いろはに諺 なの巻アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
極楽寺遊丸
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
2Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
2.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/27〜08/31
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●本文
サブタイトル:実体験で諺(ことわざ)を学んじゃおう!
タイトル通りの教育番組である。いや、そのはずだ。何と言おうと。
いつもの通りプロデューサーの指示に従いスタッフ達が運び込む小道具、衣装はイベントパーティーでもするのではないかと間違えるほどの面白グッズばかりである。
そう、この番組の意図は楽しみながら諺を学ぼうというもの。
和風なセット、そして大きな筆を持ったヘラジカがモチーフのマスコット『マロ君』もスタジオに一番乗りをして準備は万端。
あとは出演者と司会のお姉さんのスタジオ入りを待つばかり。
さぁ、今回も賑やかに放送開始である。
■出演者募集
いろはに諺の出演者を募集します。
楽しく頓知のきいた芸人さん出演者と番組進行係のお姉さんS’&司会者さん、演出を手伝ってくださるスタッフの方々の応募をお待ちしております。
■演出
その1 諺とは関係なく「な」の文字を頭に使い面白発言や全身黒タイツ(女性はピンクでスカート付き)を着用し文字ぃ君となって、体を張り文字を作って頂きます。
その2 各個人、または団体で諺に沿ったコントやドラマ仕立てミニコントなど、お願いします。
ボケをかましお姉さんにツッコミを入れてもらうのも良いですし、創作した諺の披露や、体を使ったスタントでコントもオッケー。
とにかく一番大事なことは、皆様がワイワイ楽しんで番組を作ってくださること!
コントの大道具、衣装はスタッフが用意致します。
最後に諺の意味をちゃんと説明して終了予定? それは参加された皆様次第!
用意した諺は、全て使わなくても大丈夫です。
■番組マスコット情報
名前:いろはの守言彦麻呂(略称いろは麻呂でマロ君)
外見:赤鼻でヘラジカっぽい、ふわふわモコモコの着ぐるみ。なんか可愛い。
持ち物:大きな筆を所持。
性格:基本はドジ。ボテボテした動き。だが、意外と俊敏な時あり? (中に入った人次第)。好きなモノは毎週のお題で変動
■お題
な
「生兵法は大怪我のもと」
意味:少しの技術や知識を持っているというだけで、軽々しくそれを行うとかえって大失敗する事。
「なんでもこいに名人なし」
意味:何でも上手くこなせる人は特にずば抜けているモノがなく、名人といわれるような人はいないものだ、という事。
「ならぬ堪忍するが堪忍」
意味:我慢出来ないという時、それでも堪えて我慢するするのが、本当の堪忍だという事。
●リプレイ本文
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いつもの時間にTVを付ければお馴染みのタイトル。すぐに画面は切り替わり、司会者&出演者が映し出された。
「はい、いろはに諺の時間です。前回は余計な事をしてしまい『ナメクジに塩』の例え通り、苦手なものを前に縮み上がった状態で、お送りする司会者の郭氏文令明です」
「夏も近づくー♪ がぅ? もうすぐ秋だから、秋も近づくーなのだ! おいら、マイお姉さんなのだ」
怯えの色を浮べ挨拶をする郭氏文 令明(fa0243)。その隣で苺(fa3120)が『しかいしんこ〜夏バテ逆襲』の腕章の付いた腕を振り童話を歌う。
「変な事言わない限り何もせえへんって。‥‥みんなぁ、ユラお姉さんやで。夏休みの宿題は終わったかな? 『夏歌う者は冬泣く』の諺通り、出来る時にやらへんと後で窮するねんで。ま、今は息抜きやな。おかんも勉強と思うてお目こぼししてくれるやろ!」
「確かに、怒られない為に宿題はお早めに。そういった意味で諺を一つ『長いものには巻かれろ』。これは目上の方や権力、勢力のある人には反抗せず、大人しく従う方が無難で得策だという意味です。その通り学校やお仕事をする上で大切なこと。さぁみんなも覚えましょう。年上と権力者ではないのですがお姉さん達にも逆らわないのが得策ですね‥‥。ではまずは、屋上のHIKAGEさん、宜しく」
前回の話を持ち出された豊浦 あやね(fa3371)は、苦笑いを浮かべながらも挨拶。
オープニングの締めは郭氏文。巧みに諺を使い、今回の始まりを促した。
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屋上からの中継。映し出されたのはパラソルやビーチチェア等のバカンスセットの下、白タイツにサングラスの姿で無理矢理、夏をエンジョイするHIKAGE(fa1340)の姿。玉の汗を吹き出しながらも爽やかな笑顔で、
「奈良の鹿は強盗だっ!」
修学旅行時に経験した煎餅を強奪されるという悲惨な事件を元に一言。豊浦もその切ない過去に敢えて突っ込みは入れない。
「‥‥え〜久し振りの体当り中継です! 『夏は熱いものが腹の薬』という諺の真相を確かめてみよう!」
言うが早いか、スタッフが押してきたワゴンに積まれたチョコパにジュース、アイスやかき氷の冷たいモノを欲求に任せ貪り始める。
それをスタジオで見据える苺。涎の筋が垂れそうになるが堪えている。その様子を汲み取ってか郭氏文が、
「‥‥HIKAGEさんは食べる事に専念するそうなので、次‥‥宮内さんどうぞ!」
苦笑いを浮かべ振った。
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「はぁい、TVの前のちみっこ諸君、ミリーさんよ〜ん。さぁ文字を作っちゃうから見てねぇん」
お色気たっぷりに宮内・ミリー(fa1784)が登場。気合いを込め文字作りセットによじ上り、お題文字平仮名の『な』を作り始める。
しかしどう考えても一人では無理な話。ようやく気付くもここで諦める気など無いらしい。
「ここで折れたら女が廃るわ! 一人で何とかするのよっ」
鉄棒の上でまたも意気込み、手を真横に延ばし足先を軽く曲げ急遽、片仮名に変更しポーズを決めた。
「ナ」
「あれ? 『な』やなかったんかいな、宮内さん」
そこに台本を手に豊浦が宮内に質問してくる。彼女は焦り気味に、
「き、気のせいよぉ、ほら、よく言うじゃない〜『長い物には巻かれよ』って。そういう事よぉ」
「意味ちゃうわ!」
すぱ〜んっ!
案の定、見破られハリセンの制裁。頭を押さえ痛ぁ〜いと騒ぐ彼女に苺が本と包帯を手に駆け寄った。
「すぐ手当をするのだー」
苺は『基礎からはじめる家庭医学』を見ながら宮内の頭に包帯を巻く。が、だんだん自分の腕にも巻きだし、とうとう苺と宮内が絡まりだした。
「がぅ、何でこうなるのだ!?」
「いやぁん、キツキツだわん」
外そうと藻掻けば更に絡む。宮内は色っぽい声を上げ、またもハリセンの制裁。そこで機転を利かせた郭氏文が鋏で包帯を断ち切り、ようやく解放された。
「う〜ん、この通り『生兵法は大怪我の元』中途半端は危ないから、分からない事や出来ない事はちゃんと覚えてからね」
色気まで断ち切られたのか、真面目に諭す宮内。皆、驚きを隠せない。しかし本来は面倒見の良い娘。子供に好かれる俳優を目指す彼女の本性かも知れない。
その匂いを嗅ぎ取ったのか最近、本業の格闘の方で負け込んでイジケ気味のマリアーノ・ファリアス(fa2539)が大きな瞳を潤ませ現れた。もっとも大人相手に戦うのだから仕方のない話なのだが。
「リングの上では格闘家。リングを降りれば子役&芸人で『なんでもこいな七化け』マリスだヨ〜。誰? なんでもこいに名人ナシっていうのー? 違うヨー」
一人拗ねて唇を尖らせる。
「いやぁね、誰もそんなこと言ってないわよー」
宮内はあっさり彼を手懐け抱きしめる。マリアーノも最初のうちは良かったが、徐々に興奮し力を込められていく腕に息苦しくなり泣きっ面に蜂とはこの事とばかりに喚くが聞いて貰えない。
「う〜‥‥苦しいぃ〜、はっ! 『長いものには巻かれろ』って言う諺通り巻かれてミヨー」
「そうよ、巻かれるのが一番よんv」
と、これまたあっさり軍門に下ってしまうマリアーノであった。
「さー良い思いもした事だし、ひとつ諺を紹介するわね〜『夏は日向を行け、冬は日陰を行け』って言葉があるわ。意味はぁ、夏は日向で肌を焼き元気な小麦色で、冬は日陰で肌を焼かずに淑やかな色白にって、つまりこれが季節に合わせた可愛い女の子を作る必須条件、これでクラスのヒロインは頂き! って意味よ」
「なんちゅー意味やねんっ」
ずばしぃん!
嘘八百を並べ三度、豊浦の突っ込み。マリアーノの方は咄嗟に逃げ難を逃れるが見事に宮内はハリセンの餌食となった。再度、宮内は説明し始める。今度は正しい方だ。
「本当は、夏はあえて熱い日向、冬はあえて寒い日陰。進んで厳しい道を選び自分を鍛えよって事よ。みんな覚えたかな? ね、マリアーノ君v」
宮内は少しばかり励ましの意味も込めた。
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「成せばなる、成さねばならぬ何事も。納得できる内容が出来るように常に悩み続けるHAKASEです。知恵絞り七転び八起きの精神で頑張ってきマース。ではスタッフさーん、テロップヨロシク!」
パペット使いのHAKASE(fa2600)が登場。今回は『鳴く猫は鼠を捕らぬ』に因んだ「ネコ君」と「蛞蝓に塩」で萎れた「ナメクジ君」の人形を胸前で振る。
「おっと蛞蝓が苦手な人はごめんねー。ネコッとナメクジッと」
流石に嫌いな人が居ると思われるのでお詫びと共に決めポーズ。
「さぁ、今晩の食事は葉っぱ一枚。諺通り『無い時の辛抱、有る時の倹約』ヌルー。おや、ネコ君また遊びに行くヌルか?」
「ナメクジ君、煩いよ。僕は君と違い器用だから大丈夫なのさ。君も少しは僕を見習うんだみゃー」
友人の忠告を無視した挙げ句一言多い左手のネコ君。そこで右手に付けたナメクジ君をぐっと丸め怒りに耐えるポーズを作るとテロップ『ならぬ堪忍、するが堪忍』。
「そっか〜ネコ君は器用なら、この休日に仕事をお願いしても良いヌル?」
ふいにナメクジ君をグッと伸ばし何かを思いついたポーズを取らせ、ネコ君に仕事をして貰う所までこぎつける。またもテロップ『怠け者の節句働き』が流れ、HAKASEは一旦背後に人形を隠す。
「そして休日明け!」
「あぁ〜、ナメクジ君に言われてやったけど‥‥失敗だらけでその上に怪我して入院みゃー‥‥ほんとこれじゃ『生兵法は大怪我のもと』だみゃー、上乗せで『泣きっ面に蜂』まで付いて来ちゃったみゃーよ」
「そうだね〜、僕からも言葉が出ないヌルよ‥‥これが『無いが意見の総仕舞い』だヌルー」
病院のベッドで寝ているネコ君のところにお見舞いに来たナメクジ君。もう忠告のしようがなくただ一言ポツリ。
「習い性と成るって言うよーに、何であれ日頃から慣らしておく事が重要なんだよねっと。ネコっとナメクジっと」
最後に二つの人形を胸の前で広げキメポーズをさせ、ぺこりと頭を下げた。
●
「さて、ここで中継のHIKAGEさんを呼んでみましょう」
郭氏文が淡々と進行させる。また画面が切り替わり、手伝いを申し出たマリアーノが引く、明らかに季節を無視したソリにパフェを手に乗車したHIKAGEが映る。廊下を通る人達を混沌に突き落としていくが、彼らはお構いなしに突き進む。
「美味しーですよ。もうすぐそっちに到着です」
HIKAGEは言うよりも早くスタジオに入り、ソリを降りるとダッシュで熱々のご馳走が並ぶセットへ向かう。
「冷たい物を食べ過ぎたので食事は入らない〜が普通だけど、スイーツは別腹だね。うまーい」
またも力一杯食べていくHIKAGE。飛びつくのを耐える苺などノー眼中だ。その行動に呆れた郭氏文が、
「全く再現になってませんね。規律や秩序を守る為に、人は時として私情を捨て厳罰に処する『泣いて馬謖を斬る』です。HIKAGEさんお覚悟!」
「え‥‥郭氏文さん?! なんでハリセンを‥‥ヤメテぇ! ならぬ堪忍するが堪忍ですよぅぅ」
ずばしーんっ!
郭氏文の強力な一撃を食らって撃沈するHIKAGE。そこでテロップ。『ひかげんの真似はしないでね。お腹壊しちゃうよ』と空しさ漂う文字が流れた。
「おおきに郭氏文さん。もう一つはウチが‥‥。マリアーノさん、何で今頃ソリやねん! 時期が早いやろが」
「エ〜? だって『夏にソリを用意し、冬に荷馬車を用意せよ』ってありまスよ」
「それは先を見て行動せよってな意味や! 善意から出たものやけど『泣いて馬謖を斬る』や!」
ばしぃんっ!
ここでマリアーノも一撃をもらう羽目になった。
「ありゃぁ、大丈夫なのかー? 今、包帯で手当をしてあげるのだー」
またも包帯と本を手に苺がささっと二人に巻いていく、というより縛り上げる方が正しい妖しげな縄捌きをみせる。
「な、なんやこれ!?」
「この本に書いてあったのだー」
恐る恐る聞く豊浦に苺は『基礎から始めるロープワーク』の本を掲げる。色々な組紐飾りが紹介され、今、正にHIKAGEとマリアーノは白い花飾りをあしらわれた姿となってしまった。
「うぅ、ユラお姉さん同様の破壊力のある羞恥プレイです‥‥」
「あぁ〜、恥ずかしすぎでス〜」
ぽとり涙を流す二人であった。
●
霧隠・孤影(fa1010)はマロ君に肩車をして貰い、二人揃いのピンクのナース姿で登場。
「萌える芸人魂の東海ドロップスの霧隠・孤影です。コスプレの王道ナース服の『ナ』です。これで夏に聖戦をするお兄さん達もイチコロなのです。メロきゅんですー」
弟同様意味不明な発言をする孤影。よっとマロ君の肩から降りると彼に向き直り、
「まぁ‥‥筆持ってるだけのマロ君には分からないでしょうね」
さらりと酷い事を言う。無論マロ君は怒り心頭。その場で足を振り上げ、持っている筆の房の部分で孤影を擽り、あっかんべーをすると猛ダッシュで去るという暴挙にでた。しかし足が縺れその場でべしょっと倒れる。
「大変なのだ! 手当をして‥‥いたっ!」
またも苺が駆け寄るも、包帯を足を絡ませころりん。勝手に起きたマロ君に隅まで運んで貰い、逆に包帯を巻いて貰う事となった。
「え〜‥‥え〜っと、僕のお題を‥‥。僕は凄い人なので、何でも出来るです! そこからでも掛かって来いです!」
えばりながらも言葉を誤爆っているのに気付かずにいるのは愛嬌の孤影。取り出した難題暗算問題と向き合うが、数分経っても解ける気配はなく、出るのは冷や汗。
「‥‥これは特殊な計算方法で‥‥みんなに分からなかったみたいです。次にいくです!」
今度は別の場所に用意された七段跳び箱。はいっと手を上げダッシュし踏み台を蹴るが、
ぽすんっ!
っと、跳び箱の上に着地。
「こ、高度な技術を駆使しフェミニン乗りをしたです。どうも凄すぎて伝わらなかったようです〜残念、さ、最後は運試しです」
またも別室に移動。用意されていたのはロシアンシュークリーム。わさび入りは8個中1個だけ。苺の視線を横目に一つだけ取りぱっくん。
「うひっ! わ、わざと一つだけを‥‥引いた‥‥です‥‥嘘じゃないです」
これもお見事にわさびシューを引き当ててしまい、あまりの辛さに半べそで訴えるが、他の出演者達からは冷たい視線。
「うぅ‥‥総合して最後にあれですね、『なんでもこいに名人なし』というか、どれも出来ないですから‥‥『習わぬ経は読めぬ』です。知識や経験がないと出来ないって言う意味です‥‥うぇぇ」
「なんや、えばっても『爾に出ずる者は爾に反る』やな、孤影ちゃんっということで」
すぱこんっ!
豊浦の教訓めいた諺と共にハリセンを頂き、孤影は瞳をウルウルさせて終わった。
●
「さて最後となりました。『何事も三度』意味は物事は一度や二度の失敗で諦めてはいけない。せめて三度はやってみよという、そのままです。一度や二度で諦めず沢山挑戦しましょうね」
最期の締め、郭氏文がいつものようにきっちりと諺を交え頭を下げる。そこに豊浦も一言。
「もぅ終わりやな。今回も『無い腹を探る』ような真似はなく、まあなんやかんやで皆、仲良ぅ、何事も無く終わりやな。『仲良き事は美しきかな』ってな訳で‥‥」
「まったねー」
和気藹々(?)で出演者達はカメラに手を振り、今回も終わりを告げた。