」
ナイス自虐ボケ倒し。
尺貫法の書かれたテロップが、ティタネスと一緒に映し出された。
そんなティタネスに替わりHIKAGEの番。モゾモゾと内股でカメラに走り寄り小声で、
「い‥‥イイらしいよ‥‥? 」
何が言いたいのか、さっぱり解らない。だが滑稽なその仕草に皆、笑いが漏れる。それだけですぐにHAKASEにタッチ。
「いー‥‥、いざとなると思いつかないよね。一匹見たら三十匹はいる」
それは某害虫のたとえだ。後ろで聞いていたHIKAGEが自分の出番が終り気が抜けたのか、はっちゃけだす。タイツで覆われた頭に二本の指で触覚に見立て、踊っている。水牛ダンスならぬ害虫ダンスだ。
HAKASEも負けずネタを披露。両手につけた人形、棒を頭に乗せた犬のポチ君と井戸に入った蛙のカワズ君を使ってコントだ。
カメラの前に突き出し、
「ポチっとカワズっと。ミニコント、一か八か」
「ねぇポチ君、家のTVが壊れちゃったんだ」
「そうなの? カワズ君。僕が直してあげるよ」
蛙の口で器用に犬の頭に乗る棒を取り、そのまま犬に持たせるとナナメ四十五度の角度で蛙の頭を叩く。
「痛っ! 痛いよーポチ君、何するんだ」
「でしゃばり蛙の頭を叩いて、一か八かで良くしようとしてるの」
「なら、棒で叩かれるのは君の方だろ! ポチ君。犬も歩けば棒に当たるなんだから」
「なにぃ、カワズ君のくせにTVで世界を知ろうとするからだよ! 井の中の蛙、大海を知らずって諺があるんだから」
「うわぁ、それ逆の意味だし‥‥」
叩かれていた蛙がもしょもしょと井戸に沈む。上手い具合にお題の『い』を使ったコントだ。さらに続き、
「ねぇ、ポチ君。僕、恋をしたんだ」
「そうなんだ。カワズ君、一か八かでアタックしてごらんよ」
「うん、そうするよ。相手は芋虫さんなんだけど、最近食べてないから恋しくって‥‥」
「それって餌じゃんっ」
「ポチッとカワズッと」
両手を広げ決めのポーズでミニコント終了。拍手に有難うございましたーと頭を下げる。
三人のネタが終了すると、今度は文字作りだ。だが三人でやるには画数が少なすぎる。そこでティタネスがスタジオの端から端まで一か八かでとんぼ返り横断を提案し実行。
早送りで文字を作る二人の前に高回転とんぼ返りをする彼女が映し出され、画面の中をちょこまか動く彼らの様子に笑いが絶えない。
数秒後、彼らは文字をなんとか作り出し元のスピードに戻る。それは先ほどの東海ドロップスの『い』とは違い『ゐ』を表している。が、イマイチ上手くない箇所に小日向の指示が飛ぶ。
「HIKAGEさん、もっと足を出してください。そうそう、もっと右。HAKASEさんは頭をかがめて」
上の部分を形作るHIKAGEは逆立ちで無理難題の体勢を取らされ顔は真っ赤になり、その腕を握り支えるHAKASEは靴を脱ぎ最後の丸を表しぎっくり腰避け、さりげなく無理のない体勢を取っている。
そこへとんぼ返りでスタジオ横断をしてきたティタネスが、見事なバク宙を見せ文字の前にピタッと止まる。スタッフから歓声が上がった。
「んー、とんぼ返りは良かったけど、文字はイマイチね」
「最後にHIKAGE君の提案モノや!一か八かのロシアンシュークリーム! 」
自分から提案をしたにもかかわらず小日向はクールに判断。二人の苦労も水の泡である。
豊浦もさっさと話題を移ってしまった。
●ロシアンシュークリーム
「さあ、一か八か選んでみよう! 」
出演者達の前に八個のシュークリームがある。どういうわけか司会分もだ。これも提案者のHIKAGEが言い出した事。小日向、豊浦も渋々シュークリームを手にし、
「では、いにのさん! で、ぱくりといくで! いちにのさん! 」
豊浦の掛け声と共に全員、ぱっくん!
当たりを引いたのは孤影とティタネス。それ以外の出演者の口から呻き声が漏れ、皆、おしぼり握りしめ涙目で水を飲んでいる。
一番酷い目に遭ったのはHIKAGEとHAKASE。激辛ハバネロソース入りだったのだ。二人とももんどり打ち、すぐさま水で冷やすが、辛さは一向に治まらない。
「一か八って、ほとんど八割のほう引くに決まってるじゃないですか〜‥‥」
どうやらHIKAGEは一か八かの意味を勘違いし、割合だと思っているらしい。合計が十にならないのだから気付きそうなものだが。
そこへ小日向が辞書を片手に正しい意味の解説をし始める。
「みんな、一か八かはね、上手くいくかは分からないけれど、運にまかせてやってみることの意味なの。これで解ったかな? 」
「ちなみにこれは博打から出た言葉だけど、みんなはこのように危険な賭け事に手を出しちゃダメデスヨー‥‥」
ではまたねっと、全員でカメラに手を振った。